公開日 2025年08月15日
更新日 2025年08月19日
ダニ媒介感染症について
ダニ媒介感染症とは,ウイルスや細菌などの病原体を保有するダニに咬まれることによって起こる感染症のことです。
ダニが媒介する感染症については,道内に広く生息するマダニがその病原体を媒介しており,
主な感染症に,ライム病,回帰熱,ダニ媒介脳炎,重症熱性血小板減少症候群などがあります。
潜伏期間と主な症状
北海道内で過去に感染が確認されている主な病気の概要は次のとおりです。
・ライム病
潜伏期間:12日~15日程度
主な症状: 発熱,倦怠感,慢性遊走性紅斑等
・回帰熱
潜伏期間: 7日~10日程度
主な症状: 発熱(39度以上),筋肉痛,関節痛,倦怠感等
・ ダニ媒介脳炎
潜伏期間: 7日~14日程度
主な症状:発熱,筋肉痛,麻痺,意識障害,痙攣,髄膜炎,脳炎等
上記3疾病については,通常,人から人に感染することはありません。
・重症熱性血小板症候群(SFTS)
SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染する新興感染症です。ウイルスに感染したペット等の犬や猫に咬まれたり,血液などの体液に直接触れたりすることで感染することも報告されています。国外では患者血液や分泌物との直接接触が原因と考えられるヒトーヒト感染の事例報告が以前からあり,2024年3月に国内でもヒト-ヒト感染事例(患者→医療従事者)の報告があるなか,これまでは,西日本地域を中心に発生していましたが,2025年8月に北海道でも発生が確認されました。
潜伏期間:(マダニに刺されてから)6日~2週間程度
主な症状:発熱,消化器症状(食欲不振,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)。時に頭痛,筋肉痛,
神経症状(意識障害,けいれん,昏睡),リンパ節腫脹,呼吸不全症状,出血症状
(歯肉出血,紫斑,下血)
マダニに咬まれないためには
マダニは,森林や草地などの屋外に生息する比較的大型のダニで,食品等に発生する「コナダニ」や,絨毯や寝具に発生する「ヒョウヒダニ」など家庭内に生息するダニとは全く種類が異なります。マダニの活動が盛んな春から秋にかけては,マダニに咬まれる危険性が高まります。以下の対策を実施し,マダニに咬まれないよう注意しましょう。
(1) 草むらや薮など,マダニの生息する場所で活動する場合は,長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に,ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる,または登山用スパッツを着用する)・足を完全に覆う靴(サンダル などは避ける),帽子・手袋を着用し,首にタオルを巻くなど肌の露出を少なくしましょう。
(2) 服は,目視で確認しやすいよう明るい色のものを着用しましょう。
(3) 虫除け剤の中には服の上から用いるタイプのものがあり,補助的な効果があると言われています。また,屋外活動後は入浴し,マダニに刺されていないか確認してください。特に,わきの下,足の付け根,手首,膝の裏,胸の下,頭部(髪の毛の中)などを確認しましょう。
(4) 重症熱性血小板症候群(SFTS)については,ウイルスを保有するマダニの刺咬,感染動物や患者の血液や体液との接触が主な感染経路となっていますので,野生動物との接触を避け,ペットがマダニに咬まれないようダニ駆除剤を使用するなど予防に努めましょう。
もし,マダニに咬まれたら
吸血中のマダニに気が付いた際には,マダニの一部が皮膚内に残ってしまうこと,マダニの体液を逆流させてしまう恐れがあることから,無理に引き抜こうとせず,できるだけ早く皮膚科などの医療機関で処置(ダニの除去,洗浄など)をしてもらいましょう。
また,ダニに咬まれた後,数週間程度は体調の変化に注意をし,発熱・発しん・下痢などの症状が出た場合には,医療機関で診察を受けましょう。
ダニ媒介感染症に関する情報
ダニ媒介感染症の詳しい情報は厚生労働省,北海道のホームページをご覧ください。
・ 北海道へリンク
・ マダニ対策,今できること(国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)
ダニ媒介脳炎,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の主な症状などについてはこちらをご覧ください。
・ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省ホームページ)
・ 重症熱性血小板減少症候群(国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)

このページの本文とデータは クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本ライセンスの下に提供されています。
- 本ページに掲載しているデータは,自由に利用・改変できます。
- 本ページに掲載しているデータを元に,2次著作物を自由に作成可能です。
- 本ページのデータを元に作成したものに,データの出典(本市等のデータを利用している旨)を表示してください。
- 本ページのデータを編集・加工して利用した場合は,データを元に作成したものに,編集・加工等を行ったことを表示してください。また,編集・加工した情報を,あたかも本市等が作成したかのような様態で公表・利用することは禁止します。
- 本ページのデータを元に作成したものに,第三者が著作権等の権利を有しているものがある場合,利用者の責任で当該第三者から利用の承諾を得てください。