公開日 2020年10月27日
更新日 2021年12月14日
記者会見
日時 令和2年10月16日 金曜日 午後1時30分
場所 市役所8階大会議室
【会見事項】
・発表事項 函館市新型コロナウイルス感染症緊急対策(第5次補正)の概要について
・各社質問
発表事項
(市長)
新型コロナウイルス感染症の緊急対策、函館市としての第5次補正の概要がまとまりましたので、お話をさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症自体については、函館は7月末に8人目の方が確認されて以来、しばらく新規の感染者は出ておりません。ただ、全国的には、ピーク時よりは若干減少しておりますけれども、まだまだ首都圏そして北海道でも札幌圏などで新たな感染者が多数確認されている状況にあります。これから季節性インフルエンザの流行期を迎えますので、市としてもそうしたことを踏まえながら、継続的に感染防止対策に取り組んでいきたいと思っております。
一方で、社会経済活動が大きく打撃を受けて大変深刻な状況にあります。とりわけ観光都市でもある函館にとって、観光面が受けている影響は極めて大きなものがありまして、Go To トラベルが開始されて、どん底の状態よりは少し回復しつつあると思っておりますが、冬場の観光は北国特有の難しさや厳しさがあり、インバウンドも期待できない中では、冬の観光需要の喚起に向けた対策が急務であると考えているところであります。
こうしたことから今回の補正予算では、感染拡大防止対策と市民生活や事業者等への支援も計上させていただきますが、主に冬の観光誘客などの地域経済の活性化を重点に取りまとめたところであります。
今回の第5次補正については、10月22日に臨時会を開催して、議案を提出していきたいと思っております。
それでは、資料に基づいて説明をさせていただきます。
1ページ目ですが、新型コロナウイルス感染症緊急対策の第5次補正については、その総額を20億3,641万円としたところであります。
財源は、国・道支出金で2億6,900万円、国からの地方創生臨時交付金は、国の総額3兆円の中で本市に来た分から10億1,500万円を充てることとしております。そして不足分については、財政調整基金を繰り入れて、7億5,000万円ほどを市としての財源で対応したいと考えているところであります。
項目としては大きく3つあります。1つ目は「感染症拡大防止対策」で4,400万円であります。
「受診・相談センターの設置」で、相談窓口は今は保健所にありますが、24時間体制にはなっておりません。24時間対応の電話相談窓口を新たに開設するための1,400万円であります。
もう1つは「介護施設等新規入所者のPCR検査の実施」です。札幌圏等でも介護施設でクラスターが発生したりという状況があります。幸い本市では、そのような事例はありませんけれども、新たに介護施設等に入所する方々に対して、入所前にPCR検査を実施するために3,000万円を計上する予定であります。
大きな2つ目は「市民生活および事業者等への支援」で2億4,841万円でございます。その中の1つ目が「離職者等緊急雇用への支援」で、新型コロナウイルス感染症の影響によって、函館市では8月末時点で約90人の離職された方がいると把握しています。そういった方々を新たに雇用した事業者に補助をするということで、正規雇用については1人あたり30万円、短時間雇用は1人につき20万円を補助するもので、1,500万円でございます。
2つ目は「東部地域における光ファイバ整備促進」で、オンライン環境の整備になります。オンライン診療やオンライン授業、あるいは在宅テレワークなど、今さまざま求められています。函館市の中で光ファイバが行き渡っていないところが、合併した東部の旧4町村、戸井、恵山、椴法華、南茅部の一部にあります。そこに光ファイバを整備するということで1億6,249万円であります。
3つ目が「証明等手数料キャッシュレス決済の導入」で、役所の窓口での戸籍の証明などの手数料は、原則現金で払っていただいておりますが、それをキャッシュレス化します。
それから「函館市事業者等特別支援金の件数増加への対応」で4,000万円です。北海道の休業要請に伴って、30万円、20万円、10万円を市が上乗せ補助して一律30万円とした制度の支援金でありますが、1,600件の予定から現時点で2,000件ぐらいまで増加しており、不足分を増額するものでございます。
もう1つ同じように「雇用調整助成金等申請費用補助金の件数増加への対応」ということで、これも件数が増加しております。雇用調整助成金自体は国に申請して受け取ることになっていますが、社会保険労務士に依頼して書類を作成する費用について、40万円を上限に市が補助します。これを予想以上に使っていただいており、予算で100件に対して、現時点で150件ほど来ていますので、不足分の2,000万円を追加するものでございます。
最後の3つ目は「地域経済の活性化」に17億4,600万円であります。大きく2つありまして、1つは「冬の観光誘客の促進」の17億1,000万円、2つ目は「商店街等消費拡大事業への支援」で3,600万円であります。冬の観光誘客については後ほどご説明しますので、まず「商店街等消費拡大事業への支援」です。
国のGo To 商店街の制度が300万円を上限に用意されており、私も内容を見ましたが、なかなか使い勝手が悪いんです。実際、商店街の皆さんもどうやってこれを活用しようかと悩んでおられるということも聞いております。国のGo To 商店街を一部使っていただいて、その対象外となるものや何となく使い勝手の悪いところについて、上乗せあるいは制限を撤廃して広げた部分について、市が独自に上限300万円で助成しようということであります。ただし、国のGo To 商店街を少しでも活用することが条件で、国のほうを全く活用しないで、使いやすいから市のだけをというのは対象となりません。
次に「冬の観光誘客促進事業」で、宿泊料金の助成や飲食店で利用可能なクーポンの配布とともに、冬季のイベントを開催しようということです。
国のGo To トラベルが、今時点では1月末で終了する予定となっております。ただ、報道等によると国も必ず1月でやめるということではなく、予算があれば2月に延長する可能性もあって、場合によっては、補正なり予備費を取り崩すなどの可能性があるということも示唆されているようですが、現時点では基本的に1月末までということであります。先ほど申し上げたように、北国特有でインバウンドでもってきた冬の観光が国内観光客に頼ると、南のほうに引っ張られて、北国はスキー客以外はなかなか難しいという状況があります。Go To トラベルが終わった後の反動減を緩和しようということで、1月から、とりわけ2月と3月の観光誘客の促進を行おうとするものであります。
事業内容ですが、1点目は宿泊料金の助成で、料金が1泊5,000円以上の宿泊に対して、2分の1相当額を助成します。ただし、上限は1泊あたり1万円で3連泊までを対象とします。3連泊する人は最大で3万円の助成を受けられるということになります。
もう1つは、交通費を含むパッケージ商品、いわゆるパック旅行については、販売額が1万円以上であれば1泊あたり5,000円を助成します。3連泊までですから最大1万5,000円安くなります。
これらを20万人泊分を用意して、期間は来年の2月と3月を予定しております。これが10億6,000万円になります。
次に2つ目はグルメクーポンでございまして、これは7月に発行して9月いっぱいぐらいまでは何とかもったんですが、発行した30万人分がもう全て無くなっています。それをあらためて年明けに25万セット発行するものです。1人につき2,000円と条件は同じで、来年の年明け早々1月4日からの宿泊を対象に、3月まで25万セットが無くなるまで配布したいと思っています。この所要経費が5億4,000万円であります。
もう1つは冬季の特別イベントです。安くするだけではなかなか来てくれないのではないかという思いもあり、何か工夫が必要ということで、12月のクリスマスファンタジーは、密になるステージイベントやスープバーは実施しませんけれども、ツリーの装飾と花火は例年どおり実施する予定です。1月からは何もなくなりますので「はこだて週末冬花火」ということで、1月から3月の週末、金曜日、土曜日と祝前日に緑の島から8時ごろに10分程度の花火を打ち上げます。
また、「ひかりの空間in元町」ということで、1月から駅前や西部地区の例年実施しているイルミネーションは予定どおり行いますが、加えて公会堂下の坂道、元町公園、イギリス領事館等もあって、観光の中心となっている基坂を、1月から3月に新たにカラーライトアップなど光の演出を行うとともに、2月から3月の金曜日、土曜日、祝前日に元町公園、ペリー広場でプロジェクションマッピングやカラーライトアップなどの特別なイベントを開催していきたいと思っています。この両方で9,000万円でございます。
最後に、販売促進キャンペーンの2,000万円ですが、公式ウェブサイトの開設、宿泊予約サイトや旅行代理店を活用したキャンペーンなどを行うとともに、新聞やテレビ等での広告を展開します。これは12月から3月まで順次行いたいと思います。
宿泊料金助成は2月から20万人泊、グルメクーポンは1月から25万セット、冬季特別イベントは1月から、販売促進キャンペーンは12月から、プロモーションは第3次補正で既に補正予算を組んで、北東北等のプロモーションやJR北海道、JR東日本、日本航空や全日空といった事業者と連携した観光プロモーションも各社1,000万円でお互いに協力して取り組むこととしておりますので、それらを組み合わせて冬場の観光を盛り上げていきたいと考えております。
所要額は「冬の観光誘客促進事業」全体で17億1,000万円になります。
私からは以上となります。
各社質問
(記者)
冬の誘客の件でお伺いしたいのですが、今10月で4か月前という早いタイミングで、来年2月の誘客イベントや宿泊料助成だったりを打ち出した理由を教えていただけますか。
(市長)
特別早いとは思っていなくて、もうぎりぎりだと思っています。
北海道の「どうみん割」や札幌市の冬の誘客の取り組みは、両方とも9月の定例会で補正予算を組んでいます。
函館市は、9月議会が9月の初めからと早く、まだコロナの状況の見極めがつかない中で、全額を使い切れるような予算は組めないという判断で、この時期にしたんです。これが早いかと言われると決してそうではなくぎりぎりです。
光のイベントにしても、その打ち合わせなどは、例えば東京の事業者とするとすれば非常に時間がかかります。また、器材を用意することも1か月程度では出来ません。花火も同様であります。そうしたこともありますし、旅行代理店等とパック旅行をどういう組み立てで函館に誘客するか、それを宣伝してもらうだけでも、もう取り組まなければ間に合わないという状況です。
臨時会が来週あって、10月末なので実質11月です。11月と12月の2か月でそうした用意をするには、私としてはもうぎりぎりだという条件を見極めながら、この日程を定めたということで、決して余裕があるものではないと思います。
(記者)
周知に時間がかかったりで、ぎりぎりのタイミングだということなんですけれども、市内の宿泊事業者等からは函館市独自の取り組みに対して、やはり来てもらうためにはもっと積極的に全国にPRしてほしいという思いがあるようですが、積極的にPRしていく上で、何が大切かとか、どのようにしていきたいとか、具体的にお願い出来ればと思います。
(市長)
今回の対策にも入っていますが、販売促進キャンペーンはさまざまな手段を使って周知していくということもありますし、航空会社や鉄道事業者といった交通事業者ともいろいろな取り組みを始めています。
函館の観光にとっては、やはり首都圏の動きが一番大きいのです。夏場はなかなか首都圏からは、東京がGo To トラベルの対象にならなかったりで、札幌をはじめとする道内客が主力でした。もともと函館観光の3分の1は道内客ですが、3分の2は道外客ですから、やはり道外に対する取り組みをきちんとした形でしないと、なかなか函館観光が復活しないと認識しております。そうした中で、インバウントは難しいんですが、航空路や新幹線でつながっている首都圏、中京圏、関西圏といったところで集中的にPRを展開していきたいと思います。
(記者)
函館市独自の半額補助については、Go To トラベルが延長となったり、どうみん割との併用、すみ分けはどのようになりますか。
(市長)
どうみん割については、北海道のほうの考え方で併用出来ません。Go To トラベルとも併用出来ないし、市町村の制度とも併用出来ませんということで北海道が打ち出していますので、我々が望んでも出来ません。
Go To トラベルにつきましては、今のところ1月末までと考えていますが、もし延長したとすれば併用したいと考えています。Go To トラベルで35パーセント割引された宿泊料から、さらに半額とするような方向で検討していますが、まだ確定はしていません。
(記者)
受付はいつから始まりますか。また予約サイトは使用可能でしょうか。
(市長)
もちろん予約サイトも使えます。ホテルへの直接の予約も結構ですし、旅行会社を通じたものも、Go To トラベルと同じように全ての分野で使えるようにしたいと考えています。受付開始時期については、観光部長が答えます。
(観光部長)
現時点の想定ではございますが、キャンペーンの対象商品が2月1日からということで、今のところ1月上旬を予定しております。1月上旬から予約を始めるというスケジュールで進めたいと思っています。
(市長)
早まらないかな。1か月で大丈夫かな。
(記者)
予約を開始するときに、あらためて事業の詳細などはお知らせいただけますか。
(観光部長)
もちろん準備が整い次第、積極的に情報を提供させていただきますので、ご協力をお願いいたします。
(市長)
予約サイトなどは時間がかかるかもしれないけれども、ホテルに直接申し込む場合には、12月に申し込んでも対象になるのではないかな。必ずしも一律で1月からということにもならないような気もしますが、未調整の部分も若干あります。
(記者)
離職者への支援ですが、8月までに90人の離職者というのは、市内でということですか。
(経済部長)
ハローワークから発表されているのは、渡島・檜山管内の人数で、管内が160人なので、事業者数からみて90人を函館と想定しています。
(記者)
最初の感染拡大防止対策のところで、介護施設等新規入所者のPCR検査の実施で、金額が3,000万円ということですが、どのぐらいの人数を想定されているのでしょうか。
(保健福祉部長)
1か月あたり300人を5か月で1,500人を想定しています。
(記者)
宿泊料金助成の対象が20万人という人数については、どういうところから算出しているのでしょうか。
(市長)
これまでの冬場の来函観光客の実績です。実績から外国人観光客を除いた人数を目標にしながら設定しています。
(記者)
その人数をどうにか死守したいという感じですか。
(市長)
なかなか厳しいのですけれど、そうです。コロナの影響がない今までの日本人の数を確保出来たとすれば、上出来かなと思いますので、半額キャンペーンとグルメクーポンでどれだけ誘客できるか、我々としても努力していきたいと思っています。
(記者)
グルメクーポンのほうですが、宿泊料金については5、000円以上が対象とのことでしたが、こちらは5,000円以下も対象ということですか。
(市長)
これは、どの宿でも宿泊していただければお渡しします。
(記者)
宿泊料金助成は、基本的にはGo To トラベルと同様な方法になりますか。
(市長)
Go To トラベルは50パーセントのうち、宿泊が35パーセントで物販や食事等で15パーセントとなっていますが、私どもは単純に宿泊代金を半額にして、加えて宿泊していただければ2,000円のグルメクーポンをお渡ししますということです。若干は違いますが、ほぼ同じかなと思います。
(記者)
申し込み方は、Go To トラベルと同じですか。
(市長)
旅行サイト、旅行会社、宿泊施設へ直接など、さまざまなものに対応したいと考えています。
(記者)
キャッシュレス決済の導入の件ですが、これはどんな方法をとられるんですか。
(市長)
クレジットカードやスマートフォン決済サービスなど、コンビニやスーパーと同じような感じでで、あらゆるものに対応できるようにするつもりです。
(記者)
いろいろなところが運営しているもの全てになりますか。
(財務部長)
これから事業者を選定することになりまして、選定した事業者のほうで提供出来るサービスが決まってくることになります。
(記者)
それはなるべく複数ということですか。
(財務部長)
当然そうです。基本的にクレジットカードと電子マネーは完備したいと思っています。
(記者)
24時間対応の受診・相談センターについて、今は保健所に24時間対応ではないものを設置していますが、24時間対応のほうは保健所で対応するのでしょうか。コールセンターのように新たに別の場所で対応するのでしょうか。
(保健福祉部長)
コールセンターで対応します。土日祝日を含む24時間、フリーダイヤルで対応します。
(記者)
そのフリーダイヤルの番号は決まっていますか。
(保健福祉部長)
後日、発表させていただきます。
(記者)
介護施設等新規入所者のPCR検査をするとのことですが、今入所されている方の検査は特段予定されていませんか。
(市長)
さまざまな対策をしていて感染もなく問題ないと思っていますので、今時点では考えておりません。そうした中に持ち込まれると困るということで、新規の人たちだけはきちんと検査した上で入っていただくということです。
(記者)
先日、市町村の魅力度ランキングが出て、今年は函館市が2位ということでワンランクのダウンという結果になりましたが、市長のコメントをいただけますでしょうか。
(市長)
この厳しい観光の状況の中では善戦していると思います。皆さんの観光意欲も停滞している中でも忘れられていないなと思いがあります。いつも函館市、京都市、札幌市の三つどもえですので、1位でも2位でも僅差で、3市ともこれまで4年連続1位ということがありません。その時々で順位が変わるので、あまり気にしていません。京都市や札幌市からだいぶ離されて、4位や5位とかになるなら、ちょっとショックですけれども、よくあることです。京都市、札幌市というそうそうたる政令指定都市と同格で扱っていただけるということは大変光栄なことだと思っています。
(記者)
やはり全国的にみてもまだまだ魅力度が高いというところで、来たいと思う観光客が多いという状況は変わらないと思います。その中で感染症対策と観光客の誘客を同時に進めていかなければならないと思いますが、これからの決意を一言いただければと思います。
(市長)
今発表した予算自体が決意です。もちろん経済対策もありますけれども、一方でせっかく落ち着いている感染症の状況が、函館市でクラスターが生じたりというようなことがないように頑張っていきたいと思います。
(記者)
介護施設等新規入所者のPCR検査の件なんですけれども、これは既存のPCR検査の中で、新たに介護施設等新規入所者の分を設けるのか、新しくPCR検査機器の増設等を行うのか、どちらでしょうか。
(市長)
これは医師会のPCR検査センターに有償でお願いします。濃厚接触者等の検査は別で無料で行うことになっていますけれども、こちらは有料なので、入所者ではなく市が代わりに払って検査をして、結果が陰性であれば入所していただくということです。
(記者)
観光の関係で、首都圏、中京圏、関西圏で積極的なPRということですが、何かこういうことをしようというものはありますか。
(市長)
エージェントや航空会社等を通じて、平常時から函館の場合はたびたびやっていますし、関西空港や中部空港との付き合いもありますので、さまざまな展開をしていきたいと思います。
(記者)
1月から3月の冬花火ですが、これは天候の悪いときは除いて、毎週末ですか。
(市長)
毎週です。ふぶいたりして、上げても見えない日もありますので、それは従来の花火も中止になっています。
(記者)
天候が良ければ、金曜日と土曜日に二日連続で上がるということですね。
(市長)
そうです。
(記者)
旧ロシア領事館の活用事業の事業者募集要項が発表され、市の関与期間が当初の10年から20年に変更になりましたが、これをもって市民団体の理解は得られたというのが、市長のお考えという理解でよろしいでしょうか。
(市長)
私自身は20年になったのは報道で知ったんですが、企画部長が積極的に相手側と調整した結果、10年を20年に延ばすという判断をしたのかなと思ってまして、記事を見たときにも特別な違和感はなく、それで理解が得られるなら基本的なスキームが変わらないので、制約が10年から20年に延びて、それだけ重い制約のついた物件になって多少収入は減少しますが、それでもやむを得ないと思っていまして、ぜひご理解はいただきたいと思っています。
ロシア領事館については、急に手放そうとかいうことではなく、もともと市が、場合によっては改修しながら誰かが活用するのであれば、それでいいということで、いろいろ調査した結果、誰もやり手がなかったんです。市が改修して、その後レストランなりホテルなりが考えられますが誰もやらない。
また、市としても公共施設として何かにしようとしても、どの部局からも使いたいという希望もないし、公共施設にすると直すときに数億円とかかかるでしょうし、運営費が毎年4,000万円とか5,000万円とかつぎ込むことになりかねません。
このまま朽ちていったり、あるいは一部改修して何とかもたせても、木造ですから使っていない施設はだんだん使い物にならなくなってきます。それであれば民間で、今の意匠をいかして、所有権を市が持ったままではなく移転してもらえるのであれば、積極的に使いたいという事業者も出てきましたので、じゃあやってみましょうということになったわけです。
ただ、売却が決定したわけではなく、有識者会議できちんと適当かどうか判断するわけですから、その結果で市として決めていきたいと感じていて、決して軽んじているわけでもないし、もう10年余り手順を踏んできているつもりでありますし、今のところ市議会でも大議論にはなっていません。思いのある人たちがいるのは何をするときも一緒ですから、それを批判しようとも思いませんし、言いたいことは言ってもらって結構と思っています。
(記者)
市民団体側のほうは、国の重要文化財などへの登録を市のほうに求めていますが、今後市として登録の動きを進めるようなことはあるのでしょうか。
(市長)
もしそういう方向をめざすとすれば、国の文化財になり得るのかどうかは調査しなければならないと思いますが、民間による活用を進めるということになってから突然文化財の問題を持ち出されても、私どもとしてはあまりそれに引きずられて、今の時点で調査して結果が出るまで待つということも考えていませんし、市のうちに文化財に指定して、それから民間団体に押し付けるというと突然ルールを変えるということになりますから、今の時点では文化財の指定を市として推進するということは考えていません。また、文化財の指定は、文化財保護審議会などがあり、教育委員会の所管で市が決めるものではありません。
ただ、今民間活用を進めようとしている中で出てきた文化財というもので、文化財としての価値があるのかどうかの問題と民間活用するという問題とは関連していません。民間の施設であろうと市の施設であろうと国の施設であろうと文化財の価値があるものはありますし、活用すべき手法としてこういうこととやっていくということはつながりませんので、今の時点では考えていません。
(記者)
記者会見についてなんですけれども、本年度は定例の記者会見が開かれていないということで、その理由を教えていただければと思います。
(市長)
特別な理由はありませんが、コロナウイルス関連の会見を開いていますので、今日みたいに質問していただければいいわけで、今日も定例を兼ねての開催になるのかな。基本的に市議会のある月は開催しませんが、随時コロナウイルス関連で毎月のように開催していましたので、わざわざ定例と言って、あらためて用意しなくても、質問があれば今日のようにその他で聞いてもらえれば、私はそれを拒んでいません。
(記者)
コロナウイルスの関係で定例記者会見を行っていないということではないということですね。
(市長)
最初のころは、それもあったんじゃないですかね。2月からいつごろまでかな。コロナウイルスの正体が分かってくる前は、こういうことは出来ないという雰囲気があって、緊急事態宣言が解除される前などは、少し控えたという状況はあります。
(記者)
一部の市民からは、もっと市長に直接情報発信してほしいという声もあるということなんですが、そうした声に対しては市長はどのように思っていますか。
(市長)
なかなか厳しいのは、例えば総理や知事と違って、こういうところで私が会見をして予算発表してもあまり報道されないですよね。一部で若干取り上げられるというだけで、載っても写真が載らない場合もあります。
また、コロナウイルスの影響で土日も含めてほとんどのイベントが開催されないし、市民団体等も含めていろいろな団体の会議や総会あれば、よく顔を出してあいさつしたりしていた場面が全て失われています。言われるのは分かりますが、なかなかそうした場面が実際にありません。
感染者の発表のときは、NCVさんが放映してくれるときがあるけれども、それ以外はなかなか報道してもらえないし、大手のメディアはなおさら、大問題でもなければなかなか記事になる機会はないわけで、ちょっと言われるのは私としても辛いところがありますけれども、なかなか設定出来ないなと思っています。済みません。
(記者)
寿都町と神恵内村の文献調査への応募と国の要請への受諾をしたわけですけれども、大間原発のことなどもあって、反対というような姿勢を示されていたと感じますが、あらためて応募が決まったという段階で、2町村に対して何か求めていくようなことはありますか。
(市長)
それはありません。大間原発についても、私は大間町に何かを求めたこともありません。
まちによっては、非常に衰退して厳しい状況であり、財源というのは喉から手が出るほどほしいという気持ちはよく分かります。そういう市町村を私が攻撃したり、責めたり批判したりすることはありません。ただ大間原発のときもそうなんですが、そのやり方は、やはり問題があると思います。
立地自治体だけの同意だけでそういうことが進んでいくのか、今はまだ調査ですから、そこに埋設するとか決まったわけではありませんけれども、10万年保管しなければならないわけで、そういうことから考えるとやはり原発と同じように、何キロ以内になるかは分かりませんが、原発の場合は私は30キロ圏内の同意権を求めていますから、周辺自治体も含めた広い範囲で理解を得るということが必要だと思います。
今の部分では不足だと考えていますが、それを寿都町と神恵内村に求めても制度上しょうがないわけで、国のやり方等について、私が大間原発を訴えるのと同じような考え方で問題があるなとは思っています。
配付資料(函館市新型コロナウイルス感染症緊急対策(第5次補正))
記者会見動画(YouTube 函館市公式動画チャンネル)
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