公開日 2014年03月27日
更新日 2021年12月14日
総務常任委員会行政調査
平成20年11月17日月曜日から11月19日水曜日
11月17日 横浜市調査
<所見>
横浜市は、平成15年から17年の3年間、時限で子育て事業本部を立ち上げ、外部有識者による「子どもたちの放課後懇話会」を設置し、同年12月には「放課後児童育成施策の方向性について」提言をまとめ、平成17年12月に横浜市放課後児童育成施策基本方針を定めている。この外部有識者には高校生、大学生もおり、さまざまな分野からの人間で懇話会を設置しており、またその1年間で提言をまとめているスピーディーさにも感心した。放課後の児童に対して、全児童対策として「はまっ子ふれあいスクール事業」と「放課後キッズクラブ事業」があり、昭和38年から実施されている「放課後児童クラブ」の3本柱で行われていた。今後は現況として小学生4人に1人が留守家庭であることや、提言を受けて、単なる遊びの場の提供である「はまっ子ふれあいスクール事業」から「放課後キッズクラブ事業」にどんどん移行していく考えだそうだ。「放課後キッズクラブ事業」は子どもたちに「遊びの場」と「生活の場」を提供しようとするものである。この事業と放課後児童クラブが競合にならないのか、尋ねたところ、保護者の選択の幅を広げる事になり両方に登録する子もいるそうである。
「はまっ子ふれあいスクール事業」は平成13年には、全小学校で展開している事にさえ驚いた。この事業は地域の協力無しにはできないことで、どのように展開できたのか、尋ねた。教育委員会が学校長に働きかけ、PTA・自治会長等を中心に核となってもらい、また直接地域に出かけて説明会を実施した。また隣の学校でやっているのにこちらの学校ではという競争力も良い方向に働いて全学校で展開できたそうである。参加料はすべて無料、17時以降は月5千円、「放課後児童クラブ」は月平均15,520円で、小3までが原則である。
実際に太田小学校の「キッズクラブ」を見学させていただいた。毎回平均80人前後、17時以降は15人程度であった。さまざまなプログラムがあり、「キッズクラブ」へのお誘いのリーフレットも「もうテレビゲームじゃつまらない」と唱い、1~6年まで異年齢との交流あり、食育プログラム、季節・外出プログラムなどわくわく楽しそうで、参加してみたくなる工夫がされていた。
確かに人口の規模、この事業にかける予算規模は当市とは格段に違うが、学べる点、参考に生かせる点は多々あったと感じる。当市の放課後のすべての子どもたちにとって良い施策を展開していきたいと考える。
11月18日 世田谷区調査
<所見>
世田谷区は教育委員会と子ども部が共同所管となり、放課後子どもプラン推進事業を展開している。世田谷区で実施している「新BOP事業」は文科省と厚労省のモデル事業となっている。今まで学童クラブが47カ所あったそうだが、平成7年からBOP事業(当市で言えば、文科省の放課後子どもプランである地域子ども教室に該当)を実施、平成11年に4校モデル事業として、学童クラブとBOP事業を一体化して、新BOP事業を開始した。そして平成17年には、64カ所すべての区立小学校で開始している。47カ所の学童クラブはすべてこの事業の中に組み込まれたわけだが、世田谷区の学童クラブは公設公営だそうである。新BOPとして、1~6年生まですべての子を対象として、その中に新BOP内学童クラブとして1~3年生まで対象として利用料は無料である。各小学校内に2教室分スペースを確保しており、計画的に立て替えをしている小学校にも、もちろんそのスペースをしっかり確保している。またすべての小学校に空き教室があり、そのスペースがとれたのか尋ねたところ、敷地内に新たにスペースをつくった小学校もあるとのことであった。特別支援学校の子どもも受け入れ、すでに今後の課題、更に充実させるための取り組みもお聞きした。小学生は3万5千人、そのうち区立小通学の子どもは約3万人、残りの私立、国立に通学する5千人の子どもにもBOP参加を取り組んでいきたいとのことであった。
世田谷区は出生率が高いわけではないが、子育て世代の転入が多く、子どもの数は増加しているとの事であった。事務局長は非常勤でほとんどが学校長退職者であり、学校との潤滑油の役割も果たしており、非常勤である新BOP指導員は資格と経験に応じ2種類に分類しているそうである。臨時職員は、地域の方、学生が行い、ボランティアはいない。時給で最低3時間保証しているそうで、主婦が多いそうである。この方たちは見守りが主な役割となる。
今回は経堂小学校を見学させていただいた。規模の大きい学校で毎日平均100人の利用があり、学童クラブには70人登録、特別支援の子どもが29人と多く6年生が11人であった。臨時職員はプレーイングパートナーと呼ばれ35人が登録し、多くて1日10人。新BOP指導員は6人いた。特別支援の子どもたちが多いので、トイレを改造して、失敗した時のシャワー設備を備えていた。
校庭で遊ぶ子、静かに机に座って遊ぶ子、もう一つの部屋で大きな遊びをする子とさまざまに過ごしていた。しかしどこにもしっかり大人の目があり、安心して過ごすことができると感じた。大変理想的に放課後の子どもたちへの支援が行われていると感じた。当市も今後参考にしていきたい。
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