公開日 2022年03月03日
令和元年10月の台風19号は,東日本を中心に土砂崩落や浸水などにより,甚大な被害を発生させています。また,同年9月の台風15号や昨年の北海道胆振東部地震は広範囲に停電を発生させるなど,近年の自然災害の被害は想定を超えるものとなっております。
これらの自然災害による被害に対しては,各種防火対策が重要ですが,特に長時間の停電が発生した場合には,再通電時の電気機器や配線からの火災発生危険が高まり,また,蓄電池設備や非常電源専用受電設備等の故障により消防用設備等が有効に機能せず,防火対策に支障を生ずる可能性が考えられます。
普段からの防火対策や有事の際の対応策を講じるようにしてください。
再通電時等の防火対策
- 停電中は電気機器のスイッチを切り,電源プラグをコンセントから抜くこと。
- 停電中に自宅等を離れる際はブレーカーを落とすこと。
- 再通電時には,浸水等による電気機器等の破損や配線・コードの損傷,付近に燃えやすいものがないかなど,十分に安全を確認してから使用すること。
- 建物・電気機器に外見上損傷がなくとも,壁内配線の損傷や電気機器内部が故障しており,再通電から長時間経過後に火災となる場合があるため,煙の発生など異常を発見した場合は直ちにブレーカーを落とし,消防に連絡すること。
防火対象物に設置されている消防用設備等の防火対策
- 蓄電池設備や非常電源専用受電設備等を用いている場合
- 消火設備
消火器,簡易消火用具等の設置場所や使用方法を再確認すること。
不活性ガス消火設備,ハロゲン化物消火設備などの自動消火設備については,手動による放出操作手順を再確認すること。
- 警報設備
巡回等により,こんろその他の火気使用設備・器具の火元の警戒を入念に行うほか,警報設備の設置範囲内への連絡や周知体制を確保すること。
- 避難設備
防火対象物の関係者による避難誘導体制や避難経路を再確認すること。
- 自家発電設備を用いている場合
常用電源復旧後は直ちに運転を停止(常用電源復旧時,自動的に運転停止するものを除く。)し,燃料補給等により火災時の機能に支障のないようにすること。
燃料が空となった自家発電設備には,燃料補給後に再び適切に作動させるため,エンジン部分の空気抜きが必要なものがあることに留意すること。
必要な燃料の確保等に努めること。ただし,その数量によっては消防への事前相談が必要であること。
- 自動火災報知設備の点検方法等
自動火災報知設備の中には,長時間停電により予備電源容量が低下し異常警報を発するものがあり,警報音が作動した場合の停止方法や再通電時における点検方法等について,事前に点検事業者等に確認すること。
一般事項
- 火気管理の徹底
日常生活における火気の取扱いには細心の注意を払うほか,防火対象物においては,在館者や利用者等に対する周知体制を構築しておくこと。
- 119番通報体制の確保
電話機によっては停電時に使用不能となるものがあることに留意し,確実な119番通報体制を確保しておくこと。
- 避難経路等の確保
電気錠による扉や自動ドア等は停電時に機能を失い通行不能となることも考えられることから,防火対象物の関係者においては,避難経路あるいは消防隊の進入経路が確保されるよう対策を講じること。
- エレベーターや遊具等の使用制限
防火対象物の関係者は,電気を動力とするエレベーターや遊具等について,停電発生の可能性が高い場合はあらかじめ使用の制限について考慮すること。
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