公開日 2017年02月03日
更新日 2021年12月14日
定例記者会見
日時 平成28年10月26日(水)
場所 8階大会議室
【会見事項】
幹事社質問
(幹事社)
北海道新幹線開業から先月26日で半年、今日でちょうど7か月となりますが、これまでの状況をどのように捉えていらっしゃいますか。
(市長)
結論から言うと極めて順調というか、函館市内だけで捉えれば期待以上と感じています。
JR北海道の発表では、開業して半年間の利用客数は143万5,000人で、1日平均7,800人が新幹線を使って行き来し、在来線時代に比べて80%くらい伸びています。函館市内の観光施設等の利用者数も函館山ロープウェイが7~8%、その他の施設については20~30%軒並み増えていますし、また、ホテルの稼働率も高まっていて、週末にはなかなか予約が取れないということで、日銀や財務事務所などからはもったいないという話が出るくらいです。とりわけ函館アリーナで大会があるとホテルが取れないという状況を随分とお聞きしており、ある意味では嬉しい悲鳴だと思っています。
そして、函館のみならず道南一帯に大きな効果が出ており、木古内町の道の駅を見に行きましたがすごい人がいて、鹿部町の道の駅も好調なようでありますし、松前町、江差町、福島町等々の観光施設の利用客も随分増えているとお聞きをしております。
北海道新幹線開業によりこの半年ほど、函館は全国的にさまざまなマスメディアを通じて流れ非常に注目されていて、昨日私が利用した羽田空港からの飛行機は火曜日にもかかわらず満席状態であって、最近は羽田空港の函館線は飛行機に乗るのにも時間がかかるほどの人だかりができており、飛行機については前年よりも少し落ちたくらいでほとんど影響は受けず、相乗効果を感じます。
そしてまた、フェリーも下北航路、青函航路ともに乗客が伸びているということで、新幹線だけでなく相乗効果があるということを非常に喜ばしく思っております。
函館、道南だけではなく青森県の3市とも一緒に連携しながらやってきたわけですから、9月末に青森県・函館デスティネーションキャンペーンが終了するということでご挨拶のため、日帰りで弘前市役所と青森市役所、そして市長に就任後5年半になりますが初めて青森県庁に行きましたら、その日の議会が終わった知事にお会いできるというので行きますと、知事と副知事と3人が待っていまして、そこでは非常に和やかにお話ができました。デスティネーションキャンペーンが青森県にとっても大きな効果を生み、とりわけ下北にはフェリーの大函丸を使って多くの人が行ってくれると非常に喜んでいて、私も青函共にそういうことであればと非常に嬉しく思いました。
国際線については、7月に中国へ行った時は、西安と上海を考えているということでしたが、中国というお国柄と中国国内空港の離発着枠がなかなか取れないという理由と、日本に対する関心が以前に比べると少し下火になっているということもあって、現在は北京と杭州が運休していますが、一方で、台湾のLCCであるタイガーエアが仙台空港と函館空港に就航していますから、そうしたことから言えばあまり心配はしておりません。タイも軍事政権になってから安全性に疑問があるとして日米共に新規路線就航を認めていませんが、まもなく解除するのではないのかなという話も出てきており、国際線については浮き沈みがいろいろあるでしょうが、私自身は極めて楽観をしております。
先日、大型客船が接岸できる若松ふ頭の整備に国の予算がつき、暫定供用はかなり早い時期になると思います。今月6日に東京で函館港セミナーというのを開催したところ、首都圏の関係者が150人ぐらい集まってくれて非常に関心を持っていただいたので、これから大型客船についても希望が持てるのではないかと思っています。
いずれにしても、新幹線、空港、フェリー・客船の港湾と、陸海空の要衝として函館の場合は30分圏内とコンパクトに全部揃っていて、このようなまちは他にはなかなかないため、これを是非有機的に結びつけていき、その中で新幹線というのが非常に重要な位置を占めるのだろうと思っています。これを持続させることをこれから努力していきたいと思っています。
課題と今後の対応ということでは、やはり二次交通であり、いまお話しした3つの陸海空の要衝を結びつけるのは道路なのです。道南は道路の高速化が非常に遅れていました。北海道縦貫自動車道の七飯~大沼公園間が昨年着工して、そして函館・江差自動車道の木古内までの完成年次が平成31年度と明示され、函館新外環状道路も32年度と明示されています。実は一昨日、道路の4期成会で初めて中央要望を行ってきました。会長の私と、函館・江差自動車道、松前半島道路に関係する渡島・檜山の首長で財務省に行き、今回は財務副大臣や主計局長が会ってくれまして、主計局長がこのような要望を聞いてくれたのは初めてでしたが、主計局の次長、主計官、それから国土交通省では政務官、技官、道路局長に北海道局長といずれも直接会って10分~15分くらいずつお話を聞いていただきました。北海道縦貫自動車道、函館新外環状道路、函館・江差自動車道、松前半島道路のいずれも道南を周遊していただくには、空港からでも、新幹線の駅からでも、あるいは港からでも高速化が進まなければ、松前までは2時間以上、江差まででも1時間半かかるという状況ではどんどん人が回遊するという状況になりませんので、早めに整備していただきたいということをお願いしてきました。その辺が整えば函館だけではなくて、道南一帯がもっと活性化していくと思っています。そういう意味では新たな観光ルートということで、先日、奥尻町長と話をした際、秘境ツアーの函館下北ツアーが盛況であって、函館奥尻ツアーというのを一緒にやりませんかというお話をしたら、ものすごく乗り気になっていただきました。2泊3日くらいで函館には新幹線や飛行機で入ってもらって函館に1泊して、奥尻には飛行機を利用すると30分で行けますから、昼頃の便で奥尻に入って2泊目は奥尻町で過ごして、朝一番のフェリーで江差に来て、江差町、上ノ国町、松前町、福島町、知内町と周って、木古内から新幹線で帰るこの2泊3日を是非売り込んで、奥尻も巻き込んだルートの開発ができればいいなと思っています。
そういう広域ルートの開発のためにも道路の高速化は大事だと思っておりますし、一方で、宿泊施設が足りないという声は冬場を考えると難しい面もあるかもしれませんが、とりわけ函館アリーナができてから全国大会があると全然宿が取れないという話を随分とお聞きします。スポーツ大会はまだ良いのですが、コンベンションの場合は利用の多くがシングルですので、特に湯の川温泉はほとんどシングルではないことからいうと、駅前等々でホテルの新築、あるいは増築の動きがありますけれども、それらが早く整って受入体制ができてくれば良いと思っています。
先日も東京で3~5千人規模の大会誘致をしてきて、非常に感触が良いのですが、やはりシングルの数が足りないというのが少し難点になっていますので、その辺をクリアしていきたいところだと思っています。
いずれにしても、注目を浴びて3年連続で魅力ある市区町村の1位になったわけですが、ただPRと注目を浴びているだけでは駄目なので、まちづくりをきちんとやって、空港も民営化しても民営化だけで観光客が来る訳ではありません。やはりまちの魅力を高めなければ持続的には観光客は来ていただけないわけで、飽きられないようなまちづくりを続けていかなければならないなと決意を新たにしているところです。
(幹事社)
10月15日にキラリス函館に、はこだてみらい館とはこだてキッズプラザがオープンしました。まだ短い間ですが、オープン後の状況と期待される効果についてお聞きします。
(市長)
今月15日に、はこだてみらい館とはこだてキッズプラザ、また棒二森屋アネックスにはふらっとDaimonの3施設をオープンさせました。とりわけ、みらい館とキッズプラザについては、函館に今までになかったファミリーで楽しめる、あるいは小さな子どもでも楽しめるという施設が誕生したわけであり、まだまだPRが行き届いていないとは思いますが、これからもっと利用客が増えていくだろうと期待しており、高齢者の方のふらっとDaimonも同じく期待しております。
15日のオープンから23日までの9日間でみらい館とキッズプラザの利用者数は7,000人になっています。この期間で7,000人ですからまあまあかなと思いますが、キッズプラザが5,000人でみらい館が2,000人ということから、みらい館のほうがまだ足りないなという思いがあり、観光客にも期待しているのですが、そのPRが全くなされていないわけであります。ビル自体にもなんの表示もなく、施設があることが分からないことから、なんらかの表示をしなければならないんじゃないのかという話をしています。それと、ビルの2階のシャッターが下りてエスカレーターが止まっている状況、ビルに入っても陰のほうのエレベーターから施設に上がって行くような状況では、まだまだこれは駄目であり、やはり全てがオープンする4月からでなければ、本格的な入込客数というのは期待できないのではないかと思っています。ただ、あの施設だけで人を呼ぶわけではなくて、駅前通の無電柱化、あるいは歩道の整備、街路灯の整備、植樹など、今は通信線等の移動等に時間がかかり、まだ姿が見えませんが、国は3年くらいでなんとか駅前通をやりたいと言っていますし、グリーンプラザのほうの構想もだいぶ煮詰まってきましたので、その辺が全てオープンになって変わっていけば、もっと駅前の賑わいも出てくると期待しています。
キッズプラザについては、元々似た施設がありましたので、それを待ち望んでいた人たちが多いので、情報としては伝わっているのでしょうが、まだ施設ができたことを知らない人もいますし、屋内施設であり、冬でも市民には来ていただけることから、これからそういうPRにも努めていきたいと思っています。
(記者)
新幹線の開業効果で期待できることとして企業進出、企業誘致があります。これまでもIT企業や製造業が参入しているわけですが、今までの評価、今後の見通しを教えてください。
(市長)
新幹線開業で注目され出して、この2年くらいでIT企業が主で5社くらいが立地しました。また現在も、大規模な企業からの申し入れがあるなど動きが出ており、実際、新幹線が開業して人が入ってきましたので、ホテルでも外資系の2社が入ってきました。これもある意味では企業誘致みたいなものだと思っています。一番期待しているのはIT企業ですが、新幹線が開業して函館のブランドがメディアで発信されることによって、一層注目度が高まっているなと思っています。
ITについては随分と補助制度も優遇制度も拡大しましたが、臨空工業団地はまだ空いている所もありますので、その他の産業についても臨空工業団地を埋めるように今さまざまな優遇措置を検討している最中であります。そういうものをツールにしてITにかかわらず函館に企業を呼び込むことに努めていきたいと思っています。
各社質問
(記者)
ICカードの支援金を檜山管内6町が支払いを拒否している問題が今あると思いますが、市長はこの問題の原因はどこにあると考えていて、また、函館市として事業計画にかかわった立場として、今後どのような解決策を考えているのかお聞きします。
(市長)
個々の市町村の対応の問題だったわけで、皆が徒党を組んでやるような問題ではなかったと認識しています。私はあまり深くこれに携わっておらず、私が力を注いだのは市電と函館バス共通のICカードへの国の補助に関することで、当時は市電は鉄道局、バスは自動車局の予算ということで、あとで観光庁の予算に統合されましたが、電車は全国的にもあまり競争相手がいないので補助は満額ではないかと、しかしバスについては補助が3割くらいになりそうだ、これは大変だということで、私は国土交通省に行って函館には新幹線も来るし、是非満額をよろしくとお願いして、結果的に満額ついたので、私の役割はそこで終わりました。
函館市として、市電については市が責任を持ってやりますが、函館バスのバス部門についてはJR北海道と同じく経営が厳しい会社なわけで、函館バスをきちんと支援しなければ、単なる民間企業だからほっとけ、勝手にやってくれというわけにはいきません。一番困るのは住民であり、最終的には我々行政であり、この部分については行政として、私は公共交通機関を運行するJR北海道にもかかわりを持ってきたし、函館バスにもかかわりを持ってきました。支援すべき時は支援しなければ、結局は自分で自分の首を絞めることになりかねないので、彼らの増収対策に市としても支援すべきだということで、今回、函館市は住民の足を守るために市議会でも理解をしていただき、函館バスに対して1億3,000万円を補助するわけです。そして、国も3分の1の補助制度を作っているわけです。その辺がご理解いただけたのかいただけなかったのか、私は詳しいことは分かりません。説明の仕方でまずい部分があったのかどうか分かりません。いずれにしても私は函館市が表に立ってやることではないということを何回も申し上げていて、あくまでも函館バスがやるべきであって、函館市役所が先頭に立つ話ではない。ただ財源の問題として、定住自立圏のなかで特別交付税措置されますよとか、そういうことは函館バスがやることではなく、市として協力してよいのではないかと思います。どういう行き違いがあったか分かりませんが、檜山の方はまとまって、拒否ではなく出せないと決めたとのことで、義務があるのに拒否するというわけではなくて、これは義務がないわけだから、函館バスを支援すべきと考えるか、考えないか各自治体の判断であります。
少なくとも函館市としては増収対策をきちんとして、ICカード導入については、いつかは進めていかなければならないことですので、市民だけではなく観光客の利便性も増し、利用しやすくなることが少しでも経営にプラスになるのであれば、1億3,000万円を出しても構わないというのが私の判断であります。
(記者)
函館商工会議所の臨時総会が先ほど開かれ、新会頭に久保俊幸さんが正式に決まりました。市長として、新会頭あるいは商工会議所の新体制に対する期待と、今後、商工会議所と共に市が取り組んでいく課題について、どう考えているのか教えてください。
(市長)
2期6年務められた松本会頭とは、並行在来線の問題等で時には意見が違うこともありましたが、私は、松本会頭は従来の会頭以上に、従前の会頭も随分新幹線に一生懸命取り組まれたりしましたけれども、これだけさまざまな幅広い分野において、一緒になって取り組んでいただいた会頭はいらっしゃらなかったかなと思います。一緒に海外にも行きました。ポートセールスもやってもらいましたし、物産展にも共に行ったり、あるいは北海道縦貫自動車道等の要望活動も一緒にやりました。松本会頭のお力が一番大きかったのは、北海道縦貫自動車道でしょう。私はある程度知っているだけに、なかなか難しいよなと思っていましたが、会頭に是非行きましょうと誘っていただき、一緒に交渉に行ったことで昨年着手しましたし、あるいは台湾便なども松本会頭の時代に定期航空路の就航が実現しました。タイも、私は軍事政権になってから2年ほど行っていないのですが、会頭はやはり引き続き行くべきだと副市長と一緒に継続的に非常に活発にプロモーションを行い、そしてまた、新幹線開業に向けた東北、北関東との連携、宇都宮、あるいは弘前、このような所とも商工会議所が主導してやっていただきました。意見が違うということも一つ二つあったわけですが、お互いにこの函館を再生させようとするなかで取り組んできたことであり、ある意味では函館再生に向けた同志であり、戦友でありましたので、先日、会頭には非常に寂しい思いでいっぱいですという話をさせていただきました。松本会頭自身は年齢的なこともおありでしょうし、新幹線が開業して一区切りということもあって、次世代にバトンタッチしていこうというお考えだったと思います。松本会頭からは、初めての戦後生まれの会頭だということで、新会頭をよろしくお願いしますという話もありましたが、私は新会頭とは海外も一緒に行っていますし、以前から久保さんを存じ上げていますので、まったく心配していません。松本会頭の路線を引き継いで、行政と共にまちの発展、とりわけ経済の面でもさまざまなこれまでのインバウンドの取り組み、あるいは他都市との連携の取り組み等々でご協力をいただけると思っております。また、新たに副会頭が3人誕生したのですが、顔ぶれを見ると、皆さんが函館のさまざまな製造業であったり、観光だったり、空港だったり、非常に立派な方々ですし、協調性のある方々なので、一致団結してこれからも行動していきたいと思っていますし、いけると思っています。松本会頭も名誉会頭になられるということですから、側面から応援していただけると思いますし、これまで以上に関係を強化しながら、函館の再生に取り組んでいきたいと思っています。
(記者)
これまで核燃料サイクルの要とされてきたもんじゅの廃炉方針が取りざたされておりますが、同じく核燃料サイクルの重要な施設とされている大間原発の今後について、もんじゅの廃炉が決まった後への期待、もしくは懸念があれば教えてください。
(市長)
懸念は特にないです。もんじゅは止めて当たり前で、やっと今更かという感もあり、マスコミによると、文科省がまだ未練たらしいことを言っていますが、あんなものもう駄目なのははっきりしているわけで、あとは福井の地元対策でしょうと思っています。
もんじゅが駄目だということは、直結しているはずなので、核燃料サイクル自体が駄目なのです。主体である4番バッターがもんじゅだったわけで、4番バッターがいないサイクルになるわけで、そういう意味ではどうするのかよく分からないですね。イギリス、フランスに再処理してもらったプルトニウムが48トンもありますが、果たしてプルサーマルだけでやっていけるのかと。しかもプルサーマルが今は何基あるのか、これから本当に作れるのかという感じでしょう。大間原発で処理したとしても焼け石に水なわけで、もう大間原発の存在意義がなくなってきています。しかも、六ヶ所村の再処理工場も動いていない。再処理するとなればイギリスやフランスに頼まなければ、未だに自前で再処理もできないわけであります。フルMOXの燃料さえ作れないわけでしょう。そういうなかで、一つ小さな部分の破綻ではなくて、もんじゅというのは一番大きな部分だったわけだから、それが破綻したら全部破綻しているというのは当たり前の話です。そして、大間原発はまた2年完成が延びて8年後になっていますが、8年後が10年後になって、いつになるのか分からない状況になると思います。大間原発建設差し止めの裁判がどう決着するか、あるいはいつ決着するか見通しは非常に分からなくなってきて、逆に言うと、急ぐ必要がなくなっている。8年後も完成しないで、実質いつ工事が再開するのか、工事が再開したと言っても作業員がほとんどいなくなっているわけだから、実際は何も進んでいない。そういうなかでどうするのかなというのはこちらがお聞きしたいぐらいです。私としては、どうしようもなくなって、そのうち自然消滅するのではないかという気がします。工事を中断してあと8年どうするのだろうと、この調子ではまた2年延びるとかで、下手すれば六ヶ所村の再処理工場やもんじゅと同じように金だけ注ぎ込んでどんどん遅れていくという事態になるのではないかと思います。これは懸念とは言いませんね。ただ結論が出ないで、どんどん先送りとなっていくのもどうかという気がしますが、完成してさっさと稼働させられるよりは良いのかなと思います。やはり難しくなってきているのではないですか。しかも、私は避難の問題なども主張していますが、津軽海峡は安全保障上極めて大事な海域で、領海が12海里でなくて3海里しかないのですと申し上げています。このような国際海峡でどんな船が通るか分からないところに世界一危険なフルMOXを作るのかと。他の国だったらこのような所に世界一危険なフルMOXの原発は作らないよという話もしていましたが、先日、自衛隊が津軽海峡を想定した訓練をやりました。あれは私に対する支援であると受け止めています。それだけ危険な海域だということで、自衛隊が初めて津軽海峡で訓練を行ったことは、非常に重要なことだと私は認識しています。もちろん大間原発がどうのこうのということで自衛隊がやったわけではないと思いますが、改めて海域の安全保障上の重要性、そして逆に言うと危険性のある海域に面して世界一危険なフルMOXの原発を作るということは、いかに異常なことかというのが理解できるのではないかと私は思っています。
(記者)
もんじゅが廃炉になることによって、国がより大間原発に固執するのではないかというようなことについてはいかがですか。
(市長)
要するにプルトニウムの処理になるわけで、もんじゅを止めてしまうと8年間、プルトニウムを作り、貯まり続けて国際的に責められるでしょう。日米原子力協定の改定が2年後ぐらいであり、8年後のことをやりますと言って、理解されるのかなという気がします。国際的にも言い訳していくのは難しくなってきているのではないでしょうか。しかも既にある48トンさえも何十年かかるのかわからないやり方で、その後、稼働したら次から次へと増えてくるわけだから、理解は得られないと思います。
(記者)
観光の話に戻り、函館駅前市有地において大和ハウスの計画が選定されましたが、大和ハウスに市長が期待することと、事業計画をどう思われているか教えてください。
(市長)
ホテルと商業施設の組み合わせということであって、これまで一貫してホテルだけでは駄目で、やはり駅前の賑わいを創出するような部分がなければということでしたが、大和ハウスさんは両方兼ね備えておりまして、構想としてはよろしいのではないかと思います。若干、審査委員会のなかでは、和風な点にいろいろ注文がついているようですが、その辺は審査委員会と事業者のなかで話がきちんとまとまれば、私自身は歓迎すべきものだなと思っています。とりわけ商業施設には単に地元の店舗を集めるのではなく、外からも人を呼べるような構成にしたいと、直接ではないけれどもお聞きしていますので、非常に楽しみだなと思っています。キラリスだけではなかなか難しい部分もありますので、相互に行き来して連携できるようなものができればいいと思っていました。
(記者)
開設時期が2019年6月ごろと示されていますが、その時期についてはどうお考えですか。
(市長)
早ければ早いほど良かったのですが、これは地元の会社がやろうとしてできなかったわけでありますので、開業前にはどれだけお客様が来るのか分からないなかで、他のホテルもそうですが、なかなか動きがなかったのと同じで、開業したらものすごい入り込みになって、それではという事業意欲が湧いてきたわけであります。これは函館駅前の市有地に限らないのですが、当時、私は慌てる必要はない、開業前に別に決まらなくても開業後きっと人が入ってくれば動き出すんだと言ったら、そのとおり動き出したわけであります。あとはハードの建設というのは時間がかかるわけで、キラリスや本町のビルもそうですし、函館アリーナも、私が市長に就任して完成するまでには、いろいろな経緯のなかで4年半から5年は最低でもかかっています。民間だと1~2年は早いかもしれませんが、やはり3年ぐらいはかかるでしょうから、それをとやかく言っても早まるわけでもないので、待つしかないなと思っています。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。
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