公開日 2014年03月27日
更新日 2021年12月14日
北海道新幹線新函館駅(仮称)開業に関する調査特別委員会調査
平成24年12月26日水曜日
12月26日 北海道旅客鉄道株式会社 苗穂工場調査
<所見>
特別委員会は、函館駅−新函館駅間のアクセス列車にかかわる諸課題、新函館駅の駅舎構造と計画の進捗状況、電化工事計画について、新幹線開業後の在来線の輸送体系について、トレイン・オン・トレインの開発状況を含む新幹線の速度について等を事前調査項目とし、トレイン・オン・トレインの現地視察も含め、JR北海道苗穂工場において調査および意見交換を行った。
苗穂工場社屋にて、JR北海道が用意した資料と動画映像により、青函共用走行区間についてや、時間帯区分案における高速走行時間帯の確保のイメージ、青函共用走行に係る今後のスケジュールイメージ、トレイン・オン・トレイン・システムの説明を受けた後、JR北海道が開発を進める軌道と道路両方を走行可能なDMV(デュアル・モード・ビークル)の試作車にて移動、トレイン・オン・トレインシステムを現地視察し、その後、調査項目についての説明、質疑応答・意見交換を行った。
以下、今調査で明らかになった主な点を要約する。
○アクセス列車について
- 新函館駅開業時は新幹線ホームは2面2線であり、新幹線とアクセス列車との乗り継ぎは、ほとんどが同じホームで同一平面上で移動できる構造
- 札幌開業時は2面3線となり、下り列車(新青森方から着いた列車)は階段の昇降が必要になる
- 上下線とも平面で乗り継ぎが可能なホームは工事費増となり国の認可は困難
- アクセス列車は、新千歳空港−札幌間のような快速運転になるが、停車駅はこれからの検討となる
- 新函館発着の新幹線は定員約720名のE5系を想定しており、アンケートでは約4割が札幌を目指し、6割の約400名が函館へ向かう
- 定員400名なので3両編成タイプの列車を想定しており、札幌圏で走行している電車をベースとして考えている
○新函館駅舎について
- 鉄道・運輸機構が駅舎の設計を行っており、駅の基本構造については、すでに国から認可済み
- JR北海道は、新幹線から在来線への乗り継ぎ設備、在来線部分の設計を行っているが、最終的には駅舎、新幹線部分を設計する機構との調整が必要
○電化工事計画について
- 非電化区間である五稜郭−渡島大野(新函館)間14.5キロの電化工事は平成25年度初め、雪解け後に工事を始められるよう国に対して認可申請を進めていく
○新幹線開業後の在来線の輸送体系について
- 現在、七飯から藤城線を走行する札幌行きの特急は、上り同様、すべての特急列車が渡島大野(新函館)経由となる
- 渡島大野(新函館)−七飯間を上り下りの特急が走行することに伴い、設備改良等大規模なものはない
○新幹線の速度について
- 新函館開業時の共用区間の新幹線の走行速度は安全性の観点から140キロ運転となる
- 防音壁工事が予算の関係で実施が遅れ、開業1年後の平成30年の春のダイヤ改正時に260キロ以上の新幹線を1往復走らせることを短期的な対策としている
- 中長期的な対策としては、すれ違い時に高速走行する新幹線が減速する方法、貨物専用新幹線(トレイン・オン・トレイン)の2案の検討を進めている
○トレイン・オン・トレインについて
- 国の認可を得るためには、40万~60万キロメートルの走行試験が必要
- 技術的な開発期間として7年は必要だが、開発費用は数十億円単位にもなり、JR北海道単独では困難
- 開発費用、技術面において国の支援が必要
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