公開日 2023年07月03日
史跡垣ノ島遺跡 全景
遺跡の概要
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資産種別:集落跡,記念物(盛り土遺構)
- 時期:縄文時代早期前半から後期末葉(紀元前7,000年から1,000年頃)
- 史跡指定日:平成23年2月7日
- 指定面積:92,749平方メートル
- 主な遺構:盛り土遺構,竪穴建物跡,墓坑,貯蔵穴,配石遺構
- 主な遺物:土器,石器,青竜刀形石器,石棒,ヒスイ製垂飾品など資産種別:集落跡
垣ノ島遺跡の経緯
函館市臼尻町の縄文文化交流センターに隣接した海岸段丘上に位置する史跡垣ノ島遺跡は,平成12~15年度に遺跡の南端部で国道改良工事に伴う発掘調査が実施され,縄文早期末葉(紀元前5,000年頃)の墓域から17点もの足形付土版や,後期後半の住居床面から祭祀儀礼に伴うと考えられる漆塗り注口土器や双胴土器といった遺物がまとまって出土するなど,数多くの貴重な成果が得られました。遺跡の重要性が高まったことから文化庁や北海道教育委員会と遺跡の保存に向けた協議を重ねながら,平成15年度には台地の中央で縄文後期初頭を主体とした「コ」の字形をした大規模な盛り土遺構の存在が確認されるとともに,平成21年度まで詳細分布調査を行い,縄文早期前半(紀元前7,000年頃)から後期後半(紀元前1,000年頃)にかけて長期間にわたり,拠点集落だったことが明らかになり,各所における様相を確認しました。それらの成果から平成23年2月に国の史跡に指定されました。
垣ノ島遺跡の特徴
垣ノ島遺跡の特徴は,縄文時代早期前半から後期後半までのおよそ6,000年間という長期にわたり地域の拠点となる集落が営まれたことで,時期毎の台地利用の変遷がうかがえます。加えて前期後半から後期初頭にかけてつくられた盛り土遺構は,長軸190m以上,短軸120mにおよぶもので,国内でも最大級の規模です。これは道具や食料となった動植物に対して感謝の気持ちや再生の願いを込めて儀式を行った「送りの場」だったと考えられます。一方,盛り土に囲まれた中央部分には,「丘状遺構」と名付けた小さな高まりがあり,青竜刀形石器や石棒など特殊な遺物が出土していることから,祭祀・儀礼が行われた特別な場所と考えられます。また道(通路)と考えられる構造も見つかっています。なお,世界最古の漆製品(紀元前7,000年頃)が出土した垣ノ島B遺跡は,垣の島川を挟んだ対岸にあります。
なお垣ノ島遺跡から出土した資料は,函館市縄文文化交流センターで収蔵・展示しています。
垣ノ島遺跡での発掘調査
史跡整備
平成24~25年度にかけての公有化事業を経て,25年度から史跡内容確認調査を実施し,盛り土遺構の全体規模や形状を捉えることができ,加えて良好に保存されていることもわかりました。
函館市教育委員会では平成29年度から整備に着手し,盛り土遺構の旧地形を復元するとともに張芝し,竪穴建物跡が数多く残る範囲には園路を整備して,来訪者用の案内看板を設置しました。また体験広場には雨天時でもものづくりなどを体験学習できる体験棟を設置したほか,遺跡の発掘調査や土器の野焼きを体験できる施設も整備しました。
史跡垣ノ島遺跡は4年間の整備を経て,令和3年7月28日から一般公開しています。
関連計画
整備後の垣ノ島遺跡平面図
定時解説
専門スタッフが竪穴建物跡や盛り土遺構など遺跡内の見どころを一緒に巡りながら,詳しく説明します。
定時解説スケジュール
4月~10月 1日3回
(1回目)10:00~(2回目)13:00~
(3回目)15:00~
所要時間45分
※ 参加方法
- 参加料無料
- 事前申し込み不要。参加をご希望の方は直接現地スタッフにお申し出ください。
- 定員(1回あたり20名程度)に達した場合は,お断りする場合もあります。
- 上記以外の時間や団体でのご利用希望については,函館市縄文文化交流センター(電話0138-25-2030)にお問い合わせください。
- 状況により開催時間などが変更となる場合がありますので,詳細については函館市縄文文化交流センターにお問い合わせください。
発掘体験
発掘調査の目的や方法を学びながら,土器や石器を実際に掘り出すなど,一連の作業を体験できます。
発掘体験スケジュール
4月~10月 1日2回
(1回目)11:00~(2回目)14:00~
所要時間40分
※ 参加方法
- 参加料無料
- 事前申し込み不要。参加をご希望の方は直接現地スタッフにお申し出ください。
- 定員(1回あたり20名程度)に達した場合は,お断りする場合もあります。
- 上記以外の時間や団体でのご利用希望については,函館市縄文文化交流センターにお問い合わせください。
- 状況により開催時間などが変更となる場合がありますので,詳細については函館市縄文文化交流センターにお問い合わせください。
デジタルコンテンツ
垣ノ島遺跡では,このたびすべてのデジタルコンテンツが完成し,公開を開始しました。
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)により,縄文人の暮らしや竪穴建物跡,発掘調査の様子などを,あなたのスマートフォンやタブレット端末で,見ることができ,一緒に写真撮影することもできます。
専用のアプリをダウンロードして,垣ノ島遺跡で縄文体験しましょう!
ARイメージ 画面の中に竪穴建物が現れ,建物の中を見ることができます。
画面に現れた縄文人と一緒に写真撮影ができます
アプリが使えるタブレット端末の貸出も行っています。
詳しくは以下をご確認ください。
ご利用案内
垣ノ島遺跡管理棟
所在地
函館市臼尻町416番地4(垣ノ島遺跡管理棟)
※縄文文化交流センター駐車場横の入口ゲートから入場できます。
※駐車場は縄文文化交流センターと共用です。
函館市街地からの公共交通機関を利用したアクセスは,
函館市公式観光情報はこぶら(外部リンク)をご覧ください
供用時間
- 4月~10月 9時00分~17時00分
- 11月~3月 9時00分~16時00分
休場日
12月29日~1月3日
※臨時休場の場合もあります。あらかじめお問い合わせください。
利用料
無料
その他
芝生広場,管理棟は飲食することができます。
時間によっては体験棟も利用可能ですので,お問い合わせください。
お問い合わせ
函館市縄文文化交流センター
所在地:函館市臼尻町551番地1
電話:0138-25-2030
ホームページ:http://www.hjcc.jp/
交通アクセス
公共交通機関(函館バス)
- JR函館駅から…函館バス99系統に乗車,垣ノ島遺跡下バス停で下車し,徒歩5分(所要時間約90分)
- 函館空港から…函館バス7A系統に乗車,湯倉神社前バス停で99系統に乗り換え,垣ノ島遺跡下バス停で下車し,徒歩約5分(所要時間約80分)
※時刻表などについては,函館バスホームページ(外部リンク)をご覧ください。
※新函館北斗駅からの路線バスはありません。JR函館駅へ移動し,バスへご乗車ください。
自家用車・タクシー
- JR函館駅から…道道83号線と国道278号線尾札部道路を経由(所要時間約60分)
- 函館空港から…道道83号線と国道278号線尾札部道路を経由(所要時間約40分)
- JR新函館北斗駅から…道道43号線(七飯町・鹿部町経由)と国道278号,道道980号線,国道278号線尾札部道路を経由(所要時間約60分)
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