公開日 2014年03月27日
更新日 2021年12月14日
議会運営委員会行政調査
平成22年11月4日木曜日から11月5日金曜日
11月4日 四日市市調査
<所見>
四日市市議会のシティ・ミーティングは、平成18年議長選挙の所信表明演説の際に立候補した議員が「シティ・ミーティングを開催したい」と発言し、その議員が議長に当選したことで進んだものである。その前提として、平成17年に市では全国で初めて議員立法により制定された市民自治基本条例の中に「市議会は、市民参加を推進するため、市民の意見を市議会運営に反映させることを目的とする制度その他の市民参加にかかる制度を導入するよう努めるものとします」という条項を入れたことが大きいと感じた。市民に開かれた議会にしよう、議会改革を積極的に進めようとする四日市市議会の熱意が感じられた。
しかし、シティ・ミーティングを実際に開催するまでは、代表者会議や広報広聴委員会での白熱した議論があったようである。開催に必ずしも全員の議員が積極的賛成とはなっていないが、議員の参加を一人につき1会場に絞ってみたり、広報広聴委員のほかは会派の人数に応じた最低人数の割り当てにしたり、参加会場数の制限をはずしたりとさまざまに工夫することにより理解が広がってきているように思う。また、シティ・ミーティングの形も、対象を市民全体にしたり、学生や団体との形にしたりと柔軟な姿勢が見られる。新しいことを進めるときには、形を一つに決めてしまわないでやれるところから進めていく。やりながらよりよいものに変えていくのも一つの方法であることを学ばせていただいた。
実際にシティ・ミーティングを拝見させていただき、議長経験者である進行役のすばらしさに感嘆した。市民から出されるさまざまな意見の主旨を整理し、基本は各議員が積極的に自分の意見を発言するのだが、発言の少ない議員には指名するなどして全議員が発言できるように配慮していた。
市民からの意見を聴く機会としてのシティ・ミーティングではあるが、どうしても函館で行っている移動市長室と同様、要望が多くなる傾向であった。その中で、非常に今後の議会のあり方を示唆する発言があったので紹介する。「議員は一人ひとりの考えで行政に対し何をしろあれをしろと質問しているが、そうではなく議会の中で施策の優先順位をしっかり議論して議会全体として行政に対峙すべきである」との発言である。このことは、二元代表制の責任を果たすために議会としても考えていくべき課題であると思う。テーマ設定については難しいのではないかと思ったが、四日市市では毎年市政について5,000人アンケートを実施しており、今年度はその中で市民の関心は高いが満足度は低い項目から広報広聴委員会で決定したということである。市民の意識を把握しながら設定できるという意味で、市民への満足度調査は有効であると考える。
説明をしていただいた中森議長からは、「市民に開かれた議会を目指すための発展途上のシティ・ミーティングであり、回を重ねていくことで議員も市民も成熟度を増していくと考えている」とのお話しがあった。シナリオのないシティ・ミーティングであるために、議員の側のより一層の勉強が必要であるが、やれるところから始めようという四日市市議会の姿勢に学びたいと考えた。
函館市議会の議会報告会についても、四日市市議会のような市民の声を聴くことを中心としたもの、団体との話し合い、さらには各常任委員会ごとに議論されていることを報告しながらそれについての市民の声を聴くもの、医学部設置の問題など市民の関心が高いテーマに絞って意見を聴くもの等、さまざまな形が考えられる。
今回の調査を通して、私たちも市民に開かれた市議会を目指して一歩進めていきたいと強く感じた。
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