公開日 2019年12月06日
更新日 2021年12月14日
定例記者会見
日時 令和元年10月31日 木曜日 午後1時30分
場所 市役所8階第1会議室
【会見事項】
幹事社質問
(幹事社)
私のほうから幹事社質問を1点させていただきます。
東京電力福島第1原発事故をめぐる旧経営陣の責任を求める裁判では無罪の判決になりました。また、大飯原発の運転差し止めが認められませんでした。一方、関西電力の役員が高浜町元助役から巨額の金品を受け取ったことが表面化しています。
このように先月から原発に関しさまざまなことが起こっていますが、これらのことについてのご感想をお聞かせください。また、これらが函館市の大間原発建設凍結の訴訟への影響と、訴訟における戦略に変化はあるかなどもあわせてお聞かせいただければと思います。
(市長)
同じく原発に関わる問題ですが、おのおの個別で関連性はありません。
まず、東京電力の福島第一原発事故をめぐる旧経営陣の責任というのは、あの事故を起こしたことで個人的に責任があるかどうかという裁判ですが、まず東京地裁だけの第1段階の判断で、今後もまだ係争が続くのかなと思っております。感想としては、日本の場合には組織としてやったことについて、個人的な責任を問うというのは、公的なことでも民間のことでも難しい面が法律的なことでもあるのかなと感じていましたが、あの事故でふるさとに住めなくなった地域の人たちや避難を1つのきっかけとして亡くなられた方々の遺族などからすれば納得しがたいものがあるのかなと思います。いずれにしても、これからどういう動きが出てくるのか注目をしております。
大飯原発については、もともと同じような訴訟を起こして敗訴した方がまた訴訟を起こしたということで、門前払いに近いようなことでお聞きしておりますので、実体として判断をしていないと認識しています。
関西電力の件についてはもう言語道断と言うしかありません。原発マネーという巨額のお金に群がるいろいろな構図というのは、これまでも言われてきましたけれども、それが電力会社のほうに逆流していたというのは、もう信じられない思いであります。
もともと国民が支払っている電力料金ですから税金と同じようなものです。全世帯がきちんと払っているわけですから、税金とほぼ同様のものが、このように電力会社の経営陣に還流していたなんてことは、もう何を言っていいか分かりません。そして今回は電力会社のほうに戻ってきていたんですが、いろいろなお金をばら撒かなければできない事業というのは、果たしていかがなものかなと私自身は思っています。
電気を起こす手段というのはいくつかありますが、やはり原発はほかのものとは違うんだろうなとは、非常に感じております。
それが函館市としての訴訟に影響があるかというと、特段プラスもマイナスも影響があるものとは思っておりません。もう20回ぐらいの口頭弁論が行われてきています。
函館市としては原発の安全性だけでなく、避難計画をつくらなければならない自治体であるにもかかわらず、一切説明会も開いてもらえないし、承諾なんていらないと言われている立場。それがとんでもないということで訴えているわけで、そういう面にも、住民側の訴訟と違って、単に原発の安全、危険という議論だけでなく、地方自治体としての存立の問題だということなどについて争っているわけです。
まだ国も事業者側もまっとうな反論をしてきておりません。できないのだろうと思います。我々は単純に安全性や危険性、こちらからいうと危険性を指摘するだけではなく、立地自治体と30キロメートル圏内で危険にさらされる周辺自治体を無視して格差をつけていることの説明が全くできない。だから入れないんです。それはそれでいい。決着しなければいつまで経っても大間原発の建設は進まない
原子力規制委員会だってこの裁判の行方を見ない限り、確たる判断はできないと思っていますから、こちらは長引いても困ることはない。相手はお金もかかって、施設も老朽化していく。それはそれでいいのかなと思います。永遠に裁判が続いてもいいと思っています。
各社質問
(記者)
つい先ほどの話ですが、来年の東京オリンピックとパラリンピックに向けてカナダのホストタウンに函館市が選ばれたということについて、市長の感想をお願いします。
(市長)
東京オリンピック、パラリンピックに向けては、事前合宿を海外あるいは国内も含めて何らか我々としても協力したい、合宿誘致を進めたいということがありました。
オリンピックの東京開催が決まる前から、スペイン大使館やケニア大使館などに行って、東京に決まったら函館合宿どうですかと言ってきたんですが、あちこち声をかけても仕方がない、二股、三股をかけてもということで、クリスマスファンタジーで毎年もみの木を送っていただいているカナダに絞って、カナダ大使館の協力も得ながらカナダの選手団を誘致したいということで、この数年活動してまいりました。
ハリファックス市長や向こうにいる親善協会のトラッペンバーグさんなどさまざまな方の協力を得ながらやってきたわけでありますが、それがこうしてバトミントンチームが函館で合宿をするということで内定しました。年明けにもカナダバトミントン連盟のヘッドコーチが来て、受入協定の締結を行う予定であります。
事前合宿自体は来年の7月11日あるいは12日から19日までのおおむね1週間ぐらいで、12人ないし18人の選手、スタッフで練習会場には主に函館アリーナを使用するということです。そこまできたということで、我々としては歓迎しますし、非常にうれしく思っています。
とりわけ、カナダに絞って動き始めたときに、内閣府等いろいろなところから、カナダは日本で人気があるから、各地激戦で大変ですよと言われたことからすれば、絞ってやってきたことが功を奏したのかなと思っています。バドミントンは、日本の選手が男女ともに金メダル候補でありまして、シングル、ダブルスともに、そういう意味で注目度が高いので、良かったなと、率直に喜んでいます。
(記者)
函館の子どもたちがオリンピックに出場するような選手たちを間近で見ることができるようなチャンスにもなると思いますが、市民の皆さんの機運をどのように高めていこうと思っていますか。
(市長)
マスコミの皆さんが今日、明日にも報道してくれると思っていますので、そういう中で、我々も向こうのコーチ等とお話をしながら、選手と市民の交流をどうやって深めていくのかということ、あるいはそういうことの実施についてきちんと協議をして、その上で市民の皆さんにお知らせをしていきたいと思います。
ただ合宿をするだけでは意味がないので、どうやって市民と交流してもらうかということも考えながら受け入れをしていきたいと思っております。
(記者)
コンテ日吉の件で伺いたいんですけれど、中核を担っている函館みらい会の民事再生法の適用という大きな動きがありましたけれども、市長の受け止めをお願いします。
(市長)
理事長が突然放り投げるようにしていなくなって、その後混迷を極めて、誰が責任を持ってやるのかという体制がなかなかありませんでした。
体制を一新した中で、金融機関の決断もあって、民事再生法の適用をして、逆にすっきりするのかなと、混乱した当時の理事などは全くいなくなっていますから、新しい形で再スタートできると、しかもサポートする法人も出てきてほぼ決定をしています。そこで銀行の支援も受けながらやっていけるとなると、かえっていい形で進んでいくのかなと思いますし、社会福祉法人のほうは期待しています。
もう1つの株式会社の方はまだ3施設ありますが、そちらは別でありますので、今後どうなるのか我々としても注視していきますが、まずは中核となっている介護施設がきちんとした形で進み出すということは良かったなと思います。ただ、人手不足、介護士の不足は難しいものがあります。とりわけこれまでは、あの施設はどうしようもないというようなマイナス要素の風評被害がありましたので、少しでも介護士が確保できれば、入所したいという介護を必要とする方々はいらっしゃいますから、順調に動き出してほしいなと思っています。
(記者)
市長の福祉のまちづくりを掲げる政策の中で、かなりのウエイトを占めるコンテ日吉だと思いますが、中核を担うみらい会の民事再生法の適用申請は、今後のコンテ日吉の方向性に何か影響を与えるのでしょうか。
(市長)
影響を与えるというか、いなくなった理事長が携わった施設についてだけであり、そのほかの施設は順調に進んでますし、スーパーやドラッグストア、コンビニなどの商業施設もきちんと張り付いている。
今更申し上げても仕方がないが、審査の結果、ある意味とんでもない人間に任せてしまったなと思ってます。
そういう意味では、一掃して新たな形でやった方が、私としてはすっきりした形でいいなあと思います。腹立たしく思っていたものが、私の中ではストンと落ちて、逆にすっきりした形に落ち着いた思います。
もうあのような方々とは縁を切って、新しいきちっとした形で出発してもらえればと思います。
(記者)
昨日、ミスはこだては今年度限りということを聞きました。第40代ということで非常に歴史のある事業だったと思いますが、市長の率直なご感想をお聞かせください。
(市長)
時代なんだろうなと思います。応募される方も少なくなってきていました。そして、私は物産展なんかのイベントなどで、歴代のミスはこだてと一緒に行動することもあったんで、寂しい思いはありますけれども、まあ時代なんだろうと思っています。
他都市がミスという名称をやめている中で、よく今までずっと続けてきたなと思っています。観光大使だとかいろいろな名前に変えていますよね。ミスコンテスト自体が批判を浴びた時期もあった中で、比較的にそういうこともなく、このミスはこだてというのは続いてきた。
そして採用された皆さんもさまざまな活動を通して、函館の良さを全国にPRして、彼女たちにとっても勉強になっただろうと思いますし、またいろいろな場面、全国至るところで函館のPRに寄与してくれたなと思います。歴代のミスはこだての皆さんには本当に感謝を申し上げたいと思いますが、なくなること自体は、時代なんだろうと思っています。
(記者)
今、世間では名寄市の社会福祉協議会が介護報酬を不正に受給していたという事案が明らかになって、その中で名寄市のほうは不正受給を把握していたけれども、返還請求を1年半にわたって行っていなかったという事例がありましたが、函館市の場合で、同様な事例があったりということはございますか。
(市長)
ないんだろうと思います。別に隠してるわけでもなんでもないですし、そういうことはないと思います。函館市の社会福祉協議会はきちんとした形でやっていただいていると思います。
いずれにしても、いろいろなことがいろいろなところで起こるんだろうなと思いますが、隠したり明らかにしないのが今の時代は一番問題だと思います。私は職員にも常々、まずい問題が起きても隠すなということは、普段から口を酸っぱくするほど言っています。起きたことは仕方がないのですが、起きたことを隠すとか仲間内でかばい合うということの方がかえってまずい。問題を大きくすると思っていますので、一貫して言ってます。これまでもいろいろ起きていますが、隠したことはありませんし、対応をのろのろ遅らせてきたこともないと、私自身は思っています。
(記者)
直接関係はないのかもしれませんが、東京オリンピックのマラソン開催が札幌にという話があるようですが、函館に何か影響があると考えていらっしゃるかと、費用負担等についての小池都知事の言動に対してのご感想があればお聞かせください。
(市長)
小池知事の言動について、私が申し上げることは、ちょっと北方領土云々ということは言いすぎかなと思いますし、失言に近いのかなと思いますけれども、まあちょっと感情的になったんだろうと思います。
それはそれとして、30日からの協議ということで、まだ真っ最中ですよね。IOC自体は、もう決定だと言っているようですが、東京都の残念な気持ちというのも十分理解はできます。けれどもそういう中で、もし正式に札幌開催ということが決まるとすれば、それは札幌市だけの問題にとどまらず、北海道全体としてどのような協力体制をとるかということだろうと思います。
我々も何か要請があれば、例えばボランティア、函館マラソンをやっていますので慣れている人たちを派遣してほしいというようなことがあれば、当然協力をしていきたいと思ってますし、ちょうど1か月ぐらい前が函館マラソンなので、調整のために、フルマラソンは無理でしょうけどハーフを走るような、函館マラソンがありますよということを少し東京オリンピックの選手に向けてPRしてはどうだということを話しています。
そうなればマラソン選手の事前合宿を函館でしてくれる選手も出てくるかもしれないし、いろいろなことが期待できます。
マラソンはチケットがなくても沿道で応援もできるので、サッカーとはまた違う意味で、身近に東京オリンピックを感じられる機会になるのかなと思います。
いずれにしても、この2、3日が山場かなと思いますので注目していきたいと思っております。
(記者)
八雲町のほうでトンネル工事の残土の行き場がなくて困っている状態が続いているわけですけれども、周辺地域の要対策土も含めて、函館市として受け入れを検討しているのかと今後どのようにしていくのかお考えをお聞かせいただければなと思います。
(市長)
この前、議会でもお話ししましたが、今のところ正式な要請はないんです。一般的に何かの会議の場で、皆さんご協力お願いしますというような話で、具体的に函館市に対して、こういう場所でどうだというような話はないです。
1番の問題点は、函館の場合は土地がないんです。適切な土地があれば、別に全部拒否するという話ではないのですが、適地の調査は機構側が行うべきで、市側が適地調査をするということではないのかなと思います。具体的に話があれば、その時点でいろいろ考えていくことになるのだろうと思います。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。
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