公開日 2019年03月06日
更新日 2021年12月14日
記者会見
日時 平成31年2月8日 金曜日 午後1時
場所 市役所8階大会議室
【会見事項】
・発表事項 平成31(2019)年度函館市各会計予算(案)について
発表事項
別添「平成31(2019)年度函館市各会計予算(案)資料」に基づき、市長から概要を説明
幹事社質問
(幹事社)
平成31年度予算は骨格予算となっておりますが、予算編成にあたりましてどのような点に配慮されたのか伺いたいと思います。
(市長)
まず、新年度の当初予算は骨格予算でありますから、格別政策的に配慮したという点は基本的にありません。
これまで進めてきた「ガーデンシティ函館」や「食の産業化」といったまちづくりの継続的な取り組みについては当初予算に盛り込み、また、「子どもの貧困対策」や「人手不足対策」等について、これまでも行ってきておりますが、今の函館の状況を考えて、従来どおり取り組むための経費については計上しております。
そして事業一つひとつについて緊急度や実施時期などを勘案し、例えば、昨年9月の北海道胆振東部地震を踏まえた防災対策については先行して当初予算で計上しております。また、教育関連予算のように4月の新学期のスタートに合わせて速やかに実施したい事業、例えば、いじめや不登校などの問題解決を図るためのスクールソーシャルワーカーといったものについて計上したところであります。
各社質問
(記者)
3期目に向けて出馬を表明された会見で、こだわるところとして市民の生活、経済、健康のレベルアップを図るということを繰り返しおっしゃっていました。骨格予算ですけれども、この分野で反映させたものは何かありますか。
(市長)
基本的にはありません。健康面でもがん検診や予防接種などいろいろありますが、継続的なものです。ひとり親家庭など若干拡充する部分はありますが、基本的には市長選挙後、それぞれの人の政策ですから、私がまたその立場になれば、改めて政策予算の中で実現を図っていきたいと思っております。
まだ選挙用の政策パンフレットもつくっていない中で、当初予算で先んじていくわけにはいかないと思っていました。
(記者)
防災に関しては、細かいものも含めて新規事業が随分ありますが、そこはやはりこだわった部分ですか。
(市長)
特別にこだわったというよりは、防災関係は誰が市長になっても、地震等最近の自然災害の多さを考えると、できることは一刻も早くということだろうと思いますから、政策というよりは、もう義務的な経費と考えたほうがいいと私自身は思っています。
とりわけこだわったということではなく、政策予算ではないという考え方です。ある意味で義務的なもので、したがって当初から組むべき、災害関係は少しでも早くできるものはやったほうがいいのではないかなと思ったところです。
(記者)
新規事業の中で、防災関連以外で市長が緊急度が高いと考えて入れた予算はどのようなものでしょうか。
(市長)
教育予算は先ほど申し上げたように結構新規があります。これは緊急度というよりは、きちんと新学期からスタートできるようにというものでありまして、すべて覚えているわけではありませんが、私が特別に緊急だということで盛り込んだものは、災害以外には記憶がありません。
(記者)
例えば、しごとフェスタ開催経費や若者の地元定着支援事業費は、緊急度は高いかもしれないけれども、入れなくてもという気もするんです。
(市長)
ただ、人手不足というのはやはり問題で、全産業、全市的に求められているものですから、人手不足をどうやって解消していくか、これはもう政策ではないです。手段の違いはあるかもしれませんが、莫大な経費を組んでいるわけではないので、早く準備して、早く人手不足に対応していくという意味で計上したもので、私が意識して組んだというものではありません。
(記者)
防災、教育、人手不足、函館的にずっと続いている問題のものは政策的予算ではなくという考えでということですね。
(市長)
そうですね。誰が市長になるかによって、大幅に変わる可能性があるものがありますよね。そうしたものについては、今回計上は差し控えています。
(記者)
歳入面でお伺いしたいのですが、今回の資料の中でも個人市民税と固定資産税の部分が伸びたということなんですけれども、その要因についてと、もう1つは生活保護の受給率について、函館は中核市の中でもかなり高いほうだと言われていますが、今回その生活保護費が下がるというのはどういった要因なんでしょうか。
(市長)
個人市民税ですから、個人の課税対象の所得が上がっているということなんだろうと思います。人口が減少している中で、個人市民税が増えるということは、ある意味でうれしいことです。税収が増えるという意味でのうれしさもありますが、市民の所得が増えているというのは、この予算編成で初めて聞いて私としても少し意外だったんですが、大変いいことだなと思います。詳細については財務部長から説明させます。
もう1つは、家屋の新増築が非常に多かった。土地ではなく家屋分の増加ですから、これも景気がいいというほどではないけれども、所得と連動しているのかなと、所得がアップし、新増築が増えているということなのかなと、税の中の項目としては、喜ばしい項目が増えていると思っています。これも詳細は財務部長のほうから説明させます。
それから生活保護費については、たぶん高齢者の生活保護は変わっていないと思うのですが、ある程度、若い人から中年の世代が働ける状況になっているので、その面で減っているのかなと思います。この詳細については後ほど保健福祉部のほうに聞いてください。
(財務部長)
市税の関係ですが、ただいま市長のほうから申し上げましたとおり、個人市民税、個人の所得の増加傾向が見られるという、ここ数年来の傾向かと思ってございます。
法人市民税については、金融保険業などの減といったものを勘案していますけれども、そういったものを補うような個人市民税、所得の増、さらには固定資産税では、新増築家屋分による増のほか、新規設備の投資による償却資産の増も見込んでございます。
さらに市税という観点で申し上げますと、過去の市税の収納率も加味し、対前年比で0.3%の増となる97.1%の市税収入率を見込んでいるということで、トータルで説明申し上げました3億3千万円ほどの増となっているところでございます。
(記者)
関連してですが、一方で法人税のほうがマイナスと伸び悩んでいるということですが、個人の所得は伸びているのに、逆に法人税のほうは伸びていないというのは、どういうねじれ現象なんでしょうか。
(財務部長)
法人税の部分につきましては、一概に地域の経済状況というよりは、例えば、法人の申告時期や中間申告ですとか、そういったものの傾向を捉えて予算組みをしてございまして、一つひとつの法人の営業実態を捉えての課税というよりは、そういった傾向を捉えての課税ということになりますので、今後、中間申告や決算申告が出てきた段階で、多少増減が出てくるのかなとは思ってございますけれども、個人の所得ベースで申し上げますと、各種統計においても所得については増加傾向にあるということは、今回の予算のほうで見込ませていただいたところでございます。
(市長)
固定資産税については、今この辺りはホテルの建設ラッシュで、これが将来的に固定資産税の対象になってくるので、数年は減免の対象になりますが、その後大きく固定資産税として入ってくるのかなと期待はしています。
(記者)
今の関連ですが、個人市民税が上がって喜ばしいというお話がありました。なぜ上がったかということには複合的な要因があると思いますが、ご自身がこれまで取り組んだ政策でそのようにもっていったと実感できるようなものはありますか。
(市長)
いや、それほど偉そうなことは言えません。
いろいろ複合的な要因、観光客の増加もあるでしょうし、人手不足で函館においても、少しでも賃金が上がっているのかなという気がするのと、それまで働いていなかった人たちが働いて課税対象になっている可能性もあるし、ここでは原因は分かりませんけれども、税が伸びて嬉しいというよりは、市民の所得がそれだけ上がっているとすれば、私にとっては嬉しいことだなということです。
(記者)
防災対策経費のところなんですけれども、資料に書かれているだけでも新しく4つありますが、これは去年9月の地震のときの災害対策本部を運用していく中での課題や反省から、こういったことが必要だということで、新しく立ち上げた事業ということでよろしいでしょうか。
(市長)
そうですね。ブラックアウトも含めて9月の地震を受けて不足していた部分、不十分な部分がはっきり分かりましたので、素早くできるものについては今回の予算でということです。
(記者)
今回は骨格予算ということで、この防災対策経費で計上されているもの以外で、今後さらに増やしていかなければならないという事業、経費といったものについて考えていることはありますか。
(市長)
あの地震を踏まえてというものは、これでひととおり予算化したということになると思います。
あとは、防災会議が2月にありますから、そこで地域防災計画の改訂案について議論しますけれども、各方面からどういう意見が出てくるか、そこを踏まえて、また新たに予算化するものが出る可能性はあります。
(記者)
その防災の件なんですけれども、Jアラートの受信機の設置が新規であります。これは東部4支所管内で防災無線を使ってJアラートを自動的に流すことができるようにするという内容だと聞いていますが、現在でも手動により防災無線でJアラートを流していて、タイムラグは1分もないというようなことを聞いています。
このJアラートの受信機の設置について、緊急性が高くて新年度予算に当初から盛り込むほどだったのかどうかをお聞かせください。
(市長)
格別意識したという感じはありませんが、総務部長から説明します。
(総務部長)
Jアラートですけれども、かねてからJアラートと防災行政無線については連動が一番望ましいことは間違いないのですが、一昨年の北朝鮮のミサイル発射を受けまして、支所の職員がいない早朝などの時間帯にも発報しなければならないこともありますし、地震や津波といった災害も最近、世界各地、日本でも起きていますので、素早く対応するということになると自動発報が一番望ましいという考えで整備をさせていただきたいと思っております。
(記者)
新規事業をみますと、インバウンド向け販路開拓支援事業費やインバウンド対応スキルアップ人材育成経費がありますけれども、外国人需要に対応するという狙いがあるのでしょうか。
(市長)
これまでもインバウンドには力を入れてきて、海外プロモーションなども行い、50万人を超えて、100万人をめざしているという中、人口減少もありますが海外に行く人が増えている現状を踏まえると、国内観光客はこれから非常に減少していくだろうと思っておりまして、期待するのはインバウンドになりますので、これからも力を入れていきたいということで計上しているところであります。
(記者)
当初予算で基金の繰り入れはないとのことですが、6月補正の段階で繰り入れる可能性はありますか。
(市長)
先ほど、予算(案)資料の説明で申し上げましたように、予備費に一般財源4億円を留保していますから、補助事業等で実施するとすれば、10億円を超えるような額、すべて単独だと4億円ですが、それにしても、これだけ基礎的なものを組んでおきながら4億円というのは非常に大きな額かなと思っています。
ただ、これを超える場合には、減債基金なり財政調整基金を崩すしかないと思います。それはそのときの市長の考え方で、崩してまで行うのか、4億円の範囲にするのかというのは、そのときの判断になると思います。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。
配付資料(平成31(2019)年度函館市各会計予算(案)資料) (567KB)
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