公開日 2022年07月29日
定例記者会見
日時 令和4年7月14日 木曜日 午後2時
場所 市役所8階大会議室
【会見事項】
・各社質問
記者会見動画(YouTube 函館市公式動画チャンネル)
記者会見動画(発表事項,字幕付き)(YouTube 函館市公式動画チャンネル)
新型コロナウイルス感染症について
(市長)
初めに,私から新型コロナウイルス感染症の感染対策のお願いも含めてお話させていただきます。
新型コロナウイルスの感染者数については,一旦収まるかと思われた時期もあり,減少傾向を見せていましたが,7月に入って全国的に,また全道的にも,感染者数が急拡大している状況にあります。
函館市内の感染者数につきましても,6月は1,200人余りで,5月の約3,500人に比べまして大幅に減少していたところですが,7月に入ってから前の週の同じ曜日を上回る日が続いておりまして,増加傾向が著しいところであります。
ほとんどの方が無症状や軽症でありまして,自宅療養していただいております。医療提供体制は,病床使用率が8%程度であり,それほど逼迫している状況ではありませんが,これから夏休みの時期を迎えて,旅行や帰省などによって人の動きが活発になり,併せて会食の機会も増えるということで,これまでもお盆休みや夏休み,冬休み,春休み,こういった折々で感染拡大したことがありますので,非常に警戒を要すると思っております。
また,感染力が強いと言われる「BA.5」への置き換わりなどによって,政府分科会の尾身会長も第7波に入ったとの認識を示されております。
そういうことを踏まえると,本市においてもさらなる感染拡大も懸念されますので,引き続き警戒が必要だと考えております。
市民の皆さんには,これまで同様に引き続き三密の回避やマスクの着用,手指消毒,換気をはじめとした基本的な感染対策に取り組んでいただきたいと思います。
ただ,夏場は気温が高くなり,熱中症のリスクが高まる時期であります。屋外で人との距離があるような場合については,適宜マスクを外すなど熱中症対策にも気をつけていただきたいと思います。
新型コロナワクチンの接種についても,60歳以上の4回目接種が始まっております。
60歳以上の方で,3回目の接種から5か月経過した方には,順次接種券を送付しております。できるだけ早期接種を検討していただき,感染防止にご協力いただきたいと思います。
少しでも感染リスクを減らすために,市民の皆さん一人ひとりが感染対策にこれまで同様に取り組んでいただいて,感染拡大に至らないようにご理解とご協力を心からお願い申し上げたいと思います。
私からは以上でございます。
幹事社質問
(記者)
物価高対策についてですが,市も独自の支援策を取り組んでおります。市内の全事業者となる12,000事業者くらいに一律5万円給付することについて,今月から受付が始まっていると思いますが,これまでの申請数がどのくらいなのか教えていただきたい。
また,事業者は見舞金のようなものだとしても,一般市民,とりわけ低所得者層にとっては,食品の値上げなどもあって暮らしが厳しくなっております。今後さらに物価高が進んだ場合に,市として追加の支援策を検討するのかどうか教えてください。
(市長)
物価高対策等についてですが,市独自の事業者への緊急支援金につきましては,市内の約1万2,000事業者を対象としまして,今月1日から支援金申請の受付を開始しております。これまでは飲食業や観光業,小売店など,コロナの影響の大きな事業所に絞っておりましたが,今回は,それに加えて物価高や原油高等もあるので,幅広く,ほとんどすべての事業所を対象にして5万円の支援金をお支払いするということであり,7月12日時点で2,270件,1万2,000件に対して約19%の申請があったところです。
これまで給付の対象となっていなかった事業者は,今回気がつかない方もいらっしゃると思います。我々も広報に努めておりますが,対象となる方には,漏れがないように受け取っていただくよう申請をお願いしたいと思います。
また,子育て世帯や住民税非課税世帯に対しましては,現在先行して,国の制度に基づく給付として,ひとり親家庭等の児童1人あたり5万円の支給を行っております。それから,今年度になって新たに住民税非課税世帯となった世帯の1世帯あたり10万円の支給についても,7月下旬の確認書の発送に向けて準備を進めているところであり,まずは国の制度による子育て世帯や住民税非課税世帯の方々に対する給付を先行して行いたいと思っています。
一方で,国の制度の対象とならない世帯等への市独自の給付につきましては,子育て世帯の児童1人あたり2万円の支給は,8月上旬の申請受付開始に向けて準備を進めております。また,住民税非課税世帯等への1世帯あたり2万円の支給につきましても,8月下旬の申請を受付開始に向けて準備を進めております。この市独自の事業者または子育て支援,住民税非課税世帯等の方々に対する支援はまだお渡しできておりませんけれども,8月か9月の秋口にはお手元に届くと思っています。
ただそれで済むのかということでご質問があったわけでありますが,現在コロナの影響によって市民生活も不安定な状況にありますし,加えて原油高,物価高が,それに覆い被さるように,ダブルで影響が強くなっているところであります。
昨年度は,高齢の世帯や障がいのある世帯等に対しまして,福祉灯油と言われている1世帯あたり5,000円の支給を実施したところであります。ただ,現在の状況を考えると,コロナ禍あるいは物価高や原油高は,すぐには元に戻る状況ではないように感じております。特に冬場は,北海道の場合は暖房に灯油を使うことが多くなって,夏場とは費用のかかり方が違ってきます。また,電気料も単価も上がっているわけですが,日照時間が短くなって電気をつけるのが早くなり,長い時間電気を使うため,電気の料金も増えるわけでありまして,それらのことを考えると,今後の灯油の高騰や食料品等の値上げなどの推移を踏まえて対応を検討してまいりたい。今の時点で断言はできませんが,そういうこともあわせて検討していきたいと思っているところでございます。
(記者)
原発についてですが,このところ判決が相次いでおりまして,5月末には札幌地裁で北電が再稼働を目指している泊原発について,差し止めを命じる判決が出ました。また,6月には最高裁で福島の第1原発事故について,国は責任なしという判決が出ました。そして,昨日東電の旧経営陣に13兆円という巨額賠償を命じる判決が出ましたが,大間裁判を通じて原発のあり方を問うている市長として,所感をお聞かせ願います。
(市長)
原発に関わる裁判の結果が最近も出ています。函館市は大間原発訴訟を現在提訴しているわけでありますが,大間原発は新設の原発で,まだ完成していない原発であり,既存の原発の再稼働の問題とは異なりますし,加えて世界初のフルモックスを全炉心で使うという大変危険な原発で,他の国ではもう手掛けなくなった原発をやろうとしている。また,国際海峡に面していて,安全保障上極めて問題の位置にある原発であるといった大間原発特有の問題点もありますが,函館市の訴えの1番の要は,福島第一原発事故の教訓を踏まえると,立地自治体だけに同意権があり,それ以外の自治体からは話を聞きませんという今のあり方がどうなのかということを中心に問いかけています。
我々の訴えとしては,避難計画を義務付けられてる自治体なのに建設すること自体に意見も聞いてくれないし,同意権も与えないということはどうなのかと問いかけています。そういうことから,建設するのであれば30km圏内の市町村の同意をとってからやる,つまり函館市にも同意権を与えるべきというのが訴えの主眼でありますから,他の原発の訴訟とは趣旨が異なっていると考えております。
そういうことからいえば,この3つの判決とも市の主張とはまた別の観点で原発に関わる判決であります。基本的に,私はこれまでも大間原発以外のことについて発言を控えさせていただいておりますので,個々の裁判の結果についてお話することはこの場でも控えさせていただきたいと思います。
各社質問
(記者)
コロナの件で,感染が拡大している中で,市長は先ほど感染対策を徹底していただきたいという話をされていました。来月に向けてはイベントの再開の動きもあり,3年ぶりに港まつりも規模を縮小して開催されると思いますが,これ以上感染が拡大した場合に,例えばそのようなイベントの自粛を求めるなど,何か基準みたいなことは考えられていますでしょうか。
(市長)
現時点では,政府も,医療の状況や重症化の状況等を考えて,特別な行動制限を国民にお願いするということには,なっていないようであります。
先日,函館マラソンを参加人数はいつもより少なかったのですが開催させていただきました。
これからはウィズコロナあるいはアフターコロナ,ポストコロナ,そういうことも考えながら,今までのように移動も含めて,何でも自粛で何でも制限するということではなく,ある程度付き合いながら,また医療逼迫しないように皆さんに感染対策にご協力をいただくということで,なるべく感染対策に気をつけながら平常を取り戻す方向で動かしていきたいと考えておりますので,港まつりやグルメサーカスについては,一層の感染対策を検討しますが,開催の中止ということを現時点では考えてはおりません。
(記者)
棒二森屋跡地の再開発の件ですが,現状,若干計画に遅れが出始めているということで,やはり中心市街地の空洞化の懸念を考えると,1日も早く進めた方がいいと思いますが,計画が遅れていることについては市長はどう考えているでしょうか。
(市長)
私も大変心配しております。早く解体等を行って事業が進むといいのですが,ホテルを計画している事業者とその事業主体との間のお話がなかなかつかず,ホテル事業者が変更されたりして,そのことで随分時間がかかっております。建設費が高騰してくる,また物価高の影響等もありさまざまな資材も上がってきますので,私としてはできるだけ早く着手していただきたいと考えておりまして,経済部を通じてその旨はお伝えしているところであります。
(記者)
今おっしゃられたように,物価高の影響で今後建設費のコストは,このロシア情勢の中でまだ値上がりしていくと見られますが,そうすると開発計画自体,大幅に見直さなければならない可能性も出てくると思うのですが,その辺はいかがでしょうか。
(市長)
現時点ではそういうことを聞いてはおりません。
確かに東日本大震災の後に,建設費や人件費の高騰がありまして,函館アリーナの建設費も60数億くらいだったのが80億近くまで資材費が上がったこともありました。
今後どのように推移していくのか,現時点では分かりません。5年間の事業ですから,すぐ資材を確保してという話ではありませんが,見守っていく必要はあると思っています。
(記者)
先日,保健福祉部の大泉部長が市長選への立候補を表明しましたが,市長自身は大泉さんの行政マンとしての能力は,どのように評価されていますでしょうか。
(市長)
一昨日にお答えしたとおりです。
基本的に退職する職員の個人名が分かる形での評価は,どなたでも差し控えさせていただきたいということであります。
(記者)
先ほどコロナの話もありましたが,コロナ感染が広がる中で,保健福祉部長の大泉さんが辞めたということについては,どう受け止めているでしょうか。
(市長)
辞表を受け取ってすぐに後任人事に着手してますので,大きな影響はないと思っています。実質的には,現場では保健所長が対応していますし,そういう意味では大きな影響があるのかというと,そういうことはないと思います。
(記者)
こういう時期に辞められたことについてはどう思われますか。
(市長)
それは本人の意思ですから,そちらの方に聞いてください。私が答えるべきことではありません。
(記者)
先日,立候補の表明があった後に市役所内で市長がぶら下がりに応じたときに,「まだ一般職なのに」という発言があったと思うのですが,改めてどういう意味だったのでしょうか。一般職が立候補するのはいかがなものかと言いたかったのでしょうか。
(市長)
そういう意味ではありません。きちんと辞めてからお話しすべきではないのか。辞めることをお話することはいいのですが。そういう意味です。
(記者)
改めてお聞きしたいのですが,次の市長選へのご自身の判断は今の時点はどのようにお考えでしょうか。
(市長)
一昨日申し上げたとおりです。
(記者)
現在はまだ決めていないということですか。
(市長)
はい。
(記者)
ご自身の政治資金パーティーの開催を検討されているという情報があるのですが,これは出馬に向けた準備というわけではないのでしょうか。
(市長)
後援会の方で検討しているようでありますが,毎年開催していました政治資金パーティ,市政報告会みたいなものですが,コロナで2年ほど開催できませんでしたが,開催できるのであれば開催しようという,単純にそういうことであります。元に戻そうということです。
(記者)
安倍元首相が撃たれた事件がありましたが,市長はこの事件についてどう思われましたでしょうか。また,一報をどこでどのように聞かれましたでしょうか。
(市長)
その日は札幌に,北海道開発局の要望で関係部長とともに出張しておりました。その合間に同行していた秘書から,SNSでこういう情報が流れているということを聞きまして,まさかフェイクニュースではないのかと思ったのですが,その後いろいろなマスコミからの報道が流れてきまして,言葉に詰まったといいますか,今の日本でこんなことが起きるのかと思い,まず本当にもうびっくりしました。
それとともに,安倍さんという素晴らしい政治家,私とは少し考え方は違うかもしれませんが,8年も総理を務められた方がこのような形で亡くなった。その時点では心肺停止なので,まだお亡くなりなったということではありませんでしたが,なかなか難しいだろうと思いながら,非常に憤りを感じましたし,残念というか,寂しいというか,理不尽というか,色んなものが脳裏を横切りました。非常に痛ましい事件であったと,残念に思っています。
(記者)
7月1日に,コンテ日吉のグループホームを創生会が事業を再開させましたけれども,今後の日吉地区の展望も含めて,市長は事業再開についてどのように感じてらっしゃるのか教えてください。
(市長)
責任者である理事長が突然いなくなり,非常に混迷を深めまして,当該法人にも問題がありました。今はきちんと別の法人に引き継がれまして,やっとスタートができるのかなというところです。まずはグループホームから始まりますが,その後,有料老人ホームをできれば秋口から再開したいということでありますから,あの地域で想定したものがすべて出来上がって動き出すということで,非常に喜ばしいことだと思います。
日吉のインターチェンジもオープンしましたし,そしてスーパーやドラッグストア,コンビニもでき,以前に比べて利便性のある地域となりましたので,すぐに予想していたようなものになると期待しております。
(記者)
大泉さんの話に戻りますが,彼があのような形で出馬の意向を示した後,全国的にも弟さんのことを含めて話題になりました。市長として,1人の政治家として,あのような形で本人ならまだしも,家族のことで話題を集めているということに関しては,どのように思われていますでしょうか。
(市長)
特別何も思っていません。
(記者)
もし今後,市長が出馬をするかどうか分からないのですが,出馬するとなれば対抗馬ということになるのですが,そのことについて何かお考えはありますか。
(市長)
自分のこともまだ決めていませんので,ご家族がどうとか兄弟がタレントとか,そういうことでどうこうということは,私の中では特別な意識は全くありません。
(記者)
先日,ふね遺産に箱館丸が選ばれました。価値があるものだと認められましたが,市長はどのようなお気持ちで箱館丸を見ていらっしゃいますでしょうか。また,今後,市として箱館丸を観光資源として,さらに活用していくお考えがあるのかどうか教えていただけますか。
(市長)
私が市長に就任したときに,緑の島の整備を決定しました。それまでは荒れ地といいますか,埋立地でありましたがしっかりした整備がなされていませんでした。
私はイベント広場として整備するということで,芝生を張ったり,駐車場も舗装したりということを行いまして,そのときに何とか箱館丸を海に面した緑の島に移設できないかということを担当部に投げかけましたが,検討した結果は1億数千万円かかるということでした。建造するよりも移設の方が費用がかかる。確か5,000万円くらいで建造したと聞いています。5,000万円くらいで建造したものを1億数千万円かけて移設するのかということで,これでは理解を得られないと私自身は当時思いまして,移設を断念し,今のところでしばらくそのまま設置して,見てもらうしかないということで今に至っています。
今後,あまり経費がかからない形で移設できる方法があれば,できるだけ皆さんに見ていただけるような場所に移設できればと常に思っていますが,前段のことを踏まえると,そう簡単にはいかないのではないかと思います。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。
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