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平成25年度 経済建設常任委員会行政調査

公開日 2014年03月27日

更新日 2021年12月14日

経済建設常任委員会行政調査

平成25年10月23日水曜日から10月25日金曜日

 

10月23日 宮崎市調査

<所見>

 宮崎市役所において「宮崎駅前商店街整備事業」、「憩いの空間創出事業」及び「橘通り公園化構想」について説明を受けた後、宮崎市の中心市街地内の若草通り商店街におけるオープンカフェ等の現地視察を行った。
 宮崎市は、宮崎駅前に大型商業施設はなく、駅から約1キロメートル先の高千穂通りと橘通りの交差点部に立地されている。そこから宮崎市役所方向に向かう橘通り沿いの歩道にアーケードが設置され、商店街が形成されている。
 また、高千穂通りの南側に並行する小路に全天候型のアーケードが設置され、西から東に一番街、若草通り、広島通り、駅前商店街と連続し4つの商店街が形成されている。このうち、もっとも駅寄りの約250メートル区間を対象に宮崎駅前商店街整備事業が実施され、平成18年度から3か年で既存アーケードの撤去、電線類の地中化、カラー舗装、街路灯設置、緑化が実施された。
 アーケードの撤去は、老朽化による維持費用の捻出が困難となったことや、空き地、駐車場がふえ、アーケード内に吹き込む雨で歩道上が濡れて危険などといったことから、商店街側が判断したものである。
 商店街主導で、国と市の補助を活用して、街路灯、固定式ベンチ、防犯カメラ、防火用散水栓などを継続して整備し、安全性の確保、まちなか居住環境の向上が図られた一方、歩行者通行量は、アーケード撤去時と比べ約4割減少し、回遊性向上、にぎわい創出には繋がっていないとのことであった。その理由としては、夏の強い日射しを避ける日除け機能があったアーケードの撤去により、並行する緑陰のある高千穂通りを歩く市民がふえたとの市民の声を紹介していた。
 また、平成23年の都市再生特別措置法改正により、一定の条件のもとでオープンカフェ等の食事施設が道路等の公共空間で利用可能となったことから、中心市街地内で休憩できる場所をつくろうと、宮崎市では群馬県高崎市での取り組みを参考に店先の道路にテントを張り出し、にぎわい創出を進めるため、県道と市道4か所を特定し官民共同でオープンカフェの社会実験を進めている。その中で最も高い評価を受けている若草通り商店街のオープンカフェの視察を行った。道路上に設置されたテーブル、椅子、パラソルは協力店舗が保管し設置、撤収作業を行っている。テーブル、椅子は自由に利用でき、店で購入したものの飲食、サラリーマンの打ち合わせ、小さな子どもや高齢者の休憩など多様な利用がなされているほか、テーブルには飲食店舗のメニュー表が置かれ、携帯電話でテーブルから注文が出来るサービスが実施されている。この取り組みについて、「とても雰囲気が良くなった」、「通りが明るくなったような気がする」、「店を知ってもらうチャンスにもなる」という肯定的な意見が出されているとの説明を受けた。
 今回の調査では、アーケード撤去後の現場の声を聞くことができたほか、道路空間を活用したさまざまな取り組みの効果と課題について、市担当者と直接意見を交わすことができ、非常に有意義であった。
 今後は、今回の調査で得られた「各事業実施後の現場の声」を参考として、委員会でさらに調査研究を進めていきたい。

 


10月24日 台東区調査

<所見>

 台東区役所において「伝法院通り江戸まちづくり景観整備事業」及び「「通り(商店街)」のにぎわいづくりに係る区の支援策」について説明を受けた後、景観統一を通して来訪者を引き付ける商店街振興について取り組んでいる伝法院通りの現地視察を行った。
 台東区では、浅草の回遊性を高めることによって地域を活性化することを目的に、伝法院通り江戸まちづくり景観整備事業を実施した。事業内容は、正面外観に瓦葺、窓格子、暖簾日除け、木製看板などを施し、建築物に統一性を持たせるほか、ストリートファニチャーとして火の見櫓、半鐘、天水桶、辻行燈、下馬札などを通りの数か所に配置し、江戸風の街並みを表現するというものである。また、路面は土の色をイメージして配色されている。本事業の実施によって、「商店街の街並みを見る」こと自体が来訪目的となり、来訪人数が大幅に増加し、当該商店街には空き店舗もない状態(平成25年10月24日現在)であり、商店街の活性化に大きく寄与しているとの評価を得ている。
 台東区と商店街は、「まちづくり景観協定」を結んでおり、商店街はその協定を根拠に「街並み景観整備支援事業」及び「街並み景観整備店舗支援事業」を活用し、区の支援を得て商店街の活性化を実現している。
 上記協定は、景観の維持という点において函館市における函館市都市景観条例と概念が近いように思えるが、実態として、台東区の協定はつくり上げていく建設的な協定であるのに対し、函館市における条例は、改修に規制をかけて保存を目的としている色合いが強い。また、台東区の協定が商店街という狭い区間での連続性が強く、効果が明瞭に見えるのに対し、函館市の条例はエリアが広く、断続的であることで、効果のほどを測りづらいため、協力体制が散漫になり、振興策の継続が危ぶまれる。
 この伝法院通りの振興例は、手法として集中的であって、来訪者や周囲にわかりやすいだけではなく、施主である地域の人たちからの協力体制を築きやすい。仮に、函館駅前通においてこの手法の活用を考えた場合、エリアの広さというデメリットは回避されるが、目指すべき建物の外観などの統一性を何に求めるべきかを定めることが課題である。
 現在、函館駅前通のアーケードが撤去される予定となっているが、今後、景観の統一性も含め、撤去後の景観についても十分に議論していく必要があるものと考える。

 
 
 
 
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