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目指す子ども像を共有した教育活動~中学校区における小中一貫教育の取組について~

公開日 2024年06月17日

 

小中一貫教育の取組について

1 法令・学習指導要領

教育基本法では,第5条第2項に「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い,国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う」という義務教育の目的が定められ,学校教育法でも,小・中学校共通の目標として義務教育の目標が規定(第21条)されています。
 また,学習指導要領には,学校段階間の接続に関して,次のような記述が見られます。

 

(以下「学習指導要領解説・総則編より抜粋)
 1.小学校教育には,学級担任が児童の生活全般に関わりながら,各教科等の指導を含めた児童の育ちを全般的に支えることを通して,幼児期の教育を通して育まれた資質・能力を受け継ぎ,児童に義務教育としての基礎的な資質・能力の育成を目指した教育を行うことが,2.中学校教育には,学級担任による日常的な指導と教科担任による専門性を踏まえた指導とを行う中で,小学校教育の成果を受け継ぎ,生徒に義務教育9年間を通して必要な資質・能力の育成を目指す教育を行うことがそれぞれ求められる。このような観点から,小学校と中学校の接続に際しては,義務教育の9年間を通して児童生徒に必要な資質・能力を育むことを目指した取組が求められる。具体的には,例えば同一中学校区内の小学校と中学校の間の連携を深めるため,次のような工夫が考えられる。

 

  • 学校運営協議会や地域学校協働本部等の各種会議の合同開催を通じて,各学校で育成を目指す資質・能力や教育目標,それらに基づく教育課程編成の基本方針などを,学校,保護者,地域間で共有して改善を図ること。
  • 校長・副校長・教頭の管理職の間で,各学校で育成を目指す資質・能力や教育目標,それらに基づく教育課程編成の基本方針などを共有し,改善を図ること。
  • 教職員の合同研修会を開催し,地域で育成を目指す資質・能力を検討しながら,各教科等や各学年の指導の在り方を考えるなど,指導の改善を図ること。
  • 同一中学校区内での保護者間の連携・交流を深め,取組の成果を共有していくこと。

 

 特に,義務教育学校,中学校連携型小学校及び中学校併設型小学校においては,こうした工夫にとどまらず,9年間を見通した計画的かつ継続的な教育課程を編成し,小学校と中学校とで一体的な教育内容と指導体制を確立して特色ある教育活動を展開していくことが重要となる。

 

2 小・中学校の違い

一般的に,小学校と中学校における教育活動との間には,法令や学習指導要領等に規定されている事柄に加え,6-3の義務教育制度が導入されて以降の長い時間の中で,いわば学校の文化として積み上げられてきた大きな違いが存在しているとの指摘があります。主なものとしては,次のようなものがあります。

  1. 指導体制の違い(小学校:学級担任制/中学校:教科担任制)
  2. 指導方法の違い(小学校:小学生の発達段階を踏まえた日常生活に根ざした比較的きめ細かい指導,/中学校:中学生の発達段階を踏まえた比較的抽象度の高い内容を含めた指導)
  3. 家庭学習の違い(小学校:宿題の教科間の調整がなされやすい/中学校:宿題の教科間での調整がなされないことが多い,部活動その他で時間に追われる,進路選択を念頭に置いたストレスが高まる)
  4. 評価方法の違い(小学校:定期試験は実施されない/中学校:定期試験が実施され,小学校よりもテストに向けた計画的な学習が必要となる)
  5. 生徒指導の手法の違い(中学校では思春期を迎える生徒を指導することもあり,小学校と比較して規則に基づいたより厳しい生徒指導がなされる傾向)
  6. 部活動の有無(中学校から部活動が始まり,放課後や休日の活動を行う機会も増える,先輩・後輩の上下関係が人間関係に占める割合が高まる場合がある)

 

3 小中一貫教育が求められる背景

子どもたちは小学校1年生から中学校3年生までの義務教育9年間の中で,日々の学習を積み上げて成長していきますが,例えば,

  • 小学校低学年の教員は,中学校での学習や子どもたちが中学校を卒業するときの姿をイメージしながら日々の教育活動を行っているのか
  • 中学校の教員は,小学校のどの学年で何を学んで,何につまずいて今の子どもたちの姿があるのかを知った上で指導に当たっているのか

といった問いに向き合い,目の前の子どもたちの課題に応じた対応を模索することが一層求められています。一般的に,小中一貫教育の推進が求められる背景には,次のようなものがあげられます。
 

  1. 発達の早期化(6-3以外の柔軟な学年段階の区切りによる成果,思春期の早期化や興味関心の多様化,個人差の拡大などを背景に,高学年におけるより専門性の高い指導の必要性や多くの大人が多様な視点で関わる必要性)
  2. 中1ギャップ対応(いじめ・不登校・暴力行為等の急増,学校の授業がわかる・学校が好き・勉強が好きと回答する生徒の激減)
  3. 学校に対する社会性育成機能の要請(少子化,核家族化,三世代同居の減少,ひとり親家庭・共働き世帯の増加,学校の小規模化)
  4. 学校現場の課題の多様性・複雑化(貧困・虐待など複雑な家庭環境で育つ児童生徒の増加,特別な支援が必要な児童生徒の増加)

 

4 函館市の取組

函館市においては,平成30年度から,すべての中学校区内において,校区を同じくする小・中学校で学校教育目標や目指す子ども像を共有し,各学校の学校経営要項に明確に位置づけ,すべての教職員が共通認識に立った上で教育活動を行っていくこととしました。
 これは,各中学校区において,義務教育9年間を通して育成しようとする資質・能力を明確にし,それぞれの学校段階の役割を明確にするとともに,各学校が連携して取り組むべきことを浮き彫りにし,各学校で行われる教育指導を一層効果的なものとしようとするものです。
 なお,函館市では,現在,コミュニティ・スクール(※)の導入が完了しており,中学校区内で一つの学校運営協議会を設置する事例も見られます。今後,「地域とともにある学校づくり」や,地域と学校が連携・協働して地域全体で子どもたちの成長を支える取組とも関連づけながら,地域の小・中学校が連携した取組の一層の充実に努めていきます。

 

※コミュニティ・スクールとは,学校と保護者や地域住民がともに知恵を出し合い,学校運営に意見を反映させ,一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進める法律に基づく取り組みのことです。それぞれのコミュニティ・スクールには,教育委員会や校長に意見を述べることができる合議制の学校運営協議会を設置します。平成31年度に全市立小・中学校,幼稚園,高等学校において,コミュニティ・スクールを導入しました。

 

 

各中学校区の取組

  1.  青柳中学校区 [青柳中学校・弥生小学校・青柳小学校・あさひ小学校]
  2.  港中学校区 [港中学校・港小学校]
  3.  巴中学校区 [巴中学校・中部小学校・北星小学校・中島小学校・柏野小学校・大森浜小学校]
  4.  深堀中学校区 [深堀中学校・駒場小学校・深堀小学校]
  5.  湯川中学校区 [湯川中学校・日吉が丘小学校・湯川小学校]
  6.  戸倉中学校区 [戸倉中学校・高丘小学校・上湯川小学校]
  7.  旭岡中学校区 [旭岡中学校・旭岡小学校]
  8.  鱒川中学校区 [鱒川中学校・鱒川小学校]
  9.  銭亀沢中学校区 [銭亀沢中学校・銭亀沢小学校]
  10.  赤川中学校区 [赤川中学校・赤川小学校・神山小学校]
  11.  桔梗中学校区 [桔梗中学校・桔梗小学校・中の沢小学校]
  12.  亀田中学校区 [亀田中学校・北昭和小学校・昭和小学校・中央小学校・北美原小学校]
  13.  五稜郭中学校区 [五稜郭中学校・八幡小学校・万年橋小学校・千代田小学校・昭和小学校・亀田小学校]
  14.  本通中学校区 [本通中学校・鍛神小学校・東山小学校・本通小学校・南本通小学校]
  15.  北中学校区 [北中学校・北日吉小学校・東山小学校]
  16.  戸井学園校区 
  17.  恵山中学校区 [恵山中学校・えさん小学校]
  18.  椴法華中学校区 [椴法華中学校・椴法華小学校]
  19.  南茅部中学校区 [南茅部中学校・南茅部小学校]

お問い合わせ

教育委員会学校教育部 教育政策推進室学校再編・地域連携課
TEL:0138-21-3550