公開日 2023年06月05日
飲んだのは、小さな"時限爆弾"~体内でくっつく・膨らむ「こどもの誤飲事故」に注意~
強力な磁力を持ったマグネットセットや水で膨らむボールをこどもが誤飲したことにより、開腹手術が必要となった事故が発生しています。マグネットセットを飲み込むと、複数の磁石同士が消化管壁を挟み込み、消化管壁に穴があくおそれがあります。また、水で膨らむボールを飲み込むと、体液を吸収し、消化管内で大きくなることで、腸閉塞を生じるおそれがあります。
このような"小さな時限爆弾"による事故を防ぐため、2023年5月16日消費生活用製品安全法関係法令の改正が閣議決定されました。この改正により、マグネットセット(磁石製娯楽用品)および水で膨らむボール(吸水性合成樹脂製玩具)が特定製品に指定され、2023年12月19日以降は、技術基準を満たしPSCマークが表示されたマグネットセットおよび水で膨らむボールでなければ市場で販売が出来なくなります。
しかしながら、規制対象化前の製品を保有している場合など、引き続き誤飲事故が発生するおそれがあることから、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))では注意喚起を行っています。
こうした製品をこどもの手の届かない場所や見えない場所に置いたつもりでも、こどもは見つけ出して口に入れてしまうことがあります。保護者は製品のリスクを認識するとともに、対象年齢未満のこどもに触れさせないなど、気を付けるポイントを確認して、事故を未然に防ぎましょう。
誤飲による危害について
1.マグネットセット
マグネットセットは強い磁力により離れた位置にあっても引きつけ合うため、胃や腸といった消化管壁越しに引き合い、壁を挟んで引っ付いて自然排出されなくなります。それによって挟まれた消化管壁の血流が滞り、壊死することで消化管壁に穿孔(穴があくこと)が生じるおそれ等があります。
2.水で膨らむボール
水で膨らむボールを飲み込むと胃液や腸液等の体液を吸収し、消化管内で膨潤します。狭い消化管内で詰まった場合には、自然排出されにくく、腸閉塞を生じるおそれがあります。
マグネットセット、水で膨らむボールの誤飲では、いずれも治療において開腹手術を要する重篤な危害が生じるおそれが高くなっています。
マグネットセットおよび水で膨らむボールの気を付けるポイント
- 小さなこどもに触れさせない。
- こどもが持ち出せないよう、保管場所に注意する。
- 口に入れると危険であることをこどもに伝える。
- 不要になった場合は、製品を廃棄することを検討する。
- リスクがあることを理解した上で購入を検討する。
- 購入時にPSCマークの表示を確認する。経過措置期間中(2023 年 6 月 19 日~2023 年 12 月 18 日)には、技術基準に合致しないPSCマークの表示がない製品も販売されていることに注意する。
NITE(ナイト)プレスリリース発表資料
本件に関する問合せ
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センター
電話:06-6612-2066
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