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市長記者会見(令和6年5月21日)

公開日 2024年05月30日

更新日 2024年05月30日

記者会見

日時・場所

  • 日時 令和6年5月21日 火曜日 午後3時
  • 場所 市役所8階大会議室

会見事項

会見の様子(動画)

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幹事社質問

(記者)
 人口戦略会議が4月,全国の自治体の持続可能性に関する分析結果を発表し,函館市は若年女性の減少率が50.7%で,2014年の試算より9.9ポイント改善したものの,中核市の中では,青森市52.7%減に次ぐ高さとなりました。
 また,死亡が出生を上回る自然減対策だけではなく,転出が転入を上回る社会減対策が極めて必要とされました。
 こうした指摘をどのように受け止められましたか。
 また,人口減少対策に関して,市長の描くビジョンとそれを実現するために,これから手がけていきたい施策についてお聞かせください。
(市長)
 まず,消滅可能性都市のリストに10年前も載っていましたし,また今回も載っていました。10年前の消滅可能性のリストは,2010年のデータを基に作られ,今回は2020年のデータを基に作られたものと聞いています。
 この10年間で9.9ポイント改善されたということですが,これはおそらく外国人の関係で全国的に少し改善があったという評価があり,それがおそらく函館にも当てはまっているのではないかと思います。いわゆる自然減の対策とか,あるいは社会減の対策については,非常に厳しく受け止めています。
 消滅可能性という言葉だけを聞くと,何か静かに人口が減っていって,やがて消滅する可能性があるというイメージを持たれるかもしれませんが,これはまず希望がないという意味で,もう未来永劫ずっと人口が減っていくということになります。これは若い人にとって本当に苦しい状況がずっと続くことになって,静かに人口が減るというだけのことではなく,非常に大変なことだと感じています。
 ただ静かに人口が減るだけではありません。経済が縮小するということは,もちろん子どもの貧困の度合いも増してきます。それで苦しい生活を強いられる人々がどんどん増えていきます。その他,社会環境も悪化していかざるを得なくなります。つまり,静かに人口が減るということは,必要な苦しみを伴って,痛みを伴うものだということに当然なってくるわけであります。それがいつまでも続き,どこまでいっても安定することがないという状況で,それが消滅可能性の都市に挙げられた意味だと思います。ですから,何とかこの流れを止めなくてはいけないという思いを,さらに強くしたところであります。
 それに対してどのように対応していくのかというご質問でありましたが,これまでの対策は,木で言えば枝のような対策ばかりを打ってきたことになろうかと思います。いわゆる幹になるような施策がないなかで,枝を集めても効果が上がらないことが,この10年間で明らかになったと思います。
 地域の中だけで考えていく,あるいは私の頭の中だけで考えていけることは,本当にたかが知れています。色々な方々の知恵を集めて,そして,市役所も地域も一丸となって,この対策に幅広く,効率的に取り組んでいかなければ打開できないと考えています。
 人口減少対策本部をもちろん中心としながら,様々な関係機関,それから多くの方々からの情報とか有益な意見を伺いながら,打開策を探していきたいと考えています。

(記者)
 関連の質問で,このような中で若年の女性が減っていることが,やはり注目されています。人口戦略会議では,20歳から39歳,函館市では男女は問うていませんが,20歳から29歳までをターゲットというか,一つの大事な若年層としています。そこをどのように流出を食い止めるのか,または進学等で出ていってしまった方にどのように戻ってきてもらうのか,そういうところをどのようにやっていけば良いと思っていらっしゃいますでしょうか。
(市長)
 人口減少の原因とか背景というのは,非常に複雑で,またそれ故に大変解決が難しいものであります。ですから,何か限られた特効薬で全て解決できるわけではありませんが,人口減少対策本部では,仕事,それから子ども・子育てといった未来への投資の部分,それから移住といったことに力を入れながら検討していくことになりますが,やはり,今ご質問であったとおり,20代,30代というように,年代をどこで区切るのかということはありますが,とにかく若い人に選ばれなくなってしまっている現状を何とかしなければならない。若い人から選ばれるまちにならなければならない。
 そうであるとすれば,先ほど人口減少対策本部で取り組むべき3つに加えて,やはり都市の魅力,都市ブランドが確立されていることは,非常に大きなポイントだと思います。
 幸い函館市は,観光というジャンルにおいて非常に注目されております。その意味では,都市ブランドがあるということは申し上げられると思いますが,しかしこの都市ブランドというものは,当然黙っていていつまでもあるわけではありません。自らブラッシュアップをすることは,行政がやることではありません。地域の皆さんが知恵と汗と努力で,この都市ブランドをこれまでも築き上げてくれて,それを維持しているわけでありますが,ここが黙っていてもこのままであるという保証は全くないわけでありまして,ここを大胆なと言いますか,先ほど申し上げた枝ではなくて幹となるような有効な施策を取り組むことによって,自らも磨きをかけて都市ブランドを維持していくことも重要だと思っています。
 この人口戦略会議が特にフォーカスしている20代と30代の女性の減少が今回切り口として焦点が当てられていますが,やはりそのような女性が働きやすい環境づくりがまちづくりにとって重要な視点だと思っています。
 選挙のときに掲げた8つの扉の中にも,そのような女性の視点が重要で考えていかなければならないということも訴えさせていただきましたが,あらためて女性が働いて,より輝いていける社会づくりについて検討をしていきたいと考えています。

 

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各社質問

(記者)
 人口減少の話に関連して質問します。以前,新幹線の函館駅乗り入れが人口減少も含めた起爆剤になり得るという発言があったと思いますが,あらためてこの新幹線乗り入れが人口減少対策とどのように繋がってくるのか教えてください。
(市長)
 繰り返しになりますが,人口減少対策は,何か一つ特効薬があるというものではありません。つまり率直に言ってしまえば,新幹線が函館駅に乗り入れることで,人口減少が止まるということではありません。
 ただ,先ほど言ったように枝になるような施策をいくら集めてもなかなか効果が出なかったのは,既に明らかになったわけでありまして,そういう意味ではこれから実行する施策,その枝のような施策が生きてくるような幹になり得るもの,そういう新しい変化のあるもの,それが函館駅乗り入れということがいえると思います。
 函館駅の乗り入れは,そもそも非常に難しいことですが,それ一つでバラ色になるようなものでは当然ありませんので,人口減少対策を総合的,そして有効な施策を幅広く,そしてベストミックスさせて取り組んでいきます。そして,もちろん函館市だけでやることではありません。北海道も大変人口減少していますので,北海道の施策と,それからもちろん国全体の政策とうまくかみ合うような形で取り組んでいきたいと思っています。

(記者)
 それに関連して,乗り入れた後のまちづくりというところも非常にそのような対策に関連してくるかと思いますが,乗り入れた後のまちづくりについて,今のところどのような考えをお持ちでしょうか。
(市長)
 乗り入れた後のまちづくりということですが,乗り入れた後のまちづくりを今何か緻密に描いていて,それを例えば議会とか市民の皆さんにお示しをするという段階ではありません。しかも,おっしゃっているまちづくりは,多分都市計画とか,都市開発のことだけをおっしゃっているのではないと思います。おそらく福祉のこと,それから子どもの要素でありますとか,それから生活インフラの整備など,そのような利便性の向上とか,様々なことを踏まえておっしゃっていると思います。
 これについては,それぞれの分野に計画があり,それの上位計画が総合計画とか,例えば活性化推進計画もそれに当たると思いますが,そういうものに基づきながら進めていきますが,それだけでうまくいかなかった部分があると思っています。その部分は大きいです。そこを今大きく変革しなければならない,そういうときです。
 それを地域の中だけで考えるというか,役所の中だけで考えて難しいのであれば,地元の皆さん,それから経済界の皆さんもそうですし,もっと広く草の根から意見をいただくこともそうですし,もっと外部の人の意見を入れても良いかもしれません。
 いずれにしても,ダイナミックにこのまちが変わらない限り,これだけ中核市の中でも最悪レベル,多分数え方を変えれば中核市最悪の人口減少です。ものすごいスピードですから,そう簡単に止めることはできないと思います。相当な覚悟を持って取り組まなければならないと思っています。

(記者)
 新幹線についてもう1つ質問します。乗り入れについて,先週,民間のフォーラムが開催され,市長もマイクを握られたかと思います。今後,市民の意識醸成とか,経済界とか,関連団体との協議も引き続き行っていかなければいけないかと思いますが,今後どのように市として話をして進めていこうということについて,今のところ何かありますでしょうか。
(市長)
 関係機関は非常に多くありますので,そことお話をしていこうと思っています。並行しながら議会での議論を深めていきます。おそらくどんどん疑問点が出てくると思いますから,市議会としっかりと議論を深めていきたいと思います。
 そして,関係機関とお話を始めていきますと,その中でも,多分かなり多くの論点,あるいは疑問点が出てくると思います。それを整理していって,それに対して一つ一つ対応していくことで,今は調査結果しかありませんが,この乗り入れについての考え方のレベルがどんどん上がっていくということが起きてくると思います。そのような中で,先ほど機運を盛り上げるという話がありましたが,機運を盛り上げて何かいたずらにアジテーションするようなつもりはありませんし,もちろんそういう段階ではありません。
 関係団体と協議したり質問を受けて答えていくなかで,論点を明らかにして高めていく段階です。もちろん,そこにあまり時間はありませんが,取り組んでいきたいと考えています。

(記者)
 新幹線関連でお伺いします。何度もコメントをいただいているところで申し訳ございません。札幌延伸の延期の判断が示されそうだという段階ですが,それについての受け止めについて,あらためてお伺いします。
(市長)
 先般,鉄道運輸機構から2030年度の開業が極めて困難だという発表がなされたところです。これについては,函館,それから道南としても大きな衝撃を受けています。というのは,函館,道南から札幌まで,現状4時間くらいかかりますが,北海道新幹線が札幌開業をすることによって,約1時間というレベルにまで短縮をするということで,時間距離が本当に劇的に変わります。また,文化とか,そういったものも含めて大きく社会が変わってきます。そこにはものすごく大きなチャンスがあるわけで,それが2030年度に到来するということを踏まえて,函館市も,それから近隣の町でも行政を進めてまちづくりに取り組んできました。ですから,2030年度に開業することが困難だというお話が出たことは,大変遺憾であります。
 これから,北海道新幹線建設促進道南地方期成会というスキームもありますし,あるいは札幌市長を筆頭とする沿線自治体の建設期成会もあります。もちろん道庁を中心とする北海道新幹線の建設期成会もありますので,そういったところで,もう一部では動いていますが,国土交通省とか,あるいは鉄道運輸機構になると思いますが,そういったところに1日も早い開業を求めていきますし,それから現時点での開業時期が示されていない段階であります。また,なぜこの時期に2030年度の開業が極めて困難であるという事態になったのかについての丁寧なご説明も含めて要望していきたいと,北斗市長とか,他の首長とお話をしているところです。

(記者)
 広島県安芸高田市の石丸市長が,東京都知事選出馬されるというニュースが出ていたと思います。以前会見の中で市長同士で繋がり合っている場があったりするというお話がありました。石丸市長と繋がりがあるかどうかは分かりませんが,もし繋がりがあれば,そういったところとか,あと市町村の首長が東京都の知事に出馬されたことについての感想みたいなところをお伺いできればと思います。
(市長)
 安芸高田市長と交流とか親交とかは,これまで一切ないところであります。
 いずれにしても,今回確か,まもなく1期を務め終える状況で都知事選に出馬されるようで,非常に若くてアイディアと行動力のある方ですから,大変注目していました。今回,新しい道に挑戦されるということですが,ああいった若くて勢力的な首長がどんどん活躍をされることは,本当に素晴らしいことだと感じました。

(記者)
 宿泊税について伺います。宿泊税については,昨日,北海道と函館市の意見交換会が行われまして,そこで宿泊事業者の方々からなぜ宿泊業が対象なのかとか,宿泊費が安い施設ほど負担割合が大きくなるのではないかとか,そういった反発の声がたくさん出ていました。こうしたことも含めて今関係団体から色々と声を集めているところかと思います。こうした意見の受け止めと今後の議論の進め方について,どのように進めていくのかについてお伺いします。
(市長)
 宿泊税については,先ほども都市ブランドが非常に大事ということを申し上げました。都市ブランドには色々なジャンルのプラントがあると思いますが,函館の場合は,特に観光の魅力によって都市の魅力度,ブランディングが築かれてきたという特徴があります。そのため,観光産業を守り,そして発展させることに加えて,函館の重要な武器である都市ブランドを維持していくためにも,観光の取り組み,あるいは市が一定程度予算をしっかり出していくことは極めて重要で,欠かせないことになります。
 一方で,恩恵を受けるところが割と幅広いものではありますが,都市ブランドを維持するためにどんどん市の財政,予算をつぎ込むことよりも,函館に入ってきてくれる方,つまり観光客,旅行客の皆さんの利便性を高めたり,またその方々を呼び込むためにプロモーションを行ったり,そのプロモーションがあって来てくれた旅行客の皆さんだと思いますので,外から来てくれる方々から財源をいただいて,観光の基盤をつくり,また観光客の利便性を確かなものにするということが市民理解を非常に得られやすい方法になります。そうした意味でも,今回観光のための新たな財源として税を検討しているところでありまして,これについては非常にやらなければならない大事なポイントになります。
 昨日の説明会のなかで,宿泊代が高いホテルもあれば,真ん中くらい,あるいは安いホテルもある中で,宿泊代が安いホテルについては,負担が大きくなるのではないかという意見があったということでご質問にありましたが,これは徴税の色々な手法があるなかで,今回は北海道の検討案とほぼ同じような段階の設定にして,宿泊代の高いところと安いところで税の金額を変えるなどの案にしたところであります。個々のホテルで温度差はあると思いますが,今,市が示しているのはこうした段階制の案でご説明をしていますので,丁寧な説明をしていってご理解をいただければと思っています。
 それから,ホテル以外からも観光目的の税を取った方が良いのではないか,なぜホテルだけなのかということですが,これは最初に言ったとおり,あまねく市民の皆さんからいただいた税金を観光だけに投じるということではなく,観光を維持して守るための予算であれば,観光で来ていただいたお客様からいただいた税を財源とした方が理解されやすいだろうということで考えているものでありまして,今回の宿泊税についても,ホテル事業者から税金をいただくという立てつけではなく,宿泊者の方の宿泊代に上乗せする形で税金をいただくことがこの宿泊税の構造であります。ただ,事実上はホテル側とそれから旅行会社を通しているケースがあって,宿泊事業者に負担がかかってくることは承知しておりますので,ホテル事業者に対しては,ご苦労といいますか,実際に徴税の手間もかかってきますので,そういったことについてのフォローもしなければならないと思っています。
 ご質問のあった宿泊事業者以外のところから観光の目的税を取るという,いわゆる財源の議論については,コロナ前にこれに関する検討会議を函館市で行いまして,議論されたところでありますが,やはり簡素な形での税体系であるとか,あるいは一定程度まとまった金額の税金をいただけるということも重要なポイントです。そういった観点から,宿泊税という形で観光の財源を得ようという話し合いが持たれまして,今もそれに則ってご説明をしているところでありまして,これについてもご理解をいただけるように努力していきたいと考えております。

(記者)
 総合ミュージアムの整備に関して,現在も協議が進んでいると思います。施設を集約するのか,分散して周遊してもらうという考えもあるのかと思いますが,市長はどのようにお考えなのか伺います。
(市長)
 これは,今の段階で私が何か答えを出す段階のものではありません。総合ミュージアムですから,総合的なものを作ることについてご意見をいただき検討している段階です。
 大切なのは,今人口減少のこともありましたが,経済を活性化するとか,あるいは福祉で暮らしを支えるということのその先に何があるのかというと,やはり心の潤いとか,感動とか,文化芸術が進行していくことが極めて重要だと考えています。
 そうした中で,割と点在している文化施設を総合ミュージアムという形で函館の文化を象徴するような,また文化の発信・交流の拠点となるような施設をどのように考えていくのか広く意見を聞いているところでありますので,まずはその議論をしっかり見守っていきたいと思います。

(記者)
 台湾からの観光客の方に関して質問します。タイガーエア台湾の台北-函館線が運行を再開してから今月で1年が経過しました。市長ご自身も,昨年台湾に自ら足を運ばれて,運航再開とか,あるいは新規就航のお願いについて行脚されていたかと思いますが,そこから現在スターラックス航空も就航して現在2社ということで,コロナ前と同数まで戻ってきた段階かと思います。
 これから,新規就航とか運行再開といった形で,コロナ前以上に呼びかけというところに注力して,台湾からの観光客への呼び掛けというところにあらためて注力される部分があるのかどうか,市長のお考えを伺いたいと思います。
(市長)
 台湾は,北海道観光の歴史が長く,もう何十年も北海道ブームが続いていて,北海道愛が非常に強いところです。函館に就航していた海外航空便の中で台湾便が非常に多く,海外の定期航路便がなかったときに運航していたチャーター便のうち,ほとんどが台湾のチャーター便という時代もありまして,函館のインバウンドは,台湾抜きには語れないくらい,しかも非常に長い期間続いています。
 ですから,これも函館の観光事業者とかホテルが常に魅力を新しく開発したり,ご自身でプロモーションされたりといったことがあるなど,変わり続けてきたから,この状況が続いているわけです。それを支えるような形で,函館市や観光協会,あるいは商工会議所とかその他観光事業者と一緒に様々なプロモーションを展開していますが,これを続けるということです。ブラッシュアップして磨き上げて,より新しい観光の魅力を作り出していくこと,そして戦略的なプロモーションを行っていくこと,これが土台となります。
 そのうえで新規就航のチャンスがある場合には,それは色々なチャンネルで働きかけていきますが,今,コロナ前のタイガーエア台湾とスターラックス航空というようにダブルトラックというか2社体制に戻ったところですので,やはり元々の土台である観光の磨き上げと戦略的プロモーションの強化に力を入れていくことになります。
 同時に,台湾に一本足ではなく,他の国についてもインバウンドは円安で大きな波が来ていますので,台湾だけではなく他のところにも力を入れていきたいと考えています。

(記者)
 今,市長の言葉の中で新規就航の動きがあれば,色々なチャンネルから働きかけをするかもしれないといううことがあったと思いますが,チャンネルの中にもしかしたら市長ご自身も含まれているのかと思いました。例えば,そのような動きがあった場合に,市長ご自身で台湾の方に出向かれて,働きかけをされるというお考えはお持ちでしょうか。
(市長)
 僕自身のチャンネルということよりも,例えば,市役所であれば,観光部や港湾空港部,それから民間であれば観光協会や商工会議所,北海道エアポートとか,そういったところの一番情報を持っていて,一番元気が良くて働いてくれる幹部というか,スタッフの皆さんがまさにブレーンで,そういうところに情報が集中しています。そこがエンジンとなって情報を集め人脈を開拓して,そして誘致活動を展開していくことになります。
 就航するかどうかは航空会社の経営判断になりますので,そこのところは最後は非常に微妙なところになると思います。私自身が何かすることが大きな決め手になるのかというと,決してそうではありませんので,むしろそういう現場といいますか,ブレーン集団となっているメインエンジンとなって動いている人たちにとって一番効果的な動き,それはフェイストゥフェイスではないものもたくさんあると思います。そういったものを頑張ってもらえるような環境づくりをするのが私の一番の仕事だと思います。でも,そういう現場が地方自治体の首長が行くのが望ましい場面だということになれば,それは引っ張っていってもらうというか,行きましょうということになると思います。
 いずれにしても,ブレーンというか,エンジンとなって努力している民間の方,それから行政の人間が,より全力を尽くすことができるような環境づくりに全力を挙げたいと思います。

(記者)
 市の教育委員会が,私立高校の推薦入試で生徒を推薦する基準に,「心身ともに健康であること」を条件としている市立の中学校に対し,昨年度,その表現の削除を指導したということがありました。これは,「心身ともに健康」という表現が,障がいとか持病がある人を排除しているような印象を与えるかもしれないという指摘を受けての対応であったということですが,この「心身ともに健康」という表現は,教育現場に限らなくても民間,あるいは半官半民みたいな事業者の採用条件でも色々見受けられます。
 伝統的に定型句として使われてきた表現であったりもして,一部からは問題ないのではないかという考えもあり得るかと思います。
 この表現が学校現場に限らず使われることについて,市長は不適切だとお考えだとか,あるいは何か現時点でのお考えがあればお知らせください。
(市長)
 教育委員会の指導は,至極最もで,当然だと思います。従来から使われてきた表現だからいいのではないかという意味でしょうか。
(記者)
 教育委員会に関しては,「心身ともに健康である」という表現は不適切だという判断をしましたが,ただ,それを報じたネット記事のコメントを見ると,障がいがあっても健康であり得るから問題はないのではないか,様々健康の考え方がある中でその判断は適切なのかという意見もありまして,お聞きしました。
(市長)
 受け止め方は様々だと思いますが,昔から使われている表現だから良いのではないかというのは,実は危うさをはらんでいると思います。いわゆるアンコンシャスバイアスに繋がる可能性はあるかと思います。教育委員会が昨年,「心身ともに健康である」という言葉が注意すべきものだということに注目して指導したことについては,その通りだと思います。

(記者)
 今回は学校の推薦入試というところで,ある種,市の一部でこのような判断がなされましたが,このような表現が市に絡むところで使われているのかもしれません。その辺,把握しているものとか,これから何か調べていったりとかという考えはないでしょうか。
(市長)
 今,担当部でそれを調べているかのどうかの情報はありませんが,いずれにしても誤解を招きやすい表現なのであれば,そういったものは今の「心身ともに健康」に限らず,不断に検証していかなければならないものだと思います。

(記者)
 先日,土方歳三全国コンテストが行われ,一応そちらの方は今年で一旦終了ということになりました。五稜郭祭実行委員会の方でも見直しが検討されているということでした。
 昨年には港まつりの協賛イベントであったペリーボート競走が終了したところかと思いますが,このように函館らしい歴史にゆかりのある大きなイベントの維持が困難になっている状況が一部で見受けられているかと思います。
 観光都市函館を打ち出すなかで,あまり望ましいとはいえないところかと思いますが,市の財政も限られているなかで,そういうイベントの今後を考えるうえで,どのような施策とかあり方について考えているのか,市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
(市長)
 これは,白か黒かとか,やるかやらないかとか,単純なことではありません。五稜郭祭の現場の人たちと細かくお話ししたわけではありませんが,例えば,お金のあるなしとかスタッフがいるいないとか,おそらくそのような単純なことだけではないと思います。
 おっしゃるような函館の歴史を大事にしている,そういう非常にテーマ性のあるイベントだとすれば守らなければならないというようなバイアスが強く働くと思います。一方で,長く続けると,ギャラリーの年代も変りますし,運営している人たちの中にも変わるイベントもあれば,変わらないイベントもあったりします。それがかみ合わないとマンネリという言葉で言われたりもします。ですから,先ほど観光の魅力のところで言いましたが,イベントも常に形を変えていかなければなりません。必ず見たいもの,守っていかなければならない軸はありますが,その周りの部分は新しくしていったり,驚きを見せてもらいたいところもあります。
 運営しているイベントの実行委員会の皆さんが一番分かっていらっしゃって,ここをどう変えていったら良いだろうかとか,これは守らなければならないとかを皆さん常に考えて必死でやっていらっしゃると思います。そこに財源が足りる足りないとか,ボランティアスタッフが足りる足りないとか,特に土方コンテストの場合は,そもそも応募者がものすごく減ってきていて,存立そのものがどうなんだろうというのがおそらくあると思います。その辺は話していませんのではっきりしたことは分かりませんが。
 函館は非常にイベントが多い地域です。行政の補助金が入ってるものもあれば入っていないものもありますし,市自らが実行委員会に参画して負担金という形で出してるものもあって,その辺は様々ありますが,それが観光客を呼んで地域にリターンになるケースもあれば,観光客を呼ばないが港まつりのように街の大切なイベントになってるものもありますし,一概には言えませんが,函館の魅力を彩ってきた大切なお祭りやイベントだと思いますので,実行委員会とか最前線でやってる人たちの声も聞きながら,必要なことをやっていきたいと思っています。

(記者)
 イベントには色々な形があるかと思いますが,今までであれば地元企業とか地域の商店に協賛していただいたり,人を出して運営していたものが多かったと思います。ただ,今は商店街などを見ると,地域の弱体といいますか,そういったところもあるなかで,先ほど市長がおっしゃられたように新しいアイディアを出しながら今後何か新しい形を目指していくなかで,何か方向性とか新しいアイディアが出てくるような枠組みというのはどのように考えていますでしょうか。
(市長)
 イベントという一つの分野の中で何か新しい考え方を出していくとか,構想を打ち出すということは考えていません。イベントと非イベントだけで観光とか街ができているわけではなく,例えば「バル街」でいえば,あれはイベントですかというと,俗に言う昔ながらの祭り,山車が練り歩くようなものとは違うと思います。だけど,あれはすごくみんなが楽しみにしていて,人が集まってくるものです。まして,これからのイベントにはバーチャルとか,そういうオンラインのようなものが必ずミックスされてきます。
 ですから,いわゆる昔ながらの祭りという分野で,それが生き残る生き残らないということだけでの何か構想とかビジョンみたいなものをわざわざ作る必要はもうないと思っています。もっと大きく街の賑わいとか,あるいはみんなが分け隔てなく楽しめるようなもののためには何をどうすれば良いのかということについては,確かに知恵を出さなければならないと思っています。それぞれのイベントという狭いジャンルで括って,特にそこを掘り起こすようなイメージは持っていませんでした。
 ただ,困っているのは間違いありません。それを守らなければならないものだという判断になれば,お金だけではないと思っていますので,色々な形で相談に乗って支えなければならないものは今たくさんあると思います。イベントの皆さんが困っているということはよく耳にしていますので,そこは声を聴いてしっかり対応しなければならない部分は多々あると認識しています。

(記者)
 宿泊税について補足で質問します。先ほどのお話の流れのなかで,宿泊事業者の声として,いわゆる徴収する観光客の方にしても日帰りで来られる方がいらっしゃったり,複数の目的地を回る中で函館で観光しても宿泊はしない人もいらっしゃったりとか,施設の方にしても,地元の方が中心に利用していたりそういう安価な価格設定なところとか,色々なところがあると思います。
 宿泊税を使った観光振興の用途が,宿泊食う事業者向けに限らず,観光全体を想定したものかと思いますが,徴税の対象が宿泊施設ということで,公平負担の観点から先ほどもありましたが宿泊事業者以外についても恩恵を受けていて,例えば観光関係も負担しなくて良いのかとか,そういった事業者の声についてはどうお考えでしょうか。
(市長)
 これも複雑なので,簡単に割り切れないものかもしれません。今思うところとしては,まず宿泊事業者,いわゆるホテルから税金をいただくのではなく,泊まられるお客様から税金をいただくという立て付けのものです。ただ,宿泊事業者にどうしても事務的な負担がかかりますし,あるいはそれ以外のことでも,単にいただいたものをただ払うということ以外に負担が生じたりすることがありますので,そういったことに対するフォローとか,あるいは金額によって段階をつけるということで,宿泊事業者の苦労がないようにしているところであります。また,北海道とバラバラの制度にしてしまうことで,過度な事務負担がないような配慮もしていきたいと思っています。
 もう1つは,宿泊以外のところの観光施設が,旅行客以外も使われているということをおっしゃったと思いますが,まさにその通りだと思います。函館の場合,ホテルに泊まる人はほぼ旅行者で,市民の方がホテルに泊まるケースは非常に少ないと思いますが,観光客によって恩恵を受ける交通機関やサービス業などの施設については,ホテルに比べれば市民の方もたくさん使われていると思います。ですから,そこのところの線の引き方とか徴税の技術として難しいものがあることは間違いない事実だと思います。
 これだけで宿泊税に絞っているということではありませんが,簡素な税体系とか,あるいは一定程度まとまった金額を徴税することが可能であるという要素を踏まえて,今回宿泊税のスキームで検討して,ご説明をしているという状況です。

※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

 

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