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市長記者会見(令和7年10月27日)

公開日 2025年11月10日

記者会見

日時・場所

  • 日時 令和7年10月27日 月曜日 午後2時00分
  • 場所 市役所8階大会議室

会見事項

会見の様子(動画)

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幹事社質問

(記者)
 民間調査会社「ブランド総合研究所」の2025年市区町村魅力度ランキングで,函館市が2年連続通算8度目の1位になりました。市長の受け止めを教えてください。
(市長)
 函館市が,2年連続で1位の評価をいただいたということは,市長としてはもちろん,
私個人としても嬉しく思っております。
 景観,食,温泉,世界遺産もあって,空港,新幹線,フェリーといった陸海空のアクセスの良さであったり,冬の雪も少なかったり,気候も快適ですし,訪れてよし,住んでよしの,数多くの強みや魅力を持ったまちでありますことから,これまで積み重ねてきたそうした魅力を多くの皆様に評価いただいたと思っております。
 まだまだ伸びしろがあると思いますから,世界的な都市ブランドランキングのトップテンに挙げられるような,より注目していただけるまちになるように,流行をさらに磨き上げて,しっかり情報発信をしてまいりたいと考えております。

 各社質問に入る前に,私から10月23日に発生した市電の事故についてご説明申し上げます。
 令和7年10月23日木曜日の午前11時53分頃,十字街交差点付近で発生しました市電の車両衝突事故についてですが,まずは今回の事故で負傷されました方に対しまして,お詫びを申し上げますとともに,心よりお見舞いを申し上げます。
 また,長時間にわたりまして通行障害が発生して,市電をご利用のお客様にご迷惑・ご不便をおかけしましたことにつきましても,重ねてお詫び申し上げます。
 事故の原因につきましては現在調査中でございますが,現段階では乗務員の信号等の確認不足の可能性が高いと考えているところであります。
 今後につきましては,事故原因の調査を継続して行い,再発防止に全力を注ぎ,利用者の信頼回復に努めてまいります。
 以上でございます。

 

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各社質問

(記者)
 今月8日に行われた市長の市政報告会での話について,2点質問いたします。
 その中で市長は,人口減少対策について触れられていました。その中で,人口減少社会から国全体が生き残るためには,函館が最初に踏ん張らなければいけないという発言がありました。市長は,まちを動かす逆転の灯の一つとして,人材躍動とか,宿泊倍増とか,5つのプロジェクトチームを市役所内部で年内に立ち上げると明言されました。このプロジェクトチームというものが,今ある人口減少対策本部の中で動かしていくのか,あるいはチームとしてこれから具体的に何をしていくのか教えてください。
 報告会の中でもう1つの大きな話題として,2035年に人口減少をゼロにするという目標も掲げていらっしゃいました。一方で,函館が毎年4千人ほどのペースで人口が減っており,ゼロに近づけていくのは,私のような素人目でも,よほどドラスティックな改革をしていかないと難しいのではないかと感じています。
 市長は報告会の中で,ウェルビーイング22とかインクルージョンとかに触れていましたが,先ほど申し上げた5大プロジェクトの推進チームに関して,市役所内にチームを立ち上げるということですが,普段は職員も人事異動があったりとか,本来の業務を抱えてる中で,そういった掛け持ち的なチームを作るよりも,個人的には既存の部を解体して大がかりな機構改革を行うくらいでないと,大きな目標を達成するのは難しいのではないかと思いますが,その辺の思いを改めてお聞かせください。
(市長)
 最後の部分は,プロジェクトチームを作るのではなく,新しい部を作った方が良いのではないかという意味でしょうか。
(記者)
 そうです。
(市長)
 はじめに,プロジェクトや人口減少対策本部との関係についてお話をしたいと思います。
 人口減少対策本部は令和5年度に立ち上げ,その中に部会を作って取り組んでいます。
 何といっても今の人口ビジョンとか社人研が予測している函館の人口減少は,中核市の中でも本当に最悪というか,最速クラスの人口減少のスピードです。函館が最初に踏ん張らなければならないと申し上げたのは,まさにそういう意味で,全国横並びの人口減少のスピードであれば違いますが,中核市という一定の人口の集積もあり,インフラの集積もある。空き家とかが広がると大変な影響があるような集積がある中核都市でありますから,そこがそれだけの早いスピードで,全国をずっと上回るようなスピードで減少していくことになれば,全国でもいち早く大きな危機に直面することになるだろうという,元々そういう認識から色々な考えが始まっています。そうした中で,何とか対処しなければならないということで,そういう意味では先に2035年に人口減少をゼロにしたいに触れたいと思います。
 2035年,今から10年かけて集中的に雇用を増やして,若い世代の人口を増やしたいということです。今何か緻密なデータで積み上げた目標というものではありません。つまり,先ほど申し上げたようにその急落するような人口のグラフを見ると,このままでは大変な危機に直面するだろう。これを少しでも和らげるにはどうするかとなると,対処を待てば待つほどどんどん減ってしまうので,手の打ちようがますますなくなってしまうということです。だから今すぐにやらなければならない。とすれば今から10年間で集中的な雇用の創出を図りたい。できることならば,2035年に一旦自然減を上回るくらいの社会増に結びつけていきたいという思いです。
 先ほどおっしゃられたように,現在年間で4,000人の人口減少ということがあります。自然減,いわゆる生まれる人と亡くなる人の差が自然減ですが,亡くなる人はまだまだ増えていくと思います。特に,一定の時期になると,団塊ジュニアの方がかなりな高齢になってきます。例えば一旦なだらかになっても,また下がっていくようなことは必ず起きると思いますが,早い時期に若い世代というか生産年齢人口のところの人口,今グラフで細くなってるところを少しでも増やしていくことが絶対条件だとに思っていまして,ただそのことを2035年に人口減少を一旦ゼロにできるような,そういう希望曲線を描きたいということを申し上げたところであります。
 それについて,どのようにやっていくのかということでいくつか申し上げた中に,プロジェクトとして5つのチームを立ち上げたいということを申し上げたところであります。これはご指摘があったように,人口減少対策本部を作りましたが,この人口減少対策本部の取り組みの中でも一番困難で実現というか達成しづらいのが,その仕事の分野,産業を強くして雇用を生み出すというところが一番大変なジャンルであります。これまでも部会を作るなり,様々な取り組みをしてまいりましたが,より困難であるということが分かってきているところであります。
 5つのプロジェクトというのは,多分皆さんも感じられたと思いますが,自治体として当然のミッションが並んでいます。雇用を創出する,地場産業を活性化・再生させる,観光都市ですから,観光を強くして宿泊を倍増するとか,そういうやらなければならないことがある意味並んでいますが,それぞれの担当の部というものを決めて,そこが単体でやるよりも,いくつかのチームで共有することで,実は相当力を出せるものです。当たり前に聞こえるかもしれませんが,役所だけではなくて,役所が他の業界なんかも巻き込みながら進めていくときに,1つの部だけではなくて関わる他の部と共有しながら,進めるときに共有することで,1回タスクが増えて時間はかかるかもしれませんが,必ずスピードが上がります。それはもう色々なことで私も経験していますし,それぞれの部局も経験しているところであります。ですから,絶対に必要なミッション,テーマごとに,チームを組んで進めることで,より加速して,より実効性のある人口減少対策を進めていきたいということです。
 具体的にはということでしたが,全部触れるとちょっと時間がかかりますが,どういたしましょうか。
(記者)
 いくつかかいつまんでいただければ。
(市長)
 例えば5つの中でも,やはり重要性を帯びているものは,人材躍動プロジェクトというものがあります。このプロジェクトで考えなければならないことは,もちろん新たな仕事を作っていくということです。1つの例を挙げると,観光需要が喚起されて,それによって宿泊施設の従業員や飲食店など様々なお店の従業員の方が増えるとします。ただそのことはもちろん進めていきます。その他にも企業誘致とか色々進めていきますが,そのことによって,限られたパイの中で取り合いになって,保育とか介護とか,そういうエッセンシャルワークの人手不足がより一層進むことは,これもまたあってはならないと思います。
 ですから,新しい仕事を作って,そちらが強くなるのはもちろんですが,守るべきジャンルもしっかり守らなければならないということです。介護や保育などがより薄くならないように力を尽くさなければならないとともに,これまでもやってきましたが,より一層性別の違いなく能力が発揮できるような社会環境を作るなどをしていくことがこの人材躍動のプロジェクトのポイントになると思っています。
 他にもたくさんありますが,ここまでにします。

(記者)
 来年度の予算編成について質問します。
 収支不足が29億円以上と見込まれる中で,予算要求では,継続事業の経常経費を前年度比2割減を指示されていたかと思います。
 先ほどの話にもありましたが,市長が掲げる人口減少対策の5大プロジェクトなど,新たなものを進めていくためには,新たな予算措置だったり,既存事業の増額ということも必要になるかと思いますが,そういった厳しい財政状況と新規事業の増額というバランスはどう考えますでしょうか。
(市長)
 市の財政状況は,物価高騰の影響とか資材の高騰,労務単価の上昇により,非常に負担が増加しています。そういった急激な変化によって,様々な財政需要が生じていることから,厳しい状況が続いていくと予測しています。限られた財源の中においても,市民の幸福度の向上に繋げていくために,選択と集中の視点を持ちながら予算を編成していくのはもとよりです。
 先ほどプロジェクトの話もありましたが,この5つのプロジェクトについてはプロジェクトのために予算を付けて予算が増えるという順番ではありません。人口減少を抑止できる展開に持っていくために,どこが市の財源を使うべきなのかということだと思います。つまり民間の力や国家プロジェクトとか,その大きな流れとかうねりの中で,函館市やその地域がその流れに乗ったり,その大きな力を活用しながら,産業を強くしていく,そしてまたこれを生み出すしかないと思います。そこには特に大きな予算を付けなくてもできるものもあるかもしれません。1つの例としては,企業誘致をする。もちろん必要なインフラ整備とかに予算がかかってくるかもしれません。あるいはインセンティブのために制度を充実するかもしれませんが,そういうふうに市の予算がなければプロジェクトが進まないということではないと思います。
 ですから,全体の最適解の中で,どこに市の予算をつけるかということを,いわゆる選択と集中をより精緻にとがらせていくためにも,1つの部局だけではなくチームを作って,どこに集中すべきかを考えていきたいと思っています。

(記者)
 先ほどのプロジェクトチームの話にも関わることですが,自然減は増えていくということをおっしゃっていました。そこで社会増を目指していって,現在の年間4千人の人口減を2035年にはゼロにしたいという話だと思います。
 この社会増というところでいうと,日本全体で人口減少が進んでる中で,日本人だけを函館にたくさん来てもらうことはなかなか厳しいのかと思いますが,外国人の労働者とか移住者というところに関しては,どのような施策とか,狙いとか,目標というものはありますか。
(市長)
 一旦ゼロにしたいということですが,ある意味逆算みたいなところがあります。これも粗い考えですが,とにかくどんどん人口が減っていく。このままでは,2070年には8万人を切るような予測もあり得るわけで,これを何とか止めていくためにはここ10年くらいの間に一気に集中的に増やさなければならない,増やすべきだろうということです。ですから,2035年ゼロにしなければだめだとか,そこがマストの目標というデータに基づいて設定しているわけではありませんが,ただこれだけ急減するのであれば,それくらいの気概を持って,また勢いで取り組まなければならないということです。
 それからお話のありました労働者の国籍についてです。
 まず,1番こうしたいと思うのは,函館の高校を卒業されるとか,地元の大学を卒業されるとか,そういう地元の若い方が残りたいという方,たくさんいらっしゃいます。残りたいけれどもマッチするお仕事がないという様々な理由で,東京とか札幌とか,そういうところに流出してしまうということはあります。ですから,何とか若い方が残りたい,そういう気持ちがある方に残ってもらえるような環境を作っていく。
 それから大学とか,就職で,例えば東京にいた方がいるとします。そういう方も戻りたいという気持ちの方はかなりいらっしゃいます。でも,戻りたくてもどういう会社があるのか知らないのであれば,ぜひ情報を届けたいし,戻りたいけどやはり良い仕事にマッチしないという方もたくさんいると思いますが,そういう方にぜひ戻っていただけるように,産業の足腰を強くして,今後の受け皿を作ることが当然といいますか,1番求めていることです。函館に戻りたい,あるいは残りたいと思っている方の気持ちに応えたいということがあります。
 一方で外国人の方ですが,今は自然体というか,かなりの方がここに暮らしてお仕事をなさっていると思います。この傾向は終わるものでもないでしょうし,これからも続いていくだろうと思っています。ですから仕事づくりとか,あるいは地域経済を再生させていく中で,外国人の方がこの地域で働かれるということは,これからも起こっていくことだと思いますし,これから当然そういうことはあり得ると思いますので,もし暮らしにご不便があるとか,何か地域で困りごとがあるとか,あるいはその他何か問題点が出てくるのであれば,そういったことに対処できるような共生できるような,社会の仕組みについて,国も都道府県も色々取り組んでいます。我々も連携しながら,注力したいと思っています。

(記者)
 看護系学部に関して質問します。
 今年3月に検討会議の取りまとめが提出されて以降,函館市の決定というものが未だ出ていないと思います。先ほどおっしゃっていたような生産年齢人口のことであったりとか,地元に残りたいという人を救う措置として非常に重要かと思いますが,今の市の検討状況と,大体いつ頃結論が出されるのか,可能な範囲でお伺いしたいと思います。
(市長)
 有識者からの報告書をいただいて,それに基づいて未来大学への学部設置が望ましいという記述もありましたので,未来大学と協議しているというのが今の状況であります。
 引き続き,これについては検討を進めていきますが,実は10月10日に医師会長をはじめとする函館医師会の役員の皆様から,看護大学の設置につきまして要望をいただいたところであります。医師会からは良質な医療の提供というキーワードもありましたし,それから看護師一人ひとりの能力向上の必要性とか,医療現場で専門的な知見や経験を有する看護師の方に活躍していただくという展開が絶対に必要だという思いを強く感じたところであります。
 人口減少を結びつけてのご質問だったと思いますが,先ほどまでは仕事とか産業の話をしていましたが,医療が危うくなるというのは,まさに消滅可能性都市,消滅に向かう非常に大きな原因になってきますから,何としても医療を,特に良質な医療を守っていくことが重要だとご要望を受けたときに,改めて強く感じたところであります。
 実務者協議を今未来大学と行っていますが,これをしっかり行っていく。今いつ頃とお示しするというのは,協議の進め方次第ということもありますが,できるだけ早い時期にお示しをして,しっかり取り組みを進めたいと思っています。

(記者)
 小型船のスルメイカ漁が,漁獲可能量を超えて休漁になっていることについて質問します。今月中にも国は採漁停止命令をする見込みとなっています。函館の漁師さんからは,死活問題であったり,そもそもTACの制度にも疑問の声が上がっています。市長としてこの事態をどのように受け止めていらっしゃるのか。
 また,漁師さんの補償であったりとか,TACの見直しについて何か国に求めていくものがあるのかなど,今後の対応について教えてください。
(市長)
 現在,小型スルメイカ釣り漁の漁の禁止にまで話が及んでいます。つい最近出た話なので,漁師さんもそうですし,それからお店もそうですし,とにかく関係者はまずは驚いた。その後色々と報道もされる中で,憤りと言ってもいい感情も皆さん持っていらっしゃる。
私もショックです。というのはもちろん資源管理は大事ですが,スルメイカ,特に小型スルメイカ釣り漁に関して,TACの上限が来るという感覚が,漁師さんたちほとんど持っていらっしゃらなかったと思います。そして今年のTACの上限が非常に低く設定されていることを加えて,これは科学的知見とは言えず,私の感覚になってしまうかもしれません。他の例えば4年魚とか複数の年を生きる魚と違って,スルメイカは単年魚なので,どこまでTACの上限,あるいはその資源管理というものをどのように設定するのかということは,まだまだ色々な余地があるのではないかというのが私の印象です。
 先日,水産庁長官とお会いして意見交換をいたしましたが,おっしゃる通り,死活問題です。しかも函館の場合には,漁師さんだけではなくて,活いかとか生け簀いかといったような独特の食文化を求めて多くの人が観光に来てくれます。そこに関わる多くの関係者の方のためにも,例えば,他の漁法の枠の猶予分というものもありますから,そういうものの融通も含めて,水産庁と協議をするというか,早急に要望してまいりたいと思います。

(記者)
 Jリーグのキャンプ誘致についてお聞きします。
 来年度から夏にJリーグの開幕がずれますが,道南でもキャンプ誘致をされていると思います。今どれくらいのクラブから接触が来ていて,どのような形で交渉が進んでいるのか。また,クラブの発表時期はいつ頃を目指して取り組まれているのか,お聞きします。
(市長)
 私自身が関わっていないものもありますから,多分相当数の接触はあると思います。その中で感触の良いところがいくつかあると伺っています。
 おっしゃられたようにシーズンが変わって,Jリーグチームのキャンプが来て,有名選手たちをサッカー少年やご家族が直接見ることができるのは,とても夢を与えることにもなるだろうと思いますし,私自身もぜひ見たいと思っています。いつ発表されるかは,今私は情報を持っていなくて申し訳ありません。相手もあることですから,何かガンガンやるとかそういうことなのかどうかもちょっと分かりませんが,積極的に誘致に取り組んでいることは確かですし,何とか良い結果に結びつけたいと考えています。

(記者)
 話をスルメイカに戻します。市長は22日に東京に出向いて,水産庁長官とお話しをされていましたが,そのとき長官の方から具体的にはどのようなお話があったのか教えてください。
(市長)
 今回は函館市が単体で訪問して,意見交換したというか,もちろんその中には要望も含んでいるのですが,報道機関を入れて公表するような話し合いではなかったので,詳細までは触れるべきではないのかもしれません。
 いずれにしても,先ほど申し上げたような,地域としては非常に衝撃を受けているということとか,死活問題であるとか,そういう地域の実情を私の方からまずお話を申し上げました。多分あの段階では,色々な方法があるということを詳細にお話いただけない段階だったのではないかと思います。
 ざっくばらんに色々なお話はしましたが,逆に言えば,できるかできないかということを,ギリギリと詰める段階では実はありませんでした。
この後もまた要望していきますし,その要望の座組も今色々調整いただいていると思いますが,そうした中で何とか良い回答を引き出すというか,良い回答というのは,今の漁期の中でもぜひ漁が再開できるような枠の調整もしていただきたいですし,何よりこの話は根本に関わると思います。ですから今回だけではなくて,ここでしっかり意見を伝えておかないと,来期にも,その先にもずっと関わることだと思います。しっかりと国会議員のお力も借りますし,それから現場の皆さんのご意見も聞いたり,多分一緒になって要望することになると思います。
 水産庁も,もちろん資源管理も大事ですが,水産庁の方こそ,浜の現場を非常によく知っていらっしゃいます。どれだけこの函館をはじめ北海道のイカ釣りの漁師さんたちが苦しんでいるのかは,実は非常によく分かっていらっしゃいます。それはお話しをして良く分かりましたので,今後もまず地域の実情,地域の声はしっかり伝えるというのが首長の役目だと思います。国会議員の方々と一緒にしっかり要望して,議論を深めて,また1日でも早く漁が再開できるような環境づくりを何とかしたいと思います。

(記者)
 現在函館では,水族館を作ろうという動きが再燃しているかと思います。そちらについて3点お伺いします。
 函館に水族館を作りたいという動きが現在あることについて,どう思っていらっしゃるのか。また,逆にこれまで函館市に水族館がなかったというこの事実についてどう感じていらっしゃるのか,そして最後に,函館市としてこういったプロジェクトに協力できるようなことがあるのかないのか,お伺いします。
(市長)
 3点ご質問いただきましたが,全部互いに関わることかと思います。
 まず,函館は三方を海に囲まれている地域ですから,昔から函館は特に水族館にふさわしいまちというイメージが,地域の内外にずっとあるというか,根付いているというか,そういう声がすごく多いです。ですから,海に親しみやすい環境なだけに,例えばお子さんに見せてあげたいという親御さんもいらっしゃるでしょうし,あとは,他地域の水族館の成功例,最近は大ヒットの水族館はあまりないかもしれませんが,そういう時期に函館にもあったらいいのにという声が盛り上がることが何度もありました。実際に,民間の企業が函館に進出するというのか,民間の活力を使いながら水族館をという動きが盛り上がったり消えたりみたいなことが何度かありました。かなり実現に近いところまでいった時期もありますが,結果的にその企業自体の体力もあるでしょうし,あとはやはり採算が合う合わないというところなんだと思います。総合的に考えて断念されたというようなことがあったりもします。
 今私のイメージとしては,完全に民間の企業が採算が合うような水族館を作りたいというお話がもしあるのであれば,もちろん大歓迎です。ただ,動物園よりもさらにランニングコストがかかる施設ですから,きっと一朝一夕には難しいでしょうし,可能性は高くないのではないかと思います。
 今色々な課題がありますが,先ほど話題になった人口減少で経済が縮小して,そして例えば貧困が広がっていったりとか。廃墟が増えてくるような,そういうようなことにならないように,そのことで苦しむ人を少しでも減らしたいということは非常に大きな1番の課題だと思います。それに繋がるのであれば,もし水族館の建設のプランとか,アイディア,動きがあったときに,市としても協力していくということになるのではないかと考えております。

(記者)
 養殖事業について質問させていただきます。
 先日,キングサーモンの人工授精で育てた魚の卵と精子を使う完全養殖に成功したと発表されました。市長の受け止めをお伺いします。
(市長)
 キングサーモンの完全養殖に成功したことについては大変喜ばしいことで,事業化の第一歩になったというコメントもありましたが,単純に非常にエポックメイキングなことで,大変素晴らしいということに加えて,味とか生産量を安定させていくためにも,次の世代,次の世代と育てていかなければならないので,できるだけ早いペースで事業化に繋げるような動きをしていきたいと思っています。

(記者)
 市長おっしゃっていただいたとおり,事業化については20年くらいかかるのではないかというお話とか,あとは飼育場所とか,淡水が足りないなど,今後の事業化に向けていくつかの課題があると考えています。市として今後,このような課題を解決するための補助金の増額とか,場所の提供といったことは何か考えていらっしゃいますでしょうか。
(市長)
 このキングサーモンの完全養殖に成功したこと一つとっても,函館地域の独特の強みだと思います。このことが大変話題になっていること自体が,函館のある意味ブランドの力を示しているのではないかと思います。様々な課題がまだまだこれから出てきます。関係機関,特に北海道大学としっかり連携しながら,何に集中すべきかということをよく話し合いを今もしていますが,ますますしなければならないと思っています。幅広く検討していきたいと思います。

(記者)
 スルメイカの休漁のことで,先ほど色々お話いただいたので重複するところもあるかもしれません。基準のところ,TACのところで,やはり漁期が同じときに始まっても漁場によっては早く漁獲量が増えてくるところも,実際としては多いと思います。そのあたりの地理的な漁獲できるシーズンの早い遅いというのが反映されてない基準ではないかと感じていますし,あとやはり上限が今回一気に下がっていることについても先ほどお話がありましたが,その上限の決め方というところもありますし,そういったTACの上限の枠組みというところに対しても,もう少し詳細に思うところがあればお答えいただければと思います。
(市長)
 とりあえずまず当面は,少しでも小型イカ釣りの漁業の再開を少しでも早く,また少しでも多く出漁ができるようにしたいという中で,今できることは何か,今やっていただけることは何かということをしっかりと進めていきたいと思います。
 ただ,おっしゃられたように,TAC制度そのもののが,もう安直というとちょっと言い過ぎかもしれませんが,そこに漁師の皆さんも疑問を抱いているということもあります。非常に詳しい研究とか,精緻な情報データを積み重ねた中で,これが決められているものであることは間違いないと思いますが,そうは言っても今ご指摘いただいたとおりだと思います。特に,小型のイカ釣りは地域ごとできめ細かく整理するのが難しい分野なのは確かですが,ただ,どうしてもやはり南から北に回遊してくる魚種ですから,地域性という部分は今全く関係ない状態です。でも,そのことによって今このような衝撃的なことになっているわけであります。
 ですから,どのように地域による漁法や漁獲の仕方,タイミングが違うのかというものを反映できるのかと,本当の意味での公平な制度にするにどうしたらいいのかということは,あまり時間はないと思います。もし,来期以降の話としても時間は限られていると思いますので,できるだけ早くより検討してもらいたいと思いますし,市としても関係機関から情報収集しながら要望活動する中で,どのようなあり方が良いのかについて調べなければならないなと思っています。

(記者)
 水産庁をはじめ国に対する要望活動の中で,方向性としては上限枠をもう少し増やして欲しいということと,増やせなくても違う漁法から持っていきたいという先ほどの割り当ての話の2つの方法があると思いますが,それについてはどちらも目指していくという方向なのか,後者だけなのかというところはどうお考えでしょうか。
(市長)
 色々な方たち,色々な機関がおそらく並行して色々考えていると思います。とにかく結果が出れば,ある意味手法は今に関しては構わないと言うとおかしいですが,上限が増えるのか,それとも別な漁法からの枠から持ってくる,これももちろん公平性のことも考えなければならないと思いますが,今,非常に不公平感を感じて,また死活問題にさらされている小型イカ釣りの北海道の漁師さんが少しでも漁ができる環境もそうですが,他と比べて安定した環境になれるような結果を出せれば,今はどちらということではありません。ある意味両面で考えなければならないことではないかと思います。

(記者)
 9月にテレビの全国番組のワイドショーで市長が出演された,「猛暑の中でも涼しい街」という特集を拝見しました。その中で市長は,「クーラー無しでも寝ているし,過ごしている」「クーラー無しで全然大丈夫」というように函館の涼しさをPRされていました。
 一方で,今年の函館は7月に過去最長となる9日連続の真夏日を記録したうえに,夜も熱帯夜一歩寸前の気温の日も総じてあったと記憶しています。こうした実態に加えて,市では学校へのエアコン導入とか,冷房の効いた公共施設の開放を進めるといった政策の方向性と,今回の市長の発言というのは矛盾するのではないかと私は感じましたし,9月の市議会でも,市議の方から市民に誤解を与える発言ではないかという指摘がありました。
 改めて今回市長のテレビでの発言について,どのように受け止めているかお聞かせください
(市長)
 矛盾はしていませんが,今おっしゃったことは両面でそのとおりだと思います。というのは,絶対値として函館の気温が上がっていて,これまでよりも夏が暑くなっている,あるいは暑い日が続く期間が長くなっているということ全くそのとおりです。ですから,学校のエアコンにつきましても,昨年度から設置を始めています。その前に,まずはスポットクーラーでしのいでもらっているような状態であります。子どもだけではなくて高齢の方であれば,やはりクーラーを適切に使うなどして,体調管理に努めていただくような環境になっていると思います。「はこだて涼しい処(っしょ)」もぜひご利用いただきながら,猛暑のときにはぜひ体調を守っていただきたいと思います。
 一方で,確かに函館も前より暑くなっていると思いますが,例えば東京と比較すると,東京はもっと暑い状況にあるのは間違いないと思います。大変なのではないでしょうか。首都圏をはじめとする皆さんの暮らしが酷暑の中での生活でしょうから,多分クーラーなしでは夜も眠れないというような方がほとんどなのではないでしょうか。そうした方からの声をよく聞きます。それは2地域居住を希望する方とか,実際されている方とか,あるいは観光で旅行されている方とかと接することが非常に多いですので,7月とか8月とかとんでもなく本州や九州,四国が暑いときに函館にいらっしゃった方から「非常に函館は快適だ。非常に涼しい」という声を聞いておりまして,間違いないことだと思います。9月の朝の情報番組でコメンテーターの方とお話をしましたが,その方自身も非常に涼しいとおっしゃっていたのと,何か細かく気温を測っていらっしゃって,東京が何度で今ここは何度とか,そういったことを詳しく調べていらっしゃいました。やはりそこでも「基本差があるんですね」ということをおっしゃっていらっしゃいました。その中で,「ところで市長はクーラーを付けているのですか」という質問がありましたので,私が我慢強いのかもしれませんが,私も家族もわざわざ付けるかというとすぐなかなかそういう判断にならなくて,窓を開けて過ごしている状態だったものですから,そのとおりお話をしました。そうすると,結構私のXに「函館暑いではないか」というコメントも随分あったりしましたが,率直に私の日常についてお話をしたということでした。
 決して矛盾するものではないと思っています。絶対値として函館の気温は上がっていますし,それに対して子どもも高齢者の方も,ぜひ体調管理に気をつけていただきたいと思う一方で,酷暑の中でもし2地域域居住とか移住を考えている方がいらっしゃれば,函館の良い気候の中で過ごしていただくことをPRするのも私の大事なミッションかと思っているところであります。

(記者)
 緊急銃猟についてお聞きします。先週,札幌で道内初の緊急銃猟が実施されましたが,もし函館であのような状況になった場合に適用は検討されるのか,また,現時点で緊急銃猟に対する準備は,どの程度進められていますでしょうか。
(市長)
 これまでも,クマの出没の通報等がありましたら,警察あるいは狩猟団体との3者で緊密に連携しながら現地調査するとか,あるいはヒグマであることを確認しましたら,看板を設置したり周辺住民に速やかにお知らせするなどのことはずっと行ってきたところです。
 この度,緊急銃猟のシステムが整った状況であります。ですから,色々な状況によって状況を確認しなければならないものはもちろん出てくると思いますが,緊急銃猟を行うべきときには,速やかに行うことになっているものであります。
 緊急銃猟に対する函館市の現状についてですが,例えば,今年4月に集中して10件以上出没が確認された戸井地区の出没現場で,市,警察,狩猟団体,北海道の4つの団体により現地で捕獲方法の検討会を開催して,わなの設置位置等について協議を行っていました。実際に1頭捕獲をしたところであります。
 また,5月に出没が相次いだ陣川地区で,先ほどの4団体,市,警察,狩猟団体,北海道,これに地域町会も加えましてヒグマ対策の検討会という形で,緊急銃猟の図上シミュレーションとかあるいは注意喚起,意見交換をしたところであります。
 現在,緊急銃猟のマニュアルを作っておりまして,今後は緊急銃猟の対応の訓練を実施していく予定であります。 

※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

 

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