公開日 2022年01月14日
エイズとは
エイズは,HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによって免疫力が低下して生じるさまざまな病気の総称で「後天性免疫不全症候群」のことをいいます。
HIVは免疫の仕組みの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染し,からだの免疫力を低下させていきます。
免疫力が低下し続けると,本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染)を発症するようになってしまいます。
HIV感染からエイズ発症までの経過
1.感染初期(感染から数週間)
発熱,咽頭痛,筋肉痛,皮疹,頭痛などの症状が出現しますが,全く無自覚の場合もあります。
症状は数日から10週間程度続き、多くの場合自然に軽快します。
2.無症候期(感染から数年~10年程度)
HIVにより免疫力は徐々に低下していきますが,この時期は自覚症状がないことがほとんどです。
感染に気づかないまま他の人にうつしてしまう可能性があります。
3.エイズ発症期
免疫不全の状態となり,本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染症)にかかるようになります。
カンジダ症,ニューモシスチス肺炎,カポジ肉腫など23の疾患が指標として定められており,これらの疾患を発症した時点で「エイズ発症」と診断されます。
感染経路
HIVの感染力は弱く,せきやくしゃみ,握手,お風呂やプール,トイレの便座,同じ皿の料理を食べるなどの日常生活では感染しません。
HIVは主に3つの経路で感染します。
1.性行為による感染
性行為による感染は最も多い感染経路です。HIVは主に血液・精液・膣分泌液に多く含まれており,性行為中に性器や肛門,口などの粘膜や傷口を通して感染します。
【感染を予防するには?】
・性行為,オーラルセックス(口腔性交)の際はコンドームを使いましょう。
・梅毒,性器クラミジア,性器ヘルペスなどの性感染症にかかると性器の粘膜が傷つきHIVにも感染しやすくなります。
性感染症に感染したら放置せず,パートナーと一緒に治療を受けましょう。
※梅毒についてはこちら
2.血液を介しての感染
HIVが存在する血液の輸血や,覚せい剤などの依存性薬物の使用における注射器具の共用が原因で感染します。
【感染を予防するには?】
・注射器具の共用は絶対にしないようにしましょう。
3.母親から赤ちゃんへの母子感染
母親がHIVに感染している場合,妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。
【感染を予防するには?】
・妊婦検診の際のHIV検査が大切です。
・女性がHIV陽性の場合でも,抗HIV薬の内服,帝王切開による出産,人工栄養(粉ミルク)の使用などの対応を取れば,赤ちゃんへの感染は抑えられます。
治療
抗HIV薬を内服継続することが大切です。
HIV/エイズの医療は進歩を続けていますが,今のところ体内のHIVを完全に取り除く治療法はありません。
しかし,抗HIV療法の進歩によって,感染を早く知り,適切な治療を継続することにより,エイズの発症を防ぐことができます。
そして,感染前と変わらない生活を送ることができます。
HIV検査
函館市では,無料・匿名のHIV検査を行っています。
・電話での事前予約が必要です。
・函館市以外の方も検査を受けることができます。
・匿名のため,予約時は性別と年齢だけお聞きします。
・採血による血液検査です。約30分で検査結果がわかります。
・証明書(有料)が必要な場合は,受付時に申し込むと,後日発行されます。日本語と英語での発行が可能です。
検査の申込先
函館市医師会検診検査センター(函館市田家町5番16号)
電話番号:0138-43-8801
受付時間:平日午前9時~午後5時
検査を受ける時期
HIVに感染しても感染初期には血液中に抗体やウイルスが検出されない期間(ウインドウ期)があります。
感染の可能性があった日から3ヶ月以上たってからの検査をお勧めします。
相談
HIV/エイズについて不安,相談がある方は保健師による電話・メール相談を受け付けています。
匿名でも相談可能です。
連絡先
市立函館保健所 保健予防課 感染症・難病担当
電話番号:0138-32-1539
メールアドレス:kansensoudan@city.hakodate.hokkaido.jp
受付時間:平日 午前8時45分~午後5時30分
エイズについてもっと知る
北海道のHIV/エイズの情報サイト HAND
北海道内のHIV/エイズに関する情報が掲載されています。
北海道HIV/AIDS情報(北海道大学病院HIV診療支援センター)
北海道のHIV状況や,患者さんの日常生活について掲載されています。
エイズ予防情報ネット(API-Net)
全国的なHIV検査情報,サポート団体情報などが掲載されています。
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