公開日 2025年03月28日
1.はじめに
近年,日本に訪れるインドネシア,マレーシアなどのムスリムが多い東南アジア諸国からの旅行者が増加しており,飲食店や宿泊施設,観光施設等でもムスリム対応の必要性が高まっています。ムスリム旅行者は,日本の食文化や観光地に魅力を感じていますが,「食事」や「礼拝」の対応に不安を感じる場合が多いです。しかし,ムスリム旅行者への受け入れ対応は,難しいものではありません。小さな配慮や工夫で,安心して迎え入れることができます。本ページでは、ムスリム旅行者への理解を深めていただくほか,ムスリム旅行者の受け入れについて紹介します。
2.ムスリムについて
ムスリムとは,イスラーム(イスラム教)を信仰する人々のことを指します。
イスラームでは,日常生活に関する様々な教えがあり,ムスリムはその教えに基づいて生活をしています。
ムスリム人口は,世界の4人に1人と言われ,全世界に16億人以上のムスリムの方がいると推測されております。
世界最大のムスリム人口を持つ国であるインドネシアでは,総人口のうち9割近くがムスリムであり,マレーシアについても,国の宗教がイスラム教とされており,人口の6割近くがムスリムです。
3.ムスリムの「食事」や「礼拝」について
ムスリムは,あらゆる場面でイスラームの教えに基づいて生活しています。
生活全般にハラール(許された行為・物)とハラーム(禁じられた行為・物)という考え方に基づく規範があります。ムスリムはハラームを避けて生活すべきとされており,食における代表的なハラームは豚肉やアルコール飲料です。また,毎日5回の礼拝という重要な規範もあります。
※イスラームの教えの解釈やその実践方法は,宗派や国・地域,文化,個人によって異なることから,あくまで基本的なものを掲載しております。
① 食事
イスラームの教えでは,豚肉を口にすることは許されておりません。
※豚肉を使用した加工商品や豚のエキス,油脂のほか調味料・添加物等に含まれる豚由来成分も許されておりません。
また,アルコール飲料を口にすることは避けるべきだとされています。そのため,料理酒,みりん,醤油等の調味料にも注意が必要です。
その他,豚肉以外の動物性の食材について,イスラームでは,と畜方法で処理された肉以外を口にすることは避けるべきとされております。
② 礼拝
ムスリムは夜明け前,昼,午後,日没時,夜の1日5回メッカの方角に向けの礼拝を行うことが決められております。礼拝は,清潔な場所で体を清めて行い,礼拝の時間は,日の出・日の入りにより毎日異なります。
また,旅行中は,朝、昼食前後から夕方、夜の3回礼拝するなど,礼拝の回数を減らす方々もいます。
4.ムスリム旅行者のおもてなしガイドブック
観光庁では,ムスリム旅行者が訪日した際に,宗教的・文化的な習慣に不便を感じることがなく,安心して快適に滞在できる環境の向上を図るため,ムスリム旅行者の食事や礼拝に対する習慣やニーズをもとに「ムスリムおもてなしガイドブック」を公表しております。
このガイドブックは,新たにムスリム旅行者を受入れようとする飲食店,宿泊施設等の受入関係者に対し,主に食や礼拝への配慮について,具体的で実践的な対応方法や英語による問い合わせ用対応文例集をまとめた内容です。
観光庁「ムスリムおもてなしガイドブック」4種類