公開日 2022年05月13日
更新日 2022年05月17日
定例記者会見
日時 令和4年4月27日 水曜日 午後2時
場所 市役所8階大会議室
【会見事項】
・各社質問
記者会見動画(YouTube 函館市公式動画チャンネル)
記者会見動画(発表事項,字幕付き)(YouTube 函館市公式動画チャンネル)
新型コロナウイルス感染症について
(市長)
私から、まず新型コロナウイルス感染症について、お願いも含めてお話をさせていただきたいと思います。
函館市内の新規感染者数につきましては、4月に入りまして前の週の同じ曜日を上回る日が多く続いておりまして、100人を超えるような日もあるなど、横ばいから増加気味になっているところであります。依然として10歳未満、あるいは10代の人など、子ども含めて若い世代の感染が多く、家庭内での感染というのも増えておりまして、4月に入ってからの感染者数を年代別で見ますと、40代以下が82.1%で、8割を超える陽性者が40代以下で占められているということで、子どもとその親の世代の感染者が多くなっております。
ほとんどが軽症あるいは無症状であり、自宅療養をしていただいておりますので、医療提供体制が第5波のように非常に逼迫している、あるいは療養していただくホテルが満室で難しい状況になっているというようなことは現在ありませんが、人の移動や会食の機会が増えるゴールデンウィークがこれからやって参りますので、感染リスクが高まるほか、また、先週市内でも初めて新たな変異株であります「BA・2」が確認されたところでありまして、感染拡大も懸念されることから、引き続き警戒が必要だと考えているところであります。
市民の皆さんにはこれまで何度も申し上げてまいりましたが、三密の回避やマスクの着用、手指の消毒、換気、このような基本的な感染防止対策をこれからも実行していただきたいと思います。
また、ゴールデンウィーク期間中旅行される方も多いと思います。旅行先での飲食や普段一緒に住んでいない親族や知人との自宅における飲食の機会も多くなると思います。できるだけ短い時間で、深酒をしないで、大きな声で話したりしないで、会話のときはなるべくマスクを着用するとか、そういうことに気を付けていただきたいと思います。特に、大人数でやるとき、さらにまた普段一緒ではない方々との飲食の際には、より一層の注意をしていただくことが必要だと思っております。また、体調が不良な場合は、無理をしないで外出を控えるといった行動もとっていただきたいと思います。
また、現在3回目のコロナワクチン接種を進めておりまして、高齢者の皆さんはほとんど3回目接種が済んでいる状況にありますが、それ以下の年代の方々につきましても、順次、早期接種の検討をお願いしたいと思います。やはりワクチンの3回目接種が感染予防に効果があるようでありますし、重症化を防ぐ効果もあります。まだ若い方々で6か月経過していない方もいらっしゃいますから、6か月が経過したときにはぜひ接種を検討していただきたいと思います。
少しでも感染リスクを減らすために、一人ひとりが感染防止に取り組んでいただくようお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
幹事社質問
(記者)
パートナーシップ宣誓制度が4月から導入されて1か月ほど経ちましたが、現状や今後の展望、市長の受け止めなどお聞かせください。
(市長)
函館市ではパートナーシップ宣誓制度を4月1日から運用を開始したところでありますが、今月7日にパートナーシップの宣誓をされた第1号のカップル2人に宣誓書の受領証を交付させていただき、さらに13日には、2組目のカップルも宣誓されているところであります。
この制度を利用して、性的マイノリティーの方々が少しでも生活しやすくなり、安心が得られ、そして、理解が進むといった状況が、ぜひ生まれてほしいと思っているところであります。現在2組でありますが、問い合わせもあるようですので、順次進めていきたいと思っております。
ただ、これはあくまでもスタートしたばかりであり、このパートナーシップ宣誓制度はできたからそれで終わりというものではありません。雇用先の企業や市民の皆さんに、性の多様性について理解を深めてもらうことが非常に大事なことでありまして、市としては今後とも啓発活動を行っていくとともに、制度を利用する方々からさまざまご意見をいただきながら、よりよい制度となるように取り組んでまいりたいと考えております。
(記者)
同じ時期に福祉拠点の設置も始まりましたが、導入後の変化などについてどのように感じていらっしゃるのかお聞かせください。
(市長)
福祉拠点は、地域包括支援センターの機能を拡充して、高齢者に限らず世代を問わない困りごとの相談支援に対応できるものとして、4月1日に開設したところでありますが、それぞれの福祉拠点には相談をするという機能だけではなく、情報交換や相談を日常的に行うことができるサロン的なスペースを設けていただいております。
困りごとや悩みごとのある方々はもちろんですが、市民の皆さんに本当に気軽にご利用いただきたいと考えておりまして、福祉拠点が地域の寄り合い所的な存在になればと思っております。
ただ、これも先ほどのパートナーシップ宣誓制度と同じでありまして、全国でも先駆的な取り組みでありますので、4月の開設はスタートをしたということであります。これからが肝心でありまして、今後も試行錯誤を重ねながら、より良いものに改善していきたいと考えております。
そしてこの福祉拠点を中心として、支援に関わるさまざまな皆さんのネットワークを構築することが非常に大事であり、ハードだけその施設ができたからというだけではありません。やはり人のネットワークをどうやって構築して、各地域でうまく機能させていくかということが重要だと思いますので、市役所だけではなく、10か所の福祉拠点の皆さんや専門の関係機関、加えて町会や民生児童委員の皆さん、こういった方々と連携を図りながら取り組んでいけば、将来に向かって各地域の良い相談場所になっていくのではないかと考えております。
各社質問
(記者)
先日、ウクライナから函館市に1人非難されてきたということで、函館市において避難されてきた方に対しての支援策であったり、どのような対応をとられているかお知らせください。
(市長)
道内の各自治体でもウクライナからの避難された方々を受け入れておりまして、現在承知しているところでは、北海道全体の受け入れ人数は9人と伺っておりますが、いずれも自治体で受け入れを公表していないことから、どこの自治体が受け入れているかは、具体的に承知しておりません。
函館市に避難されてきた方が1人いることは、市として確認をしています。4月14日に入国をされたウクライナ国籍の方でありますが、市として避難の情報を入手しましたので、関係者の皆さんと話をしながら生活全般に関する相談対応や住宅などの情報提供を行ってきたところであります。
ただ、1人の人間が何もつてがなく函館に来たわけではなくて、頼る方がいらっしゃって、現在はその方が対応していただいていますので、具体的今の時点で市にこうして欲しいという要望はないのですが、私どもも温かく見守っていきたい。その後、落ち着いてから市に対する要望があれば、承っていきたいと考えているところであります。
いずれにしても、この方だけではなく今後も函館市に避難して来られる方がいれば、その人に応じた出来る限りの対応を市としても行ってまいりたいと思っております。
(記者)
先日、知床で観光船が遭難する事故があったことを受けて、国内いろんなところで観光船事業者に対して安全管理の呼びかけが行われているところです。函館市にも観光船があると思いますが、事業者へ対して函館市の方から、例えば安全運航の呼び掛けなど何か対応されることはあるのでしょうか。
(市長)
まずは、知床の遊覧船の事故は残念なことで、難しい事態になっていると感じています。私自身も毎日テレビや新聞を見たり読んだりしていて、大変な状況だと思っております。家族の方々は、非常に心配されていると拝察するところであります。
あの事故を受けて、各地で遊覧船の安全について、さらに取り組みをしようとしていることは、マスコミを通じて存じ上げております。函館にも、港内の遊覧船はありますが、それだけではなくて釣りを行う遊漁船もありますので、そういったところに対する新たな安全の確認ということが必要だと思っております。
基本的に漁船は別にして、遊覧船などについては、基本的には運輸局の許可などいろんなものが要りますから、個々の自治体としてももちろんやっていきますが、専門的にはそういう所管の省庁がありますので、そちらを通じてということになりますが、市としても、遊覧船だけではなく遊漁船もありますので、あわせて十分な安全が確保されるように要請してまいりたいと思います。
(記者)
要請してまいりたいということは、現在はまだ要請まで至っていないということでしょうか。
(市長)
今の知床の状況が、まだ捜索中ではっきりと原因等が固まっていません。また、このような状況の中で、事業者も十分心得ていると思います。もう少し原因等がはっきりした時点できちんとした形でお願いしていくのがよろしいと思っています。
函館で遊覧船といえば1事業者くらいで、おそらく港の外に出て行くものではないと思いますので、ああいう状況にはなかなかならないと思います。遊覧船は1事業者なので、お話ししやすいとは思いますが、遊漁船については把握をしていませんので、その辺を確認しながら、こちらの方にも十分周知を図っていきたいと思っております。
(記者)
先ほどのウクライナの避難民の件ですが、道内で受け入れているということを公表したのは函館市だけですが、どういう形で誰がどういう判断をして、発表しようということになったのかもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
(市長)
函館に避難して来られることについては知っていますが、発表したことの詳細についてはあまり承知をしていません。
本人と家族の希望によって、今のところ避難された方や受け入れされた方の氏名や詳しい内容については非公表にしてくださいと言われています。そのため、函館に来られましたということだけの発表にとどめております。それは相手方の希望なので、それ以上のことは言えません。
(記者)
発表された内容っていうのが1人来られたという内容だけで、性別の公表もされていません。函館市民にもウクライナから避難民が来ていることを知らせるということはすごく大事なことだと思うのですが、もちろん個人が特定されないようにということもあると思いますが、例えば先ほども少しおっしゃっていましたけど、函館市としてどのような支援をしているのかなど、もう少し情報を出していただくことができないのかなと思うのですが、その辺はどうお考えでしょうか。
(市長)
相手が望んでいる以上、無理です。信義に反して我々が男女の別だとか年齢だとかさまざまな状況をお話することはできません。
(記者)
函館市がどういった支援をするということは、個人の特定には繋がらないと思うのですが。
(市長)
先ほど申し上げたように、今の時点では、頼られた方がすべて面倒を見ていて、市として具体的に何か対応しているということはありません。
(記者)
取材のときにそういうふうに答えていただきたかったと思います。
ちょうど市長3期目の任期が残り1年となるのですが、この3期11年を振り返って、自己採点で、例えばどのくらいまでやりたいことができたかたというのはご自身でどのような評価をしてますでしょうか。
(市長)
議会でもよく聞かれるのですが、自分で自分を評価することは、反省することはありますが、評価は周りの皆さんにお任せしたいというのが私の考え方であります。
(記者)
先月も聞いて恐縮ですが、任期残り1年ということで、次の市長選については今の時点ではどうお考えでしょうか。
(市長)
前回の記者会見と同じ考えです。
(記者)
大間原発の差し止め訴訟が、今月で8年目を迎えると思いますが、これまでの進捗状況をどのようにご覧になっておられるのか、また、今後の展開をどのように考えているかお聞かせください。
(市長)
大分年数がかかっておりまして、安全審査自体も大間原発の場合は、原子力規制委員会の審査も進んでいないという状況もあります。工事も多分止まったままだろうと思っております。
裁判も、最初国は門前払いの形での答えしか持ってきていませんでしたが、大分具体的に向こうも反論をしてきていますし、こちらもさまざまな点で裁判の中で函館市の考え方を弁護団を通じてお話しをして、具体的な危険性や同意を得るべきとのお話をしてきました。
回数は重ねているのですが、具体的に何か進展が見られるかというと、そういう状況にはありません。
これからですが、まず原子力規制委員会の審査が進まない中では、裁判所としても具体的に判断を下すのは難しいと思うわけでありまして、我々としては、お互いに弁論をしあっている分には工事が着手しない限り良いわけでありますから、無理に急いでどうこうと言うつもりはありません。こちらの我々の考えに沿ったものであれば急いで出していただきたいと思います。
原子力規制委員会の審査が全く止まったままの中では、裁判所も住民訴訟に比べると、自治体の訴えというのは、非常に重みを感じていると思います。もうしばらく時間がかかると思っています。
ただ、ウクライナのチェルノブイリ原発があのようにロシアに占領されたりして、原発が狙われる状況にあります。
ウクライナでもし原発事故が起きれば自分の方にも被害を受けるから、ロシアは原発の破壊まではしなかったわけですが、もしそんなことしたら、モスクワまでその被害を受け、自分の身にも降りかかってきます。ただ、大間の場合は、日本は周りが海に囲まれていることからそういうふうにしてもらえるかどうかはあります。あらためて国際海峡に面した大間に従来型以上のプルトニウムを使った危険な原発を作ることの是非を、国防上というか安全保障上も極めて問題だということを我々も申し上げてきたわけですから、今回のウクライナのことで、我々の意見が説得力を持つんだということがお分かりかと思います。
(記者)
現在、円安と原油価格の高騰で市民生活への影響を大きく受けているところがあり、またここで追い討ちのように円安の傾向が強くなってきているということで、かなり市民生活への影響が出ていると思うのですが、今後、市として市民生活に対しての支援であったり対応をするお考えはありますでしょうか。
(市長)
おっしゃるとおりただでさえコロナ禍が2年半続いて疲弊しているのに加えて、円安やウクライナ侵攻によって影響が大きくなっていますが、エネルギーあるいは食料など、さまざま物価も高騰をしています。そういう意味では企業も大変だけれども、市民生活も大変だと私も思っております。
昨日、岸田首相が緊急対策を発表しました。まだ、詳しい中身が分かっておりません。なるべく早くその情報を仕入れて対応していきたいと思います。
ただ、今年度に非課税になった世帯に10万円、それからひとり親家庭などそういう低所得で子どものいる家庭には子ども1人につき5万円というところは分かっています。そのほか事業者に対する支援、あるいはガソリンなど燃料価格の高騰を抑える対策ということは分かっています。
我々が今一番知りたいのは、地方への交付金です。8,000億円とも1兆円とも言われる額が配分されると聞いております。その額のうち函館市にどれぐらい配分されるのか、それをまず確認したうえで、コロナ対策の国からの交付金が、今年度に交付が決まっている分で予算化していないのが9億円くらいあります。この9億円プラス今回の8,000億円なり1兆円と言われる額のうち函館市への配分がどの程度になるのか、それと合わせてコロナの予防対策には機材も含めて交付金がありまして、基本的に北海度の措置で対応できます。今のコロナに加えてそういう大変な状況にあるものをきちんと見きわめながら、交付金の額が確定すれば、補正予算を早急に編成して、困窮している皆さんを、国の制度だけではなく市独自のものも考えながら、対応してまいりたいと思います。
(記者)
大型連休の呼びかけのところですが、市民に対して旅行先での注意点や帰省先での注意点を先ほど述べられていましたが、今年のゴールデンウィークはホテル業界も予約状況は好調のようですので、函館に来られる方や帰省されてくる方に対しての注意点についてもおっしゃっていただければと思います。
(市長)
それはお互い様であります。人口割では、北海道の方が東京よりも感染者数が多いですし、来られる方は市民の方と一緒で、行く先で基本的な感染対策をきちんととっていただきたいと思います。昨年の緊急事態宣言があけた10月から12月にかけて、観光客が結構来ていただきましたが、それで感染が広がったということはありません。観光客の皆さんは比較的マスクをしていただいたり、それから食事も市民との交流の場での食事というのもないと思います。函館市民が旅行するときと同じ程度の注意を払っていただければと思いますし、来られる方もみんな心得ておられるだろうと思います。
(記者)
ホテル業界は今年のゴールデンウィークはかなり好調で、コロナ禍が始まってから最大の繁忙期だという声も聞こえるのですが、その要因としてはこだて割が大きく影響しているのではないかという声もありました。このゴールデンウィークの観光業界の状況について、市長はどのようにご覧になっていますでしょうか。
(市長)
ゴールデンウィークと夏休みの期間中は、函館観光では、コロナ前は満室になりホテルが取れないという状況でしたので、そういう状態にあるというのはある意味非常に嬉しいことだと思います。全国でまだ感染者数だけでいけば、まだ収まらない中で来ていただけるというのは嬉しく思いますが、それだけに感染対策をきちんとやっていかなければならないと思います。
はこだて割も、もうそろそろ切れてくるのと思います。この後はほっかいどう割がまた違った形で国の制度の中でやられていくと聞いておりますし、また国のGOTOがどこから始まっていくかはまだはっきりしません。夏場に向かっては、今の状況以下に感染が収まっていくとすれば、北海道の観光は夏場に向けて非常に期待が持てるのではないかと思います。
新型コロナの状況次第なところもありますが、そろそろ社会経済活動を正常に戻していくという考え方も必要だと思っています。ただ、できるだけ来てくださいと出かけていって前のように観光誘致するような状況にはありませんし、海外から観光客を迎えられるような条件も整ってませんが、ホテル業界や観光業界全般が大変な状況でありますし、飲食店も含めてそういう状況にありますので、我々としては受け入れられるように、また、はこだて割についても、これからもそういうものが必要かどうか先ほどの緊急経済対策の補正予算において、困窮されている方々への助成措置も含めて合わせて検討していきたいと思っているところです。
(記者)
コロナの経済対策の話が出ましたが、今後本格的にウイズコロナ政策に切り替えていくにしても、経済対策というものは継続的に何年も続けていくものだと思います。そういう意味で一貫したコロナに関する経済対策を行っていくうえで、ご自身が当面続けられた方が、合理的という考えもあるのかと思います。そういう意味で、次の選挙に向けた進退の表明は、いつごろまでになさるおつもりでしょうか。
(市長)
先ほどの申し上げましたが、自分の進退については今のところ全く考えておりませんし、いつごろかということも含めて考えておりません。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。
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