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令和6年度 民生常任委員会行政調査

公開日 2024年12月25日

民生常任委員会行政調査

令和6年11月6日水曜日から11月8日金曜日

 

11月7日 福井市調査

 福井市での行政調査の様子

<所見>

 

(1)窓口開設の背景・経緯
 ・「ご遺族サポートコーナー」は全国でも開設する自治体が増えており、令和2年5月には国が「おくやみコーナー設置ガイドライン」を発出した。
 ・福井市で令和2年度から身近な方の死亡に伴い、主な手続きをまとめた「ご遺族サポートハンドブック」の作成と、同時に専用窓口開設の準備が進められた。

(2)「ご遺族サポートコーナー」の概要
 ・受付時にご遺族から死亡者氏名、住所などの基本情報を聞き取り、必要な手続きを抽出し提示するとともに、基本情報が記載された申請書を一括作成することで、ご遺族の負担軽減を図る。
 ・令和3年4月20日試験運用開始、同年6月21日、本格運用開始。

(3)窓口開設に当たって
 ・ワンストップ化を実現
 ・専門の職員2名(会計年度任用職員)を配置
 ・原則1日8件の事前予約制(4コマ×2ブース)
 ※必要手続きを抽出するために当日予約は不可
 ・9時から10時半、10時半から12時、13時半から15時、15時から16時半

(4)窓口で行える手続き
 ・68業務(20所属)
  申請書等の受付ができるもの:28業務
  説明のみ行い、後日申請書等を郵送するもの:12業務
  担当課へ案内するもの:28業務
 ・予約を受けた時点で関係部署へ必要手続きを確認する。

(5)窓口の周知方法について
 ・死亡届の提出者(葬儀業者、ご遺族)に対し、「ご遺族サポートハンドブック」を配布、市HPでの周知。

(6)窓口の利用状況
 ・令和4年度:死亡者数 3,415名 受付件数 1,488件 利用率 43.6%
 ・令和5年度:死亡者数 3,323名 受付件数 1,468件 利用率 44.2%
 ・窓口の利用時間(令和5年度)
  受付利用最大時間:90分、受付利用最小時間:6分
  受付利用平均時間:28分
 ・利用状況に対する評価
  「親切で丁寧な対応、担当者がベテランで安心して聞けた」
  「予約制で待ち時間がなく、予約時に必要なものを教えてくれるところがよい」
  「他の課や窓口に同行して案内してもらえたので、効率よく回れた」
  「年金や相続関係など市の行政以外(国、県など)の総合的な手続きを望む」など

(7)まとめ
 死亡後の手続きは多岐にわたり、複数の窓口で同じ内容の説明、記入が求められ、役所の滞在時間が長時間にわたり、各種手続きに慣れていない高齢者のご遺族にとって大きな負担となっているのが現状。当市では,市役所での各種手続き等を取りまとめた「おくやみハンドブック」を作成し、ご遺族の利便性を図っている。
 今回の調査によって「初期費用はパーティション、案内板などで非常に安価」、「人員は業務内容に精通した元市職員を採用している」ということが分かり、死亡に関する行政手続をいわゆる「ワンストップ」で行う窓口の開設へのハードルは非常に低い、当市においても導入の可能性は非常に高いことが指摘できる。
 さらに、印象的だったのはワンストップサービスを導入したことで、遺族にとっても利便性が非常に高まると同時に行政にとっても業務の効率化が図られることであった。
 それぞれの窓口で行う業務内容は変わらないが、ご遺族に対して、事前に必要な書類等を周知し、準備してもらうことで、従来は数時間から半日かかっていたものが「受付利用平均時間は28分」から分かるように、劇的に効率化が図られ、ご遺族、行政の双方にとって非常にメリットが大きいことが分かった。

 


11月8日 墨田区調査

墨田区での行政調査の様子

<所見> 


 墨田区の人口動態はさらにあと10年は人口増加が続き、一方で高齢化も相まって亡くなられる方々も増加すると推測される。また、下町ながらの人間関係も希薄化してきおり、併せて外国人の転入者も多くなってきていることなど、種々の観点から「おくやみコーナー」の設置は喫緊の課題であるとの思いが部長や担当者の言葉から伝わってきた。区民部窓口課で、議会からの提案や区民からの要望を踏まえて、まず区役所内の職員間の意思疎通に心を砕いた、との区民部長の答弁はかなり実感が伴っていた。職員は皆区民のために働きたいとは思っているものの、新しいことには尻込みして中々重い腰を上げたがらない。多分、これは大なり小なりどこの自治体でも起こることであり、本市の場合も同様のことが起こり得ることを予想しておくべきではないか。また、実際に担当する窓口課であっても思うように理解が進まなかったとのこと。ましてや、直接担当しない部署にとっては余計な仕事が増える、この忙しい時に…というのが偽らざる本音なのだろう。しかし、いざ始まってみると、おくやみコーナーに来られた区民に直に接し、最後にお礼の言葉を掛けられて、やって良かったとの職員の声に安堵したとのこと。おくやみコーナーの設置に尽力された区民部長、窓口課の職員の皆様に心から敬意を評したい。
 函館市の場合も高齢化の急速な進展に伴い、お亡くなりになる方は増え続けることは予想される。また、町会加入率の減少や地域コミュニティの希薄化も顕著になり始めており、本市にとっても「おくやみコーナー」の設置は急ぐべきと思われる。墨田区と本市は人口規模が同程度で、さらに本市は墨田区の約1.5倍の死亡者数であることを踏まえ、1日の予約数、担当者の確保、予約方法等についてはしっかり検討すべきである。実際に、本市で設置する場合には本庁舎と亀田・湯川両支所が中心になると思われる。最初から完璧な運営を望むのではなく、多少の試行錯誤を経ていく中で市民の声を的確に捉え反映させていくことができれば良いのではないか。
 「おくやみハンドブック」も最初からベストのものを用意できなくても、市民の声を汲み取りながら、改訂版を出すごとにシンプルに使い勝手の良いものにバージョンアップさせていけば良いのではないか。さらに、可能ならば市内の全ての世帯に「おくやみコーナー」の設置を周知していただきたい。その際には、高齢世帯には大きな字で簡潔な表現の紙ベースのものが良いと思う。併せて、市のホームページへの掲載、新聞への掲載等の広報、町会関係者・民生委員等・葬祭業者等への周知もぜひお願いしたい。
 まず、職員間の意思疎通、そして、実際始まってから市民から感謝の声が寄せられ、さらに改善が図られていき、本市にとってはなくてはならない市役所のコーナーになることを心から期待している。

 

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