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市長定例記者会見(令和3年7月15日)

公開日 2021年08月05日

更新日 2022年03月17日

定例記者会見

日時 令和3年7月15日 木曜日 午後2時

場所 市役所8階大会議室




【会見事項】

 

発表事項     新型コロナウイルス感染症の対応等について

 

幹事社質問

 

各社質問



                                                         【一覧へ戻る】





発表事項

(市長)

今日は、お忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。

本日は、私から2点お話をさせていただきます。

1点目は、ワクチン接種の函館市における現況であります。2点目は感染対策について、今後のお願いをさせていただきたいと思います。

まず、1点目の新型コロナワクチン接種についてでありますが、函館では医療機関や医師会の皆さんから色々ご協力をいただいて、当初想定していたより、かなり早いペースで接種が進んできたと考えております。

医療従事者の皆さんは、市内に約1万5,000人おりますが、6月でおおむね2回の接種を終えております。また、65歳以上の高齢者についても、当初の予定よりも接種が加速をして、国からいろいろ言われたこともありますが、一昨日の7月13日の時点では、1回目の接種を終えられた方は対象者9万2,000人のうちの6万7,800人、73.9%となっております。

また、2回目の接種を終えられた方は、4万1,100人で44.8%ということになっております。このペースでいけば希望する高齢者への接種は7月末で概ね完了をするという見通しであります。

高齢者について目処がたってまいりましたので、現在基礎疾患を有する方と60歳から64歳までの皆さんの接種を進めているところであります。

そういう中で最近報道されておりますが、国からのワクチンの供給というのがちょっと滞ってるといいますか希望の数がなかなか届かないという状況に、全国的になっております。

残念ながら本市においてもそういう状況が生じておりまして、今後の接種に必要なワクチンの十分な供給というのが今見込めないということで、新規の予約受付を一時的に8月以降の分を停止しているという状況になります。

多くの市民の皆さんが、早く接種したいというご希望をお持ちだというふうに思いますので、国には引き続き安定的な供給を求めるとともに、ワクチンの必要数量が確保される、あるいは、入ってくるワクチンの量が国から示された段階で、我々としても情報をきちんと早目にお知らせをして、予約受付の再開等もお知らせをしながら進めていきたいと考えております。

基礎疾患のある方、60歳から64歳までの方、それから今もやっている高齢者の方々のワクチンというのは、既にもう7月までの供給された分で確保できるのかなと思っておりますけれども、その後、8月は今のところ2回供給される予定ですが、今日報道されたのはそのうちの1回目の部分の道調整枠で、8月中に供給される分では、多分基礎疾患を有する方と60歳から64歳の方の分を賄うのが精一杯なのかなという状況にありまして、その他の一般の方々約10万人いらっしゃるんですが、この10万人に対する接種については、9月以降に供給されるワクチンでなければ予約等を開始できないという状況にありますから、それが見えてくれば、8月以降に順次接種券を発送して、出来れば9月にはそういう方々の接種を順次始めていきたいと思っております。もちろんワクチンの供給次第であります。

一般の方々の接種については、まず保育園や小中学校などの職員の方、それから公共交通機関の運転手の皆さんなど約5,200人について先行接種を行って、その後、59歳以下の方々について年代順で順次接種券を発送して接種を進めていくという予定で現在考えております。

一方、職域接種について、本市においては申請の団体数は22団体で、接種希望が5万5,000人で申請されていると伺っているところであります。そのうち2団体については、すでにワクチンが来て接種を開始しているわけでありますが、残り20団体については、今のところ見通しが立っておりません。報道等では9月ぐらいには国が調整したうえで供給されるというような話もありますので、それが始まれば10万人の中から、5万5,000人分全員のワクチンは多分確保できないと思いますけれども、市としてはかなり助かると言いますか、お互いがやっていけば接種が早まるかなと思いますので、いくらかでも国が努力して供給していただければいいと考えております。市としては、希望される市民全員にできるだけ早く接種をできるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えておりまして、できれば当初の予定通り11月中には希望する方々への接種が終えれればと考えており、そのためにはまずはワクチンの供給が重要だと思っているところであります。

次に、2点目でございますが、感染症対策などでの市民の皆さんへのお願いであります。東京都においては4度目の緊急事態宣言が発令されておりまして、また周辺の3県や大阪府などでもまん延防止等重点措置が延長されて、いずれも期間は8月22日までで、お盆や夏休み期間中は、ほぼこの措置が適用されるということになっておりますし、また、北海道においても、まん延防止等重点措置は解除されましたけれども、北海道独自の対策ということで、8月22日まで札幌を中心に独自対策を行うと発表されたところであります。

函館市内においても、依然として新規感染者が確認されている状況でありまして、今日はゼロの発表でありますけれども、クラスターも事業所や学校の寮で発生している状況にあります。加えて感染力が従来のものをよりも2倍程度強力だと言われるデルタ株、インド型が函館市内でも確認がされている状況であります。こうした中で、これからオリンピック・パラリンピックが始まります。それ自体は、函館市にはそんなに影響がないと思いますが、同時期にやっぱり夏休みが入りますし、旅行シーズンでもあります。それからお盆、これはもう帰省シーズンであります。こういったことで人の動きというのが非常に活発化することが予想されるわけであります。年末年始の後、函館でも感染が大きく拡大をして、1月から2月上旬にかけて今までの最大の波がありました。主には、やはり帰省によるものでありまして、それで家族に感染させたり、あるいは函館にいる友達とか色んなところから集まった友達と飲食したりして、多い時には1日30人の新規感染者を出したということがありました。ただ、その時は従来株でありましたが、英国型でもかなり感染力が強まりました。インド型になると、さらに強力なものになるということで、東京都においては昨日も1日で新規感染者が1,000人を超えたというような状況にあります。全国的にもデルタ株、インド型による感染で第5波が懸念され、懸念されるというよりも、確実に来るのではないのかなっていうふうに私は思って非常に警戒しているところであります。

このことから市民の皆さんに夏休みの旅行シーズンや帰省シーズンを今後迎えるあたって、ぜひ感染対策についてお願いがあります。1つは、札幌圏との往来、もう1つは東京などの首都圏、あるいは大阪、関西圏、こういった感染がまだまだ再拡大しつつあるようなところとの不要不急の往来はできる限り避けていただきたい。加えて、帰省、子どもや孫などが帰ってくる可能性があるわけですが、十分に注意をしていただいて、とりわけこの感染拡大しているような首都圏、関西圏あるいは札幌圏からの帰省については、十分気をつけて配慮いただきたい。ぜひ、1月の繰り返しにならないように各家庭において気をつけていただきたいと思います。そのうえで、これも従前からお願いしておりますが、感染対策が徹底されていない飲食店の利用は控えていただきたい。これは、函館においてはかなり浸透してきていると思います。それからもう1つは、飲食は少人数、短時間、大声を出さない、会話をするときはマスクを着用する、といった基本的なことをですね、やはり飲食、身内での飲食あるいは友人間知人間での飲食というのは、飲食店を利用するしないにかかわらず、やはり気をつけていただきたいと思います。

また、最近は、とりわけ職場や寮、こういったところの感染者が、函館においては多く見受けられます。こういったところで、マスクを着用していない事例が散見されるところであります。お互いいつものメンバーだからということで、マスクをしないで仕事をしているとか、そういうケースが結構多いように見受けられます。お客様を相手にするところは、しっかりと感染対策をしてマスクもしてやっているんですが、同じ従業員同士や社員同士だと気を許して、事務室的なところでは、マスクをしないで仕事をしているというようなことがあります。ぜひ家庭以外では必ずマスクをしてくださいということです。これは強く強くお願いをしたいと思います。今、むしろ飲食店での感染よりも、そういったマスクをしていないことによっての感染が多く見受けられますし、それからやはりかなり英国型になってから潜伏期間が長い。だから、一度濃厚接触者ということで検査して陰性であっても、1週間後にやっぱり調子が悪くなって検査したら陽性、1週間後も大丈夫で2週間ぐらい経ってそろそろ大丈夫で完全に普通の生活してもいいかなと思って検査したら3回目で陽性とか、非常に従来型に比べるとわかりにくい。何ともないときに何ともないと思って陰性だからと思って行動して、また次の人に感染させてしまうというのは、従来型のときはあまりなかった事例が見受けられています。インド型になってもっと強力だということが言われております。そういうことからいえば、以前は本当に飲食のときだけ気をつけていれば、まず普通に会話したとかすれ違ったとかそんなことでは感染しなかったのですが、英国型になってからは、マスクをお互いにしていても、お仕事上ちょっと話をしたということでも感染している。それから、どこで感染したか分からない、札幌に行ったわけではない、東京に行ったわけではない、飲食店に行ったわけでもないけど感染したという人が増えています。従来型の場合は、だいたいその感染地に行ったか、あるいは感染地からきた人と会ったか、あるいは感染対策がきっちりなされてないときに飲食店で食べたとか飲んだとか、わりとはっきりしていましたが、今はそういうことがはっきりしません。インド型になるとなおさらわからなくなるので、ぜひマスクの着用、家庭でまでマスクをしてくださいとは申し上げませんけれども、それ以外では必ずどんな親しい人と会うときでもマスクをしながらということでお願いをしたいと思います。

また、ワクチンを2回接種されたからといって感染しないわけではありません。重症化しないということは言われておりますが、感染しないわけではありません。自分が2回ワクチン接種しても、感染して他の人に感染させるということは十分考えられますし、実際函館でも2回接種したけれども感染したという高齢者の方が出ておりますので、2回接種したとしても、ぜひ油断をせずに、きちんとした感染対策、マスクをしたりというようなことは従前と同じようにしていただきたいと思います。

以上、皆さんに私からお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

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幹事社質問

 

(幹事社)

最初の質問は市長の先ほどのお話にも関連するのですが、一方では感染防止を図りつつ、函館の主要産業は観光を中心に経済を回していかなければいけないということで、ちょうど北海道観光のハイシーズンに入ったところで、オリンピックの連休やお盆だと満室かそれに近いという旅館やホテルも結構出て来たりとかするのですが、一方で札幌圏や首都圏などからの不要不急の往来は避けて欲しいということで、ただ、そういう地域というのは、函館観光にとっては上お得意様でもあるわけなのですが、観光促進と感染防止のバランスは現状どうお考えなのか。

 

(市長)

先ほど申し上げましたけれども、函館においてもなかなか感染者が途切れません。そして、またクラスターも生じています。また、デルタ株、インド型が出て来ているという中で、とりわけオリパラや夏休み、お盆、こういった人の動きが活発化する時期に入るわけでありますので、決して警戒を緩めるわけにはいかないと私は思っております。実際、札幌も、首都圏ほど顕著ではありませんが、また最近ちょっと増え始めています。そして、インド型が札幌の場合はかなり出ているので、また、大幅に増加していくような中で、観光誘致策を強力にやっていけるかっていうと、ホテルの皆さんや飲食店の皆さん、そして観光土産店等の皆さんの苦境はわかりますけれども、市としてこぶしを振り上げていらしてくださいっていうのは、なかなか難しいのかなと思っております。

これまで、函館割やプレミアム付き商品券をやってきております。そういう中で、北海道が何か独自の割引制度を検討してるという話は、マスコミを通じて私も承知をしておりますが、夏場は北海道の場合は書き入れ時でありまして、あまりそういう大幅な独自のことをしなくても来ていただけるのに、また、それを振り上げてさらに増加させるというのは、ちょっと今の時点では方向性としては難しい。函館観光というのは、一番多いのは首都圏からの観光客で、北海道の中ではもちろん札幌市からの観光客でありまして、こういったところから、どっと押し寄せるっていうのは、ホテル・旅館にとっては良いのかもしれないけれど、市民にとってはやはり不安が増します。それを市が旗ふりするわけにはなかなかいきません。自然体でこの夏場は乗り切るしかないと思います。北海道がガラガラになるということはないと思いますし、首都圏の方々も、やはりオリンピックもテレビでしか観戦できないし、暑いし、向こうは感染拡大しているし、それでは北海道に行ってみようかっていう人たちがそれなりにいらっしゃると思います。それを来ないで欲しいと言うつもりはありません。ただ、積極的にどうぞいらっしゃいと言うのも、またこれもちょっとはばかれるなというふうに思っておりますし、函館割の今年度の予算というのは、まだ億単位で使い切れないで残っていますから、今から観光部にはホテル・旅館の方々とよく協議をして、いつの時期にそういうことを市としてやればいいのかということを意見交換しておくように指示してあります。夏場については、市の単独の対策は要らないといいますか、もっと大変な時期がこれからまた冬場予想されますので、そういう時期の方がよろしいのかなというのが大方の意見だというふうに私自身聞いているところでありますから、コロナのこれからの推移とワクチンの接種状況、そしてまた観光客の入り込みの推移等を見ながら、適切な時期に市としても振興策を打ち出していきたいというふうに思っております。

また、感染予防対策については、ホテルの営業と感染対策と両立させたいと思っていまして、ホテルとかに対してはですね、新しい生活様式の対応店舗の改修補助金ということで、3分の2の補助で100万円を上限とした補助を既に行っておりまして、最初1億円くらいで収まるかなと思ったのが2回くらい補正をして、最終的には4億7,000万円、5億円近くまでいったということで、そういうこともあって函館では比較的飲食店での、1月、2月では結構飲食店での発生があったのですが、それ以降は飲食店で発生が見られないという状況にありますので、一定の効果を上げているのかなと思います。これからも飲食店やホテルの皆さんには感染対策を十分とっていただきたいなと考えております。

 

(幹事社)

今回のイコモスの委員会の会期中には北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録が正式に決まると思うのですが、これに対する期待と、函館市域にあっても市街地からは遠いということで、アクセスとか東部地域への回遊あるいは鹿部町や七飯町との連携など、道南全体での取組については、どうお考えでしょうか。

 

(市長)

今のところ、今月の27日の夕方から夜半にかけて、ユネスコでの会議で決定されるのではないかと伺っているところでありますが、大船遺跡、垣ノ島遺跡が世界遺産に登録されたとなれば、函館市としては、新たな観光資源ということで、函館観光の一層の魅力向上、強化に繋がるものとして、私も大いに期待をしているところであります。

ちょうど函館新外環状道路、空港までの道路が開通して、東部方面への交通アクセスも随分良くなってスピードアップされていると思います。また、観光事業者による旅行商品の調整の動きというのも世界遺産登録に向けて見られておりますし、構成資産、17の資産があるわけでありますが、千歳市あるいは伊達市、洞爺湖町、こういった市町村との連携、また北東北3県との広域周遊観光の活性化、こういったものも期待できるのではないのかなと思っています。ただ、当然連携については、今後も継続して協議していき、そしてまたそれを実施していく必要があるのだろうと思っていますので、まだ多くの課題はありますが頑張っていきたいと思っております。

受入体制については、完全だと申し上げるつもりはありませんが、縄文文化交流センターの近くに臨時駐車場を確保して、そこから無料でシャトルバスを15分間隔で運行したい、それから来訪者への案内のために道路案内標識などの設置、また交通誘導員も配置する予定であります。

そしてまたガイド体制の強化というのも、なかなか見ただけではわからないので、それをきちっと外国人に、日本人の場合はある程度縄文ということに知識がありますが、詳しいことは分からないんで、やはりガイドが必要だということで、今そういうガイド体制の充実も図ろうとしているところであります。

アクセスについては、やはり尾札部道路が開通しなければなかなか抜本的な解決になりません。道路が解決すれば鹿部町側からもスムーズに縄文遺跡群のところに上がって来られますし、函館の市街地側からも行けるという道路なんです。前からもう10年くらい要望しているんですが、予算の関係で一気には開通しません。来年度中には大船の先までこの道路が通る予定となっています。そうすれば細いクネクネの道路を上がっていかなくても利用できるようになるのかなというふうに思っていて、その辺を見ながら今は臨時駐車場へは下から上がっていますが、今は行きどまりの尾札部道路の周辺を駐車場に使えれば今よりはだいぶ良くなるのかなというふうに思ってますが、抜本的には尾札部道路が開通しないと解決しませんし、またそのためだけに細いクネクネの道路を何億、何十億かけて整備するということにもなりません。

しばらくはご不便をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思っております。

 

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各社質問

 

(記者)

直近の人口動向で函館は25万を割ってしまったわけですが、このことについて市長は原因としてはどういうことがあるのかと受け止められていて、今後これで交付税とかの影響もあろうかと思うんですけれども、それに対してどういうふうに対応していくのか考えを聞かせてください。

 

(市長)

原因というのは、日本全体の少子化です。これが一番の原因で函館はその中でもちょっと顕著だっていうのは、やはり若い人の転出、働く場所がなかなか今の日本人の若者に受け入れられるような、人気のあるような働き場がないということがあるんだろうと思います。

一番はもう日本の場合は少子化、これに尽きるだろう。先進国で少子化に悩んでいない国なんかないわけです。先進国で唯一人口が増えているのはアメリカですが、あれは移民を受け入れてどんどん増えておりますから、韓国もそうだし中国も少子化に悩みだしましたし、ヨーロッパは以前から悩んでいますし、そういう中での函館であります。

函館の場合にはやはり産業が、なかなか観光だとかサービス業が主体で、あるいは第一次産業で、若者にはあまり受けないといえば変なんだけれども、とりわけ大卒がもう50%を超える中で、そういう人たちに適した仕事っていうのがやはり少ないということがあって、若者が戻ってこないと札幌圏あるいは首都圏に行って、そのままあるいは函館で卒業しても、より給与、待遇等の良いあるいは大きな企業を目指して函館で卒業しても就職のために首都圏や札幌に行ってしまいます。1つは、若い人の大都市志向というのはこれはなかなか憧れがあるから簡単にはいかないでしょうね。そういう中で当然少子化対策をやっていきます。人口増加策というのはもう夢のまた夢、函館に限らず日本全体で夢のまた夢だけれども、少しでも少子化対策で子育てを支援して、あるいはひとり親家庭も含めて支援をして、そして、子どもを産み育てやすい環境をつくることで、子どもの数が減る、生まれる数が減るというのをできるだけ抑えていければいいなと思っていますし、もう1つはやっぱり経済対策で、働く場所を、若い人たちが望むような職場をどうやって作っていったらよいか、ITだとかAIだとか力を入れてますし、水産関係も今養殖にして、少し企業性を持たせるような取り組みをしていきたいと思っております。

非常に地道でそしてまた長い取り組みになっているのですが、それでも函館に限らず人口は減っていくのだということで、人口が減るということを悪いことだって言うか、衰退していくことだって考える人にとっては非常に残念な結果だ、とりわけこの戦後生まれ、私みたいな団塊の世代とか、どんどん増えてた時代で経済もそれに伴って豊かになった、だから人口が増えれば経済が豊かになったと思っているんだけども実はそうではないのではないかと、私は団塊の世代だけれども、そう思っていない人間なんですよ。だから、GDPが3位だといっても所詮1人あたりでいくと世界で20何位で、高くもない、大した国でもないということになって、それは人口が多くて1人あたりの取り分が少なくなるのは当たり前の話でね。だから落ち着くところに落ち着いたら今より未来は明るいと私は思っています。

 

(記者)

今の質問に関連してなんですけれども、市長は25万という人口を割ったということについては象徴的な意味があると考えているのか、あるいはそうでないのか。また、人口の減るペースは、市長が考えていたものとずれているのか、それとも想定の範囲内なのか。

 

(市長)

30万を切ったときに比べれば25万というのは経過かなと思います。これがまた20万を切るときが、いずれ来るんだけども、ある意味象徴的なこととなるのかなと思います。25万と24万台というのは、何でもそうですが大きな節目ってのはやっぱりゼロであって、5単位ではないというふうな気がするので、30万切って次の大きな節目ってのはやっぱ20万を切るときかなと思います。25万と24万で大ショックかというと予測もしてるわけて、だいぶ前からもうそういうふうになっていくし、将来的には16万、17万、あるいはあと30年か40年たつと12万くらいまで行くのかな、そういうことですから、あまりそれ自体を悲観的には考えていない。

問題は、函館が全国の中でも非常に人口の減る数が多い、人口の減少率でいくともっと町村なんかで多いところいっぱいあるのだけれども、減る数が常にワーストと言えばいいのかベストと言えばいいのか10市に入っている。そこはやはり、少子化が他都市に比べても、とりわけ全国的にも港町というか漁村地帯というか、いつも目減りが大きいです。そして農村地帯の方が目減りが少ない。北海道においても同じでありまして、函館だとか小樽だとか室蘭だとか釧路というのは減少数が大きい。それに比べると内陸部、札幌は別として、帯広だとか旭川だとか北見は減少幅が小さい。

これは、昔からずっとそう思っているのですが、同じ減るにしても農村地帯の方が安定してるんです。その辺の出入り自由という流動的な要素っていうのが多分港町にはあって、出て行くのも簡単に出ていくんだろうと思っていて、一方でなかなか住みつくっていうこともないのかなと思います。少子化の影響をもろに受けて、少なくなっていく子どもの多くがまた学ぶため、就職のために出ていくという構造になりきっています。さっきも言ったように、やっぱり少子化対策で子どもを増やしたとしても、仕事がなければ18歳になった子どもは、また出て行くだけの話で、要はここに残らないんですよ。いちいち少子化対策だけやって、確かに人口の目減りは減るんだけれども、だけど18歳になって出ていってしまうんであれば、それはどうなんだろうと思います。ちょうど働く稼げる時期になったらっ首都圏に行ってしまって向こうで税金を納めてこっちには納めないという状況は、延々と続くんです。

その対策としては、経済の基盤をきちっと作らなきゃなんないんだけど、この時代は非常に厳しい時代で、経済自体が大企業でなければ世界に通用するような企業でなければなかなか生き残れないという時代のなかで何をやるか。昔のように工場だって誘致なんてできるわけではないし、地道に先ほど言ったようなITだとかAIだとかですね、人数は少ないんだけどもやっていく、そういうことをしていくしかないのかなって、私はある意味覚悟を決めながらやっております。

ただ、先ほども言ったように、私の場合は人口が減ることが悪いことだと思ってないから悲観的にはなっておりません。もちろん減っていくなかで、一時的には苦しいですが、年金の問題だとか高齢者がどうすんだとかっていう問題はあるんだけども、行き着く先に希望を持ってなかったらやってられません。

 

(記者)

関連してなんですが、人口の減少は流れとして止まらないとしても、市民サービスのある程度の維持のために、市長から何度もお伺いしていますが、コンパクトシティー構想、こちらについて例えば市長の中のアイディアに過ぎないものであって、何か新しいことがあれば、教えてください。

 

(市長)

コンパクトシティ構想、もちろん今おっしゃったようにね、人口が減っても一人ひとりが豊かになるということは、私の中で最重要課題ですよ。例えば、極端な話が漁業をとらえて漁師が減って後継者がいなくても、漁獲高を今のまま維持して漁師の数が減っていったら、1人分の取り分が増えるでしょう。そういうことは他の産業でも同じなんですよ。

だから、そういう視点で考えると、さっき言ったように日本全体でGDPが中国に抜かれたけれども、まだ3位だって言ってるけれど、そんなもの人口の多いところにこれからインドだとかブラジルにどんどん抜かれていくんです。問題は、一人当たりの所得を増やすという努力をする。できればベストテンに入るぐらいの国になってやっと胸が張れるのであって、人口規模が大きい国がただ総体の所得が大きいと威張っていてもしょうがないのではないか、私自身はそういう考え方だから。

だから函館においても同じです。一人ひとりが豊かな暮らしが今以上にできれば、人口が減ったってそれはそうだというふうに思っているんですが、そういう意味で今コンパクトシティーもこの活気を、このままあっちもスカスカこっちもスカスカ、人口が減っていく中でスポンジ状の街を作っちゃいけないから、従来の函館の方にまた人口を郊外から戻すことは、当然観光の要素からしても必要だというふうに考えております。

今、西部地区の再開発を、今日発起人会をやって会社設立の手続きをして、来月の18日くらいに確か株主総会を開いて、いよいよまちづくり会社ができて、それを実施していくという方向であります。

そのほかにも、都市建設部にはできるだけこっちに人口を寄せるためには、やっぱりさまざま家を建てたりする経費について、特定の中央部あるいは西部地区、そういうところには郊外やとりわけこの近隣の市や町に比べると、函館は土地が高いです。だから、子育てがどうだとかって言うけれども、本音は土地の違いなんですよ。北海道の中でも、旭川や釧路に比べても、函館は土地が高い。それがあるからなかなか若い人たちが家を建てづらい。その部分の差を市として埋めることができないかっていうようなことを検討している。土地代というのは現金で、土地の購入には銀行もお金貸さないです。建物にはいろんな方法があります。その差額をどうやって埋めればこっちに引き寄せることができるかなど、色んなことを検討しています。なかなかまだ検討の途中で、全部言うことはできません。

 

(記者)

来週から東京オリンピックが始まりますが、函館市、道南出身の選手へ激励を一言いただければと思います。

 

(市長)

城山さんは走り幅跳び、金井さんは110メートルハードル、オリンピックはこのお二人、いずれも陸上です。パラリンピックの方は、400メートルの辻さんと車いすラグビーの池崎さん、この2人はもうリオでも銅メダルを獲得してるので十分実績があります。また、城山さん、金井さんについては、函館の千代台陸上スクールで学んで陸上選手として大成をされて、遂に地元東京でのオリンピックに参加できるということで、私も非常に嬉しく思っています。

これまで、函館出身でオリンピックに出場したのは3人くらいいらっしゃるんですが、いずれも水球だとかあるいはボートで、団体競技なんです。今回は、池崎さんは車いすラグビーで団体ですが、個人でということはやっぱり函館出身っていうのは非常に強いです。団体の場合はその中の1人が函館出身がいるという、大分感じ的には違うので、メダルが取れれば一番良いのですが、出られるだけでも大したものだなと私は思っていますので、できれば城山さんにしても金井さんにしても、あるいは辻さんにしても、日本新記録を現在も保持したりあるいは一時持ってて、その後更新されたこともありますけれども、そういう人たちですから、全力でその時を上回る記録を出していただければ、結果は自ずとついてくるというふうに思っています。頑張っていただきたいと思います。

 

 

 


※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

 

 

記者会見動画YouTube 函館市公式動画チャンネル)

 

   
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