公開日 2021年10月15日
更新日 2022年03月17日
保育士は、
子どもを深く愛し、
守り、支えていく存在です。
保育士は、
子どもの保育と
保護者への支援を行う
プロフェッショナルです。
1 保育士ってどんな仕事?
保育士の方の多くは,保育所または認定こども園に勤めています。
保育所で働く保育士の皆さんは,厚生労働省が定める「保育所保育指針」に従い,子どもの健康や安全を確保しつつ,子どもの一日の生活や発達を見通し,それぞれの保育の内容を組織的・計画的に構成して,保育を実施しています。
具体的には,次のようなことに取り組むこととされています。
- 生命の保持と情緒の安定を図り,子どもの養護を行います。
- 保育所における環境を通して,養護と教育を一体的に行います。
- 保育の計画を立て,保育内容の評価と改善を行います。
- 乳児には,身体的・社会的・精神的な発達の視点を持ち,愛情豊かに,応答的な保育を行います
- 幼児には,心身の健康・人との関わり・身近な環境との関わり・言葉の獲得・感性と表現という五つの領域におけるねらいを意識しながら保育を行います。
- 子どもの健康と安全を守るため,発達状態の把握や健康増進に配慮し,食育を推進するほか,衛生管理や事故防止,災害に対する平時からの備えを徹底します。
- 保育所の特性を生かし,地域に開かれた子育て支援の実現や保護者との相互理解に努めます。
- 研修などを通じ,職員の専門性を高め,保育の質の向上に努めます。
また,認定こども園で働く保育教諭の皆さんは,内閣府・文部科学省・厚生労働省が定める「幼保連携型認定こども園 教育・保育要領」に従い,同様の取り組みにより,教育および保育を行っています。
(参考)
2 保育士と幼稚園教諭はどう違う?
保育士は,保育所などの施設に勤め,または個人で,子どもの保育を行う専門家です。また,幼稚園教諭は,学校の一つである幼稚園で幼児教育を行う教員です。具体的には,その目的や資格取得の方法について,次のような違いがあります。
■ 保育士とは
「保育士とは,保育士の登録を受け,保育士の名称を用いて,専門的知識及び技術をもって,児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいいます。(児童福祉法第18条の4)」
大学,短大,専門学校などの保育士養成課程を履修して卒業するか,または,保育士試験に合格することで,保育士資格を取得することができます。
■ 幼稚園教諭とは
保育士は児童福祉法にもとづく資格であるのに対し,幼稚園教諭は学校教育法にもとづく免許です。
また,幼稚園教諭は3歳から小学校に入学する学齢までの未就学児が対象となっているほか,その目的も教育に重点が置かれています。
幼稚園教諭になるためには,大学,短大などで幼稚園教諭養成課程を学び,幼稚園教諭免許状を取得する必要があります。
3 保育教諭って何?
学校としての幼稚園,児童福祉施設としての保育所のほかに,「学校及び児童福祉施設としての法的位置付けを持つ単一の施設」として,「幼保連携型認定こども園」という施設があります。
この「幼保連携型認定こども園」では,「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方の免許・資格を有している「保育教諭」が,教育と保育を行うこととなります。ただし,現在は経過措置により,「幼稚園教諭免許状」または「保育士資格」のいずれかを有していれば,「保育教諭」となることができるとされています。
4 保育士の魅力って何?
■ 保育士という資格
「保育士の名称を用いて,専門的知識及び技術をもって,児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。(児童福祉法第18条の4)」とあるように,保育士,特に保育所の保育士は,保育所保育の中核的な役割を担う,子どもの保育や家庭での子育ての支援に関する専門職です。
■ 保育士という仕事の魅力
専門的知識と技術を持った保育士が,一人ひとりの子どもを深く愛し,守っていくことで,子どもたちは,その子らしさを発揮しながら心豊かに育つことができます。
たくさんの子どもたちが成長する姿を見守り,支えることができる,それは,何物にも代えがたい喜びと充実感を与えてくれます。
(1) 0歳児の保育
手足をばたばたさせるだけだった赤ちゃん寝返りをした時。
やわらかい手足ながらもしっかりと地面を押して体を持ち上げハイハイをした時。
座ってもすぐに転んでいたと思っていたのに,よろめきながらも力強く立ち上がった時。
マンマ,テンテー(せんせい)と,発する声が言葉に聞こえた時。
"笑った,泣いた,その感情一つ一つが可愛くていとおしい。
感動にいつも立ち会える喜びがそこにあります。"
(2) 1~2歳児の保育
話す言葉が一言から二言になり,つながって文になる。
運動会では,ヨーイドンでかけっこができるようになって,先生との追いかけっこも。
一日一日,できなかったことができるようになる。
"成長にいつも寄り添える喜びがそこにあります。"
(3) 3~4歳児の保育
イヤイヤばかりの反抗期に悩みながらも「先生,好き」の一言で疲れも吹き飛びます。
運動能力も発達し,ぶらさがりや平均台もできるように。
絵を描かせると,殴り書きだったのがだんだんと形に。
"毎日の関わり合いの中で子どもたちがしっかりと成長していく,そこに携わる喜びとやりがいが感じられます。"
(4) 5歳児の保育
子どもたちは,もう自分の気持ちを文章で説明できるようになります。
どうしてそうなったのかな?先生の問いかけにも自分で考えることができます。
考える力がつくことで,ルールを守ることもできるようになります。
ルールのある遊びができるようになって,遊びの楽しみ方も広がっていきます。
運動能力も一段と発達し,逆上がり,雲梯,縄跳びを上手にこなす子も増えてきます。
"できなかったことがどんどんできるようになる子どもたちと先生の笑顔がいつもあふれています。"
(5) 保護者との思い出
子どもを預かり,保護者の方と一緒に育てていく中で,ともに悩み,ともに考え,ともに感動します。
親と子と先生が,一緒に成長していきます。
"そうして迎える卒園式は,いつも感動の涙があふれています。"
子どもの成長に携わる喜び,そしてその純粋でひたむきで愛らしい姿に感動する毎日。それが保育士という仕事の一番の魅力です。