表紙 函館市手話言語条例および函館市障がい者コミュニケーション条例に関する提言しょ 函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会 令和7年(2025年)9月 1ページ 目次 1,はじめに 2,条例制定に向けた検討経過 カッコ1,国の法令や自治体の状況について カッコ2,条例の形式について カッコ3,条例の構成について 3,提言する内容について カッコ1,函館市手話言語条例について カッコ2,函館市障がい者コミュニケーション条例について 4,函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会 開催状況 5,函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会 委員名簿 6,函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会 設置要綱 2ページ 1,はじめに  国においては,平成23年改正の「障害者基本法」において言語に手話が含まれることが明記され,令和4年に施行された「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」では障がい者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策を総合的に推進することが定められるなど,障がい者のコミュニケーション支援に関する法整備が進められています。このような状況のもと,函館市においても,障がい当事者団体との懇談などを通じ,手話言語条例と障がい者コミュニケーション条例の制定を要望する声が多く寄せられたことから,条例の制定に向けた検討を進めることになりました。  検討にあたっては,広く市民の意見を聴取するために,令和6年(2024年)4月,「函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会」が設置され,学識経験者や障がい者団体関係者,カッコ,障がい当事者を含む,カッコトジ,コミュニケーション支援者,基幹相談支援センター職員で構成する委員による協議を開始しました。  検討委員会はこれまでに6回開催し,函館市の現状や北海道における取り組みについて  理解を深めてまいりました。その上で条文に盛り込むべき内容や基本的な構成から具体的な内容まで,丁寧に,真摯に,協議・検討を重ねてまいりました。第6回委員会の直前には, 「手話に関する施策の推進に関する法律」が施行されましたが,市の条例を制定する意義について委員一同であらためて確認し,この度,提言書を取りまとめるに至りました。なお,会議に際しましては,点字版の資料を用意し,当日には手話通訳者・要約筆記者が同席するなど,障がい当事者の委員にも配慮した中で,活発な議論ができました。  つきましてわ,今後の函館市におけるこの2つの条例制定の際の一助としていただき,市民や事業者の中に,手話が言語であるという認識や障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用についての理解が進み,安心して安全に暮らすことができる地域社会が実現されることを,委員一同,心より願い,ここに提言いたします。   令和7年(2025年)9月 函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会,会長, 齋藤 征人,カッコ,国立大学法人 北海道教育大学教育学部函館校 教授,カッコトジ 3ページ 2,条例制定に向けた検討経過 カッコ1,国の法令や自治体の状況について  条例を検討するにあたって,まず国の関係法令や国内・道内自治体の条例制定状況や本市の現状を把握し, 北海道保健福祉部障がい者保健福祉課から講師をお招きし, 既に条例を制定している北海道の条例の成り立ちや内容について理解を深めました。 カッコ2,条例の形式について     条例を制定するにあたって,1つの条例に2つの要素を盛り込むのか,それぞれ個別の条例とするのか,全国の制定自治体の条例の形態やそのメリット・デメリットも考慮しながら検討しました。手話や点字等は,コミュニケーション手段としては,同じ括りになりますが,手話は,日本語とは異なる非音声言語です。条例を制定するにあたっては,内容の分かりやすさを重視し,広く市民や事業者に対して理解を広める理念条例として, それぞれ個別の条例が良いとの結論に至りました。 カッコ3,条例の構成について 2つの条例のそれぞれの構成について,市の既にある理念条例や,道内で既に2つの条例を置いている自治体,カッコ,北海道・札幌市・小樽市,カッコトジ,の条例の構成を参考に,議論しました。そこで,条例の構成はどちらも,「前文・目的・基本理念・市の責務・市民の役割・事業者の役割・施策の推進」を基本に,進めることにしました。 条例の構成を図で表しています。図では,前文を一番上に置き,そのすぐ下に目的を置いています。目的から下に線が伸びた先に基本理念をつなげ,さらに線を枝分かれさせて,市の責務・市民の役割・事業者の役割に繋げています。それぞれ3本にわかれた線は,さらに施策の推進に向かってのびています。      4ページ 3,提言する内容について カッコ1,函館市手話言語条例について 題名,函館市先人の思いをつなぐ手話言語条例 題名の基本的な考え方  題名については,障がい当事者である委員からの提案に多くの委員が賛同し,ひょうき案に至りました。手話を禁じられた時代でもせんじんたちが手話を守り,つないだ歴史を題名に盛り込んだものです。なお,条例の目的を簡潔に表した「手話言語条例」を支持する意見もありました。 前文,手話は,手や指の動きや顔の表情などにより表現される独自の文法体系を持つ日本語とは異なる非音声言語です。  過去には,手話を使うことを制限された時代がありましたが,ろうしゃをはじめとする手話を必要とする人により大切に受け継がれてきました。  わたしたちのまち函館は,北海道のろう教育発祥の地です。明治28年,函館を訪れたアメリカ人宣教師の母により,日本で3番目の私立もう学校である函館訓盲会が創立され,明治34年に函館訓盲院と改称し,翌年に北海道で初めて,ろう教育を行うあせい部が設けられて以来,この函館の地で手話を守り,育む営みが続いてきました。  明治時代のろう教育の黎明期からこんにちまでのせんじんたちの思いを次の世代に引き継ぐとともに,手話は言語であるという認識の普及を図り,ろうしゃであるか否かに関わらず,手話を必要とする全ての人の社会参加の機会が確保され,安心して安全に暮らすことができる地域社会の実現を目指し,この条例を制定します。 5ページ 前文の基本的な考え方,  前文には,手話とはどのような言語なのか,また手話を使う人の現状や函館における手話の歴史,これらを踏まえた条例の制定意義を盛り込んでいます。  第1だんらくでは,まず手話とはどのような言語であるかを理解するための記述をしています。手話が,一般的にイメージされる手や指の動きだけでなく,顔の表情などにより表現されていること,また音声言語である日本語の文法とは全く異なる独自の文法体系を持つ非音声言語という2つの特徴に焦点を当てて記述しています。  第2だんらくでは,手話を使う人の現状について,手話に関する歴史的な経過も踏まえて記述しています。手話は,明治時代以降に全国各地で設立されたろう学校において,しゅせい法という現在の手話に近い方法が用いられておりましたが,国際会議や当時の文部大臣の訓示により,「こうわ法」,カッコ,相手の口の動きを読み取り,話す内容を理解する方法,カッコトジ,が絶対視され,手話を禁じられました。その間,手話を表立って使うことが許されず,家族や親しい友人との間などで,ひっそりと伝承され確立されていきました。  その後,平成18年12月に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」の「言語」の定義において,「音声言語および手話その他の形態の非音声言語」と示され,日本でもこの条約の批准に向けて,平成23年に「障害者基本法」を改正し,言語に手話が含まれることを明記しています。また,令和7年6月に「手話に関する施策の推進に関する法律」が制定され,国と地方公共団体は様々な施策を進めることになっています。  第3だんらくでは,委員からの「函館のろう教育は,他都市にはない素晴らしい歴史があるので,前文で触れてはいかがか」という意見に基づいて,明治28年,函館を訪れたアメリカ人宣教師の母,シャーロット・ピンクニー・ドレーパー女史により,日本で3番目の私立もう学校が創立され,その後,組織を改編し,北海道で初めてろう教育を行われることになった歴史的な経過について記述しています。  第4だんらくでは、市民・事業者に手話は言語であるという認識を深めていただきながら,手話を必要とする全ての人にとって,安心して安全に暮らすことができる地域社会の実現を目指し条例を制定することを宣言しています。 6ページ  目的,この条例は,手話が言語であるという認識の普及について基本理念を定め,市の責務ならびに市民および事業者の役割を明らかにするとともに,手話に関する施策を推進することにより,ろうしゃ,難聴者,中途しっちょうしゃその他手話を必要とする全ての人,カッコ,以下,カギカッコ,手話を必要とする人,カギカッコトジ,といいます。カッコトジ,の社会参加の機会が確保され,安心して安全に暮らすことができる地域社会を実現することを目的とします。 目的の基本的な考え方  この条例の目的は「ろうしゃ,難聴者,中途しっちょうしゃその他手話を必要とする全ての人の社会参加の機会が確保され,安心して安全に暮らすことができる地域社会を実現すること」です。その実現に向けて手話が言語であるという認識の普及についての基本理念や市,市民,事業者がどのようなことをしていかなければならないのかを明らかにしています。なお,ろうしゃ,難聴者,中途しっちょうしゃだけではなく,日常生活や社会生活の場面で応対する家族などの聴覚には障がいはないものの手話を通じて会話する人や応対する人も全て含めて「手話を必要とする人」と表現しています。 定義,カッコ1,ろうしゃ,手話を主な意思疎通の手段として用いて日常生活および社会生活を  営んでいる聴覚障がいのある人をいいます。 カッコ2,市民,市内に住所を有する者および市内に通勤し,または通学する者をいいます。 カッコ3,事業者,市内において事業を営む個人または法人その他の団体をいいます。 定義の基本的な考え方  条例に使われている用語のうち,カッコ1,ろうしゃについては,委員から「手話を第一言語として使うことがわかるようにしてほしい」との意見をもとに整理し,記述しています。またカッコ2,市民やカッコ3,事業者については,範囲を明確にすることで,後段の役割や施策に誘導できるように,定義が必要と考え,記述しています。 7ページ 基本理念,手話が言語であるという認識の普及は, 手話を必要とする人が手話で意思疎通を図ることが尊重されることを基本として行われなければなりません。 基本理念の基本的な考え方  目的を達成するための基本となる理念については,委員の意見をまとめ,手話が言語であるという認識の普及には,手話が,音声言語である日本語とは違う非音声言語であることを理解し,手話を必要とする人が手話を使うことを尊重することと整理し,記述しています。  市の責務,市は,ぜん条に定める基本理念,カッコ,以下,カギカッコ,基本理念,カギカッコトジ,といいます。カッコトジ,にのっとり,手話が言語であるという認識の普及に関する施策を推進するものとします。 市の責務の基本的な考え方  基本理念の考えに基づいて,手話が言語であるという認識の普及についての施策を推進していく市の責務について明確にするため,記述しています。  市民の役割,市民は,基本理念および手話を必要とする人に対する理解を深めるとともに,市が推進する施策に協力するよう努めるものとします。 市民の役割の基本的な考え方  手話が言語であるという認識の普及という目的を達成するためには,何より市民の理解と協力は不可欠です。そこで,市民の役割として,手話が日本語と異なる非音声言語であるということや,手話を使う人について理解を深めること,また市が推進する施策への協力に努めることについて,記述しています。 8ページ  事業者の役割,事業者は,自らの事業を行うにあたり,基本理念および手話を必要とする人に対する理解を深め,手話を必要とする人に対する必要かつ合理的な配慮をするとともに,市が推進する施策に協力するよう努めるものとします。  事業者の役割の基本的な考え方  手話を必要な人が日常生活や社会生活を送る上で,市民の役割と同様に事業者の役割は重要と考えます。事業者には,事業活動を運営する中で,手話が日本語と異なる非音声言語であるということや手話を必要とする人に対する理解を深めること,また手話を使う人に対して,必要かつ合理的な配慮をすることと併せて,市の施策への協力に努めることについて,記述しています。 施策の推進,市は,手話が言語であるという認識の普及に関して,次の各号に掲げる施策を推進するものとします。  カッコ1,手話への理解および普及促進に関する施策  カッコ2,手話による情報の取得および利用に関する施策  カッコ3,手話を利用しやすい環境づくりに関する施策  カッコ4,手話を学ぶ機会の提供に関する施策  カッコ5,手話通訳者の確保および養成に関する施策 カッコ6,災害時等における手話による情報の伝達およびコミュニケーションの支援に関する施策 9ページ 施策の推進の基本的な考え方  手話が言語であるという認識の普及についての施策の内容については,委員からの意見をもとに大きく6つに分けて整理しています。  カッコ1,では,手話について理解を深め,普及をすすめる施策について記述しています。市民や事業者に対して手話が言語であるという理解や手話を使う人への理解を深める施策について,記述しています。  カッコ2,では,手話を必要な人が,手話によって欲しい情報を得られる,利用できるようにするための施策について,記述しています。  カッコ3,では,手話を使う人が,日常生活や社会生活の各場面において,手話を使いやすい環境を整えるための施策について,記述しています。  カッコ4,では,手話に興味のある方,より手話について理解を深めたいと考えるかたや,手話を使う必要がある人など,理解度に応じた手話を学ぶ機会の施策について,記述しています。  カッコ5,では,手話を必要とする人に対して手話通訳者の確保することや養成することについて,記述しています。  カッコ6,では,災害時や事故遭遇時などの緊急てきな場面において,手話による情報の取得やコミュニケーションの支援について,記述しています。 学校への支援,市は,学校,カッコ,学校教育法,カッコ,昭和22年法律第26号,カッコトジ,第1条に規定する学校をいう。カッコトジ,に対し,手話が言語であるという認識の普及に関する情報提供,助言その他必要な支援を行うよう努めるものとします。 10ページ 学校への支援の基本的な考え方  北海道言語としての手話の認識の普及等に関する条例,カッコ,平成30年制定,カッコトジ,において,聴覚障がい者が在籍する学校の児童等及び職員に対する必要な支援を定めています。市の条例について,委員から意見もあり,手話が言語であるという認識を児童生徒に理解してもらうため,例えば学校が実施する講座や参考資料提供の依頼に対して,市が支援をしていくことは必要と考え,記述しています。  財政上の措置,市は,前2条の施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めます。 財政上の措置の基本的な考え方  市の責務として施策を推進するため,必要な予算上の措置を講じるよう努めていくことは,条例に実効性を持たせるためにも必要と考え,項目を設けました。 委任,この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定めます。 委任の基本的な考え方  具体的な施策の内容や方向性などについては,市長が別に定めることと整理し,項目を設けました。 11ページ カッコ2,函館市障がい者コミュニケーション条例について 題名,函館市障がい者コミュニケーション条例 題名の基本的な考え方  障がいのある人が,コミュニケーションを図るために,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を目的としている条例であることから,条例めいを簡潔に表しました。 前文,全ての市民にとって,必要な情報を取得したり,情報を利用して他者とコミュニケーションを図りながら相互理解を深めることは,日常生活や社会生活において必要不可欠なものです。  私たちの暮らしの中には,音声言語および文字言語のほか,手話,点字などの障がいの特性に応じて情報を取得し,および利用してコミュニケーションを図るための多様な手段がありますが,自らの特性に応じたコミュニケーション手段を選択し,および利用できる機会が十分に確保されないことにより,日常生活や社会生活において生きづらさを感じている人もいます。  全ての市民が社会を構成する一員として,あらゆる分野の活動に参加するためには,障がい者が自らコミュニケーション手段を選択し,および利用できる機会が確保されるよう,市,市民および事業者がそれぞれの責務や役割を認識し,一体となって取り組んでいく必要があります。  このことから,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図り,障がい者の社会参加の機会が確保され,障がいの有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら,安心して安全に暮らすことができる地域社会の実現を目指し,この条例を制定します。 12ページ 前文,基本的な考え方  前文には,日常生活や社会生活におけるコミュニケーションの重要性,障がい者を取り巻くコミュニケーションの現状,それらを踏まえた条例の制定意義を盛り込んでいます。  第1だんらくでは,コミュニケーションは, 日常生活や社会生活のあらゆる場面において, 必要な情報を受け取るだけでなく,相互理解を深めるために大変重要であるという認識について,記述しています。  第2だんらくでは, 障がい者がコミュニケーションを図るための手段は,実に多種多様にあるものの, 自らの特性に応じたコミュニケーション手段を選択し,利用する機会が,周囲の理解や環境が不十分で確保されず,障がい者にとって疎外感や生きづらさを感じる場面もあるという現状について,記述しています。  第3だんらくでは,第2だんらくの現状を踏まえて, 障がい者があらゆる分野の活動に参加するためには,障がい者自らコミュニケーション手段を選び・利用できる機会を確保することが必要であり,そのためには,市だけでなく,市民や事業者が一体となって取り組む必要があると記述しています。  第4だんらくでは,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図るという条例の意義により,障がい者の社会参加の機会を確保し,安心して安全に暮らすことができる地域社会の実現を目指し条例を制定することを宣言しています。 目的,この条例は,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進について基本理念を定め,市の責務ならびに市民および事業者の役割を明らかにするとともに,障がい者のコミュニケーション手段に関する施策を推進することにより,障がい者の社会参加の機会が確保され,障がいの有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら,安心して安全に暮らすことができる地域社会を実現することを目的とします。 13ページ 目的の基本的な考え方  この条例の目的は,「障がい者の社会参加の機会が確保され,障がいの有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら,安心して安全に暮らすことができる地域社会を実現すること」です。その実現に向けて,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進についての基本理念や市,市民,事業者がどのようなことをしていかなければならないのかを明らかにしています。 定義,カッコ1,障がい者,身体障がい,知的障がい,精神障がい,発達障がい, 高次脳機能障がいや難病その他の心身の機能の障がいがある者で,障がいおよび社会的障壁により日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいいます。  カッコ2,社会的障壁,障がいがある者にとって日常生活または社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいいます。  カッコ3,コミュニケーション手段,手話,カッコ,しょく手話または弱視手話を含みます。カッコトジ,点字,拡大文字,代読,代筆,要約筆記,筆談,指点字,代用音声,口文字,透明文字盤,重度障がい者用意思伝達装置,平易な表現,絵図,絵文字,記号,身振り,手振り,情報通信機器その他障がい者が情報を取得し,および利用して他者と意思疎通を図るための手段をいいます。  カッコ4,コミュニケーション支援者,障がい者と他者の間でコミュニケーション手段を使用する際に,これを支援する者をいいます。  カッコ5,市民,市内に住所を有する者および市内に通勤し,または通学する者をいいます。  カッコ6,事業者,市内において事業を営む個人または法人その他の団体をいいます。 14ページ  定義の基本的な考え方,条例に使われている用語のうち,カッコ1で障がい者の範囲を整理し,記述しています。併せてカッコ1,障がい者の説明で出てくる社会的障壁を,別に説明が必要と考え,カッコ2で整理し,記述しています。  また,カッコ3,コミュニケーション手段について,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を具体的にイメージがしやすいように,列記しています。  カッコ4,コミュニケーション支援者については,専門職だけでなく,家族や知人,ボランティアなど幅広いため,役割を説明することで整理し,記述しています。  カッコ5,市民およびカッコ6,事業者については,範囲を明確にすることで,後段の役割や施策に誘導できるように,定義が必要と考え,記述しています。  基本理念,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進は,障がい者が自ら選択したコミュニケーション手段により情報を取得し,および利用して意思疎通を図ることが尊重されることを基本として行われなければなりません。 基本理念の基本的な考え方  目的を達成するための基本となる理念については,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進には,障がい者が自ら選んだコミュニケーション手段を選び,利用することを尊重することと整理し,記述しています。  市の責務,市は,ぜん条に定める基本理念,カッコ,以下,カギカッコ,基本理念,カギカッコトジ,といいます。カッコトジ,にのっとり,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策を推進するものとします。 市の責務の基本的な考え方  基本理念の考えに基づいて,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進についての施策を推進していく市の責務について明確にするため,記述しています。 15ページ 市民の役割,市民は,基本理念に対する理解を深めるとともに,市が推進する施策に協力するよう努めるものとします。 市民の役割の基本的な考え方  条例の目的を達成するためには,市民・事業者の理解が深まることが不可欠です。市民に対しても,基本理念に対する理解を深め,併せて,市が推進する施策に協力することに努めていただきたいと考え,記述しています。市民に対しては,障がい者がその特性に合わせたコミュニケーション手段を使うことを尊重することと,併せて市が推進する施策に協力するよう努めることについて,記述しています。  事業者の役割,事業者は,自らの事業を行うにあたり,基本理念に対する理解を深め, 障がい者が障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を利用できるようにするための必要かつ合理的な配慮を行うとともに,市が推進する施策に協力するよう努めるものとします。  事業者の役割の基本的な考え方,事業者に対しては,まず基本理念への理解を深め,障がい者がその特性に応じたコミュニケーション手段を利用できるようにするための必要かつ合理的な配慮をおこなっていただき,併せて市が推進する施策に協力していただくよう努めることについて,記述しています。 16ページ  施策の推進,市は,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関して,次の各号に掲げる施策を推進するものとします。 カッコ1, コミュニケーション手段への理解および普及促進に関する施策 カッコ2, 障がいの特性に応じたコミュニケーション手段による情報の取得および利用に関する施策 カッコ3,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を利用しやすい環境づくりに関する施策 カッコ4,コミュニケーション手段を学ぶ機会の提供に関する施策 カッコ5,コミュニケーション支援者の確保および養成に関する施策 カッコ6,災害時等における情報の伝達およびコミュニケーションの支援に関する施策 施策の推進の基本的な考え方  コミュニケーション手段の利用の促進について施策を記述しています。施策については,委員からの意見をもとに,大きく6つに分けて,整理しています。  カッコ1では,市民や事業者に対してコミュニケーション手段に対する理解を深め,普及をすすめる施策について記述しています。市民や事業者に対してコミュニケーション手段に対する理解が深まり,それぞれの手段の利用について配慮する場面が増えていくことが,障がい者の社会参加につながると考え,記述しています。  カッコ2では,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段により,情報を得られる・利用できるようにするための施策について,記述しています。  カッコ3では,障がい者が,日常生活や社会生活の各場面において,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を利用しやすい環境を整えるための施策が必要と考え,記述しています。  カッコ4では,コミュニケーション手段の種類や内容について,より理解を深めたいと考える方のための学ぶ機会の提供について,記述しています。  カッコ5では,コミュニケーション支援者の確保することや養成することについて,記述しています。  カッコ6では,災害時や事故遭遇時などの緊急てきな場面において,情報の取得や障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用に係る支援などの施策について,記述しています。 17ページ  滞在者等への対応,市は,ぜん条の施策を行うに当たっては,本市を訪問し,または本市に滞在する障がい者の障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用に配慮するものとします。 滞在者等への対応の基本的な考え方  委員から,本市は観光都市であることから,色々な地域から函館市を訪問する障がい者に対する配慮の必要性についての意見があり,観光だけでなく,出張など様々な目的で,市外から訪問・滞在している障がい者のかたに対して,障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を利用することに配慮していくことと整理し,記述しています。 財政上の措置,市は,前2条の施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めます。 財政上の措置の基本的な考え方  市の責務として施策を推進するため,必要な予算上の措置を講じるよう努めていくことは,条例に実効性を持たせるためにも必要と考え,項目を設けました。 委任,この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定めます。 委任の基本的な考え方  具体的な施策の内容や方向性などについては,市長が別に定めることと整理し,項目を設けました。 18ページ 4,函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会 開催状況 回数 開催日時 議事内容 第1回 令和6年5月28日 (1)会長・副会長 選任 (2)今後の検討スケジュール(案) (3)函館市の現状について (4)北海道の条例の成り立ちと取り組みについて  講師:北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課      社会参加係長 伊藤 たけし 氏 (5)条例の構成について 第2回 令和6年7月30日 (1)条例に盛り込むべき内容について (2)団体会員向けアンケートについて (令和6年9月) アンケート実施 (委員の参考資料として,障がい者団体・支援者団体の会員向けと特別支援学校の児童生徒の保護者向けにコミュニケーションの状況等についてのアンケートを実施) 第3回 令和7年1月8日 (1)アンケート調査の結果報告について (2)函館市手話言語条例(仮称)骨子案について (3)函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)骨子案について 第4回 令和7年3月19日 (1)函館市手話言語条例(仮称)案について (2)函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)案について 第5回 令和7年5月28日 (1)函館市手話言語条例(仮称)案について (2)函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)案について 第6回 令和7年7月23日 (1)函館市手話言語条例(仮称)案について (2)函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)案について 19ページ 5,函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会委員名簿 所属,職めい,氏名,備考 北海道教育大学教育学部函館校,教授,齋藤 征人,会長 函館弁護士会,弁護士,百合ひろやす 一般社団法人 函館視覚障害者福祉協議会,代表理事,島 信一朗 函館聴覚障がい者協会,会長,石井 昌子 函館中途しっちょうしゃ・難聴者協会,事務局長,三好 昭博 北海道難病連 函館支部,支部長,佐藤 秀臣,副会長 特定非営利活動法人 函館手をつなぐ親の会,会長,相馬 みえこ 北海道自閉症協会 どうなんぶん会,会長,菅沼 由美 函館精神障害者家族会 あいせん会,会長,納谷 ヒロ子 函館手話通訳問題研究会,会長,さじきゆき子 おしま手話サークル連絡協議会,会長,船橋 浩 認定特定非営利活動法人 函館視覚障害者図書館,館長,森田 直子 要約筆記サークル あさがお,会長,大山 しげる パソコン要約筆記サークル つばさ,役員,鋪 礼子,(注) 障害者生活支援センターぱすてる,所長,こたにすみこ (注)委嘱期間,令和7年(2025年)3月26日から,前任者,長澤真由美から交代 20ページ 6,函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会設置要綱 設置 第1条,すべての市民が,障がいの有無にかかわらず,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて,手話は言語であるという認識のもと,手話への理解促進を図るための条例および障がい者の情報取得とコミュニケーションを支援し,推進するための条例,カッコ,以下,カギカッコ,条例,カギカッコトジ,という。カッコトジ,の制定について必要な事項を検討するため,手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会,カッコ,以下,カギカッコ,委員会,カギカッコトジ,という。カッコトジ,を設置する。 組織 第2条,委員会は,委員15人以内をもって組織する。 2,委員は,次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。  カッコ1,学識経験を有する者  カッコ2,障がい者およびその他関係者  カッコ3,福祉関係機関の者  カッコ4,その他市長が適当と認める者 任期 第3条,委員の任期は,委嘱の日から2年以内とする。ただし,委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は,前任者のざん任期間とする。 2,委員は,再任されることができる。 会長および副会長 第4条,委員会に会長1人および副会長1人を置く。 2,会長は,委員の互選により定める。 3,副会長は,会長が指名する委員をもって充てる。 4,会長は,委員会の事務を総理し,委員会を代表する。 5,副会長は,会長を補佐し,会長に事故があるときまたは欠けるときは,その職務を代理する。 会議 第5条,委員会の会議は,会長が招集する。 2,会長は,委員会の会議の議長となる。 3,会長は,必要があると認めるときは,委員会の会議に委員以外の者の出席を求め,意見等を聴くことができる。 4,会長は,必要があると認めるときは,委員以外の関係者等との懇談会を行うことができる。 庶務 第6条,委員会の庶務は,保健福祉部において処理する。 ほそく 第7条,この要綱に定めるもののほか,委員会の運営に関し必要な事項は,会長が委員会に諮って定める。 ふそく 1 この要綱は,令和6年4月1日から施行する。  以上