公開日 2016年02月09日
更新日 2021年12月14日
| 平成21年度教育行政執行方針 |
| 1 | ふるさとの未来を拓く人材の育成を図る学校教育の推進 | ||
| 2 | 子どもの健やかな成長を支える環境の充実 | ||
| 3 | 豊かな人生を支援する生涯学習の充実 | ||
| 4 | 創造性や健やかな心身をはぐくむ文化・スポーツの振興 |
| 平成21年度の教育行政執行につきまして，函館市教育委員会の基本方針を申し述べます。 現在，我が国においては，経済状況の悪化による生活不安の増大，地域活力の低下など，教育を取り巻く環境が大きく変化するなか，新たな教育のあり方を示す改正教育基本法に基づき，学習指導要領の改訂など，具体的な取り組みが進められているところであります。 こうしたなか，本市におきましては，今年，開港150周年という節目の年を迎え，地域の特性を生かし，活力あふれる豊かなまちづくりを進めており，人づくりを担う教育の果たす役割は，ますます重要になってきております。 教育委員会といたしましては，こうした動向を踏まえ，ふるさとの歴史や文化を尊重し，自らを高める主体的な学習の充実と，心豊かでたくましい人材の育成を図るため，家庭，学校，地域社会との連携・協力を深めた総合的な教育行政の推進に努めてまいります。 それでは，主な施策について申し上げます。 はじめに，ふるさとの未来を拓く人材の育成を図る学校教育の推進についてであります。 学校教育におきましては，子どもの「生きる力」をはぐくむため，確かな学力，豊かな心，健やかな体の調和のとれた育成をめざした教育活動を推進していくことが重要であります。 また，子どもがふるさとのよさや多様な生き方を学び，時代の新しい課題に対応する能力を身に付けていくためには，地域の特性を生かし，創造性に富んだ教育活動を充実させることが大切であります。 教育委員会といたしましては，「函館市義務教育基本計画」に基づき，対話と協働を基調とした信頼される学校教育の実現をめざした取り組みを推進してまいります。 小・中学校の再編につきましては,「函館市立小・中学校の配置についての基本指針」に基づき，その計画の策定に着手いたします。 新学習指導要領への対応につきましては，その趣旨および内容が十分に理解され，移行措置が適切に実施されるよう，各学校を支援してまいります。また，南北海道教育センターにおいて，新学習指導要領に対応した教員研修を実施し，指導力の向上に努めてまいります。 市立函館高等学校につきましては，全学年が単位制課程となる年度を迎え，調和のとれた人間性と高い学力を身に付けた人材の育成に向け，特色ある教育活動を推進してまいります。 校長の裁量に基づく，いわゆる「知恵の予算」につきましては，子どもの実態や地域の特色を踏まえた創意ある学校づくりを進めるため，一層，効果的な活用を進めてまいります。 学力の向上につきましては，児童・生徒の学力の状況を的確にとらえ，実態に応じた指導の工夫や改善を行っていくため，引き続き，小・中学校において，標準学力検査を実施するとともに，文部科学省による全国学力・学習状況調査も活用し，学校，家庭との連携を図りながら，確かな学力向上のための取り組みを進めてまいります。 また，朝読書や読み聞かせなどの読書活動を充実するとともに，子どもたちの多様な学習活動を推進するため，学習用図書や小学校のコンピュータの整備を進めてまいります。 国際理解教育につきましては，海外からの青少年交流団の受け入れや留学生との交流活動などを推進するとともに，引き続き，「中学生海外派遣事業」を実施してまいります。 英語教育の充実に向けては，引き続き，外国人英語指導助手の活用を図るとともに，小学校外国語活動の導入が円滑に行われるよう各学校を支援してまいります。 特別支援教育につきましては，障がいのある子どもなどの日常生活や学習を支援する特別支援教育支援員を増員するなど，推進体制の充実を図ってまいります。 豊かな心の育成につきましては，子ども一人ひとりに生命尊重や思いやりの心，規範意識や社会性などをはぐくむため，自然体験や社会体験，ボランティア活動など，多様なふれあいの場や機会の充実に努めるとともに，道徳教育の一層の充実を図ってまいります。 いじめや不登校につきましては，その要因や実態がますます多様化していることから，スクールカウンセラーなどの活用をはじめ，関係機関との連携を図りながら，各学校における指導体制の一層の充実に努めてまいります。 健やかな体の育成につきましては，家庭への啓発や地域との連携を図りながら，子どもたちの望ましい食習慣や生活習慣の確立，体力の向上や健康の保持増進に向けた取り組み，性や薬物に関する指導の充実に努めてまいります。 子どもの安全確保につきましては，引き続き，関係機関や団体と連携し，「セーブサポート運動」や「子ども110番の家」，巡回パトロールなどの充実を図るとともに，子どもが自ら身を守る力を育成するための防犯教室の実施や防犯マニュアル・安全マップの見直しなど，学校における安全体制の一層の充実に努めてまいります。 学校給食につきましては，衛生管理の徹底，食の安全の確保に努めるとともに，地産地消の推進に取り組んでまいります。 学校施設の整備につきましては，弥生小学校新校舎の実施設計や椴法華中学校親子学校給食共同調理場の建設工事を進めるほか，耐震診断および改修工事などを進めてまいります。 また，地上デジタル放送への対応につきましては，計画的な設備の更新を進めてまいります。 ▲ページの先頭へ 次に，子どもの健やかな成長を支える環境の充実についてであります。 核家族化や少子化，地域における人間関係の希薄化などにより，家庭や地域の教育力の低下が指摘されるなか，社会全体で子どもたちの成長を支えていくことが大切であります。 家庭は，子どもたちが生活に必要な習慣を身に付け，調和のとれた心身をはぐくむ場であり，教育の原点であることから，ＰＴＡや関係機関と連携を図りながら，健康と体力の増進や，情報モラルなどについて，家庭における意識の啓発を図るとともに，保護者を対象とした研修会等を開催するなど，家庭の教育力の向上に努めてまいります。 地域社会におきましては，子どもたちが，社会の一員としての自覚を高めるとともに，地域全体で子どもたちを見守り，育てていくことができるよう，はこだての教育を考える会との連携をはじめ，子ども会や青少年団体，スポーツ少年団など，地域の自主的な活動の支援に努めるほか，市民のボランティアにより学校活動を支援していくため，「学校支援地域本部事業」を推進してまいります。 また，子どもの活動拠点を設け，地域住民との交流活動などの取り組みを進める「放課後子ども教室推進事業」や，働く親の子育てを支援し，子どもたちに生活の場を提供する「放課後児童健全育成事業」の充実に努めるとともに，学校などの公共施設の活用に向けた実態調査を実施するなど，総合的な対策である「放課後子どもプラン」を推進してまいります。 青少年の非行防止につきましては，携帯電話の普及などにより，薬物乱用や性非行の広がりが懸念されることから，学校や保健所，警察など，関係機関との連携を強化し，地域が一体となった社会環境の浄化活動に努めてまいります。 また，青少年の健全育成の観点から，中学生や高校生など若者の居場所づくりに向けた検討を行ってまいります。 ▲ページの先頭へ 次に，豊かな人生を支援する生涯学習の充実についてであります。 市民一人ひとりが，生きがいとゆとりのある人生を過ごすためには，生涯にわたり，自由で主体的な学習活動を通して自らを高め，心を豊かにしていくとともに，その成果を生かすことのできる社会を実現していくことが大切であります。 教育委員会といたしましては，市民が，幅広く学び続けることができるよう，「まなびっと広場」の一層の普及・拡大を図るとともに，市内高等教育機関や民間関連事業との連携を深め，多彩な学習機会の提供に努めてまいります。 また，学んだ成果を生かす場として，市民自らが企画・運営を行う各種体験講座を充実するほか，子どもたちがふるさと函館についての理解を深めるよう，本市を取り巻く豊かな海の自然を学ぶ学習プログラム事業を引き続き実施してまいります。 函館市公民館につきましては，耐震診断を実施するとともに，市民懇話会を開催し，改修に向けた検討を進めてまいります。 博物館につきましては，より一層，市民や観光客のニーズにこたえるよう，函館開港150周年を記念した特別展の開催をはじめ，常設展示の充実を図るなど，各種事業を実施してまいります。 中央図書館につきましては，郷土資料をはじめ，さまざまな分野の図書や情報の収集と提供に努めるとともに，貴重な古文書や写真をデジタル化して保存・公開するデジタルアーカイブ事業，ボランティアを活用した絵本の読み聞かせなど，各種事業を展開するほか，旧図書館本館につきましては，耐震診断を実施するとともに，市民懇話会を開催し，活用方策の検討を進めてまいります。 ▲ページの先頭へ 最後に，創造性や健やかな心身をはぐくむ文化・スポーツの振興についてであります。 市民が心身ともに健康で潤いのある生活を送るためには，文化芸術活動を通して創造性を高め，豊かな感性を養うとともに，スポーツ活動を通して楽しさや感動を味わい，健康づくりに努めることが大切であります。 文化芸術の振興につきましては，「函館市文化芸術の振興に関する基本方針」に基づき，市民の自主的な文化芸術活動を促進してまいります。 このため，財団法人函館市文化・スポーツ振興財団や函館市文化団体協議会など，各種団体との連携を密にするとともに，市民創作函館野外劇や函館子ども歌舞伎など，市民の文化芸術活動の支援に努めてまいります。 また，郷土が誇る舞台俳優益田喜頓の生誕100年を記念して，ミュージカル「案山子物語」を函館と東京浅草で公演するなど，市民とともに地域に根ざした文化芸術の振興を図ってまいります。 文化財につきましては，国宝「中空土偶」の公開を通じて，その文化的活用を図るほか，縄文の歴史と文化を広く紹介するため，縄文文化交流センターの整備を進めてまいります。 また，箱館奉行所の庁舎復元工事を継続するとともに，名勝旧岩船氏庭園(香雪園)の環境整備などを進めるほか，伝統的建造物につきましては，引き続き，修理への助成などを行い，歴史的な町並みの保護・保存に努めてまいります。 スポーツの振興につきましては，「函館市スポーツ振興計画」に基づき，市民が身近にスポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現に向け，総合型地域スポーツクラブの育成・支援に取り組むとともに，競技力の向上をめざし，函館市体育協会や各種スポーツ団体との連携を図ってまいります。 また，市民のスポーツへの関心や意欲を高揚するため，函館市文化・スポーツ振興財団と連携を図り，プロ野球やＪリーグの公式戦の開催を促進するとともに，スポーツ合宿を誘致するための助成制度を創設するほか，市民体育館につきましては，市民懇話会を開催し，今後のあり方を検討してまいります。 ▲ページの先頭へ 以上，平成21年度の教育行政執行にあたっての基本方針を申し述べました。 今日，混迷する社会状況のなか，地方は，ますますその主体性を高め，自立したまちづくりを進めていくことが求められており，教育は，そうした取り組みにおいて，大きな役割を果たしていくことが必要であると考えております。 教育委員会といたしましては，本市の美しい自然や先人がはぐくんできた優れた伝統や文化など，恵まれた風土や環境を生かし，ふるさと函館の未来を担う子どもたちの健やかな成長と，創造性豊かで調和のとれた生涯学習社会の実現のため，今後とも，市民と協働して，教育行政を積極的に推進してまいります。 ご理解とご協力をお願いいたします。 ▲ページの先頭へ |
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