公開日 2024年07月11日
更新日 2024年07月11日
プラスチックにまつわる問題の現状
プラスチックは,軽量で耐久性に富み,安価で成型が容易なことから,様々な製品などに利用され,生活に無くてはならない素材である一方,世界の年間生産量は,過去50年間で20倍に,さらに今後20年間で倍増すると予想され,海洋汚染などの様々な環境問題も起こっています。
海洋プラスチックごみ問題
全世界で年800万トン以上のプラスチックごみが海に流入し,2050年には海中のプラスチックごみの量が魚の量を上回ると予想されています。これは函館の家庭から排出されるごみの量の約138年分に当たり,生態系に悪影響を与え,深刻な海洋汚染を引き起こしています。
海に流れ着いたプラスチックごみは,波や紫外線等の影響で,やがて直径5mm以下の「マイクロプラスチック」となる場合もあり,長期にわたり海にとどまります。
さらに有害物質を吸着しやすく,魚などが間違って吸い込んでしまい,それらを人間が食べることによる健康被害が懸念されており,世界全体で取り組むべき重要な課題です。
日本はプラスチック生産量世界第3位。1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量は米国に次ぐ世界第2位であり,この問題に国際的に責任を果たさなければならない立場にあります。
函館の海岸では・・・
環境省が令和元年度に実施した「漂着ごみモニタリング調査」結果によると,自然物と人工物の割合は容積ベースで約7割が人工物で,その大半がプラスチック類となっています。プラスチックごみには,漁具等も含まれていますが,多くは陸上で発生したペットボトルやポリ袋・菓子袋などの生活ごみが雨や風で川や水路に入り込み,海に流れ込むもので,プラスチックごみの適正な処理と排出抑制に取り組むことが大切です。
函館は海に囲まれた国際観光都市です。
海を大切にし,きれいに保つことは,本市の豊かな自然環境を将来に引き継いでいくことにつながります。
地球温暖化問題
近年,世界各地で気温上昇,大雨,暴風,干ばつなどの様々な異常気象が頻発しており,その一因となっている温室効果ガスの削減に取り組むこと,いわゆる「カーボンニュートラル」を実現することが大切です。こうした状況を踏まえ,函館市は,2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティはこだて」の実現をめざしています。
家庭や事業所から排出されるごみを処理する工程でも温室効果ガスが発生していることから,3Rを推進し,ごみの減量化を図ります。
特にプラスチックの発生抑制を推進するとともに,分別・リサイクルの徹底を図るなど,石油を原料とするプラスチックごみなどを削減することで,温室効果ガスの排出量を削減します。
大切な資源として
プラスチックの原料となる原油などの地下資源は,採れる量に限りがあり,原油の多くを輸入に頼っている我が国は,使い捨てプラスチックの使用を控え,積極的にリサイクルすることで資源を国内で循環させることが重要です。
私たちにできること
ごみを減らし,地球環境を守るために私たちにできること,キーワードとなるのが「3R+Renewable」という行動です。3R(スリーアール)とはReduce・Reuse・Recycleのことで,まず「ごみを出さない」,次に物を捨ててしまう前に「何かに使えないか,他に必要としている人はいないか」を考え,最後に「もう1度資源として適切に分別してリサイクルすること」がごみの減量と資源の節約に大きな効果を発揮します。加えてRenewable,「再生可能な資源へ代替すること」も重要です。
リデュース(ごみ減量)
- 物を大切に使い,買い物の際には必ずマイバッグを持参しましょう。
- ワンウェイ(使い捨て)プラスチック製品や過剰包装の商品は買わないようにしましょう。
- プラスチック製のスプーンやフォーク,ストローなどのワンウェイプラスチックの提供は辞退しましょう。
リユース(再使用)
- マイボトルやマイカトラリーなどの繰り返し使える製品を利用しましょう。
- 詰替え商品を利用し,ボトルを再使用しましょう。
リサイクル(再生利用)
- 「プラスチック容器包装」や「缶・びん・ペットボトル」などは適切に分別し,軽くすすいで資源ごみへ排出しましょう。
リニューアブル(再生可能な資源への代替)
- 「バイオプラスチック」などの再生可能な素材を使った商品を積極的に利用しましょう。
その他にも,ポイ捨てなどの不法投棄はしない,させない。ボランティア清掃や環境保全活動に積極的に参加するなど日常のちょっとした行動が未来の環境につながっているのです。
プラスチックごみ削減に向けた本市の主な取組み
1 プラスチックごみ防止啓発看板を作成し,市内海岸11箇所に設置。
2 プラスチックごみ削減ポスターを作成し,公共施設や町会,学校などに掲示。
3 5月30日「ごみゼロの日」に合わせてキャンペーンを実施。
- 市内商業施設前での啓発活動「プラスチックごみ削減キャンペーン」およびレジ袋有料化実施事業所でのポスター掲示や店内放送による啓発活動。
- 無料電車「レトロ市電530号(ごみゼロ号)」の運行による車内での啓発活動。
4 市内海岸において漂着物の採集を行い,その漂着物を調べたり,活用してアート作品をつくるなど,親子で楽しみながら海洋プラスチックごみ問題などを考えてもらうきっかけづくりのイベント「ビーチコーミング」を実施。
5 パイロットコーポレーションと連携して,「使用済みプラスチック製筆記具等のボックス回収」を実施。
6 プラスチックごみ削減について,市民の皆様が身近にできる取り組みなどを紹介したパンフレットを作成し,公共施設や各種イベントなどで配布。
はこだてプラスチックごみゼロガイド.pdf(5MB)[PDF:5.28MB] ※旧パンフレット
関連リンク
環境省のホームページでは,皆様の周りで広がっているプラスチックごみ削減に向けた取り組み事例などを紹介しています。
プラスチックスマート Plastics Smart | 環境省公式サイト
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