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市長記者会見(令和2年2月7日)

公開日 2020年03月26日

更新日 2021年12月14日

記者会見

日時 令和2年2月7日 金曜日 午後1時

場所 市役所8階大会議室


【会見事項】

 

発表事項     令和2(2020)年度函館市各会計予算(案)について

 

幹事社質問

 

各社質問


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発表事項

 
「令和2(2020)年度函館市各会計予算(案)資料」に基づき、市長から概要を説明

 

 
 

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幹事社質問

 

(幹事社)

来年度の予算に関して、重点的に力を入れていることなどがあれば、具体的に教えて頂きたいと思います。

 

(市長)

来年度の予算で重点的に力を入れているところは、昨年6月の選挙後の政策予算で私は福祉の充実と経済の強化を基本とし、それを前面に押し出して政策を展開するということを申し上げてきました。そうしたものをさらに進めていくとともに、特に福祉と健康に重点を置いて予算編成を行ったところであります。

その内容については、資料の6ページに新規施策や拡充したものを掲載しておりますが、1つはやはり福祉と健康で、(1)の「市民一人ひとりの幸せを大切にします」という項目では、日本一の福祉都市をめざす上での基本となる福祉拠点づくりとして、引き続き、引きこもり等の実態調査やフォーラムを開催するなど、できれば2年ぐらいで福祉拠点づくりの準備を整えたいと思っています。

健康の分野では「はこだて市民健幸大学」の正式開校するほか、がん対策、健康経営の促進といったものをかなり増額して、健康対策にも力を入れたところであります。

加えて、6月補正でも子ども・子育て予算はかなり増額しましたが、今回も学童保育の保護者負担の利用料の軽減、そして子ども医療費やひとり親家庭の医療費についても、8月から入院費および、3歳未満と非課税世帯の子どもの通院費について全て無料とします。また、ひとり親家庭へのさらなる支援としてファミリー・サポート・センターの利用時負担の軽減を図ることに加えて、私立学校の運営費助成もさらに増額をすることとしたところであります。

経済の強化では、(2)の「函館の経済を支え強化します」の項目で、湯の川地区の活性化策として、今回は設計費などですが、再来年度以降、できれば5年間で15億円程度、年平均で3億円程度を新たに湯の川地区の整備に充てていきたいと考えております。地元のホテルの皆さんや商店街の皆さんともきちんとお話をして、要望も聞きながら、温泉街らしい風情のまち並みを整えていきたいと思っているところであります。

それに加えて、やはり交流人口の拡大が重要でありますので、若松ふ頭の旅客ターミナルやバス乗降場を整備するとともに、今、新型コロナウイルスの関係で滞っている観光面が懸念されますけれども、東京オリンピック等もありますので、さらなる交流人口の拡大に努めていきたいと思います。

また新たに、後継者がいない企業をどうしていくか、どうつないでいくか、事業承継の促進ということで、まず実態調査等から始めますが、後継者がいない企業を新たに引き受けてくれるような若い人材の発掘とともに企業の承継についても努力していきたいと思いますし、水産関係が非常に苦境に陥っていますので、さまざまな対策を考えているところであります。

併せて(3)の「快適で魅力あるまちづくりを進めます」では、やはり経済の強化に関連する部分で、西部地区の再整備とともに棒二森屋跡地の市街地再開発、そしてスポーツ振興ですが、千代台公園のテニスコートを今の10面を18面にすると全道大会を開催でき、大会誘致もできるので、これも交流人口の拡大につながるものであります。また、縄文遺跡群も当然そうでありますが、世界遺産登録に向けた取り組みを強めていきたいと考えています。

以上2点が、今回とりわけ力を入れたところです。

 

 

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各社質問

 

(記者)

この新年度予算案で、公共施設等の建設事業費が少なくなった一方で福祉政策に力を入れたということのようですが、そこに市長のどんなねらいと思いがあるのかということを伺います。

 

(市長)

今年はちょうど大型の施設整備がほぼ終わります。先ほど申し上げましたように、私は市長就任以来、箱物行政をやってきたつもりではなく、交流人口の拡大、経済効果のある施設、それから整理統合といった、将来に向けて老朽施設を整理しながら集約して財政的にも効果のあるものを優先してきました。今年度ちょうど合併特例債が終了しますが、合併特例債があるうちに行うと、将来に向けて、財政的にはかなり有利だということでやってきました。

やらなければならない整備ということで、函館アリーナや函館フットボールパーク、市民会館の耐震改修、それから亀田交流プラザもそうですし、そのほかもろもろの整備をしてきたわけであります。

それとともに、自分としては福祉、教育にも力を入れたつもりでありますけれども、やはり函館の場合は低所得の方々やひとり親家庭も多い。高齢者も多いのですが、高齢者の介護についてはかなり進めてきましたので、もう介護施設等も充足しております。

一方で子育てについてはまだまだというところがありました。それを子どもの貧困対策として、ひとり親家庭の調査等を行う中で函館の状況は全国レベル、あるいは全道レベルよりもかなり劣悪な状況に置かれていて、人数も多いということを改めて認識し、そういうことへの対策が必要ということで、前年度から子育て支援、ひとり親家庭への支援に力を入れてまいりました。

もう1つは、やはり健康づくりです。これも函館の平均寿命は男女ともに2歳ぐらい短く、その要因にがん死亡率の高さがあります。がん死亡率が全国で1番高いのは青森県です。北海道は3番目ですけれども、北海道の中で高いのは道南、函館です。4番が秋田県、5番が岩手県と縄文遺跡群の4道県が全部ワースト5に入っています。これを何とかしなければならないということで健康づくりに力を入れます。

施設のほうは、やめるのではなくて、大型施設についてはほとんど片付いたという状況です。もちろん学校や公営住宅の建てかえなど基盤的なものはありますけれども、おおむねの目処が立ったと思っています。そうなるとやはり福祉や教育ということになるので、その分野に本格的に予算をつぎ込んでいこうということです。

私の中では、初めて市長になるときから、基盤を整えた上で福祉のまちに向かうということを申し上げておりましたので、それに沿って今やり始めたということであります。だからその方向性というのは今後も変わりませんし、このまちにとって必要なのは福祉、教育と経済の活性化にかかっているという認識は変わっておりません。

 

(記者)

子ども医療費については、周辺の自治体と助成制度に差があるというようなことなど、市民の間から声として上がっている部分もあると思いますが、周辺自治体との差を縮めたり、周辺自治体の例を参考にするというようなところで、何かしら意識されたことはあるのでしょうか。

 

(市長)

周辺自治体の動向を気にしたことはありません。予算規模も違いますし、医療機関の数も違いますから、なかなか難しい。そして中心都市としてさまざまな面で、函館市民のためだけではなく、病院も含めて近郊の人たちも利用するような施設を提供してきています。だからやはりお金がかかります。

やはり函館から近いところと遠いところでは、受けるメリットも違って、離れているまちは大変だということがあるので、私の場合はそういうことをいちいち意識していません。

渡島、檜山全体と仲良くやっていくという気持ちがありますし、人口が一部周辺に流れるということはあまり重大視していません。

札幌や東京に流れることは問題視していますが、圏域にとどまっている分には気にしません。やはり地価が全然違うので、1番大きいのは家を建てるときの土地代、そしてずっと続く土地の固定資産税です。ここは埋めようがありません。

最近、関連部局には中心市街地に人を集めるとしたら、用地代の3分の1を補助するなど思い切ったことをやって、郊外に建てるときの土地代と同じぐらいにしないとだめじゃないかという話をし始めています。建物の建設費自体は郊外や周辺自治体で建てようが変わりません。問題は土地代なので、そこを解決しないと、整備するだけでは戻ってこない。利便性はあるのだから、土地代を同じにすると戻ってくる。それにどれだけのお金がかかるかは分からないけれども、そうした検討もそろそろ必要ではないのかという話をしています。

いずれにしても日本の人口自体が減っていく中で、その根本的なことをさておいて、ただ周辺自治体と中心都市で人口、子どもの奪い合いのようなことは、私としてはいかがかなと思っています。

それとは別に子ども、子育てへの支援をするということで、子育て支援策の強化として、医療助成も行っていくというものであります。

 

(記者)

棒二森屋跡地の再開発事業について、去年1月に閉店してから駅前の再開発がどのように進んでいくかというのが市民の関心事であると思うんですけれども、市長としては、駅前中心市街地の再開発がどのようになればという思いを持っていらっしゃいますか。

 

(市長)

9年前、市長に初めて立候補するときにも、駅前の活性化というのは非常に重点を置いた施策として訴えました。それで「キラリス函館」など子どものための施設や高齢者のための「ふらっとDaimon」をつくったり、さらにグリーンプラザも改修するということで、その計画もできているんですが、そこに突然棒二森屋の閉店の問題が起きて、青天のへきれきだったわけであります。じゃあ、それを受けてどうするのかというのが今の状況で、グリーンプラザの整備もいったん休止状態です。棒二跡地の状況がどうなるのか、太陽グループのところがどうなるのかということを見極めながらやっていこうと思っています。

昔の松風町、大門というのは、まさに函館の商店街で、商店街というのは事実上ここしかなかったんです。十字街はちょっとありましたけれども、本町も商店街というほどでもないし、美原なんて畑だったわけであります。函館中から松風町、大門に買い物に来ていた時代を夢見てももう仕方がないわけです。

ただ、ホテルがこれだけ建って観光客がこれだけこの辺に宿泊するので、それを見逃す手はないということは、この2、3年ずっと地元の方々にもお話をしてまいりました。市民が集うけれども、全部が一挙にここだけに一極集中なんてことは考えられないわけだから、やはりここに宿泊するインバウンドも含めた観光客をどうやってとらえるかという仕組みが必要でしょうということを申し上げてきました。

だから私の中では、棒二跡地の再開発についてもそういう視点が必要だろうと申し上げてきたつもりですし、太陽グループさんにも同じようなことを申し上げています。

現在は駅前りの国道整備ということでやっていますが、その中間にあるグリーンプラザを市としてもどうしていくか。同じく市民に集まっていただくとすれば、市の公共的な部分を棒二の跡地でどうやって配置できるかどうか、そういうことも含めながら元気な地域に再整備できればと思っています。

そしてまた、やはり住んでもらうということも視野に入れなければなりません。西部地区もやっていきますが、中心市街地自体も住んでもらうための施策の検討をすべきと言っています。

単に昔のように全市から集まる商店街というのは、今はもう夢物語だと思いますから、そういった現実に即した開発をしていただければと思いますし、我々もそれに協力していきたいと思っています。

 

(記者)

湯の川の活性化についてですが、活性化をめざす背景やねらいを教えていただければというのが1つと先ほど5年間で15億円程度とおっしゃっていましたが、再来年度予算以降、何年度から5年間なのかというところと、新年度は市道の整備が入っていますが、全体像としてはどのように整備を進めていく予定なのかをお聞かせください。

 

(市長)

まず、背景、ねらいですが、私としては地区を見ながらバランスよくということで整備をしてきました。西部地区も緑の島などを整備しましたし、中心市街地では駅前、五稜郭も、また今回は亀田地区も交流プラザの整備をしました。

湯の川地区も、函館アリーナや今は市民会館がリニューアルオープンしますし、フットボールパークも湯の川が近いので、大会があれば宿泊はたぶん湯の川が多いんだろうと思いますが、新幹線開業後は駅前や本町等でホテルの建設、とりわけ駅前がラッシュで、しかも温泉付きが多いということで、湯の川温泉のホテルや旅館が大きな影響を受けます。普通のホテルでも影響を受けるのに温泉付きなら、なおさら影響を受けるということで、湯の川地区にてこ入れをしなければならないということです。駅前の雰囲気とは違った温泉街らしい風情のある町並みを整えたいと思っています。

今年度、「湯の川冬の灯り」というイルミネーションを初めて開催し、オープニングの点灯式に行って、その後少しあの辺を歩いたのですが、そうしたら全体が暗いんです。イルミネーションは点灯しましたが、歩いてみたら何か薄暗いなと思いました。

湯の川は、もともと修学旅行や団体旅行などが多く、食事をして函館山の夜景を見てから戻ると、もう外には出ないんです。そして温泉ホテルというのは内部でお金を使ってもらうように、夕食が終わった後にはバーやラーメン屋があったり、お土産屋もあったりということで、全部囲い込んでいたので、外に出る必要がなかったんです。

あちこち暗くて、インバウンドが来る時代になって、我々も海外に行って真っ暗な道は怖くて歩きません。それと同じで、これじゃあだめだよなと思いました。西部地区や駅前と同じように、夜でも明るくて歩けるような道路にすることによって、雰囲気がだいぶ変わってくるだろうと思います。それから商店街と結ぶこともできるだろうと思っています。

ホテルだけではなく商店街にも良い影響を与えるように、まず、まち並みを変えていこうということです。今回の予算に入っているのは2路線ですが、そのほかにまた順次、湯の川の主な道路については全て風情のあるものに変えていくということに15億円ぐらいかかります。新年度は設計で、その後の5年間で15億円ぐらいかけて基盤整備を行いたい。

加えてソフト面での湯の川の活性化策については、地元の経営者もだいぶ若返っていますので、道路をつくるのもそうですが、商店街あるいは湯倉神社でのイベント等も含めて、地元の人たちの力でどういうことをするのか、それに対して市としてどういう支援ができるかということになります。

ソフトとハード両面で、できれば地元の人材を加えたワークショップのような取り組みを湯の川で行って、活性化させたいと思っています。

 

(記者)

人口減についてお伺いします。交付税へ段階的に影響があるというお話ですが、函館市は年間に3千人ペースで人口が減っているということで、今回の予算をみると子育てや福祉で手厚い施策があったり、経済対策などもあるんですけれども、今回の予算で人口減対策というのはどのように効果が出てくるのかみたいなところがあればお願いします。

 

(市長)

人口が減少することは日本全体でもう止められません。北海道では札幌市だけが増えていますが、札幌もいずれマイナスになるのが目に見えているし、自然減はもう大幅なマイナスになっています。

首都圏でも横浜市などは、自然減自体は大幅な減少になっています。地方から出ていくことで、そのマイナスを埋めているんだろうけれども、地方から出ていく若者の人口が減っているので、いずれは埋めきれなくなって、あちこち、東京でも減少する時代にそう遠からずなります。

そういう中で、地元に残ってもらうためにできる施策で、大学をどんどんつくって、あの学部この学部というわけには簡単にいきません。自分に合った仕事があれば残ってもらえる可能性があって、全国各地でいろいろなことが行われていますが、なかなか難しい。

一方で人手不足もありますが、人手不足の業種というのは日本人の若い人たちがあまり望んでいない業種が多いというギャップがあります。

ギャップがあっても残って働いてと言うのは、なかなか難しいです。彼らが望むようなことを、地方の中小、零細企業ができるかというと、いくつかは展開していける企業もあるかもしれませんけれども非常に難しい。AIやIT企業の誘致に力を入れてきましたが、人員数からいうと1社誘致しても非常に少ない。だからなかなか厳しいなとは思っています。

一方で、少子化対策はできるだけのことをしますが、それでも亡くなる方の数を埋めるほどの人数が誕生するということは、もう考えられません。函館でいうと4,000人が亡くなって、1,300人が生まれるという状態で、非常に難しい時代になっています。

そういう中で少子化対策として私たちができることは、子育てをしているお父さん、お母さんの負担、とりわけお母さんの負担をどれだけ和らげることができるか。そして働くことと子育てを両立できる環境を整えていきたいと思います。

また、結婚したいと思っている人たちに対してどういう対策ができるのか、出会いの場を提供できるのかということも含めて、これは企画部のほうに検討を深めさせています。なかなか簡単な解決策というのは見つかりませんが、できることはやっていきたいと思っています。

 

(記者)

子ども・ひとり親家庭等医療費助成についてお伺いします。今回、課税世帯の通院費を除いて無償化ということになると思いますが、課税世帯の通院費を除いた理由と今後そこも含めて全てを無償にするお考えがあるのかお聞かせください。

 

(市長)

子どもの医療費とひとくくりで申し上げますけれども、函館は課税世帯も本来3割のところを1割までは軽減しています。全く軽減してないわけではなく、2割は負担していますので、近隣市町との自己負担の差は3割ではなく1割となります。

誤解のないようにしていただきたい。入院も通院も1割負担でであり、それをさらに無償化するということなんですが、なぜ、非課税世帯とするのかというと、コンビニ受診などど言われるように、医療機関が少ないまちはそうでもないと思いますが、多くの医療機関があるようなところでは、無料にすると医療費の高騰につながります。

例えば、ドラッグストアに行って湿布を買えばいいような場合でも、病院に行けば無料になるので、病院に行く方が多くなり、医療費高騰の原因になります。

入院費については、費用も入院費のほうが高いので大きな病気などのときの安心感はだいぶ違うと思いますし、入院する必要がないのに入院するという人はいなので無駄な医療費の増加にはつながらないことから、入院費は原則、全部を対象としたところです。

通院については、3歳未満と非課税の世帯については、子どもの貧困対策とのからみもあるので、無料にします。課税世帯の通院の1割負担を無料にすると、さらに1億5千万円ぐらいの上積みが必要となります。今の財政状況の中で、1億5千万円というのはちょっと難しく、その両にらみです。

将来についてどうかというと、今のところは約束のしようがなく、あとは財政状況やほかの施策とのからみの中でどうやっていくのかということと、もう1つは福祉拠点づくりを2年ぐらいで進めていきたいと思っていますので、それとの関わり、子ども施策も含めて福祉全般をどうしていくかという中で検討していくことになると考えております。

 

(記者)

2020年は函館に関わって大きなイベントがあります。

まず、東京オリンピック・パラリンピックについては、北海道でもマラソンなどが行われることになりました。先ほど市長のお話にもありましたが、函館は聖火リレーのルートにもなります。

もう1つは、先日国内推薦が正式に決まった北海道・北東北の縄文遺跡群について、この秋の現地調査など世界遺産に向けて、いよいよ本格的に動き出します。

この2つに関連した予算も今回計上されていますが、改めてオリンピックと縄文に対する市長の意気込みをお聞かせください。

 

(市長)

新年が明けてから、ずっとオリ・パラも縄文も期待を込めていたんですが、この新型コロナウイルスのために、今はちょっとトーンダウンせざるを得ないので、あまり景気のいい話はしていません。ちょっと控えさせていただいています。

縄文遺跡群の世界遺産登録自体にはあまり影響がないと思いますが、東京オリ・パラも含めて、聖火リレーは6月ですから、今の新型コロナウイルスの状況が大幅に改善して早く収束してほしいという思いでいっぱいです。

本当はオリンピックの年であり非常に期待をしていました。多くのインバウンドも含めて函館観光に来ていただける。マラソンを見に札幌に行く前後で寄っていただける。それから、北海道も日本も注目されるので、ASEANや東アジアだけでなく欧米からも来ていただければ、新しいお客さんも増えると期待をしておりました。各国政府が協力、連携して早く収束に向かってほしいと思っています。

まずは、少なくともゴールデンウィーク前には何とか収まって、ゴールデンウィークを無事に迎えたいと思っていますし、そこを越えると本当にオリンピックに影響しかねないし、その影響が観光だけにとどまらず、もう人も物も動かなくなっていますので、生産も消費も低下し、世界経済全体に影響が出てくるようになる。

今のところは、まだ観光だけかなと思いますが、早く収束してもらいたいと願っています。いずれにせよこれさえ収まれば、前向きに明るい気分でやっていけると思っています。

 

(記者)

今お話もありましたけれども、新型コロナウイルスの問題で、例えばホテルの宿泊キャンセルが相次いでいたり、ダイヤモンド・プリンセスの話など、いろいろと影響が出ていると思います。

市民への周知ですとか、観光や経済への影響ですとか、今のところ何かまとまっているものがあればお示しただけますか。

 

(市長)

北海道が対策本部会議を開催した翌日の朝に関係部長会議を開催しまして、これからの対策について協議をして、保健所、函病、消防に加えて、経済部や観光部などでおのおの行うことを決めて対応してきたところです。

市民や医療機関への通知については、ホームページなどを通じた情報提供、あるいは感染予防対策に関する注意喚起や保健所における相談対応などを行ってきましたが、引き続き、2月1日からは指定感染症となったところでもありますので、国の通知に基づいて対応しておりまして、医療機関への情報提供なども行ってきております。今後においても随時、市民や医療機関への情報提供を保健所等を通じて行っていきたいと考えています。

また、帰国者・接触者相談センターの設置については、国の指示に基づいて相談窓口を全国の保健所に設置することになっておりまして、これまで保健所において感染症に関する相談に対応してきたところでありますが、今回の国の指示に基づいて、帰国者・接触者相談センターとして位置付けて相談に対応しているところであります。

一方、観光への影響については、宿泊事業者への聞き取りなども行っておりますが、中国政府が団体旅行を禁止したということもあって、中国人が多く泊まるホテルには500名程度のキャンセルが生じているホテルもあります。ただ、五稜郭タワーや函館山ロープウェイなどの主要な観光施設では、極端な落ち込み、大きな影響は出ていないと聞いているところであります。

いずれにしても、今後も市内観光への影響の把握に努めながら、観光事業者への対応をしてまいりたいと思っております。

また、観光コンベンション協会、函館ホテル旅館協同組合、湯の川温泉旅館組合等と調整し、市内観光事業者への注意喚起に係る通知をしたり、市のホームページ等でもそうした注意喚起や関連リンク先を周知しているところであります。

また、経済部の対応でありますが、5日から緊急対策資金を適用することとしました。東日本大震災や北海道胆振東部地震のときに、やはり緊急対策資金の適用をさせて、低利の融資をしているところでありますが、それと同じことを5日から行うことを決めたところであります。

今後も予断を許さない状況にありますので、推移を見極めながら必要な措置を講じてまいりたいと考えております。

 

(記者)

新型コロナウイルス関連ですが、クルーズ船について横浜での件を見ますと、感染が拡大するとかなり大変なことになると感じていますが、既に国外では中国関連の便をキャンセルする動きが出てきていますが、クルーズ船振興に対する対策、懸念されていることと、クルーズ船以外での感染もこれから増えていくと思いますが、考えている対策などについてお聞かせください。

 

(市長)

クルーズ船まであのようなことになるというのは予測できなかったことではありませんが、ダイヤモンド・プリンセスは函館港にも入港していますので非常に心配をしております。

函館港へのクルーズ船の入港は4月の下旬からになりますので、それまでに収束をすれば、多少の風評被害のようなものは残るかもしれませんが、解消していくのかなと思いますので、我々も注視しております。今後、クルーズ船でどんどん同じことが起きれば、印象的にまずいことになりかねないと思っています。

せっかく、今年は今のところ50隻の予約が入っていて、過去最大の入港となり、これからも伸びが期待されます。そういうものが腰折れとなるような影響がなければいいなと思っています。ニュース等を見ていると、ダイヤモンド・プリンセス自体、自衛隊も出動したりと、まだしばらくかかるのかなと思いますが、早く封じ込めて解決する。そして、何よりもやはり、早く収束しないとクルーズ船の問題も含めて影響を受けます。北海道のクルーズ船というのは、ほとんどがゴールデンウィークごろからですから、今すぐに影響を受ける九州や横浜、あるいは神戸のようなところとは少し違いますけれども、非常に注目していますし、心配もしています。

 

(記者)

先日、制度の概要を公表した宿泊税についてですが、今月からの市議会に条例案を提案するのかということで、提案するかどうかが決まっていないとすれば、ネックはどういったところにあるのかということで、例えば北海道との調整であるとか地元事業者との調整が済んでいないというようなことがあるのかということをお聞かせください。

 

(市長)

先日、総務常任員会で市の考え方をお示しいたしました。昨年末に検討委員会の委員の皆さんから提言をいただいて、それに基づいて市としての制度設計を行って、その考え方を総務常任委員会でお示しをしました。

まず、それが出発点で、そこから議論が始まるということであります。全く調整もしないでいきなり出したわけではなく、総務省ともきちんとやっていますし、事業者や検討会議の皆さんにも、こういう制度にしたいということでたたき台としてお示しをしています。

今後も、もっと丁寧に進めていく必要があると思っています。国ともだいぶ詰めてはいるんですが、最終的にこれで行きますということは申し上げておりません。事業者に対しても団体の代表にお話ししただけですので、数人の代表の方の意見を聞いただけで見切り発車というわけにはいかないと思っています。

併せて、倶知安町が2%の定率制で先行していて、函館市は今は定額制でお示しをしています。定額制、定率制の問題はありますが、各都市があまりにもばらばらで、あっちは500円で、こっちは200円や100円、定率制で2%、3%だというように、北海道に行ったらみんなばらばらというのも、好ましくはないと思います。そのような思いもあって、主要な都市で導入していくようなところとは、ある程度合わせていくというようなことも必要だと思っています。

倶知安町はもう制定しましたが、これからというところでは函館市が今のところ先行していると思っていますので、そういうことも含めて情報交換をしながら、同じような感じのものになっていけばいいと思います。

そういうことを考えながら、現在、最終的な調整をしているわけでありますが、さまざまな状況を踏まえながら提案内容、提案時期については適宜判断していきたいと考えております。

 

(記者)

今の宿泊税の話で、一部のホテル事業者の方々から反発の声もあると思いますが、その辺について、市長の考えとしてはいかがでしょうか。

 

(市長)

納税者はあくまでも宿泊者でありまして、ホテルに課税するわけではありませんが、ホテルは特別徴収義務者として、税金を預かって納めてくださいという手間がかかるわけですから、もろ手を挙げての賛成ということにはならないと思います。

ただ、ホテル関係者だけの話でこの税をやめるということになるかというと、税というものはそういうものではないわけで、やはり市民全体、議会もそうですが、各界、経済界もさまざまな見方があるわけですから、そういうものも聞きながら見極めていきたいと思っています。

 

(記者)

市長としては今月開会する定例会での条例案提出をめざしたいという話をしていましたが、条例案としてではなく、今回制度概要ということで、制度の内容だけ先に発表されたねらいや思いというのはいかがでしょうか。

 

(市長)

これは普通の手段で、簡単な条文を変えるような条例改正などはいきなり出しますが、新たな税を課すような大問題を、いきなり条例案として提出するということは、今までもないし、あり得ないことです。

事前にある程度いかがでしょうかということは、議会だけではなく関係各方面にお話をしていくというのが当然だと思っています。

もちろん新たな税金を課す重要な条例ですから、非常に慎重に進める必要があります。先ほど申し上げたように今の議会に提案できれば願ったりかなったりですけれども、めざす施行日は来年の10月ですから、時期的に今回でなければ間に合わないということではありませんので、その辺も見極めながら慎重に理解を求めていきたいと思っています。

ただ、いきなり議案を送付して、はい条例案を出しますというような単純な条例案ではありません。国で言えば、いきなり国会に法案を出してというような法律ではないというの同じだと考えていました。

 

(記者)

昨年、厚労省が病院の再編に関して、函館の5つの病院について統合や再編が必要だということで、今年の秋までに一定程度の結論をを求めているのかなと思うんですが、市長としては厚労省の発表についてどのように対応していこうかなと考えていますか。

 

(市長)

かなりハレーションが起きた部分もあるんですが、函館市内のことについてだけ言えば、私の中には一切ハレーションはありません。ただ、やはり地方に1つしかない病院については、突然出されると、当然あのような反応になるんだろうと思いました。

ただ、市内の病院については公立病院が今回対象ですが、民間病院も含めて、やはりこのままではやっていけなくなり、いずれ整理、統合せざるを得ないと思っています。

私は副市長のときに、自分自身でも再編できないかなと思って、ちょっと動いたこともあるんです。お医者さんの世界というのはなかなか難しくて、簡単にはいかないということが分かって、そのときは断念したんですが、人口が減っていくということは患者数が減っていきます。今は高齢者が増えているので、実際は患者がそんなに減っていませんが、高齢者も減っていく時代になると厳しくなっていくわけであります。

その辺は各病院ともに自覚していると思いますけれども、厚労省が発表したのは、診療実績データなどに基づいて、実績が特に少ないとか診療機能が類似して近隣にあるということなどが見られた公的病院を公表したということだと思っています。南渡島の2次医療圏の中核は、市立函館病院と五稜郭病院、中央病院、この3つが担っておりまして、それと比べるとほかの病院の実績は少ないということで、今回発表されています。

函館の場合は南茅部病院が挙げられていて、市立で3つあるうちの1つですが、中核を担っているところではないわけであります。将来の人口などを考えると、函館市内は病床数が多いのは明らかですし、将来的な病院の再編は避けて通れないと考えております。

けれども、進めるにあたっては市民の安心、安全、市民の理解といったもの、不安を感じるようなものであってはならないわけでありまして、そうした医療機能が確保された上で慎重に進めていく必要があると思っております。

南渡島圏域の医療構想の調整会議があります。そういう中で少しずつ議論が始まっていますので、その調整会議やその下にある病院長が集まる専門部会などで、慎重かつ適切な協議が進められるように、各医療機関や団体と連携をしながら、市としても加わって対応していきたいと考えております。

 

 


※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。



配付資料(令和2(2020)年度函館市各会計予算(案)資料) 

 

   
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