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市長記者会見(令和5年2月8日)

公開日 2023年02月16日

記者会見

日時 令和5年2月8日 水曜日 午後1時30分

場所 市役所8階大会議室




【会見事項】

 

発表事項  令和5(2023)年度 函館市各会計予算(案)について

 

幹事社質問

 

各社質問



記者会見動画(YouTube 函館市公式動画チャンネル)

 

記者会見動画(発表事項,字幕付き)(YouTube 函館市公式動画チャンネル)

 

 

                                                         【一覧へ戻る】

 


発表事項

(市長)

令和5年度,2023年度の予算案の概要がまとまりましたので,公表させていただきたいと思います。お手元にお配りしている資料に基づいて,お話をさせていただきます。

1ページをお開きください。令和5年度予算編成の考え方でございます。

令和5年度の予算については,今年が市長改選期にあたるため,行政運営の基本的な経費を中心とした,いわゆる骨格予算の形で編成をしたところでございます。ただ,新型コロナウイルスの感染対策など,引き続き取り組まなければならないもの,そして,緊急的,継続的に実施すべきものについては,政策的なものであっても当初予算で計上することとしたところであります。その結果,一般会計では1,391億円となりまして,前年度に比べて1.2%の増となっております。また,特別会計では991億6,400万円で6%の増,企業会計では495億200万円で1.9%の増,合わせて全会計では2,877億6,600万円で前年度に比べて2.9%の増となったところでございます。

次に,2ページの歳入の概要でございます。

市税については,新年度の見込みが319億8,000万円で,前年度より0.7%の増を見込んでおります。また,譲与税・交付金については,90億1,500万円で9.1%の増ということでございます。地方消費税交付金の増が大きいということであります。地方交付税については,329億2,200万円で1.7%増で見込んでおります。臨時財政対策債については,17億500万円で38.6%の減ということになりますが,地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方交付税関係の合計では,346億2,700万円で,前年度に比べて1.5%の減となっております。

次に,3ページでございます。

市債については,歳出で事業費が増えていますので,86億2,700万円で7.7%増となっております。ちなみに,参考として書いています市債残高の年度末の状況ですが,一般会計では1,153億7,200万円で前年度に比べて43億7,000万円の減となっております。全会計でも,前年度に比べて71億4,600万円の減となっております。

次に,基金繰入金であります。

財政調整基金については,6億7,300万円繰り入れることとしました。

基本的に,歳入歳出均衡予算で組むこととしておりまして,収支不足を財政調整基金で埋めるということは,ずっとやっておりませんが,コロナ対策については,財政調整基金で賄うという方針でやっており,新年度は財政調整基金を6億7,300万円を取り崩し,全額を新型コロナウイルス感染症対策の一般財源相当分として繰り入れることとしております。ちなみに,財政調整基金の残高は,令和5年度当初の見込みで約7億円取り崩して約74億円となります。

続いて,4ページでございます。一般会計の歳出の主なものであります。

人件費については,職員数の減や定年引き上げ,来年度から定年年齢が61歳と1歳上がります。10年間で65歳まで上げていくのが,公務員制度の定年のこれからの進み方となります。新年度では,定年退職者は出ませんので,普通退職者には退職金を払いますが,定年退職者に退職金を払う必要がありません。通常であれば10億円から15億円程度の退職金が生じますが,新年度は定年退職者の退職金を人件費としては一切計上していませんので,昨年に比べると12億円くらい大幅に下がっており,7%の減となっております。2年に1回退職金を払うということを10年間続けていくことになります。

扶助費については,ほぼ前年並みの424億円くらいとなります。公債費,借金の返済ですが,これもほぼ前年並みでありまして113億円くらいとなります。物件費については,177億4,700万円となりまして,5億6,000万円くらい3.3%増えています。これは,新型コロナウイルス感染症のさまざまな経費,そして,燃料や電気料の高騰による部分が大きいと考えております。

4つ飛びまして普通建設事業費については,115億6,300万円,20.9%と大幅に増えております。千代台陸上競技場の大規模改修や消防の緊急情報システムなどの支出により,昨年度に比べて建設事業費が増えています。積立金については,6億9,000万円ということで,大幅に増えております。これは,先ほど申し上げたとおり,定年退職者の退職金については新年度の支出はありませんが,再来年度になると,それなりの定年退職者が出てきますので,退職金の半分を積み立てておきます。新年度の予算で半分積み立てて,再来年度の予算で半分を支出して,そのときの定年退職者に支払うことを5回,10年続けていくことになります。そういう形で積み立てることにより年度間の平準化を図るもので,非常に大きな数字となっております。

予備費については,5億円であります。通常の予備費が1億円,新年度予算の政策的に組む選挙後の留保財源として4億円の合わせて5億円を見ております。今年度は当初予算で2億円を見ておりましたが,これは通常の予備費が1億円,新型コロナ対策で不測の事態があったときのために1億円で2億円組んでおりました。新年度では,新型コロナの1億は今のところ何かあれば臨時会を開き補正しますが,予備費として1億円を留保する必要はないということで,通常の予備費は1億円としました。

次に,5ページをお開きください。特別会計と企業会計の主な概要であります。

港湾事業については,国直轄港湾整備事業の負担金および北埠頭地区の臨港道路の整備費などを計上したところです。

国民健康保険事業については,今の国保の財政状況からすると保険料を値上げせざるを得ないのですが,物価高騰や燃料高騰する中で国保料を上げることは難しいということで,保険料負担の激変緩和を図るために,国民健康保険事業で財政調整基金を持っており,その基金を今回2億5,000万円繰り入れて保険料の上昇を抑制した結果,令和5年度の1人あたりの平均保険料は7万9,448円,前年度に比べ0.13%の増,100円くらい年間で上がりますが,ほぼ前年並みに抑えたということであります。

次に,自転車競走事業については,G2,G3の競輪の開催経費を計上するとともに,収益金については一般会計へ繰り出す,あるいは競輪事業の基金に積み立てるものを計上したところであります。

水道事業以下企業会計については記載のとおりで,特別なものは今のところありません。

6ページ以降の資料につきましては,既に財務部長より説明させていただいておりますので,省略をさせていただきます。

私からは,以上でございます。

 

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幹事社質問

 

(記者)

新型コロナの感染者は,少しずつ落ち着きつつあり,経済も動き出しています。このような状況の中で,予算編成をするにあたってどのような点に一番注力されましたでしょうか。

 

(市長)

新型コロナの新規感染者数は,最近は1日100人未満の日もだいぶ増えてきて,函館でも落ち着きつつあると思っています。病床の使用率もだいぶ下がってきておりますので,もう一息かと思っております。

そういう中で新年度予算は先ほども申し上げましたように,市長改選期の骨格予算ということで,基本的な経費を中心に組んでいますので,あまりこれという特徴はないと思いますが,新型コロナウイルスの感染症対策の経費は,当然盛り込んでおります。それとともに,子ども・子育て支援や地域経済の活性化など,これまで力を入れてやってきた継続的な経費については,多少の増額も含めて組んでおります。

こども医療費の高校生までの完全無償化や就学援助の生活保護基準の1.5倍まで拡大したものについては,新年度当初予算から大幅に金額が増えています。そういうものについては,既に織り込んだところであります。

また,実施時期や緊急性も勘案して,例えば海外での観光プロモーションをできるだけ早く再開したいということで,コロナ前と劣らないような経費で最初から組んでおりますし,国際線の早期再開を航空会社に対して依頼するために,国も北海道も助成制度がありますが,市もそれに上乗せする形で助成することを,早めに決めて対応したいということで当初予算から組んでおります。そうすることで,国内の観光客はだいぶ戻ってきていますが,インバウンドの回復を早めるためには,市長選挙後の6月に予算を組んで7月・8月から動き出すのでは遅すぎるということで組んでおります。

それから,教育関係で前段財務部長からお聞きと思いますが,非常勤講師など,いろいろな人的な支援を増員する予算を最初から組んでおります。新学期当初からきちんとした形で,人材も確保しながらやっていく必要があるので,年度途中からでは難しいことから,不登校や学級崩壊などの問題解決をサポートするスクールカウンセラーや非常勤講師の新たな配置など,新学期に合わせて実施する事業については,当初予算に計上しました。

その辺が少ない中で当初予算の特徴かと思っております。

 

 

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各社質問

 

(記者)

今回の予算は骨格予算という位置づけですが,一般会計の額としては,当初予算で過去最大となりました。骨格予算といいながら,過去最大になった要因はどういうことが考えられますでしょうか。

 

(市長)

いくつか要因はあると思います。

まず,この3年くらいはコロナ対策で増えています。今回も25億円くらい組んでいます。その分は,コロナ前の予算とは様変わりして増えています。

それから,函館市のような自治体はその時々の建設事業費の多さで変わってきます。北海道や国であれば,それほど総体の予算規模は変わらないのですが,市町村でも中小規模のところになると,学校1つ建てれば大きく増えるし,建てなければ大きく減るということがあるわけで,事業費の状況で予算規模は左右されます。

今回は先ほどご説明したように,事業費が昨年度と比べて20億円くらい増えています。千代台公園陸上競技場の大改修で10億円くらい,今年度から債務負担でやっていますが,その支払いの予算を組んだり,消防の緊急情報システムの更新で10億円くらい,このような必要な経費で増えているので,特別な経費で増えているわけではありません。

また,学校や公共施設の燃料や電気料,こういったものが昨年度に比べると4~5億円増えておりまして,それも大きな要因ではないかと思っておりまして,特別に新規事業を多く盛り込んで過去最大になっているということではありません。

 

(記者)

公共施設の更新費用で,資材高騰も多少は影響しているのでしょうか。

 

(市長)

そうです。資材価格が上がっておりますし,設計単価も上がっていると思います。それは,土木工事も含めていえるかと思います。

 

(記者)

今回政策的な予算は一部のみということでしたが,例えば去年の12月に決めた医療費の高校生以下の無償化と就学援助の拡大の経費は,一応認識としては政策的な予算として計上しているという認識なのでしょうか。

 

(市長)

そのような認識ではありません。通常経費の扱いになっています。だから新規とも拡大とも書いていません。今回の議会で制度改正を行うのであれば別ですが,昨年の12月議会で既に条例改正を行っています。

 

(記者)

2021年度の収支決算は,単年度で見ると31億円の黒字になっていたと思いますが,今回の予算を見ると自主財源も結構少ないですし,自分たちで自由に使える部分は,今までどおり結構少ないと思います。市の財政状況を市長としては,どういうふうに見てらっしゃいますでしょうか。

 

(市長)

豊かではないですが,安定していると思います。今の時点では,全く心配はしておりません。

 

(記者)

それは黒字になっているので,財政としては改善しているという認識なのでしょうか。

 

(市長)

私が就任する前よりは,大幅に改善したと思っています。

 

(記者)

選挙の後に6月の補正予算があると思いますが,当選した場合,どのような補正予算を考えているのでしょうか。

 

(市長)

特別考えていません。まず,当面の選挙が問題であって,その先に何をやるかは,全然頭にないわけではありませんが,政策としては政策パンフも既に後援会でお配りしておりますから,そういうものをご覧いただければ私が何をやるかはお分かりになるかと思います。

 

(記者)

函館空港の国際航空便の再開補助金を新規で計上していますが,これは再開する予定が念頭にあって計上しているのでしょうか。

 

(市長)

私はコロナに感染したので11月に台湾に行けませんでした。再開というのは,その要請に行った台湾便のことでありまして,2社に対してのものです。

やはり,話し合いをする過程でこちらとしてもインセンティブといいますか,好条件としてこういうものがありますというものがないと,踏み込んだやりとりにはならないということがあります。国の制度もあり,道の制度もありますので,市の制度も上乗せした形で提案をはっきりするために,当初予算の段階からきちんと組んだ方がいいですし,そのためには議会の理解も当初からいただいた方がいい。選挙後であれば,出だしが遅くなります。少なくとも,トップセールスはできませんが,事務方は台湾に行けますし,そういう悠長なことは言っていられません。ただ,現在台湾便がいつから再開するのか申し上げられるような段階には至っておりません。

 

(記者)

市長は,以前に今回の予算編成にも政策的な予算を入れたり,6月以降のことも考えて予算を計上するというような発言があったかと思ったのですが,それは骨格予算に変わった理由はどういうことなのでしょうか。

 

(市長)

いいえ,別に変わっていません。

急ぐものについては,先ほども言ったように,人員配置など政策的なものであっても計上しておりますが,急がなくても良くて6月で間に合うものをわざわざ入れて,いろんなハレーションを起こすことはないという話です。

私自身,改選期だから骨格で組むのは,基本的におかしいという思いはあります。ただ,それを強調してもしょうがないというのが,今回の姿であります。

 

(記者)

選挙を控えてそのあたりは,そういうことでハレーションを起こしても仕方がないので,判断したということでしょうか。

 

(市長)

そこまで考えていません。

 

(記者)

今回の予算の中で重点は,主にどの分野に置かれたという認識をされてますか。

 

(市長)

先ほど幹事社からの質問でお答えしましたが,特別に重点的にこれをやるということにはなりませんが,継続的に必要な子育て支援だとか,あるいは少子化対策に加えて,経済の活性化ということで,とりわけ観光が当面急がれるわけで,そういうものを主体的に組み入れていった中で,海外観光プロモーションの経費だとか,あるいは台湾便の再開のためのインセンティブ助成金だとか,そして学校の新学期が始まりますので,それに間に合わせるように,人的配置について詳細は見ていただくと分かると思いますが,そういうことを重点に編成をしました。

新たな大きな政策については,次の補正予算時期になると考えております。

 

(記者)

教育分野での新規事業が,少し比重としては多かったという印象を受けましたが,特にそこは意図があってということではないのでしょうか。

 

(市長)

教育分野でも,新学期から行うような,例えば部活動地域移行等推進事業費だとか,学級運営改善非常勤講師を2名から4名,特別支援教育支援員を74名から80名,それから不登校生徒支援非常勤講師の新規の配置経費,小学校スクールカウンセラーの経費,こういった人的な配置です。正規職員ではありませんが,例えば退職されたの先生方などにお願いするとなると,そのためには6月くらいになってしまうと皆さんがお仕事についてしまいますので,なかなか人員の確保が難しくなってくることもありますし,学校の性格上,いろんなことが4月から始まりますから,そういう意味では人的な配置だけはさせていただきました。学校の予算でも特別大きなものについては,今回計上しているわけではありません。人的配置のものは,4月からきちんと動けるように今から用意する必要があるということで,先に計上したということです。

 

(記者)

予算の質問ではありませんが,2月19日だったと思いますが,道南でコロナの感染者が確認されてから3年になります。この3年間を振り返っての感想と,今後のコロナ対策については,どのような考え方で進めていくのでしょうか。

 

(市長)

この3年間を振り返ると,昨年のゴールデンウィーク以降は,オミクロン株になって亡くなる方や重症化する方が少なくなりましたので,少し落ち着きを取り戻しましたが,その前の2年半くらいは,本当にひどい状況で失われた時代といっても過言ではないくらい市民生活や経済活動がさまざま大きな制約を受けてきたところであります。市の行政としても,海外プロモーションも含めて観光誘致や企業誘致などいろいろな動きが封じられまして,非常に残念といいますかやむを得ないのですが,そういう意味ではなかなか思ったような仕事が過去に比べると全面的にできませんでした。

それが昨年のゴールデンウィーク過ぎて夏場あたりから感染者数は増えていますが,比較的に重症化しないということ,またワクチンの接種が進んだこともありまして,少しずつ人々の表情も明るくなり,そしてマスクはしていますが行動もある程度規制されないでだいぶ自由に動けるようになってきました。今年になって第8波が全国的にもだいぶ収まりつつあって,5月8日には,新型コロナウイルスの感染症法の扱いをインフルエンザ並みの5類に引き下げるということで,マスクの着用についても緩和され,徐々に以前の状況に戻っていくことを,私としても非常に期待しております。これは皆さんも同じだと思います。

そのような中で,当市の主要産業であります観光,だいぶ観光客が戻ってきていますが,まだ国内の観光客が主体でありまして,インバウンドは札幌では海外の航空便が入ってきていますから,だいぶ戻りつつあると聞いていますが,函館の場合にはまだこれからだと思います。中国本土も落ち着きつつあるようですから,そういうことも含めれば,今年の春か夏以降,非常に期待できると考えているところです。コロナの状況についてはそういう感じです。

もう1点のコロナの新規の対策についてですが,今のところ新規の対策でどうこういうものはありません。これまでの対策を継続していき,あとは国から新たな方針が示されれば,それに従っていくことになります。だから,5月8日に向けて国がこれからどのような方針でコロナ対策を示していくのか,マスクの着用やワクチンの接種など,そういうことが3月中旬以降でないとまだはっきりしませんので,そういうものを踏まえて市としても対応していきたいと考えております。

 

(記者)

先日,テーオーデパートが今年の8月で閉店するとの発表がありました。市としても大きな大型施設が閉店してしまうことは,地域への影響も大きいと思います。これから市としては,何か対策や支援策など,そういうものを考えているのでしょうか。

 

(市長)

大型店の閉店,廃業というのは,百貨店も含めて全国的な傾向で,帯広の藤丸も閉店して,渋谷でもデパートが閉店するという状況であり,東京でも銀座や新宿の本店のような形でのデパートは残っていますが,首都圏でも閉店が相次いでいるような状況で,地方ではなおさら厳しい。

特にデパートは,昔は電化製品も家具も着るものも売っていたので,何でもデパートに買いに行っていましたが,そういう高額で利益の出るものが全部,全国的,世界的に展開している衣料や家具,家電の専門店に取られているので,なかなかデパ地下だけではやっていけない時代となっています。そういう意味では,食品スーパーはともかくあのような大型店の形態は,特に地方においてはかなり厳しいとずっと私も感じておりました。

函館においても,西武,棒二森屋,イトーヨーカドー,そして今回テーオーということで,閉店することは残念であり,我々が若いときの勢いに比べると非常に寂しい思いもありますが,これも今の時代の一つの商業の方向性といいますか,やむを得ないと思っております。

この後,建物を店舗に使うのか,何が別なものに使うのか,テーオーさんの場合はまだこれからということでありますので,市としてもできる限りのことを支援していきたいと思いますし,まずは従業員の方々の処遇について,テーオーさんは他の事業部もありますので,なるべく内部の方に振り向けるようですが,それでも全部受けられるのかどうか分かりませんので,市としてもまずは雇用の確保に向けて全力で支援してまいりたいと思いますし,また,建物の利活用についても,市としてもご相談があればいくらでも支援の方向で考えていきたいと思います。

 

(記者)

函館にとって一つの大きな課題として,人口減少・少子化の問題があります。今国の方も異次元の政策に取り組んでいます。

今回骨格予算ということもありまして,子どもの育成環境ということでは子ども医療費の助成,就学援助を引き上げるという話がありました。それ以外で継続的なものでいうと,ワーケーションですとか働く場所の確保など,そういうことが今回予算の中にも継続的に入っています。

選挙後,国もいろんな方針が出てくると思いますが,さらなる何か新しい少子化対策,人口減少対策を打ち出していくお考えはあるでしょうか。

 

(市長)

昨年の子どもの出生数,まだはっきりした数字は出ていませんが,1月の段階で全国で80万人を史上初めて切るということで,今のところ77万人くらいと言われておりますが,亡くなる方が140万人くらいいますので,60万人以上の人口が減るわけです。それで,特に出生数の減少について非常に危機感を持っていると思います。

私は団塊の世代で,私のときは年間270万人生まれました。日本では100年前,大正時代から戦前・戦後の団塊の世代の次くらいまで年間200万人くらい生まれていました。だから100歳くらいの方のときも,200万人くらい生まれていましたが,それが今は77万人くらいです。だから30年以上200万人くらい生まれて,その後も170万人から180万人生まれてきて,また団塊ジュニアの世代になって200万人生まれました。それで日本の人口が1億2,000万人になったわけです。団塊の世代だけが特別多いわけではありません。それが今77万人で,3分の1くらいになっています。200万人生まれた人の世代ですから,その世代が高齢になると当然亡くなる人が多くなります。現在140万人くらい亡くなっていますが,これが200万人亡くなる時代が来ます。それに対して子どもの出生数が77万人で下げ止まるかいうと,今のままでは下げ止まりそうにありません。だから,少子化が今,危機的なんです。人口減少がこのままいくと, 200万人に生まれてきて1億2,000万人なので,70万人となると,その3分の1の人口になってきます。日本はいずれ4~5千万人の人口になっていくでしょう。

それに歯止めをかけるには,やはり少子化を少し食い止めなければならないということになるわけで,個々の自治体だけでは限界があります。それを国は異次元と言っているのでしょう。ただ,児童手当の支給だけ,金額面だけでいいのかというと,そういうことではありません。やはり,育児と仕事を両立させて,女性が働きやすいとか,出産あるいは育児が終わって,また職場にきちんと戻れる形とか,日本は企業も含めて社会構造的に遅れています。欧米の先進国に比べると非常に遅れています。金の問題だけではなく,そのような環境も一緒に変えていかなければならないと思います。

函館市としても以前からの課題であり,なかなか食い止めることは市単独では厳しいですが,医療費の完全無料化や低所得世帯の子どもたちへの給食費や学用品などを支給する就学援助制度を多分全国でトップレベルだと思いますが,1.5倍まで拡大することも行っていますし,今後もさまざまな学校給食の無償化など,いろんなことを金銭的な面でも考えていかなければなりませんし,それから公務員や大きな会社は比較的女性も働きやすい環境が作られつつあると思いますが,地方ではまだ理解不足もありますし,理解不足だけではなく,理解してもなかなかできない中小零細企業の実態もあります。そういうものをどうやって改善していくかということを,市としても検討していかなければならないと考えております。

それ以上はちょっと突っ込んだ話になりすぎますので,今の時点では差し控えさせていただきたいと思います。

 

 

※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

 

 

   
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