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百日咳に注意を!

公開日 2025年06月05日

百日咳が増加しています!

 全国的に令和6年から百日咳の発生件数が徐々に増加しています。函館市でも,令和6年以前までは0~1件の発生件数でしたが,令和7年第19週時点で7件となっており,全国同様増加傾向にあります。
 

百日咳発生件数

 

百日咳とは

 百日咳は,「百日咳菌」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。
 百日咳は世界的に見られる疾患で,いずれの年齢でもかかりますが,小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でなく,乳児期早期から罹患する可能性があり,乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症になり,肺炎,脳症を合併し,まれに死に至ることもあります。

症状について

 症状の経過は,3期に分けられます。
※予防接種後の小児や成人では典型的な症状がみられず,軽症で見逃されやすいですが,軽症でも菌の排出はあります。予防接種をしていない新生児・乳児に対する感染源として注意が必要です。

カタル期(約2週間持続)

 通常7~10日間程度(最大3週間)の潜伏期を経て,普通のかぜ症状で始まり,次第に咳の回数が増え,激しくなります。

痙咳期(約2~3週間持続)

 次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。
 夜間の発作が多いですが,年齢が小さいほど症状は多様で,乳児期早期では特徴的な咳がなく,単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ(顔色や唇の色や爪の色が紫色に見えること),けいれん,呼吸停止と進展することがあります。合併症としては肺炎や脳症などもあり特に乳児では注意が必要です。

回復期

 激しい発作は次第に減衰し,2~3週間で認められなくなります。成人の百日咳では咳が長期にわたって持続しますが,典型的な発作性の咳を示すことはなく,やがて回復に向かいます。全経過で約2~3カ月で回復します。

感染経路

 鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染や,感染者と接触したりすることによる接触感染とされています。

治療方法について

 生後6カ月以上は,抗菌薬による治療が検討されます。また,咳が激しい場合には咳止め等の対症療法が行われることがあります。

予防方法について

 有効な予防法は予防接種であり,予防接種法に基づく定期予防接種として5種混合ワクチン(※)の接種が行われています。軽症でも菌の排出はあるため,咳エチケットや適切な手洗いを心がける必要があります。予防接種をしていない乳児がいる場合は特に感染への注意が必要です。

※5種混合ワクチン:百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ・ヒブ感染症の混合ワクチン。2024年4月より,従前の4種混合ワクチンにヒブ感染症ワクチンを加えた5種混合ワクチンが定期接種の対象となりました。

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関連リンク

 北海道感染症情報センター 百日咳
 国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト 百日咳

 厚生労働省 5種混合ワクチン