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令和7年度 総務常任委員会行政調査

公開日 2026年02月17日

総務常任委員会行政調査

令和7年11月5日水曜日から11月7日金曜日

 

11月5日 群馬県伊勢崎市調査

<所見>

 総務常任委員会は調査事件である「職員の人材育成について」の参考とするため、群馬県伊勢崎市「伊勢崎市役所」を訪問し、総務部職員課の担当者から、伊勢崎市における取組の内容、効果や課題を伺い、その後、意見交換を行った。

 

(1)伊勢崎市の概要

 伊勢崎市は令和7年10月1日現在の人口が211,806人、世帯数は98,155世帯と、函館市と同規模程度で、総人口の8%は外国人が暮らす多文化が共生する街である。群馬県の主要都市に囲まれ、その中央部に位置しており、明治22年に市制町村制が施行された当時、現在の伊勢崎市は2町12村分かれていたが、幾度の合併と編入の末、平成17年に現在の伊勢崎市が誕生した。世界遺産である富岡製糸場や、いせさきもんじゃが有名である。

 

(2)人財開発・組織開発ビジョンの策定

 令和5年に総務省が人材育成・確保基本方針作策定指針が策定され、伊勢崎市としては、第3次伊勢崎市総合計画が令和7年に公表されるのに向けて、求められる職員像や必要となる資質や能力等を示す人財開発・組織開発ビジョンを策定した。

 策定にあたっては全職員にアンケート、部局ごとに意見交換、3職位に分かれてのワーキンググループ等が実施され、年齢や立場を問わず自由に意見が言いやすい中で行われたこと、市民からも意見を募ったことは素晴らしいと感じた。行動指針を「協働 変革 尊重」、また目指す職員の姿を「ともに紡ぎ・ひらき・未来を創る 人がまんなか伊勢崎市役所」と定めた。

 

(3)iマッチング制度

 各部局が求める職員像と、職員が希望する働く場を繋ぎ合わせるため、iマッチング型人事異動とiマッチング型庁内派遣制度を新たに創設した。自分の強み、貴重な経験を求めている部局で働くことが出来ることは、お互いにとってウィン・ウィンである。

 一方で課題として、庁内フリーエージェント型人事異動制度については、主査級クラスの能力のある職員が対象ということで、所属していた部局側からすると優秀な職員が離脱してしまうことは大きな痛手だということである。しかし、失敗しても良いから、まずはやってみようという考え方や、制度利用者や所属にアンケートを取りブラッシュアップしていきたいということで、数年後これらの制度がどのように洗練されていったのか改めてその動向を確認してみたいと感じた。

 

(4)終わりに

 伊勢崎市における職員の人材育成の取組として、大きな役割を果たしている2点について記載したが、御説明を頂いている中で最も感じていたことは、伊勢崎市役所の目指す姿としても示されている「人がまんなか」という姿勢である。

 採用段階から退職後までの公務員の一生を旅路として図示化したジャーニーマップを作成するなど、職員目線に立った取組を行っていた。iマッチング制度のiは「いせさき」「自分自身」「助け合い」の3つのiが表立っての意味合いであるが、職員へのi(愛)も込められているというエピソードが印象的だった。

 今回、御説明いただいた担当者は自費で国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を取得したと話されていたが、その裏には伊勢崎市においても職員研修にかかる予算が思うようにつかないことも理由であるとのことであった。

 効果として目には見えにくいことであるかもしれないが、今後の市民サービスの向上にあたっては職員の意欲や資質の向上が非常に重要であると感じたため、函館市においても職員の能力が最大限に発揮される環境整備が推し進められることを望む。

 


11月6日 東京都品川区調査

<所見>

 JR大井町駅から品川区役所に向かう道の右側は大規模な開発工事中であった。オフィスタワーとホテル・住居タワーと2棟のタワーが来年3月に完成予定であり、その3年後にはその横に品川区役所の新庁舎ができる。品川区は人口約40万人、面積22.8平方キロメートル。函館市と比べると人口が多く、また圧倒的に面積が小さい。面積に加えて、生産年齢人口や企業の立地が多く、その分行政コストが少なくて済む。(家計でいう貯金のようなものである)基金は960億円、(借金のようなものである)地方債は120億円という本市から見たら大変羨ましい財政状況である。

 今回のテーマである「人材育成」を所管する人事課の職員数は40名と函館市の倍以上。そんな品川区で行われている「人材育成」の中には、予算の裏付けがあって成立するような取組の紹介があった。例えば、博報堂社員による職員研修(クリエイティブな頭の使い方を学ぶ・高めてもらえる研修)に140万円、エンゲージメント調査の外注で600万円といった予算を充てている。また、ヘラルボニー※のデザインが資料の縁取りや職員のIDカードストラップのデザインとして取り入れているように、潤沢な予算があるだろうことを感じた。

 函館市において取り入れることができるものとすれば、お金をかけなくともできることだと感じる。そこで、以下四点を挙げる。

 

・情報発信

 品川区が行なっている「”徹底した”情報発信」をしようとすると労力・コストともに大掛かりになってしまうが、「情報発信」を強化することは函館市でも可能であると思う。例えば、品川区でロジックモデルを作成するのはアウトカム志向ができる人材を増やすためだという。この「アウトカム」は函館市においても以前から事業評価で出てくるワードであるが、市の書類に記載されている、一部の職員が知っている、というレベルではなく、全職員が理解して実際の行動につながるような取組が必要だと感じる。ゆえに理解を促すような情報発信の工夫は真似できると感じる。また発信するだけでなく、職員からの声を集める工夫(品川区では「トランジション」のワークショップでメンバーから多様な意見が挙がったということであった)もできると感じた。

 

・「出る杭」の横のつながり

 品川区の人材育成のキーワードである上記について、函館市でも可能であると感じた。品川では人材育成基本方針ワークショップに「品川を変えたい」という前向きな気持ちを持った職員が12名参加した。同じように函館でも「本気で函館市を変えたい人を求む」という呼びかけをして、指針の改正についてリードしていくような人材を集め、取り組んでいくことができるのではないか。そのためには、変わることを望まない人たち(アンチ)がいる中で、より積極的な職員たちが気後れしたり、潰されることがないように横のつながりを強めて、彼らが出る杭として打たれないような環境づくりが必要だと感じる。

 

・指針を浸透させる工夫

 人材育成について、視覚的・文章的にも覚えやすく共感してもらえるものを作りたい、また区の経営戦略にマッチした人材確保、職員の能力向上等ができる組織づくりに取り組みたい、ということから品川区ではMVV(Mission/Vision/ Value)、スキルピラミッド、ロジックモデル、そしてその成果指標としてKPIを設定している。函館市においても、全く同じではなくても良いので(同じように取り組んでも良いとは感じるが)、函館市人材育成指針について、より理解してもらえる工夫はできると感じる。例えば、函館市の求められる職員像である「夢を持ち、改革に挑戦し、自立する職員」は、非常に良い職員像であると感じている。ただし、このワード自体が職員に浸透しているとは言えない。品川区ではMVVの浸透のために、「トランジション」内で取り上げるほか、MVVカードを作成して名札裏に入れる、ポスターを掲示する、全研修の最初にMVVについて触れるなど様々なことに取り組んでいる。函館市でもできることは多くあると思う。

 

・効果測定

 品川区では、取り組んだ施策を見直す仕組みがないと計画策定しっぱなしになってしまう、ということで事業の実施前と後の検証のために、成果指標を設定し、それを職員アンケートで計測することでPDCAサイクルを回す仕組みを作った。具体的には、実施前と後の値を有意差検定にかけることで効果測定を行なっている。その際、大学等の力を借りながら実施しているとのことである。函館市においても、未来大学等の力を借りながら検証のための仕組みを作ることも可能であると思う。手始めにExcelでT検定のマクロを組むなど平易なものから始めて、それをきっかけに取り組みの効果を測れるようなプログラムが出来たら行政・大学双方にとってウィン・ウィンだと感じる。

 

 以上、函館市でもまねることができる取組はあるが、最後に、人材育成担当課長としての思いを以下に挙げる。この3点は「人材育成」分野だけではなく、行政が行うこと全てに共通することではないかという感想を以て所感としたい。

 

・職員たちが自分事として捉えられるようにしたい!

 

・方針を作って終わりにしたくない!

 

・生きた方針にしたい!

 

 

※福祉施設に所属する作家と共に、新たな文化の創造を目指すアートライフブランド。JALやJR東日本、積水ハウス、BEAMSといった企業との共創(作家の作品を商品の一部デザインに取り入れる等)が行われている。

 

 

 

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