公開日 2021年10月15日
更新日 2022年03月17日
保育所で、子どもは
保育士達への信頼をよりどころとして、
心の土台となる個性豊かな自我を
形成していきます。
1 保育所はどんなところ?
保育所は,保育を必要とする乳児(0歳児)・幼児(1歳から小学校就学前までの子ども)を,日々,保護者のもとから通わせて保育を行うことを目的とする施設です(児童福祉法第39条より)。
保育所が保育するのは,保護者の労働または疾病その他の事由により「保育を必要とする」子どもです(児童福祉法第24条より)。
■ ある保育所での生活内容
(1) 0~2歳児
(2) 3~5歳児
■ 保育所保育における幼児教育
保育所では,子どもが現在を最も良く生き,望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために,環境を通して養護および教育を一体的に行います。
具体的には,
- 知識および技能の基礎
- 思考力,判断力,表現力等の基礎
- 学びに向かう力,人間性等
といった子どもたちの資質・能力が保育活動全体を通じて育まれていくように,計画を作成し,それに基づく実践を振り返って評価しながら幼児教育に取り組んでいます。
これらの資質・能力は,子ども一人ひとりの発達の実情や子どもの興味,関心等を踏まえた保育活動全体によって育まれていきます。
■ 保育所で保育を受けるための条件
保育所で保育を受けるためには,保護者の労働または疾病その他の所定の事由により,家庭において必要な保育を受けることが困難であることの認定(保育認定)を受ける必要があります。
また,保育所の利用に当たっては,保護者の1か月当たりの就労時間をもとに,保育所を利用できる1日当たりの上限時間数(保育の必要量)が決められる(※)ほか,利用を希望する施設に空きがない場合などには,市町村が,所定の基準に基づき,保護者の状況などに応じた優先順位をつけ,利用する施設の調整を行います。
※上限時間を超えて延長保育が可能な場合もあります。
2 保育所と幼稚園はどう違う?
保育所と違い,幼稚園は,利用するに当たって保育の必要性などの条件はありません。また,入園希望者が定員を超えるような場合には,抽選や面接など,園が決めた選考方法で入園の可否が決められます。
さらに,保育所の特徴としては次のようなものがあります。
■ 保育所における幼児教育
保育所では,子どもが健やかに成長し,その活動がより豊かに展開されるための発達の援助が「教育」であり,それは,子どもの生命の保持と情緒の安定を図るための援助や関わりである「養護」と切り離せるものではなく,一体的に行うこととされています。
これは,子どもが,自分の存在を受け止めてもらえる保育士等や友達との安定した関係の中で,自ら環境に関わり,興味や関心を広げ,さまざまな活動や遊びにおいて心を動かされる豊かな体験を重ねることを通して,その資質・能力が育まれていくものだからです。
なお,その中で育みたい子どもたちの資質・能力については幼稚園と共通しています。
■ 保育する時間
幼稚園での教育時間は1日4時間が標準となっていますが,保育所における保育時間は1日につき8時間を原則としており,子どもは生活時間の大半を保育所で過ごします。
そのため,保育所では,「午睡(ごすい)」(お昼寝のこと)があるほか,子どもの生活のリズムを大切にしており,くつろいだ雰囲気の中で子どものさまざまな欲求を満たし,情緒の安定を図っています。
保育所は,乳幼児期の子どもにとって安心して過ごせる生活の場でなければならないとされています。
■ 保護者との関係性
保育士は,児童福祉法第18条の4に「児童の保護者に対する保育に関する指導を行う」者であることが明記されており,保護者の気持ちを受け止めつつ,子育てに関する相談,助言その他の援助を行います。
これは次のような特徴を持って保育と密接に関連して行われます。
- 子どもの育ちの姿とその意味を保護者に丁寧に伝え,子どもの育ちを保護者とともに喜び合うことを重視します。
- 保護者の不安や悩みに寄り添い,子どもへの愛情や成長を喜ぶ気持ちを共感し合うことによって,保護者が子育てへの意欲や自信を膨らませられるよう,保護者の気持ちを受け止め,相互の信頼関係を基本に,保護者の自己決定を尊重します。
- 保護者に対する子育て支援における地域の関係機関等との連携と協働を図り,保育所全体の体制構築に努めます。
3 認定こども園って何?
認定こども園は,就学前の教育と保育を一体として捉え,一貫して提供するための施設ですが,いくつかのタイプに分かれており,市内には次の3種類の認定こども園があります。
(1) 幼保連携型認定こども園
施設の名称に「幼稚園」となくても,幼稚園と同じく,学校として子どもの教育と保育を行います。当然,保育所の性質も持っています。
(2) 保育所型認定こども園
児童福祉法上では保育所ですが,保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど,幼稚園的な機能を備える施設です。
(3) 幼稚園型認定こども園
学校教育法に基づく学校(幼稚園)ですが,保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど,保育所的な機能を備えている施設です。
4 保育所保育指針について
保育所の保育については,厚生労働省が定める「保育所保育指針」に次のような内容が記されています。全ての保育所がこの内容に沿って取り組んでいます。
- 保育所としての基本原則や,子どもが幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に関すること
- 子どもの年齢に応じた保育のねらいや保育内容に関すること
- 食育や,子どもの健康と安全に関すること
- 子育て支援に関すること
- 職員の資質の向上に関すること
(参考)
5 保育所の魅力って何?
■ 子どもにとっての魅力
保育所は,子どもの福祉を積極的に増進することに「最もふさわしい生活の場」であることが求められているところです。子どもたち一人ひとりの心と体が健やかに成長し,発達する環境を保障します。
保育所の保育士は,常に専門性の向上に努め,豊かな愛情をもって子どもと関わっており,幼児期において,愛情に支えられた安全な環境の下,心と体を十分に働かせて生活した子どもには,生涯を通じて健康で安全な生活を営む基盤が培われます。
■ 保護者にとっての魅力
地域社会や家庭において,身近に相談相手がなく,子育て家庭が孤立しがちとなっている状況において,保育所は,安心・安全な環境をもって,子育て支援の視点で親子を温かく受け入れる施設です。
■ 保育所で働く魅力
保育所は,子どもへの愛情と子どもたちの喜び,笑顔があふれる職場です。
保育所の保育士は,たくさんの子どもたちと毎日一緒に生活し,ともに喜び,さまざまな感動を共有する中で,子どもの成長に寄り添いながら,多くの笑顔に出会える仕事です。