公開日 2024年05月27日
更新日 2024年06月10日
医療機関の皆様へのお願い
地域における感染症のまん延などの流行状況を把握するため,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という)第15条 第3項の規定に基づき,当該対象感染症と診断された場合は,事前に保健所へご連絡のうえ,検体等の提出をお願いいたします。
感染症法の対象となる検体
感染症法に基づく提出が必要な検体は,以下のとおりです。
(1)一類感染症,二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者,疑似症患者若しくは無症状病原体保有者又は当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者 当該者の検体
(2)新感染症の所見がある者又は新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者 当該者の検体
(3)三類感染症,四類感染症若しくは五類感染症の患者,疑似症患者若しくは無症状病原体保有者又は当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者 当該者の検体
3類
・腸管出血性大腸菌(O157,O111,O26)*1
・赤痢菌,チフス菌,パラチフスA菌,コレラ菌 *2
5類
・薬剤耐性菌(カルバペネム耐性腸内細菌目細菌,バンコマイシン耐性ブドウ球菌,バンコマイシン耐性腸球菌,多剤耐性アシネトバクター)*3
・劇症型溶血性レンサ球菌 *4
根拠通知文等
*1 「腸管出血性大腸菌による広域的な感染症・食中毒に関する調査について」(平成30年6月29日付事務連絡)
*2 「赤痢菌等の菌株の送付について」(平成20年10月9日付健感発第1009001・食安艦発第1009002号)
*3 「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症等に係る試験検査の実施について」(平成29年3月28日付健感発0328第4号)
*4 「劇症型溶血性レンサ球菌感染症の検体の提供について」(平成23年10月28日付事務連絡)
研究機関から依頼のある感染症
成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究について
次の4疾患に関して,感染症発生動向調査に対応する病原体情報の収集等を目的とした「成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究」を実施しております。
つきましては,当該対象感染症と診断した際は,分離菌株(血液、髄液等から分離)および症例の追加の臨床情報のご提供をお願いいたしします。
※侵襲性髄膜炎菌感染症については,国内症例数が他疾患に比較して少なく,疫学解析に十分な症例収集ができない可能性があるため,成人症例に加え小児症例を当該研究の対象に含めることとしています。
対象4疾患
・侵襲性肺炎球菌感染症(成人のみ)
・侵襲性髄膜炎菌感染症(成人・小児)
・侵襲性インフルエンザ菌感染症 (成人のみ)
・劇症型溶血性レンサ球菌感染症 (成人のみ)
【参考】
厚生労働省健康局結核感染症課 令和5年6月14日付
【事務連絡】成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究について(協力依頼)
国立感染症研究所 研究概要
成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究
その他の感染症
ダニ媒介感染症について
北海道は,ダニに咬まれることによって起こる感染症(以下「ダニ媒介感染症」という)の全国有数の発生地です。
ライム病や新興回帰熱の患者も全国で最も多く,死亡例のあるダニ媒介脳炎も,道内でのみ患者確認が報告されています。
また,保管していた検体から新たにエゾウイルスの感染が複数確認されておりますが,現時点では北海道のみでの確認となっており,感染症法に基づく行政検査の対象とはなっていません。
ダニ媒介感染症の対策には,病態の解析,感染のまん延状況の把握等のための調査研究が不可欠です。
そのため,北海道立衛生研究所において,ダニ媒介感染症の行政検査に併せ,エゾウイルス等の調査研究を行っています。
ダニ媒介感染症を疑う診断をした際には,行政検査に併せて,エゾウイルス等の本調査研究に関し,別紙「患者(被検者)用」の説明用紙により患者に対し説明をし,同意が得られた際は,検体(血液等)および同意書の提出をお願いいたします。
【参考】
【発出】北海道通知 令和4年(2022年)4月19日付 感染症第305号
「ダニ媒介感染症に関する調査について」(医療機関宛て)
【一部改正】北海道通知 令和6年(2024年)4月8日付 感染症第59号
「ダニ媒介感染症に関する調査の一部改正について」(医療機関宛て)
医療機関向け説明
「ダニ媒介感染症に関する調査研究の協力依頼」(医療機関用)
患者の方向け説明・同意書
「ダニ媒介感染症に関する調査研究の協力依頼」(患者用) 「ダニ媒介感染症に関する調査」への協力についての同意書(患者用)
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