公開日 2023年06月16日
特別史跡五稜郭跡|五稜郭の歴史(築造から大政奉還) | 五稜郭の歴史(箱館戦争から現在) | 出土品からみる奉行所の暮らし| 箱館奉行所 | 五稜郭内の建物と遺構
五稜郭の概要
五稜郭の場所
五稜郭は,函館山から約6km離れた函館市のほぼ中央となる場所にあります。この場所は,ちょうど浅いすり鉢の底のように低くなっている所です。この五稜郭のある周辺は,今から約150年前の江戸時代終わり頃,箱館が開港された時は,たくさんの「ネコヤナギ」が生えていたようです。このため,別名「柳野(やなぎの)」と呼ばれていたように,当時は至る所が水はけの悪い湿地だったようです。
五稜郭は,函館市五稜郭町と本通1丁目にあります。また,地図上の場所では,北緯41度47分49秒,東経140度45分24秒にあたります。
五稜郭の形と大きさ
五稜郭という名前がついたように,稜堡(りょうほ)と呼ばれる5つの角があり,星形の五角形となっています。この上には土塁が造られ,また石垣も積まれ,五角形となる土塁と石垣の周りには,水堀があります。さらに,この星形の土塁の南西側には,半月堡(はんげつほ)または馬出塁と呼ばれる三角形状の土塁があり,その周りもまた水堀となっています。
五稜郭のような珍しい形は,約500年前の16世紀頃のヨーロッパで考えられ,その後,ヨーロッパの各地に造られた「城塞都市(じょうさいとし)」をヒントにしたものです。そこから,この形を「西洋式土塁」と言っています。また,このような形の五稜郭は,日本では, 函館市の五稜郭と長野県佐久(さく)市の龍岡城(たつおかじょう)の2か所だけとなっています。
五稜郭は,南西側が正面側で,一の橋と二の橋という2つの橋を渡って,五稜郭の中に入ります。また,この五稜郭の中を通り, 北側にある裏門橋を渡り,五稜郭の外へと通じています。 なお,五稜郭が造られた当時の絵図面には,橋が全部で5か所あったように描かれています。現在は3か所の橋がありますが,残り2か所については,どうやら明治2年(1869)の箱館戦争の時に,外されてしまいました。
2008年3月撮影。堀が結氷していて,五稜郭の形がはっきりとわかります。
五稜郭内の出入口にあたる所には, 外から五稜郭の中の様子を見えなくするための土塁の「見隠塁(みかくしるい)」があります。これらは,出入口の3か所にあり,正面と左右の両面には,石垣が積まれています。この大きさは,長さ約44m,幅約14m,高さ約4mと,3か所ともほとんど同じような形です。
また,五稜郭を形作る土塁は「本塁(ほんるい)」といいます。この土塁は,幅約27mから30m,高さ約5mから7mで,出入口にあたる正面や通路となる所は石垣積みとなっています。この石垣の中で,正面側の石垣の一番上には,石が一列飛び出しているところがあります。これは「はね出し」や「武者返(むしゃがえ)し」または「しのび返し」と呼ばれるもので,五稜郭の石垣の大きな特徴の一つです。さらには, 本塁と水堀の間には,幅約10m,高さ約2mの「低塁(ているい)」と呼ばれる土塁もあります。
五稜郭の高さ(標高)は,13mから16mほどで,ほとんど平らな地面となっていますが,もともと湿地であったために,雨水が溜まりやすい所となっています。ただ,平らといっても,裏門側の北側が少し高く,正面の南側にかけて,少しですが傾きがあります。五稜郭の正面側に低い土手が見られますが,これは五稜郭が造られた時,堀からあげられた土を盛ったもので,「長斜坂(ちょうしゃはん)」と呼ばれています。
五稜郭の大きさは, 堀の内側は約125,500平方メートルと,東京ドームの約3倍の広さがあります。また,水堀は約56,400平方メートル,さらに堀の外側で史跡指定の所は約69,000平方メートルの広さがあります。水堀の幅は最大約30m ,深さは4mから5mで,この堀の外周りは約1.8km長さとなっています。
アクセス
市営電車
停留所「五稜郭公園前」下車,徒歩約18分
詳しくは,市電の運行時刻のページをご覧ください。
函館バス
停留所「五稜郭(電停前)」下車,徒歩約18分 もしくは
停留所「五稜郭公園入口」下車,徒歩約10分
詳しくは,函館バス(乗り場・路線・時刻表検索)のページをご覧ください。
函館バス 函館駅前発着「五稜郭タワーシャトルバス」
五稜郭タワー前にて下車,徒歩約3分
函館バス(5系統 五稜郭タワー・トラピスチヌシャトルバス)時刻表
函館バス 函館空港発着 空港循環バス「とびっこ」
停留所「五稜郭公園入口」下車,徒歩約10分
函館バス(7系統 とびっこ)時刻表(平日)
函館バス(7系統 とびっこ)時刻表(土日祝日)
自家用車
函館市中央図書館向かい側に,函館市五稜郭観光駐車場(有料)があります。
駐車料金 1時間まで200円,以後30分ごとに100円
詳しくは,函館市五稜郭観光駐車場のページをご覧ください。
タクシー
JR函館駅から約15分,函館空港からも約15分です。
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