第3回函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会 会議録 ○開催日時 令和7年(2025年)1月8日(水) 18時28分から20時35分まで ○開催場所 函館市総合福祉センター 4階集会室 ○出席者 (委員)       齋藤会長,佐藤副会長,百合委員,島委員,石井委員,三好委員,相馬委員,菅沼委員,       納谷委員,佐直委員,船橋委員,森田委員,大山委員,長澤委員,小谷委員       (手話通訳者)       函館市保健福祉部障がい保健福祉課 野刈専任手話通訳者,石垣専任手話通訳者       函館市保健福祉部亀田福祉課 池田専任手話通訳者       (ろうあ相談員)       函館市保健福祉部障がい保健福祉課 山本ろうあ相談員       (要約筆記者)       障がい者生活支援センターぱすてる 高瀬氏,及川氏,下原氏,鋪氏       (事務局)       函館市保健福祉部障がい保健福祉課 田口課長,小玉主査 ○内容 1 開会       2 アンケート調査の結果報告について       3 函館市手話言語条例(仮称)骨子案について       4 函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)骨子案について       5 その他       6 閉会 ○発言要旨 発言者 発言内容 1 開会   事務局(小玉主査)  ただいまから第3回函館市手話言語条例および障がい者コミュニケーション条例検討委員会を開催いたします。  あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。  【手話通訳者,ろうあ相談員,要約筆記者の紹介】  【会議進行についての説明】  【資料の確認】  【傍聴上の注意事項の説明】  それでは,ここからの会議の進行につきましては,齋藤会長を議長として進めてまいりたいと思いますが,本日の会議は8時半頃までを予定しておりますので,ご協力よろしくお願いいたします。  それでは齋藤会長よろしくお願いいたします。 齋藤会長  会長の齋藤です。 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 2 アンケート調査の結果報告について   齋藤会長  それでは議題に進みます前に,石井委員の方から資料の提出がございました。石井委員から資料について簡単にご説明をお願いしたいと思います。  よろしくお願いいたします。 石井委員  あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。  私は検討委員会のこの場で説明をするだけでは伝えきれないと思いまして,また,お時間もかかるかと考え,皆さんに前もって読んでいただきたく,先に送付させていただきました。  内容についてですが,全日本ろうあ連盟の手話言語法制定推進運動本部委員であり,アドバイザーである佐藤英治(さとうひではる)さんからの資料も含めてお配りしております。  まず知っていただきたいことですけれども,手話というのは,コミュニケーション手段の一つではありますが,私たちが使っている手話言語は,音声言語とは全く別の文法を持つ,独立した言語である,ということです。  例えば,「話す」という言葉を,皆さん音声言語では口を使って話しますが,私たちは手を使って手話で話します。「聞く」ということについて,皆さんは,声や音を耳で聞きますが,私達は目でその情報,視覚情報を得ています。ですから,背後からの情報は,全く私たちは受けとめられないということになります。  このように二つの言語には大きな違いがありますが,手話言語を使用する者が本当に圧倒的に数が少ないために,理解や普及が進まず,なかなか対等な言語として扱われずにこれまで来ました。  また,「書いたらわかるよね」ということをよく言われますけれども,文章というのは,あくまでも音声日本語を文に書いたものです。ですから言語としては音声言語です。学校教育ですとか社会生活の中で,そういった環境の中で身に付いてはいくものですけれども,それぞれ一人ひとりのろう者が生きている環境の中によって差がありますし,また,それは聞こえる人が入手する以上の努力があって初めて身に付いているものなのです。そのことも知っていただきたいと思います。  各資料について説明します。一つ目の「手話言語でGO 3」ですけれども,これは国の手話言語法制定に向けて作成されたパンフの第3弾です。2020年に発行されています。手話言語の法律がなぜ必要なのか,ということを,五つの基本的な権利として整理しています。特に,「学校で手話言語を学ぶ」ということについて,ろう児,ろうの子供が自分の第一言語として手話を学ぶ,二つ目に聞こえる子どもも今習っている英語のように学校において小さなときから手話言語を学ぶ,三つ目として,高等教育の語学という選択科目の中に手話言語も入れる,という提案などがあり,これらは将来の手話通訳者の質を高め,数を増やすためにも非常に興味深い内容として整理されています。後半の制定後の施策例の中には,高校での手話の授業とか広報誌の中に手話単語を紹介するコーナーを設けるとか,市町村の職員向けに手話講座を開いているとか,手話のガイドブックの作成,また大学において公開講座を開設する,その他,手話に関する動画を作る,などの例が掲載されており,これは制定された後のこととして非常に参考になると思いました。    続きまして,二つ目の資料,「シムコムとろう者の現実について」。シムコムは,音声言語と手話言語を同時に話すコミュニケーション方法のことです。この言葉は,日本語訳として同時法手話ですとか,日本語対応手話ですとか,手指日本語などと言い換えられてきたことがありますが,そもそもこういう手話というのは存在しないのです。ろう教育の手法として使われた経緯はあります。2ページ目の「4 目指す手話言語法案の定義」という中で,手話言語について書かれていますが,手話言語というのは,独自の言語体系を持つ,音声日本語と対等であり,全く別の言語である,ということを知ってほしいために書かれている資料の部分です。  三つ目の資料,「手話言語の歴史」です。手話をめぐる主な出来事を掲載しています。2ページ目の改正障害者基本法の中で,初めて言語に手話を含むと記載され,条例や法律制定への全国の動きが記載されています。また,手話言語の法的な根拠として,憲法の11条から13条にある人権保障の基本原則が書かれています。発音できるものが優位だという優生思想により,音声言語優位の社会が続き,手話は劣ったコミュニケーション手段だと考えられてきた時代がありましたが,国連の総会で,音声言語と手話言語は対等であると議決された影響は大きく,これは未来への希望です。  手話は私たちにとって大切な第一言語です。音声言語とは違う文法体系を持つ手話言語を使うろう者がいるということを社会全体が理解し,さらに,手話言語で支援する手話通訳者が保障されることを私たちは願っています。  条例検討委員会の皆さんのお力をいただいて,函館市にふさわしい手話言語条例を作り上げたいと思っていますので,どうぞよろしくお願いいたします。 齋藤会長  はい。ありがとうございました。  要点をつかんで,論点を整理していただいて,わかりやすいご説明,レクチャーを賜ったと思います。  これからの議論においても,こちらの資料,あるいは石井委員のレクチャーを参考にしながら,条例について検討を進めていければと思っております。  石井委員からの資料あるいはご説明について,委員の皆様の方からご質問等ありますでしょうか。     【質問等なし】  よろしいですか。  それではこの資料を,参考にさせていただきながら,次の議事に入ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。  それでは初めにアンケート調査の結果報告についてでございます。  事務局から説明をお願いいたします。 事務局(小玉主査)   【資料1に基づき説明】 齋藤会長  たいへんボリュームのある説明だったかと思いますので,ご意見いただいても結構かと思いますし,この点,ちょっと聞き漏らしたので,この点についてはどういう答えが多かったですかという確認でも,いいと思うのですが,ご意見,あるいは,ご質問がございましたら,委員の皆様方からお願いしたいと思います。  いかがでしょうか。   【質問等なし】  先ほど石井委員からレクチャーいただいたところも大変勉強になったわけですけれども,アンケートの結果も,非常にこれから議論していく上では大変参考になる内容を多く含んでいたと思いました。  この件よろしいでしょうか。  それではご意見,ご質問はなしということで次に進ませていただきたいと思います。  前回の会議の,委員の皆様方からの意見を踏まえましてアンケートを実施した結果でございますので,今後条例の検討の参考にぜひ活かしていければと思います。 3函館市手話言語条例(仮称)骨子案について   齋藤会長  では続きまして,3番目,函館市手話言語条例,仮称ですけれども,その骨子案につきまして,事務局から資料について,説明をお願いいたします。 事務局(小玉主査)   【資料2に基づき説明】 齋藤会長  ただいま事務局から説明がございましたが,まず前半,手話言語条例(仮称)の骨子案について,示されたところです。  委員の皆様方からご意見やご質問がありましたらお願いいたします。  これが条文の元になるポイントを整理したものと,お考えいただくといいかと思います。 条文をこれから作っていく上で,盛り込みたい内容とか,あるいはここが触れられていた方がいいということがあれば,ご意見をいただいて,改めて骨子をお示しいただくか,あるいはそれを踏まえた形で,今度は条文案を出していただくかというステップになっていくかと思いますので,この骨子,内容的にどうかということを,今日,皆さんとご協議できればというふうに思います。  いかがでしょうか 百合委員  骨子案の中身に入ってしまうんですけども,まず,ろう者の定義自体をどのようにするお考えか,というのを聞いておきたい。  具体的に言うと,北広島市で条例があるんですが,その内容でいくのか,それとも,今回もらった資料の中に日本手話言語法案というのがあって,そこにも,ろう者の定義が入ってて,この内容でいくのか,というところを市役所の方にお聞きしたいと思いました。 齋藤会長  ろう者の定義について,事務局の方でお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 事務局(小玉主査)  ろう者についての定義ですけれども,前回,委員会でお示しした北海道,札幌市,小樽市の中でも定義がされております。また,道内他都市や他の都府県ですとか,政令指定都市,中核市なども参考にしながらこれから内容を詰めていきたいと考えております。 齋藤会長  百合委員,いかがでしょうか。 百合委員  抽象的な質問で申し訳なかったですが,調べたところによると,ろう者というのは先天的に,音声言語を習得する前に聴力を失った人だ,というような定義づけもあるようで,おそらく,今回の条例の対象というのはそうではなくて,時期にかかわらず聞こえにくかったりして,手話を第一言語としている人,という意味での「ろう者」だと思うので,そこを,はっきりわかるように書いていただけたらと思いました。 齋藤会長  その点,事務局の方で,例えば,工夫したり調整する余地はございますか。 事務局(小玉主査)  ご意見を参考にさせていただきたいと思います。 齋藤会長  それでは,その他いかがでしょうか。お気づきの点があればお願いいたします。 佐直委員  一つは前文の中で,「手話を必要とする方々が安心して暮らすことができる地域社会」,とありますが,それに加えて,聞こえる市民と同等の自己実現の機会を得る,手話を用いてその機会を得ることができる,そういう,手話を言語とする人が,社会の中できちんと認められて自己実現していきたい,その文を加えていただきたい,と思いました。  それと,事業者の役割の部分なんですが,ろう者との意思疎通のための必要な配慮,とあるんですが,それを具体的に,例えばサービスの提供,それと,ろう者が働きやすい環境の配慮,そういう具体的な記載をしていただきたいと思いました。  あと,委任の部分ですけれども,社会情勢変化などにより,見直す期間,定期的に見直す,そういうことも明記していただきたい。  それと,定期的にその施策が推進できているか状況の検証,評価,そういうことも定期的に行っていくことを,それも明記していただきたいと思いました。  もう一つ,財政上の措置,以前いただいた資料の中で,北海道,札幌市,小樽市で,財政上の措置について明記していたのは小樽市だけで,札幌市,北海道はなかったです。障がい者コミュニケーション条例では,三つの団体とも財政上の措置が明記されてました。明記されてないのと,明記したのではどう違ってくるのか。その部分がよくわからないですが,明記して欲しいと思いました。 齋藤会長  まず,前文は四つのポイントがありましたけれども,認められ,自己実現の機会を得られるという,そういったポイントも明記してはどうかということであるとか,あるいは2ページ目の事業者の役割のところで,必要な配慮という部分についても,より具体的に,環境上の配慮など,きちんと書いてみてはどうかとか,あるいは,社会情勢によって定期的に見直す,あるいは評価をして検証,評価をしていくという内容も織り込んではどうか,そして最後に,財政上の措置について,明記しているものと明記していないものがあるけれども,これぜひ明記した方がいいのではないかと,この四点ではなかったかと思います。  ありがとうございました。事務局でお答えになりますか? 事務局(田口課長)  何点かご質問いただいた中で,事務局の考えとしてお話しできたらと思います。  まず,前文の自己実現の機会が得られる旨の記載については,条例で自己実現の機会を保証するレベルまで定めることは難しいところですが,社会参加に繋がるですとか,活躍の場が広がるというようなニュアンスを取り入れることは,検討できるのではないかと思います。  次に,事業者の配慮については,例えば,採用ですとか,特定の場面について具体的に列記すると,市内の会社や,事業の種類が非常に多いものですから,全てを網羅しようとすると,条例のボリュームとして非常に膨れ上がるだろうと考えておりますので,市内の様々な事業活動を想定して,幅広く捉えたいということでの骨子案にしています。佐直委員のお話は,一旦持ち帰って検討させてもらいますが,現時点の考えとしては,ご説明した通りでございます。  次に,委任については,数年ごとに見直すかどうかというのは,その時々の社会情勢ですとか,国の動き,こういったものを見ながら,必要なときに検討を加えていきたいと思っておりますので,何年というのを機械的に区切ってということは,考えてないところでございます。  検証,進捗管理のようなお話もありましたけども,手話言語条例,それと後ほどご説明するコミュニケーション条例,いずれもいわゆる理念条例ということで,これらの条例の理念は広くどのような市民,事業者にも浸透させていきたい,という思いでつくる条例だと考えております。ですので,今日お集まりの皆さん以外の全ての市民,全ての事業者に理解いただいて,賛同してもらい,初めてこの条例が生きてくると考えておりますので,数値的な目標ですとか,期限を設定して進行管理をしていくというようなことは,この委員会でご議論いただいていることについて,普段接する機会が少ない市民の方や,事業者にとっては,負担感が出るのではと,心配するところもありますので,まずは,この条例の理念を広く周知して,浸透させていきたい。そのために必要な意見については,様々な機会を踏まえて伺っていきたいと考えておりますので,計画的に物事を進めるというのは,難しいのではないかと考えております。  財政上の措置については,例えば札幌市の条例の中には,財政上の措置はないと,委員からお話がありましたが,おそらく,札幌市の条例については施策の推進に関する規定がないため,その施策を推進するための財政上の措置の条項も必然的にない,ということだと思います。我々が今お示しした骨子案については,施策の推進として,6項目掲げておりますので,これを進める上では予算的な措置が必要となるため,骨子案の中では,財政上の措置についての規定を設けようと考えているところであります。 齋藤会長  現時点でお答えできる範囲で,事務局の方からお答えいただいたと思いますが,佐直委員,何かコメントがあれば。 佐直委員  見直していくことや評価していくこと,これに関しては,ぜひこれから検討して考えていっていただきたいと思います。  施行した,それだけで終わってしまってたら何も変わらない,変わらないことをきちんと自覚して,何が変わったのか,何が変わらなかったのか,どう変わっていかなければならないのか,これはみんなが自覚してやっていかなきゃならないことだと思うんです。  その機会として,ぜひともその評価する,また,必要に応じて見直していく,そういうのは明記していただきたいなと思います。 齋藤会長  それでは,他に何かご意見,ご質問がありましたら。 百合委員  今の問題ですけども,そもそも,この函館市手話言語条例,具体的には札幌市を念頭にお話ししますけども,おそらくこの手話言語条例の一番のポイントというのは,手話への理解促進と手話の普及についてであり,要するに,手話に特化した条例だという話になるかと思います。先ほど出てきた,ろう者との意思疎通のための必要な配慮を行うこと,というのは,実はおそらくコミュニケーション条例の方で扱うべき問題であって,手話言語条例内での事業者の役割についても,ろう者との意思疎通のための必要な配慮を行うこと,ではなく,要するに,手話の促進だとか普及だとか,そういう配慮をしてください,ということになるのかと。だから,札幌市の建て付けとしては,そういうことが書かれてない。つまり,手話言語条例内に,ろう者との意思疎通のための必要な配慮を行うこと,と書いてしまうと,それは手話も含んだ大きい意味でのコミュニケーションについての配慮になってしまうので,おそらく,そこを分けて書いた方がやりやすいのではないかなというのが私の意見です。 齋藤会長  骨子案2ページ目のろう者との意思疎通のための必要な配慮のくだりかと思いますが,むしろ,この意思疎通という部分については,後段議論するコミュニケーション条例の方の内容を含んでいて,むしろ,手話言語条例については,手話の理解,普及,促進といったような文脈の内容がここに含まれていた方が,より適切というか,そこを分けて,かき分けた方がいいのでは,という趣旨のご発言というふうに思います。  事務局からもいかがでしょうか。 事務局(田口課長)  百合委員から今いただいたお話に関しては,今後の作業の参考とさせていただきますが,確かに手話言語条例とコミュニケーション条例,若干オーバーラップする部分はあります。手話言語条例は,手話の言語性を土台にして,そこから派生する様々な役割という中に,事業者に向けたものも規定しており,その中身については,百合委員のおっしゃるとおり,理解促進や普及という部分もありますが,一方で事業者として事業活動における合理的な配慮の要素も含めたい,と考えておりました。コミュニケーション条例とのオーバーラップする部分はあると思うのですが,それぞれ(の条例)に事業者の役割として持たせたいというのが,現時点の考えでございます。  いずれにしても,委員からあったお話については参考とさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。 百合委員  わかりました。 齋藤会長  そのほか,いかがでしょうか。 石井委員  施策の推進のところで,5番目の手話通訳者の確保および養成に関することですが,私が求めているのは保障という部分です。つまり,手話通訳者の仕事,採用された後に,普通の会社に勤めている人の給料に比べて安い。本当に通訳という仕事をしたい,けれども,こんな待遇ではなれない,と断る人がいて,他の仕事をしている人もいます。今後のことを考えると,先ほどお話したように,子供のときから手話を学ぶ機会を得て,いつかは手話通訳者の道に繋がる,将来の仕事としてきちんと保障されているのであれば,通訳として採用になっていくのではないか。そのあたりの保障の部分をどのように考えて,この文があるのかを確認したいと思います。 齋藤会長  それでは事務局よろしいでしょうか。 事務局(田口課長)  今,石井委員がおっしゃったお話は,通訳者の経済的な保障に関することかと思います。  この条例はあらゆる市民,事業者に適用される条例となりますので,事業者としてそういった経済的な保障ができるか,という現実的な問題も多々あると思っています。全国的に見ても,手話通訳者の経済的な保障までをカバーしている条例というのはなかなかないと思っておりまして,その点,どこまで規定できるかは持ち帰らせていただきたいですが,難しいものがあると考えております。 齋藤会長  石井委員,いかがでしょうか。 石井委員  経済的な面,私の話し方も少し上手ではなかったんですが,子供たちが手話通訳になりたいという夢を持ちながら大きくなってくれて,私たちもそれを自信を持って薦められるような,あとは国家試験並みの,国家試験といえば非常に難しいですけれども,それを乗り越えてでも将来その仕事になりたい,その夢が自分の生活と結びつくような,そういう配慮といいますか,部分があったらいいなと思っていたわけです。 齋藤会長  それでは,ほかに意見ございますでしょうか。  よろしいですか。休憩を入れる時間でもありますし,一旦区切らせていただこうと思います。  今いただいた委員の皆様方からのご意見を,もう一度骨子案の中に反映させたものを次回議論した方がいいのか,それとも,皆様方のお話を聞いてますと,条例案というか,条文の書きぶりにも関わってくるのでは,というふうに感じまして。であるならば,むしろ骨子案を,再度出していただくよりも,そのニュアンスも含めて,次回は,条文案お示しいただく方法もあるかと思い,皆さんの議論を聞いてたのですが,いかがですか。その方がイメージしやすいのでは。     【委員から意義なし】    事務局よろしいですか。 事務局(田口課長)  委員長おっしゃったとおり,条文スタイルでお示しするよう作業を進めたいと思います。今日の皆様のご発言を伺っていても,具体の条文のスタイルを見た上で,ご意見をいただいた方が,イメージしやすいのではないかと思いますので,次回の委員会には,骨子ではなく条文のスタイルでご提示させていただくよう準備を進めたいと思います。ですので,本日お示しした骨子は,まずはこれでご了解をいただくということで整理をさせていただければと思います。  よろしくお願いします。   齋藤会長  事務局に了解いただきましたので,今までの議論の中で,委員の皆様方からご指摘いただいた内容は,やはり条文案としてどんなふうに反映されていくか,その書きぶり,ニュアンスの部分もかなりあるのでは,と思いますので,骨子案については,ひとまず今回これで了として,次回は,これをもとにした条文案をお示しいただくことで,この件については整理させていただきたいと思います。     【委員から意義なし】    ありがとうございました。  手話言語条例骨子案の議論は,ここまでとさせていただきまして,8時まで休憩をとらせていただきたいと思います。前半戦どうもお疲れさまでございました。 休憩   4函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)骨子案について   齋藤会長  それでは,会議を再開します。  後半は函館市障がい者コミュニケーション条例(仮称)の骨子案についてでございます。事務局から説明をお願いいたします。 事務局(小玉主査)   【資料3に基づき説明】 齋藤会長  ただいま,障がい者コミュニケーション条例の骨子案について説明がございました。  手話言語条例(仮称)の骨子案と足並みを揃えて,バランスをみて条文を作られ,骨子案を作られている,というような作りになっているかと思いますが,この骨子案についてご意見,あるいは何かご質問等あればいただきたいと思います。  いかがでしょうか。 三好委員  基本理念のところですけれども,情報取得の同時性というか,そういったことを意味する文言を入れて欲しいと思います。  聴覚障がい者の立場で言えば,どうしても周りの情報から取り残されてしまう,そういう部分がありますので,その場に行って健常者と同じように情報取得していけるという,そういうものを入れていただければと。目的の方で,障がいの有無によって分け隔てられることなくというふうにありますので,健常者と同様に,その場の情報をその場で入手できるような,そういった文言を基本理念に入れていただければと思います。 齋藤会長  はい。事務局から。 事務局(小玉主査)  ご意見を参考にさせていただきたいと思います。 齋藤会長  では,参考にさせていただきたい,ということですので,今後,条文を整理していく中で,この辺のニュアンスをどう含んでいくかというところで,少し検討させていただきたいということでございます。  その他,いかがでしょうか。 島委員  素朴な質問,疑問です。用語の解釈,定義のところで「等」というところが少し多いなと思ったので,聞かせてもらいます。「障がい者等」の「等」というのは,どういうものが含まれるのかという,何かお考えがあったら説明が欲しいと思いました。それから,その後の「障がいの特性等に」という言葉もいくつか文言出てくるんですが,こちらの「障がいの特性等に応じて」の「等」は,前者の「等」と同じなのかそれとも違うのか,はたまた,「障がいの特性等」というのは何を指して,この表現にしてるのか,というのを教えて欲しいなと思いました。  前者の方の「障がい等」の「等」の解釈については,例えば,障がい者手帳の有無に関わらず,とか,そういうコミュニケーションの困難を生じている全ての人たちが,この条例は対象としてみてるということがわかるような表現があるといいと思ったものですから,質問させてもらいました。 齋藤会長  島委員ご指摘のとおり,骨子案の中には,「障がいの特性等」,「障がい者等」という表現と,「普及,促進等」という,3か所で「等」という言葉を確かに使っておりますので,事務局から,もしご説明ができれば,お願いいたします。 事務局(小玉主査)  まずは「障がい者等」という部分ですけれども,前回の検討委員会で,島委員から,できるだけ広くというご意見をいただいておりましたので,それから三好委員からも障がい者手帳だけでなく,というお話もいただいていましたので,できるだけ障がい者手帳によらず,範囲を広げたいということから,障がい者等という表現にしております。  また,「障がいの特性等」の「等」については,前回の検討委員会で,島委員と小谷委員からも障がいの特性だけではなくて,その置かれた環境によっても使えるコミュニケーションが変わったりもする,というお話をいただいてましたので,そこをイメージした「等」としております。  齋藤会長からの,「普及,促進等」という部分は,施策の推進も含めた「等」としております。   齋藤会長  検討委員会での議論を踏まえて,できるだけ幅広く,そのニュアンスを拡張した形での「等」だったということでございますが,島委員,いかがでしょう。 島委員  ご配慮いただけたとのことで,ありがとうございます。  それでは,やはり条文になるときに,例えば,その用語の解説ですとか,注釈等で何か誤解を招かないような表現,例えば中失(中途失聴者)の方でいうなら,デシベルで日本の定めている数値に関わらず,ですとか,実際に聞こえにくいという障がいの特性が,ということも含めて対象にしてるんです,というような何かわかりやすいような,「等」として広げることはいいことですけど,濁してしまって本当に必要とするところに何か届かないという現象を招かないような配慮があってもいいのでは,と思いました。  よろしくお願いします。 齋藤会長  せっかくしていただいた配慮なので,誤解が招かないような工夫,調整が条文案の際にでも,工夫していただければという趣旨だったというふうに思いますが,それでよろしいでしょうか。(島委員,了承)  では,百合委員。 百合委員  骨子案の中に,合理的な配慮だとか,社会的障壁という言葉を使ってないことに何か意味がありますか,というご質問をしたいと思います。 齋藤会長  あえて,表現を避けたのでは?(という風にみえますが)  事務局からお願いします。 事務局(田口課長)  百合委員から話があった合理的配慮という部分については,この条例で盛り込む以前に,障害者差別解消法という法律の中で定められておりますので,そういった考えを踏まえてこの条例も配慮というものを取り入れていきたいと考えてますので,あえて法律に定まっているものと同じことを条例で定めるのではなく,その考え方を取り入れた組み立てにしたいという意味で,合理的配慮ですとか,そういった用語は用いてないところであります。 齋藤会長  百合委員。 百合委員  ありがとうございました。  もし,(条例案を)つくる上で,やっぱり,(合理的配慮などの)言葉を使った方がいいということがあるのであれば,おそらくもう検討はされてると思うんですけど,大阪市の方で,定義規定には書かないで,市の責務のところで,全部,合理的配慮も社会的障壁も書いていたので,参考にしてもいいのではないかと思います。 齋藤会長  大阪市の規定を,条文案を作っていくときの参考にということでございます。  事務局いかがでしょうか。 事務局(田口課長)  アドバイスいただきありがとうございます。  早速確認をして,参考にできればと思います。 齋藤会長  それでは,ほかに。いかがでしょうか。  はい,船橋委員。 船橋委員  障がい者コミュニケーション条例の骨子案で,施策の推進というところのD番なんですけれども,「コミュニケーション支援者の確保および養成に関すること」のところで,確保,養成のほかに配置というのは入らないのでしょうか。 齋藤会長  配置までは入らないかどうか。事務局から。 事務局(田口課長)  「配置」の意味するところが,人員配置という趣旨だとすれば,事業者にとっての一定の負担となることも考えられますので,その辺は慎重に検討したいと思います。  まずは,ご意見として受けとめたいと思います。 船橋委員  わかりました。ありがとうございます。 齋藤会長  条文案を出していただく段階で,少しその辺の調整が可能なのかどうか,少し持ち帰っていただいて,検討いただこうかと思います。 島委員  この条例の,少し要素面の話を,重きを置きたいという観点でお話をします。  コミュニケーションに関して,私達は特に,聴覚も皆さんもそうですけど,やはり,たくさん社会の中で情報・コミュニケートする,情報が行き来している中で,私達の特徴としては,そこについて行けない環境とか,置き去りに結果的になってしまっている状況というのが現実問題として存在してます。この条例の趣旨というか,とても大事なことは,そういう地域社会とか社会の情報社会の中で,置き去りを作らないんだという姿勢が,とても重要と個人的には思ってます。  そういう観点から,この条文をつくる上で,ここ函館市の中では,情報・コミュニケーションの中についていけないとか,そういう状況,環境をなるべく作らないという姿勢を,どこかに盛り込みたいという思いを持っております。ですので,具体的にどういう文言にすればいいのかという,名案は今まだないんですけど,例えば,情報・コミュニケーションの中で,ストレートにいえば,置き去りとならない,置いてかれない,ついて行けないような環境を作らない,そういう目的を,目標をもって,作って文言にする,ですとか,先ほど課長が自己実現も必要だけども,社会参加がすごく大事だというのも,この社会参加のために,コミュニケーション・情報というのは,とても必要で,そこに置いていかれてしまわないようにするために,やっぱり,対等に平等に自立と社会参加が実現できるコミュニケーションの環境作り,みたいなところの姿勢を盛り込んで,明記,明確にしていくと,より良い条例になっていくんじゃないかというふうに思うので,そういう観点で,組み立てていけたらいいな,というふうに思います。  ちょっと収拾つかない,分かりにくかったかもしれないですけど,そういう観点で今後,検討進めていただければ嬉しく思います。 齋藤会長  2点ほど,ご指摘あったと思います。  置き去りにしないとか,あるいはそういう姿勢を,条文の中で(何らかの形で)示すことができないか,というご提案と,それから,社会参加をするための,よりよい環境作りというところの視点も,この条文の中に盛り込んで,函館の条例の姿勢を示すような方法,何かないだろうかと,具体的に何か妙案があるわけではないけれども,ぜひ条文の中に盛り込むことができればということで,ご意見いただいたというふうに思います。  その他,いかがでしょうか。 大山委員  コミュニケーション条例の前文の3番目の「障がい者等が自らコミュニケーション手段を選択し,利用できる機会が可能な限り確保されるよう取り組む必要があること」とあるんですけども,「可能な限り」という言葉は,先ほど島委員が言ったように置き去りにしない,という観念からすれば,「可能な限り」という言葉はどういうことなんでしょうか。「できないということもある」という意味合いも含まれているものなんでしょうか。  条例作るのであれば,「利用できる機会が確保されるよう取り組む必要があること」でよろしいんじゃないでしょうか。  この「可能な限り」というのが,疑問を持ちましたので。 齋藤会長  「可能な限り」という文言,前文のところの「可能な限り」は,もしかしていらないのでは,というご意見だったかというふうに思います。手話言語条例の方には,「可能な限り」という表現がないので,もしかするとそこの整合を図ってもいいのかもしれませんが,事務局の方でもしお考えがあればお願いします。 事務局(田口課長)  今のお話は持ち帰って,条文作業の参考にさせていただきたいですが,「可能な限り」というのは,コミュニケーション手段を利用できる機会を,誰でも必ず確実に提供できるかというと,難しい場面とか,難しい人もいるだろうと思いますので,それぞれの方のできる範囲に合わせてという趣旨で,まずは「可能な限り」という表現を使わせていただきました。場合によっては,これしかできないですけどとか,これが精いっぱいですという場面もあるかもしれませんが,そこを条例の中で,それが駄目だとか,足りないとか,ということはなかなか難しいので,個々人のできる範囲に合わせた配慮とか,取り組みをしていきたいというイメージを「可能な限り」ということで表現したところです。 齋藤会長  大山委員。 大山委員  100%納得は,いきません。できれば,「可能な限り」という文言は削除していただきたいと思います。障がい者の方達のコミュニュケーション手段を選択して利用できる機会,何回も言うんですけども,そのときの対応でやっていったらどうなんでしょうか。条例に「可能な限り」という文言を入れないで,相談とか利用したいというときに対して,そのときに対応,というようなことはできないでしょうか。 齋藤会長  では,事務局から。 事務局(田口課長)  ここでいう利用できる機会が確保されるように取り組むのは行政だけではなく,例えば事業者が自らの事業をする上で,障がい者の課題に対して取り組む場合もありますし,友人,知人の関係の中で取り組む場合もありますので,それぞれの場面とか,できる範囲にはおのずと違いが出る,と思っておりますので,確実に確保されるように取り組みます,とは言い難いのではないかと思います。  ただ,大山委員ご指摘のとおり「可能な限り」という表現が仮になかったとしても,取り組む必要があることという部分で,努力していこうという方向性は読み取れるかどうかなど,今,お聞きしたお話を含めて考えてみたいと思います。 齋藤会長  では,大山委員。 大山委員  わかりました。ありがとうございます。  時間もありませんので,これで終わりにしたいと思います。 齋藤会長  ご指摘の点,条文案を議論していく過程で少し,また,皆さんとご協議できるかと思います。  そのほか,いかがでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは,こちらにつきましても,先ほどの手話言語条例と同様に,委員の皆様方のご意見がどういう条文になってくるのか,というところを少し眺めながらまた協議した方がいいかなと,いうことで,いかがでしょう。    【委員から異議なし】    よろしいですか。  それでは,こちらについても,骨子案はこれでひとまず協議としては了とさせていただいて,その上で,いただいた皆様方の意見を踏まえた条文案を次回は示していただいて,そこでまた皆様方と議論したいと思いますが,事務局それでよろしいでしょうか。 事務局(田口課長)  承知いたしました。 齋藤会長  それでは,そのように進めていただければと思います。  事務局にご負担かけますけれども,どうぞよろしくお願いいたします。 5その他   齋藤会長  それでは5番目,その他でございますが,最後に皆様方から何か,その他,ございますでしょうか。    【特になし】    よろしいですか。  それでは,事務局から何かありますか。 事務局(小玉主査)  本日,委員の皆様方に骨子案をまとめていただきましたので,今日いただいた意見を参考として,次回の委員会では,条例案をお示しできればと思っております。  次回の会議につきましては,今年度内の開催を予定しております。  日程が決まりましたら,ご案内をお送りいたしますので,よろしくお願いいたします。 齋藤会長  大変ですけど,よろしくお願いいたします。 6閉会   齋藤会長  では,以上で本日の会議,終了させていただきたいと思います。5分ほど超過しましたけれども,ボリュームの割にはスムーズに進行できたかなと思います。  ご協力ありがとうございました。  では本日これで終わりにいたします。  ありがとうございました。 2