公開日 2018年11月27日
更新日 2021年12月14日
定例記者会見
日時 平成30年10月26日 金曜日 午後2時
場所 市役所8階大会議室
【会見事項】
幹事社質問
(幹事社)
まず胆振東部地震についてです。地震によるブラックアウトで、函館市は基幹産業の観光業が大きな影響を受けました。「函館、営業中」などの動画作成や中国のインフルエンサーを招いてライブ配信を行ったことなどにより、徐々に外国人観光客も戻りつつあるようですが,今後,冬に向けてさらなる政策はございますか。
また,今回の地震における電力事業者の対応について,市長ご自身が何か思うところはございますか。
(市長)
地震の影響でブラックアウトがあったりして、その後停電が復旧したりしても、やはりインバウンドも含めて、ホテルや旅館のキャンセルが相次いで、観光が非常に大きな痛手を受けたわけであります。停電が復旧すれば国内客はいずれ戻ってくる、日本人観光客はある程度どこでも地震を体験しているので、停電自体で来なくなるということはなく、余震が収まればいずれ戻ってくると思っていましたが、インバウンドについては心配していました。
函館には、昨年50万人のインバウンドがあったわけですが、その半分以上が台湾からということで、真っ先に台湾に副市長を派遣して大丈夫だというPRをさせたわけであります。
函館空港に就航している台湾便の搭乗率も徐々に戻ってきていると聞いておりますので、一安心はしていますが、韓国をはじめ普段地震の経験がない国の人たちはまだまだ警戒心が強くて、なかなか戻ってきてもらえないという状況があります。
韓国からは昨年函館に2万4千人。北海道に来ている外国人は、中国と韓国、台湾がおのおの60万人ぐらいで、この3つの国と地域が多いのですが、函館には台湾の28万人や中国の8万人と違って、2万4千人しか来ていないということで、韓国の観光客が来ない影響というのは、たぶん札幌を中心とする道央において非常に大きなものがあるんでしょうけど、道南では比較的に、まだ影響は少ないのかなと思います。
ただ、12月に予定されていたLCCのティーウェイ航空の就航が延期になったというのは、函館にとって2万人から大幅に増やす手立ての1つと考えていただけに、影響が大きいなと思っています。ずっと延期されるということではないと思いますが、半年なり一定程度かかるのかなと思っておりまして、我々としても、これからも韓国の航空会社とコンタクトをとってやっていきますけれども、少しがっかりしたというところがあります。
ただ、そのほかにも動画の配信、最近も新しく作成した動画をSNSで発信していますけれども、これはこれからも続けていきますし、また、年内、10月、11月に、各国のブロガーやメディアを招いて、状況をきちんと知らせていただく。それから各国の旅行博に函館市も積極的に参加しながら、大丈夫だということを伝えていきたいと思っています。
とりわけ、「北海道ふっこう割」事業が始まっています。国内がすでに始まって、海外でもこれから本格化していきますので、その宣伝も含めてプロモーションに力を入れて、できれば、12月、クリスマスファンタジーが始まりますし、その後、新年が明けると、中華圏の春節、旧正月が始まりますので、その辺までには何とか回復するよう懸命に努力をしていきたいと思っております。
もう1点は、電力会社の対応についてということでありました。ブラックアウトという我が国初の事態を引き起こしたわけでありますが、私は専門家ではないので、それ自体について申し上げるつもりは、今の時点ではありません。それは専門家の検証にお任せして、今後そうした事態がないような方策をとっていただきたいと思います。
ただ1点、強力に申し上げたいのは、やはり連絡体制がまったくなっていなかったということで、ほかの場でも申し上げました。市役所というのは災害が起こったときに、災害対策本部を設置して市民対応など、事態に対処する中心になっているわけであります。
あのときも市の庁舎には、自衛官あるいは警察官も詰めていたわけですが、そこに事業者である電力会社からは、何の情報も提供されませんでした。問いただしても、分からないとか言えないとかの1点張りであり、そういう意味では、電力供給という公共的なことを行っているという自覚が少し足りなんじゃないかなという気がしました。
非常に切羽詰まった状況で、電力会社も何とか復旧させようというほうに力を注いでいたのかもしれませんが、それにしてもやはり経営陣や営業の担当など現場の技術者以外の人たちは、それをどうやって公的な機関、自治体あるいは消費者である住民に積極的に知らせるということが必要だったんではないかと思います。我々にも、道庁にさえも情報が寄せられなかったということで、すべてテレビやラジオ、東京経由、真っ直ぐ東京に情報が行って、東京から我々が北海道の電力の情報をもらうということで、どうなっているんだというのが率直な気持ちです。
政府のほうばかりうかがっているのかなと、現場で対応しているのは我々でありますから、その辺は今後見直す必要があると思っています。普通の停電だと数時間で復旧するわけでありますが、今回はそう簡単に復旧しないということは、こちらは分かりませんでしたが、電力会社として自分たちは分かっていたんでしょうから、そういうことを踏まえると大変今回のことには問題があったなと思っています。
今後、我々としても、見直すべきところ、こうしてほしいということは、もう既に電力会社にも話していますから、今後の災害時対応については、もっと緊密に連携がとれるように努めていきたいと思っております。
(幹事社)
2点目ですが、夜景についてです。新三大夜景ということで、札幌で開催された夜景サミットで認定されたものでありますけれども、1位長崎、2位札幌、3位北九州がトップ3で、函館は神戸、東京に次いで6位ということになりました。
函館の評価が低いのは夜景を見る場所が限られているからというような意見もありまして、裏夜景の美しさについては無視されているように感じます。他紙でもありましたが、先日、全国版の朝刊で横津岳から撮った裏夜景を掲載したところ、大きな反響がありました。
観光都市として、函館の夜景というのは最大の売りであると思うんですけれども、夜景がこうした扱いを受けていることにつきまして、どのような感想をお持ちでしょうか。
(市長)
今裏夜景の話も出ましたけれども、函館山からの夜景が正面からの夜景で、これはミシュランのガイドブックで3つ星の評価をもらっています。今回選ばれた上位の都市は2つ星や、札幌はたしか星もついていない状況ですから、見る人によって夜景というのは違うんだろうなと思います。
裏夜景のほかに大間のほうから見る横夜景というのもあって、裁判のときにもよく使ったんですが、見る場所が多いというのは、観点によって違うんでしょうが、私自身はもともと夜景を競うつもりはありません。
市長になったときも夜景頼みの観光から脱却しようと言い続けてきて、以前は函館市も世界三大夜景、香港、ナポリ、函館とか、100万ドルの夜景とかうたい文句にしていましたが、今は言いません。函館山の夜景が観光スポットの1つですよということで、異国情緒のある町並みや五稜郭公園などと並んで1つの観光スポットとしては言っていますが、「世界三大夜景」や「100万ドルの夜景」などと前面に出してはいません。そうことをやめようと、もっと違って滞在型観光にしていくとか、夜景なんて1回見たら、2回も3回もそれを見るためだけには来ないんだからというようなことでやっていましたので、あまり気に留めていません。
函館が夜景、夜景って言っていたのは、たぶんもう40年ぐらい前です。ほかの都市はそれよりずっと後、最近になって夜景の注目度を上げているわけです。日本新三大夜景を主催している団体が夜景サミットを開いており、自治体が会費を払って会員になったりしていますが、函館市は断って入っていないんです。会費を払うのも嫌だし、今さら入ってもしょうがないので、夜景サミットにも参加していません。
そういうところがありますし、一方、幸福度調査というのがあり、函館市は中核市の中でも下から4番目だったんですが、これはシンクタンクが、いろいろな数値を使って客観的に決めていきますので、いくら函館の幸福度ランクが低いよと言われても切り捨てず、それはそれで仕事の分野の点数が悪いとか、健康分野が悪いとか、納得できる部分もありますし、魅力度調査も全国から抽出して、3万人以上のアンケート調査をして、こちらもシンクタンク的なもので、それを商売にしているわけではありません。
この夜景の団体は、夜景サミットを主催して参加自治体からお金をもらったり、あるいは夜景鑑賞士というのを受験料を取って認定していて、5千人以上います。魅力度調査のように一般の人を対象に行っている調査ではないので、うちは参加しませんし、会費も払いませんし、夜景の仕事でお金を払ってお願いすることはありませんということを申し上げておりますので、あまり気にはしていません。
市民の中には非常に残念だったねという人もいますが、私は、函館はもう卒業していますし、どうしても気になるのだったら、うちは世界三大夜景だから日本三大夜景でなくてもいいんだと思いなさいと言っています。
いずれにしても、夜景というのはどのまちでも、やはりいいんですよ。東京のホテルから見る夜景だって素敵だし、夜に明かりが見えるというのは、どんなに小さなまちの明かりでも心を打つものがあります。それを考えると、どういう夜景がいいのかというのは、人によって違って、数値によって表れるものではないので、そのこと自体は何とも思っていませんし、3年ごとに組みかえるというんですが、3年で夜景なんて変わるはずがありません。
夜景が変わるとすれば最低でも10年、しかも自治体の努力で変えられるものではないんですよ。魅力度や幸福度のやり方だと自治体が努力して変えることができるけれども夜景というのは変えることができない。少しライトアップする程度のことしかできませんので、それを競ってもしょうがないと、正直思いました。
(幹事社)
3点目ですが、がんゲノム医療の医療連携病院の指定についてです。国が進めるがんゲノム医療ですが、市立函館病院と五稜郭病院が、国が選定した中核拠点病院と連携して治療を行う医療連携病院として指定されました。
函館市と同規模の自治体ですと医療連携病院が2つあるというのは全国的にも珍しく、恵まれた医療環境になると思いますが、この点についてはどう受け止めていますか。
また、市民にとってはあまり知られていないがんゲノム医療というのが、函館でこれだけ受けられるようになることについて、どのようにPRしていきますか。
(市長)
がんは死亡原因の第1位でもありますし、函館も含めて道南はがん死亡率が全国的に見ても、北海道の中でも高い。青森県が全国1位と高いのですが、それと同じくらい高いのです。そこを克服する手立てがあれば、函館の人たちはもっと長く生きられるというわけであります。
がんの原因となる遺伝子の異常を調べて、その上で最適な薬や治療法を一人ひとりの患者に合ったものを行うというのががんゲノム医療で、最先端の医療だと聞いております。がん死亡率の高い函館で、連携病院として2か所指定されて、最先端の医療を受けられるということは、非常に歓迎すべきことであると思っております。
市立函館病院、五稜郭病院ともにおのおの提携する北大病院、慶応大病院と連携しながら適切ながん治療に努めていただければいいなと思っております。
どうPRしていくかということでありますが、病院局はがんゲノム医療センターを設置して、新年度にも患者の受け入れをするというようなことを予定しているようですし、それまで、がんゲノム医療中核拠点病院の北海道大学から講師を招いての講演会等を検討しておりますので、市民の皆さんに向けて、がんゲノムに対する情報を提供していきます。
言葉だけではなかなか難しく、私も最初は良く飲み込めなかったので、市民の方々にもかみ砕いた言い方をしないと、どのようなメリットがあるのかということが分からないと思いますので、その辺は函病のほうで工夫しながらPRしてもらいたいと思っています。
各社質問
(記者)
一番ほやほやの話でありますダンパーの件になりますけれども、改めて、市長としてどのような対応を求めていくかについてお聞きしたいと思います。
(市長)
いや、もう報道されているとおりでありまして、テレビも新聞も写しやすいんですかね。1回目のメーカーよりも、2回目の函館市役所のほうが随分露出度が高いですよね。建物の陰になっていないので、どこに使われているかということが分かりやすいんだろうなと思っていました。
ほとんどの皆さんはご案内のとおりだと思いますが、データが改ざんされていたということで、市庁舎で使用している制震オイルダンパー56本のうち39本が基準に合致しない、不正であったということが明らかになっています。
函館市役所だけでありませんけれども、このことは最終的に安全にかかわることですから、このような耐震、制震、免震というようなところに、きちんと適合していないものが納められていたということは、安全にかかわることだけに通常以上に大変けしからんことだと、私自身は思っています。企業倫理が本当に問われる問題だと思いますので、市としてもやはり、国土交通省の対応を見ながら、厳しく対応していきたいと思っております。
分かっただけで収まるのかどうかなど、これからメーカーのほうでも第三者機関による調査をした上で、さまざまな対応をしていくということのようでありますし、国土交通省のほうでも厳しく指導することになると思いますので、両方を見ながら、調査結果を待って、的確な対応を求めていきたいと思います。
具体的には、その調査が終わらないと、今時点では何とも申し上げられませんので、はっきりした時点で、改めて皆さんにお知らせを申し上げたいと思います。
(記者)
最低ラインでも交換はマストであるとか、そこまでもまだでしょうか。
(市長)
今時点で言えるとすれば、やはり少なくとも不正なものは全部取り換えるし、どれがどれだか分からないということであれば全部取り換えるということになりますが、それも正式な調査を待たないと、今時点で予断を持って申し上げることはできません。
ただ、あいまいなというか、まあこの辺で妥協しましょうなどといったやり方は絶対にしません。
(記者)
棒二森屋の閉店の問題なんですけれども、この前、イオンのほうが改めて提示した商業施設やホテル等のプランについてお聞きできればと思います。
(市長)
イオンが以前に示した案は、棒二森屋の本館については上層がマンションで下層が商業施設、アネックス館については上層がホテルで下層が飲食も含む商業施設というものでありました。それを我々に示すとともに商店街の皆さんや地権者の皆さんに示したところ、彼らはそれでは商業施設が小さすぎて駄目だということで、大規模なものをというような要望をイオン側にしていたわけであります。
今回、イオンより示された案を見ますと、前とはちょっと違っていて、マンション棟とは別棟で商業施設棟をつくると、今のところ3階建てで、場合によってはもっと高くなるかもしれないというような話のようでありますが、これは地権者の意向をある程度組み入れたのかなと思っております。
市としては、大規模な商業施設は、もう今の時代、なかなか難しいのではないかという話を以前からしています。大規模施設であった棒二森屋だけではなく、その前に和光デパートもさいかデパートも閉店しているわけであり、そういう時代にまた大きなものをつくるというのは、なかなか難しいだろうなと思うし、イオンも十分な市場調査等、これからの人口等を考えた上での案であったと思いますので、両者の間に入りながら、市としてのスタンスもあったわけですが、今の案では地権者の意向にかなりというのか、少しというのか配慮していただけたんだなと受け止めています。
ただ、今後どのように落ち着いていくのか、あるいは違う展開を見せるのか、私にもちょっと見当がつきませんけれども、早く話がついて事業が進んでいかないと開店が遅れて、1月の閉店後に火が消えかねない。できるだけ早くまた火がつくようにするために、早く決めて早く事業に取りかかっていただきたいなと思います。
(記者)
大門付近を取材した印象なんですけれども、夜は人が多いんですが、日中はあまり人がいないと感じます。棒二森屋の跡地の施設には、観光客に多く来てほしいのか、それとも地元の人がまた行きだすことを期待するのか、いかがでしょうか。
(市長)
まち中からそこに買い物客を集めるという時代は、もう終わりつつあると、私は思っています。我々が子どものころ、あるいは若いころも含めて、当時、五稜郭もないし、美原もないし、商店街というと函館駅前だけだったんです。だから、その時代が再現できるかというとこれは不可能です。
どんなものを建てても無理ですし、なかなか、これから、ものを売るだけの商売はもう厳しいと言わざるを得ません。ネットの時代になってきて、日本はまだ、アメリカや中国などに比べると遅れているけれども、これからどんどんネットで注文する人が増えていくと、特殊なものを売るなら別ですが、ありきたりのものを売るだけの商売というのはやっていけなくなります。
肉屋、魚屋、八百屋、米屋、いろいろなものがなくなってきています。コンビニとドラッグストアのほかは大きいスーパーが少し生き残っているけれども、これからはそういうものと全国展開している衣料や家電などになって、個人店主でものを売るだけの商売はなかなか厳しいだろうと予想していて、やっていけるのは飲食だけだと思います。調理用の麺は頼めるかもしれないけれど、できたてのラーメンをインターネットで注文するわけにはいかない。だから居酒屋などはできています。今からの時代を考えると、対抗できるのはそれしかないんです。
1か所の商店街にまち中から買い物客を集めるのは不可能だという中で、どうやってやっていくか、私もいったんここに市民を集めようとして、キラリスやふらっとDaimonなどもつくりましたが、そうしても買い物には来ない。それぞれの施設には来ても、買い物には波及しない。それは市ではどうしようもない。売る物の魅力を市はつくれません。
人集めをしても買い物にはつながらない、せいぜいちょっと飲食につながるぐらいということで、市民の買い物客が来ないから日中は人がいない。函館の場合は夜になると閉店するところが多く、行くところがないから、開いている居酒屋やコンビニのあたりに観光客が来る。日中はそれぞれ観光しているので、このあたりにはいない。ホテルに入る前後、夜はいるということになります。
私は、この地区としては、その観光客を相手に商売しない限り、成り立たない商店街になりつつあると思っていますが、イオンモールもそこら辺がよく分かっていなくて、このあたりで今ホテルが6つも7つも建っているという状況や、インバウンドがどれぐらい函館に来ているか、宿泊客がどれくらいいるかということも、専門外なので、そこまでよくは分かっていなかったようで、イオンモールの社長が来たときに、ここは観光客を相手にするような商業施設を考えないと、なかなか市民だけでは無理ですよというお話をしました。
そのためには、やはり夜も営業時間を少し長くするようなことも考えなければということで、それは彼らにとっても、いいことを聞いたという感じで、ぜひそういうこともやっていきたいというようなお話もありました。若者と観光客、インバウンドだけに限りませんが、とりわけインバウンド、そういう人たちに喜んでもらえるような物販や飲食など考えていきたいということのようです。
私としては、方向性はそういうところだろうなと思います。今建てられているホテルで2千人以上のキャパが増えるわけで、じゃあホテルに入ったあと出かけて、夜景を見て下りてきたあと、南の国の人たちは夜遅いので、12時ぐらいまで活動していますから、それをどうやって活性化につなげていくのかということです。棒二がなくなったら、市民は今のままの形では来ませんよ。どこでも買えるものだから難しいと思います。新たな道を探るしかないなと思っています。
(記者)
函館は最近イカが不漁で、ブリを推そうと渡島総合振興局も取り組みを進めています。スーパーなどに行っても函館産のブリがあまり流通してないという印象が私にはありますが、市長はどうやってブリを推していくべきと考えていますか。
(市長)
イカが獲れないし、サケも獲れない。今年のサケは痩せているという話もあるし、本来獲れるべき魚が獲れないで、以前はあまり北海道では獲れなかったブリなど南方系の魚、南茅部でも大きなトラフグが揚がったりしているんです。ちょっと様子が変わってきているわけですが、おととしブリは境港に次いで全国2位ということで、函館でブリが全国2位の水揚げになるなんて考えられないですね。
だけれども、ブリが揚がっていて、ほかの魚が獲れない以上、それを生かす手立てを考えなければなりません。北海道では、ブリは照り焼きか刺身、寿司ネタぐらいでしか食べずに、もともと獲れていないからサケやイカのように加工して使うということもありません。
ただ、そういうことも出始めていて、3、4年前にはブリの加工を考えなければならないんじゃないかというようなことを言ったら、まだ深刻には考えておらず、ブリもいつまで獲れるか分からないしというようなことを、加工会社の経営者たちは言ってたんですが、最近はぽつぽつと出てきました。
これだけイカもサケも獲れなくなって、ブリはずっと獲れそうだとなると、当然魚種を変えて、そこにどういう付加価値を設けてということを考え出すわけで、市としてはブリの活用、渡島総合振興局はどちらかというと食べてもらうほうをやっています。我々としては、もちろんそれも大事ですが、函館の水産加工業というのは、経済に与える影響も大きいので、どうやって加工していくというほうの支援に取り組んでいきたい。もちろん全国に向けてPR等もしていきたいと思っています。
北陸のいわゆる寒ブリと違って、こちらは夏ブリなんです。寒ブリほどは脂がのっていないから、あっさりしてるんです。だけどそれはそれで、脂ののったブリもおいしいけれども、あっさりしたブリも食べ方によっては結構おいしいし、加工にはかえって味が染みやすいというのもあるのだろうと思いますので、私としては本気でやり出せば結構いいものが出ていくのではないかと思っています。
できるだけ、その時代その時代で獲れるものを工夫しながらやっていくしかないなと思っていますから、そういうことに取り組む事業者に対しては、市も全力で応援していきたいと思っています。
(記者)
来年4月には市長選挙がございます。市長自身の現在の進退のお考えと表明の時期についてどのように考えているかをお聞かせください。
(市長)
何も考えておりません。
(記者)
いつごろまでに答えを出そうとお考えですか。
(市長)
しかるべきときとしか言いようがないんですが、前回は1月だったかな、あのときも年末年始をゆっくり休んで考えますって言ってましたから、同じようなペースかなとは思っています。選挙のことばかり考えると仕事ができなくなるので、あまり急かさないでください。
(記者)
制震ダンパーの件で1点だけ。装置の交換にあたって、いつごろまでに対応するようにといった期限などは考えておられますか。
(市長)
今の状態で震度6や震度7に耐えられるのかということが、まず重要です。ですが、そこが分かりません。昨年度の予算で耐震改修を行いましたが、それまではどうなるか分からない状態で、まずは子ども優先で耐震改修を進めた中で学校が終わったことから、市役所や市民会館をということで実施したものです。
そうしたらこういうことになったのですが、調査を待つ必要があります。震度7がいきなり来れば別ですが、不適合のものだったとはいえ設置している分だけ、以前より強度はあるのかなと思いますが、その辺は、きちんと専門家に調査してもらって、その上で、全て取り換えるのか、適合しないものだけ取り換えればいいのかという判断をしていきます。
また、たぶん、個々の自治体の意向もあるでしょうけれども、全国的な問題でもありますので、監督官庁である国土交通省がどのような指導をするかも見極めながらやっていきます。
いずれにしても、我々としては甘い対応をするつもりはまったくなく、やはりこういう不正、企業倫理にかかわるようなことについては、厳しく対応していきたいと思います。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。
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